
「親族のみの結婚式」は盛り上がらない? その不安、プロが解消します
今、親族婚を検討するカップルが増えているようです。ところが「親族のみの結婚式って盛り上がらないかも!?」の不安がよぎる人も多いそう。そこで、さまざまな親族婚をプラニングしてきた柳田絵理香さんに、“親族婚を盛り上げる秘訣(ひけつ)”を聞きました。まずは親族のみの結婚式の実態からチェック!
Q.親族婚、挙げてみてどうだった?
A.ふたりも親族も「大満足」の声が続々!
親族婚を挙げたカップルから、想像を超えた歓喜の声!「派手婚が苦手な人におすすめ」「みんなと平等に会話ができた」「少人数だから最高ランクの料理でおもてなしできた」などの声も届きました。
Q.どうして親族婚にしたの?
A.「派手にしたくない」「感謝を伝えたい」 「リラックスしたい」
親族婚を選んだ理由はいろいろ。一番多かったのは「派手にしたくない」「大規模にしたくない」という“小規模志向”。「感謝を伝えたい」「気楽」「リラックスしたい」の声も多く、また予算を抑えるために親族婚を選んだ人もいました。
Q.親族婚、盛り上がるか心配した?
A.約半数が「心配した」
「心配した」要因第1位は「少人数だから」。次いで「両家親族が初対面だから」「親族の集まりだと、みんなついかしこまってしまうから」という結果に…。
では、親族婚を盛り上げるにはどうしたらよいのか、プランナー・柳田さんに聞いてみましょう。
プロが教える
「親族婚を盛り上げる」5つの方法
[1]ゲストの顔触れを思い描くことから始めよう
Fromプランナー

「実はお父さんは家ではこういう人で」「おばあちゃんとこんな思い出があって」と、ゲスト一人一人の顔を思い浮かべながらふたりの間でも事前にたっぷり会話をしてみてください。親あいさつや両家顔合わせだけでは分からなかったお相手家族の一面を知ることができ、同時に自身の親族に思いを巡らす時間にもなります。きっと、どんな親族婚がふたりらしいのかが少しずつ見えてきますよ。
Photo1.
「プランナーさんとの打ち合わせでのヒアリングで、どんな家族の中で育ってきたのか話を引き出してくれて。お相手の家族はもちろん、パートナーの知らない一面も知るきっかけに」。写真はゲストがふたりを紹介する他己紹介
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ゲストへの思いを深め、当日は1人ずつ一緒に記念撮影
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ゲスト一人一人が主役になるよう、全員のソロショットもオーダー
(3枚ともS.M.さん&T.M.さん)
取材協力:Coco style WEDDING
[2]親族のみの結婚式の方向性を決めよう
Fromプランナー

親族婚をどんな時間にしたいのか、何を伝えたいのかを話し合ってみましょう。「両家が仲良くなってほしい」「感謝を伝えたい」など目指すスタイルはいろいろ。方向性が定まると、盛り上がる席次・盛り上がる演出を具体的に検討できます。例えば「会話を楽しみたい」なら高砂席はつくらずふたりもゲストと同じテーブルに着席したり、「記録をたくさん残したい」なら高砂席をフォトブースのようなしつらえにするのもおすすめです。
Photo1.
「両家が仲良くなってほしい」という気持ちで親族婚に。会場に貸し別荘を選んだポイントは、大きなソファがあったこと。自然と両家がそこに集まり、おしゃべりが弾み、心の距離も急接近
Photo2.
「まずは体を動かして緊張を解いてもらおう」と、絵の具をこねて結婚証明アイテムのボード作り
Photo3.
両家が仲良くなるよう、父同士、母同士でのケーキの食べさせ合いは大盛り上がり!
(3枚ともS.M.さん&T.M.さん)
取材協力:Coco style WEDDING
[3]儀式や演出の意味を共有し、その瞬間の感情を伝え合おう
Fromプランナー

ベールダウンやバージンロードを歩くとき、仕事関係や友人が大勢いると、つい“きれいに見せる”ことに意識が向いてしまうものですが、親族婚は身内のアットホームな空気感だからこそ湧いてくる素の感情があります。ぜひセレモニーや演出の意味合いを親御さまとも共有し、そのときの感情をそのままに言葉や行動にしてみてください。
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「パーティは両家の親睦を深める会にしたい」という思いから、挙式で親への思いを伝える場面を設けた。ベールダウンは母とふたりきりで行い「きれいだね」の言葉を受けて胸が熱くなった。式後に感謝の手紙を読むと父は「ありがとう、ふたりで頑張ってね」と号泣。
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幼少期のスライドを常に投影しておくことで、思い出話に華が咲き、ふたりがいない時間帯も両家で会話が盛り上がった。(2枚ともryukiさん&minaさん)
Photo3.
「結婚式だからこそ、素直な思いを言葉で交わすことを大事にしたい」と挙げた親族婚。自然にハグをする場面も。(Yさん&Rさん)
取材協力:Coco style WEDDING
[4]ゲストのキャラクターに合った演出を考えよう
Fromプランナー

身内だけの親族婚とはいえ、人前でお話しすることに緊張される方も少なくありません。そんなときは、当日サプライズでお願いするのではなく、事前に相談して気持ちの準備をしていただくのが安心です。社交的な方であれば「夫婦のお手本として、お父さまからお母さまへ日ごろの気持ちをひと言お願いします」とプチサプライズインタビューを取り入れるのも素敵です。雰囲気に合わせて、無理のない範囲で楽しんでみてくださいね。
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会話が弾むよう、席に「お話カード」を用意。「ふたりにひと言・ふたりとの思い出・マイブームなどどれか選んで話してください」のメッセージを添えて、話す心の準備もできるように。(せいなさん&ゆりさん)
取材協力:カラフル/フェイン
[5]プロの司会者に空気をつくってもらおう
Fromプランナー

親族婚は少人数が多いので、司会がいなくても「進行」は成立するかもしれません。でも司会の役割はそれだけではありません。ふたりの気持ちを代弁して空気をつくり上げてくれます。当日はふたりも食事をし、ゲストとも会話をして、自分の言葉で全てを語るのは正直なところ難しいものです。第三者の司会者の力を借りることで、思いが伝わりふたりらしい空気に。理想の雰囲気をリクエストしておくことも大切なポイントです。
まだある!親族婚が盛り上がるコツ
*生演奏の音楽で空気を温める
*謙遜してしまいがちな自己紹介ではなく、母が叔母を紹介など“他己紹介”にすると、両方の人柄が伝わる
*親族全員に、自由に撮ってもらうインスタントカメラを配る
*実家のアルバムをそのまま持ち込む
「盛り上がりました!」親族婚レポート
両家顔合わせを兼ねた親族婚、事前の親取材で最初からほんわかムード
新婦の実家が遠方のため、両家顔合わせを兼ねた親族婚にした。ふたりの生い立ち写真に添える紹介文作成のために、花嫁から両家の親に事前取材。そのおかげで相手親とも交流が深まり、当日は壁に貼った写真コーナーがワイワイ大にぎわい。「娘を見て楽しんで」と招いた新婦父は、まな娘の写真撮影に没入!親族からは「久々に集まれて良かった。招いてくれてありがとう」の声が届いた。(せいなさん&ゆりさん)
[ゲスト]10名
[会場]少人数専門のゲストハウス
取材協力:カラフル/フェイン
ホテルを全館借り切った親族婚、夜が深まるほどに絆も深まり…
何よりも家族への感謝を大切に、両家から車で数時間のホテルにみんなで宿泊する親族婚を挙げた。特別な進行は設けなかったが、新郎母が幼少期の新郎の話を始めると、自然とみんながふたりの思い出話になり、笑いと涙に包まれた。お開き後はパジャマで両家集合!夜が深まるほど濃ゆい時間に…。親族の名前を書いたリボンを1人ずつリングに結んでもらった結婚証明アイテムは、後日、友人とのパーティで“友リボン”が加わって完成。(Tさん&Mさん)
[ゲスト]10名
[会場]ホテル
取材協力:wedding produce coconoem
婚姻届提出から3年目に新築マイホームで親族婚、毎年の定点写真もお楽しみ
「写真だけ撮ろうか」「ドレス姿を親に見せた方がいいよね」「きょうだい同士も会う場を設けたい」とぼんやり考えているうちに、婚姻届提出から3年たち、新居も完成。結婚式会場でのパーティもイメージと違うと悩んだ末、マイホームを会場にして親族婚を挙げることに。父と階段から入場し、カジュアルにケーキ入刀をして、両家母と切り分け、みんなでお茶会のようにワイワイと。全部屋で撮影したので、来年からは毎年同じ場所で記念撮影するのも楽しみ。(Yさん&Nさん)
[ゲスト]11名
[会場]ふたりの自宅
取材協力:Coco style WEDDING
From 編集部
親族婚を盛り上げる秘訣(ひけつ)は下準備にあり!
親族婚は、身内の結婚式。「寂しくなりそう」「盛り上がらないかも」と不安を抱えながらも、「でも少人数だし食事会スタイルでいっか」と下準備を怠ると、不安が現実のものになるかも…。親族婚だからこそ、一人一人にていねいに思いをはせて、両家の思い出に残る門出にしましょう。

柳田絵理香 Coco style WEDDING フリーウエディングプランナー
北海道全域で、会場やウエディングスタイル選びからサポートし、ふたりと大切な人たちが心から納得できる結婚式を提案するCoco style WEDDINGで活動中。新郎新婦の人柄や価値観から生まれるコンセプトを基に、「ふたりならでは」のオーダーメイドウエディングを届けている。
構成・文/千谷文子 D/mashroom design
※サムネイルはYさん&Rさん(取材協力:Coco style WEDDING)
※記事内のデータおよびコメントは、2025年3月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー30人が回答したアンケート、ならびに2年以内に親族婚を挙げた110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2025年5月時点のものです
- 挙式・披露宴
- 式イメージ収集期
- ゲスト
- 温かい
- ふたりらしい
- 家族の絆
- 感謝
- アットホーム感
- 感動
- ほっこりしたい