ご祝儀は新札じゃなきゃダメ?マナーや新札の入手方法、新紙幣まで解説
結婚のお祝いとして包むご祝儀。新1万円札はおめでたい場にふさわしくないとか、新札を用意するのが常識など、ちまたではいろいろ言われていますが本当のところ、どうなのでしょうか?そこでマナーの先生の意見も伺いながら、ご祝儀のマナーについて解説します。
結婚のお祝いとして包むご祝儀。新1万円札はおめでたい場にふさわしくないとか、新札を用意するのが常識など、ちまたではいろいろ言われていますが本当のところ、どうなのでしょうか?そこでマナーの先生の意見も伺いながら、ご祝儀のマナーについて解説します。
岩下宣子さん
マナーデザイナー
現代礼法研究所代表。NPO法人マナー教育サポート協会相談役理事。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏に師事。企業や学校などでマナーの指導、研修、講演などを行う。著書も多数。
「新生活が始まるのでお札も新しいものが門出にふさわしい」「おめでたいこの日のために前もってシワや汚れのない新しいお札を用意しておきました」という気持ちの表れとして新札を用意することが多いようです。
ちなみに新札とは発行されてから未使用のままのお札であり、ピン札は使用された可能性はあるものの、シワも折り目もない状態のお札を意味します。ですから、新札が用意できなかった場合は、アイロンなどでシワを伸ばすなど、きれいな状態に整えた上で包めば、新札でなくても問題ありません。
マナーの心は相手を大切にする思いやりの表現です。自分がされて嬉しいことを相手にもするというのが根本にあります。日本人は贈り物をするとき、他の人に何かを渡す際により清潔できれいなものを選ぶという意識があり、昔は新札が手に入らない時には、お金にアイロンをかけたり、新券が手に入ったときには、それを手元に置いて他の人に渡す際に使うようにしていました。
特に新婚の方には、冠婚葬祭の際に新札が必要になることもありますので、少し手元に新札を用意しておくことをおすすめします。新札が用意できず手持ちのお札を包む場合でも、きれいな状態に整えてお渡しするという思いやりの気持ちが大事です。(岩下宣子さん)
銀行窓口の営業時間内(一般的に平日は9時~15時まで)であれば窓口で両替が可能です。基本的にキャッシュカードを持っている銀行であれば1日に1回10枚までなら無料で新札に両替してもらえます。ただし両替可能な枚数や手数料は銀行により異なるので、事前にホームページで確認してから行くといいでしょう。
銀行によっては新札に交換できる両替機を設置しているもあります。ただし両替機を利用するには両替機専用のカードやその銀行のキャッシュカードが必要な所もあるので、事前に確認しておくと安心です。
ゆうちょ銀行は両替は業務でないので、新札への両替は基本的に行っていません。ただし、郵便局によってはサービスで数枚なら応じてくれる所も。事前に利用する郵便局に確認しておくとよいでしょう。
平日に休みが取れる仕事なので、平日に銀行に行って両替機で両替をしました(まりさん)
親から「ご祝儀は銀行で新札を用意するもの」と教わっていたので事前に銀行に行って新札に替えてもらいました(麻友さん)
気が付いたのが夜だったのでATMで大量に引き出してその中から新札を探しました(ちゃんさん)
コンビニのATMは多くのお札を詰めておくため、新札が出てくる可能性はほかのATMより高いという説も。多めに引き出してみると数枚は新札が入手できる可能性もあるので試してみるのも手。ただし土日はATM手数料がかかる場合があります。
また、結婚式を行うホテルや式場の場合、新札を用意しているところも多いはず。結婚式までに新札を用意できなければホテルや結婚式場に問い合わせてみましょう。
土曜日に新札がないことに気づき慌ててATMへ行き、新札が出るまで何枚もおろしました。かなり大変でした(おかかさん)
自分たちの式のすぐ後に結婚式があったので、ご祝儀でいただいた新札をそのまま使用しました(おこめさん)
前日の夜に気づきましたが土曜の夜だったため、ホテルに交換してもらえるか問い合わせ、当日交換してもらいました(のるるさん)
8割の花嫁が新札でなくてもいいと回答。「ピン札でも気にしない」「お札に折り目やシワがあっても問題ない」など、ご祝儀をいただく側にとっては、新札かどうか、さほど重視しないという声が多数。
集計後すぐに入金するし、誰が新札かそうでないかは特に気にならなかったのでお札に折り目やシワがあっても問題なし(あおりんごさん)
招待状の返信や服装やヘアセットなどゲストも時間をかけて色々なことを準備してくれるのでお札の綺麗さまで求めていません。参列してくれただけでありがたいです(ひよさん)
ピン札でも問題ないですが、新札だとこのために時間をかけてくれて準備してくれていたんだと感じて嬉しいです(YUKIさん)
お札に折り目やシワがあってもお金の価値は変わらないので問題ありません。むしろ頂いたお金に文句をつける理由がわかりません(いくらさん)
ズバリ、どちらでもかまいません。福澤諭吉の旧1万円札は今後、確実に少なくなって行くので、今後のことを考えても新紙幣を使わないという選択肢はないでしょう。ただし、ご祝儀を包む際、渋沢栄一の新紙幣と福沢諭吉の旧紙幣が入り混じらないように注意しましょう。
ご祝儀をいただく側が渋沢栄一を嫌っているのなら福澤諭吉の旧1万円札を包むのがいいかと思います。でも福澤諭吉の1万円札が手に入りづらくなったときはどうするのですか。5000円札で贈るのですか。お札はどれも貴重なものです。意味のないマナーに惑わされてはいけません。渋沢さんの子孫の方がこのようなことを聞いたら傷つきますよ。誰かを傷つけることはマナー違反です。
(岩下宣子さん)
新札を包むかどうかは、渡す側が気にするほど、受け取る側の花嫁さんは気にしていないよう。もちろん、キレイなお札に越したことはないですが、シワや汚れのないお札なら新札にそれほどこだわらなくてもいいということがわかってスッキリ&気が楽になりましたね。
取材・文/粂 美奈子 イラスト/Pai 構成/山崎裕香子(編集部)
※記事内のコメントは2024年12月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー133人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2025年2月時点のものです