ゼクシィ PRODUCED BY RECRUIT

 

ゼクシィ最新号をチェック!

  1. 結婚情報ゼクシィTOP
  2. ゼクシィ WEB MAGAZINE
  3. 新生活・保険・家計
  4. 新居・インテリア
  5. 【新居購入】いつにする?ずっと賃貸でいい?専門家アドバイス
コラム・連載
Share on>

【新居購入】いつにする?ずっと賃貸でいい?専門家アドバイス

これから始まるふたりの生活、どんな住居で暮らしていきたいですか?結婚を機に持ち家の購入を計画している人もいれば、今後の暮らし方の変化も見据えて、住み替えやすい賃貸住宅を選んでいる人もいるのではないでしょうか。結婚したてのふたりが、将来も見据えながら、住宅の選び方をどのように考えていったらよいのか、最新の住宅トレンドの動向も踏まえて、専門家にアドバイスしてもらいました。

新婚カップルの住宅事情や、将来の住まいに対する考え方を、過去2年以内に結婚した20~30代の女性220人にアンケート。まず、現在の住まいはというと、7割以上のカップルが賃貸住宅という結果に。自分の家を持っている夫婦はまだそう多くはないようです。

「このまま賃貸でいいのかな」「早めに住宅の購入を考えた方がいい?」とお悩みの方も多いのでは。今回は、住宅トレンドに詳しい『SUUMO』副編集長の笠松美香さんに、結婚後の家選びについてのアドバイスを頂きました。

アドバイスいただいたのは

『SUUMO』副編集長 笠松美香さん
笠松美香さん

『SUUMO』副編集長として『SUUMOジャーナル』をはじめとする情報コンテンツを担当。また、SUUMOから発信するニュースやノウハウ等の編集記事の責任者として、全国各地の住宅や街づくりのトレンドの発信や講演活動も行っている。

持ち家と賃貸。将来はどちらに住んでいると思う?

まずは、ふたりの未来予想図を質問。持ち家と賃貸、将来はどちらに住んでいると思うかをお聞きしました。結果は約60%の人が「持ち家」と回答。特に、子育てを考えて、将来は家を購入したいという意見が目立ちました。一方で、将来も賃貸住宅を選びたいと思っている人も約17%。「通勤先や子どもの進学先に合わせて引っ越ししやすい」「そのときの自分に合った環境を選びやすい」など、将来の見通しが定まるまでは、賃貸の身軽さにメリットを感じるといった意見が寄せられました。

「持ち家と賃貸、どちらがいいかは、住んでいるエリアの住宅事情をはじめ、ふたりのライフプラン、どのような暮らし方をしたいかによって変わります」と笠松さん。特に、昨今、不動産価格が高騰していることもあり、住宅事情のエリア差は大きく異なるといいます。賃貸、持ち家、それぞれのメリット・デメリットと、地方と都市部で異なる住宅事情を知り、ふたりのライフプランに合わせた住宅選びを進めていきましょう。

将来、住みたいのはどっち?

アイコン2

【持ち家派】
子どもがいることを考えると、広さが必要だったり、庭が欲しかったり、自分で自由にできるため。(yさん)

アイコン1

【持ち家派】
家賃×生涯で考えると、持ち家の方がお得に感じるから。(にゃむさん)

709351

【賃貸派】
会社から賃貸なら家賃補助があるのでしばらくは持ち家は考えていません。老後を考えても、今は高齢者専用のマンションなども増えており、持ち家にしたときの固定資産税やリフォーム代を考えると賃貸の方がよいと思います。(夏鈴さん)

アイコン3

【賃貸派】
持ち物をあまり増やさず、身軽に生活していきたいため。(N.Mさん)

584950

【迷い中】
マンション価格が高いので、どのタイミングで購入をするべきか、子どもの教育環境にも影響するので立地はどこがいいかなど、悩んでいます。賃貸で都市部に住み続け、定年後に地方に移住するのもありかななど考えています。(梨央さん)

お金の不安と、住宅へのこだわりにまつわるお悩みが多い

理想の住まいを得られたら一番いいのですが、実際は、すぐに実現させるのは難しいもの。新婚カップルの住宅選びにおいて、どのようなハードルがあるのか、お悩みや要望を調査したところ、以下のような結果に。

1位「貯蓄が少ない」(43.6%)
2位「収入が少ない」(27.7%)
3位「住宅の広さや間取り、設備にこだわりや制約がある」(20.0%)
4位「住む地域にこだわりや制約がある」(15.9%)
5位「収入が不安定」(14.5%)
6位「転勤が多い」(13.6%)
※複数回答

上位に挙がったのは、やはり、お金のお悩みです。特に、持ち家を得るために必要な「頭金」が気にかかるなど、貯蓄の少なさが住居を決める際の選択肢に影響しているようです。

「実は今、住宅を購入している方の多くが、頭金はなしか一割未満で買われています(※)。そのため頭金についてはそこまで気にしなくてもよいでしょう。ただし、貯蓄や収入が少ないなど、ローンを組むのに不安のある方の場合、まずは賃貸にし、どのくらいお金を貯められるかを見た方が良いですね」(笠松さん)

※SUUMOの調査では、2024年の首都圏の新築マンション契約者のうち、頭金0%という人が19.8%、0%超10%未満が36.2%

住宅選びで悩んでいる点は?

1

【貯蓄が少ない】
今はまだ自分たちの生活の基盤や好きなことをするためにお金を使いたいため、住宅購入に向けた貯蓄をできていないから。(まぐろさん)

2

【収入が少ない】
年齢が若くまだ収入が少ないので、生活が安定しローンを返せる見込みができてから購入したい。(okayamayyyさん)

3

【広さや間取りが悩み】
子どもを何人持つか分からないので、どれくらいの広さの家を購入すればよいか悩みます。(fさん)

1

【住む地域が決められない】
夫と私ではお互い地元も離れており、現在の勤務地も離れているため永住場所を模索中です。(ちゃむさん)

2

【収入が不安定】
妊娠中で産後しばらくはフルタイムで働くのが難しい見通しです。収入が不安定なので、住宅の購入はもう少しお金が貯まってからにしたいです。(haruさん)

【賃貸】のメリットはライフステージに合わせて住み替えやすいところ

「賃貸のメリットは『都度最適』をとれるところです」と笠松さん。都度最適とは結婚、出産、職場の変化など、ライフステージの変化に合わせて、その都度、最適な選択肢を選べるということ。「例えば、都市部の賃貸なら、何かとアクセスがいいのでタイパが良い暮らし方ができますし、伸び伸びとした田舎暮らしを求めるなら、地方にアパートをサブスク的に持つなどの選択をする方もいます」(笠松さん)。

さらに、以前は敷金が家賃の1~3カ月分、礼金が1~2カ月分程度必要だったのですが、今は礼金無し、敷金も1カ月分といった物件が多くなっていることも住み替えのしやすさの後押しになっています。

一方、デメリットは、分譲住宅や、注文住宅などは一般的に設備や断熱性など、質が高いのに比べ、賃貸住宅は、オーナーにとっての利回りが優先されがちなため、どうしても品質の高い住宅が少ないことが挙げられます。また、資産形成につながらないところも賃貸のデメリット。持ち家はローンを組みながらの購入であっても、将来的な老後の安心につながる「資産」になるため、ここは大きな違いといえます。また、家賃自体も、この10年で都心では2割ほど上がっている現状も押さえておきましょう。

【持ち家】は全般的に質が高く、資産になるのがメリット

「持ち家のメリットは、断熱性などの品質面や設備などにおいて、賃貸と比べ、質が高いところと、資産になるところ」と笠松さん。注文住宅の場合は、自分で品質やデザインなど優先したいことを選べますし、分譲住宅や中古住宅も自分好みにカスタマイズできます。

「必ずしも持ち家=永住と考えなくてもよく、得た資産は、売っても貸してもOK。実際、ライフステージの変化に合わせて、その時の自分に合った住居に住み替えていこうとする方も増えています。とはいえ、不動産は売るとなると手間もとてもかかることなので、購入物件は慎重に選んでください。また、購入後も、資産形成という意味では、買った家が今いくらの価値を持っているのか、常に目を配っておいた方がいいと思いますね」(笠松さん)

賃貸と持ち家、結局どっち?

都市部と地方で選び方が異なります
笠松美香さん

このところ、都市部の不動産価格が高騰していて、特に都心の住宅は今や高額すぎてなかなか手が出せません。一方、地方は不動産価格は大都市ほど高くはありません。都市部住まいと地方住まいでは、住まいの選び方が異なりますので、次から詳しく説明しますね。(笠松さん)

都市部は新婚なら賃貸が現実的。購入は候補地の住み心地を確認した後に

「都市部では住宅価格が高いため、結婚当初はまずは賃貸を選ぶのが現実的です。将来、自分の家を買うことを目指し、頑張ってお金を貯めたいタイプの方は、通勤が多少不便でも、安めの賃貸物件で固定費を抑えるのがおすすめです。また、暮らしの楽しみを優先したいタイプの方にも賃貸住宅は合っています。例えば、都会暮らしを目いっぱい楽しみたいなら都市部の賃貸住宅が向いていますし、アウトドア志向の方なら郊外で車のある暮らしができる場所を選んだりと、その時々に優先したい楽しみに合わせて、住み替えしやすいのが賃貸のメリットです。

子どもが生まれてから、家の購入を考える人は多いものですが、住み心地が分からない地域の物件をいきなり購入すると、思っていたのと違った、というリスクもあります。まずは物件購入を考えている地域で賃貸生活をしながら生活環境を確認して、通勤や子どもの通学、金銭面などの条件を整理してから買うのが賢明でしょう。

一戸建て住宅かマンションかで迷っているなら、都市部ではマンションの方が駅に近くて生活の利便性が高いといえます。また、マンションの場合、たいていは企画型の商品で大きな差はない一方で、戸建ては家の状態や物件のある場所によって金額に大きな差が出ます。将来売るときに、相場がわかりやすいからとマンションを選ぶ人も多いです」(笠松さん)

地方の方は早めに住宅を検討してOK

「地方にお住まいの方は、新婚当初こそ賃貸住宅でスタートしていても、ふたりの目線や条件が整えば、早めに持ち家を購入するのも良いでしょう。

地方では転勤や転職が比較的少なく、永住志向が強めということもあり、結婚や出産を機に住宅を購入する人が多くいます。不動産価格も都市部ほど高くないですし、物件の購入を検討する地域の住み心地についても概ね知識があり、家を買うエリアの目星がつきやすいもの。また、若い家族向けの一戸建て住宅が多く販売されているエリアなどもあり、購入に踏み切りやすい条件が揃っています。

新婚時はいったんは賃貸に住むのが一般的ですが、夫婦の意見が一致していれば購入を検討してみては。毎月の家賃を払い続けるなら、同じか少し上程度の金額でローンが組める物件なら、購入した方が資産になります。若いうちに購入すれば、老後の負担の軽減にもつながります。ただ、親も不動産を持っていて、今後相続することもあるのならば、親の今後の暮らし方も含めて、長期的にどうしていくか、一度、家族会議をしてみることをおすすめします」(笠松さん)

将来持ち家に住み替えるとしたら、いつ頃が希望?

「今は賃貸住宅だが将来は持ち家に住んでいたい」と考えている方90人に、アンケート回答時から何年後までに持ち家に住んでいたいかお聞きしたところ、7割が「5年以内」と考えていました。やはり所有できない賃貸住宅にお金を払い続ける期間は短くしたいという希望が多いようです。実際のところ、どのようなタイミングで購入を検討するのが良いでしょうか。

「不動産は、欲しい物件が見つかったら動くべき。同じものは一つとしてないので、後から似たような物件が出てくるかな、とは思わない方がいいかもしれません。お金を貯めるのを待つよりは、タイミングが合って、気になるいい物件があったら、いったん、買えるかどうか動いてみることですね。

今は多くの方は頭金がなし、もしくは1割未満で買われているので、資産が欲しいなら、貯まるまで待つ必要はあまりなく、今後金利が上がっていってしまった場合、利子分の返済額が大きくなってしまいます。また年齢が高めでもローンを組むことは可能です。もしお金の心配があるなら、まずは銀行に相談して、自分たちの収入でどんな選択肢があるか探してみるのもおすすめです。築年の古い中古住宅を、オーナーから買い取ってリノベーションして販売する『買取再販物件』なども増えており、新築だけにこだわらず、さまざまな選択肢を視野に入れて検討してみてください。コンパクトな平屋を選ばれる若い方も増えています」(笠松さん)

親の老後をどう考える?

親世代も自由に生きたい人が増えています
笠松さん

親と将来、同居する可能性を考えて、住宅の購入に踏み切れない方もいるかもしれません。でも、親によほど強い同居の要望がない限りは、 今は、親も子どもも、お互いそれぞれの自由な生き方を選ばれていることが多いように見受けられます。親の健康に大きな問題がなければ、同居を無理に考えず、ふたりのライフプランに合わせて住宅を考えるのがいいのではないでしょうか。(笠松さん)

From 編集部

ライフステージの変化に合わせて、柔軟な住み替えを

「賃貸でも持ち家でも、ライフステージは意外と一瞬で変化します」と笠松さん。昔は子育て期間が長かったのですが、今は子どもが1人か2人の家庭が多く、子育て期間は約20年と人生全体で見ると案外短いもの。その後の人生の過ごし方を充実させるために、子育て後に、理想の暮らし方ができる街へ引っ越すといったライフプランも選択肢の一つだそう。柔軟な考え方で、ふたりの暮らしに合った住み方を選んでいってください。

取材・文/河内千春 イラスト/ふち
※記事内のコメントは2025年1月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー88人が回答したアンケート、および2年以内に結婚した20~30代の女性220人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2025年3月時点のものです

  • 挙式後
  • 新居・家具
  • 新婚生活
  • 結婚準備全体
Share on>

pagetop