結婚あいさつの直前、親はどんな気持ちだった?~3つのStory~

結婚を決めたら次のステップは「親あいさつ」。ふたりがドキドキするように、実は親の胸の内もザワザワとワクワクが混ざったような特別な思いが巡るよう──。喜び、寂しさ、緊張など…わが子から結婚の話を聞き、親あいさつを迎えるまでの“親の気持ち”に迫ります。
結婚を決めたら次のステップは「親あいさつ」。ふたりがドキドキするように、実は親の胸の内もザワザワとワクワクが混ざったような特別な思いが巡るよう──。喜び、寂しさ、緊張など…わが子から結婚の話を聞き、親あいさつを迎えるまでの“親の気持ち”に迫ります。
親あいさつを経験した親112人に、親あいさつ前の気持ちを聞いたところ、一番多かったのは「緊張する」が64人。次いで「嬉しい」が43人、「落ち着かない・ソワソワする」が40人(複数回答)。「緊張する」という親の胸の内には、同時に「嬉しい」「楽しい」という感情もあり、複雑な気持ちで当日を迎えるよう。
初対面だったので、とても緊張しました。(母57歳・北海道)
息子が選んだお相手に会えると思うと、嬉しさが湧いてきました。(母58歳・福岡県)
人柄は聞いていたので不安はなかったけれど、「初めて会うお相手とうまく会話できるだろうか…」と落ち着かなかったですね。(父58歳・岩手県)
以前からお相手のことは聞いていて、「いよいよ会えるのかー」のワクワクが!(母54歳・大阪府)
3組の親子に、「親あいさつ」を迎えるまでの舞台裏をインタビュー。そこには、ふたりが想像もしなかった親心エピソードが潜んでいました。
遠距離恋愛中の彼女の元へ彼がやって来て、プロポーズ!すぐに彼女は親に電話を…。
彼女「明日、予定通り彼とうちに行くんだけど…さっきプロポーズされた」
母 「えっ!?おめでとう!!!」
彼女「彼が『お義父さんに直接話したい』って。お母さんにも協力してほしいの」
母 「もちろん協力するよ」
翌日。彼は、すでに彼女親と仲良しなのにド緊張。ようやく父に結婚の話を切り出すと、「ジャケット着てるから何事かと思った。こんな娘でいいのか?」と快諾してくれた。
すると母は、娘が大好きなオレンジや黄色の花束をふたりに──。「素敵な人を見つけてよかったねのお祝いと、思い出といろんな想いを込めて」
彼女は昨日の急な相談から準備してくれたことに驚き、涙が込み上げて、結婚を実感した。
彼の言葉を聞くまでは、緊張してソワソワ。でも、彼の誠実で優しさに溢れる様子に安心しました。(あみあみさんの母・A.Tさん)
親と彼は何度も会っていたけれど、きちんとあいさつをしてくれて良いスタートに。母には事前に伝えておいた安心感がありました。(あみあみさん)
何でも話せる友達みたいな母なのに…。結婚に向けた彼との同居に反対するでもないが、いつもとは違う態度。
彼女「おめでたい話なのに、どうしてそっけないの?」
母 「自分たちで決めていくことだから口出ししないだけ」
彼女「いつもなら楽しく盛り上がって相談に乗ってくれるのに、寂しいよ…」
母 「…うん。お相手はどんな人なのかな。1人になると思うと寂しくて…」
親の気持ちに気付かなかった彼女は、「結婚してもずっと娘だし」「近くに住む」「お世話になる気満々で」「会ったら素敵な人で安心するよ」と言葉を重ね、以前にも増して母と会話をするように。親子旅行にも繰り出した。
いよいよ親あいさつで彼と対面した母は「話しやすくていい人」と安心し、いつもの元気な姿に。「急に結婚式が楽しみになりました(笑)」
娘が選んだ人なら間違いないと思いつつ、どんな人?大事にしてくれるの?といろいろ考えてしまって…。親あいさつの場で娘が席を外した際に「大切にします」と言ってくれて、感激しました。(あやかさんの母・萓原さん)
普段の何げない親子の会話の中で、相手とのエピソードを話しておくとよさそう。当日も「その話、聞いたよ!」と盛り上がりました。(あやかさん)
彼女「親あいさつは〇月〇日〇時ごろで調整するね」
母 「わー何だかドキドキする」
彼女「ウケる、何で?」
母 「だってうちは姉妹で女の子しか育てたことないし、男性が来るなんてめったにないから接し方もわからないし…緊張する。でもこんな日が来るなんて嬉しいよ!」
娘から「彼は緊張しやすい」と聞いた親は、歓迎ムードにしようと準備。彼の好物のウナギを用意して、着席する場所はきちんと感あるダイニングテーブルにするか、アットホームにこたつにするか父母で協議。取りあえずはどっちも入念に掃除をし、悩んだ末にこたつ開催となった。
「緊張する親の姿なんて見たことがなかったから新鮮だったし、親あいさつはそれほどに人生の大きな節目なんだと感慨深くなりました」と彼女は振り返る。
彼の好物である、地元名産のウナギを用意することができて、私たちの大歓迎の気持ちは伝わったのではないでしょうか。緊張したけれど、和やかで楽しい時間でもありました。(ゆいさんの母・ゆうこさん)
当日ダラダラと長引かないよう、「何時ごろになったら話をまとめる方向にしよう」と、事前に親と作戦を立てていたのもよかったです!(ゆいさん)
親あいさつに向けて、ふたりは服装や手土産を検討したり、結婚あいさつの言葉を考えあぐねたり。その裏では、揺れる親心エピソードがありました。自分たちの準備はもちろんのこと、自分の親と心寄せて対話する時間も大事にしてくださいね。
文/千谷文子 イラスト/水元さきの 構成/山川眞侑(編集部)
※記事内のデータは、2025年2月に実施した半年以内に子どものパートナーが結婚のための親あいさつに来たことがある40~60歳の男女112人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2025年7月時点のものです