顔写り良し!華やか!進化系「白無垢」は差し色で魅せる<実例10>
白無垢はもともと白一色で統一した花嫁衣裳ですが、最近は、小物や掛下で色をプラスしたり、白無垢自体に差し色のあるタイプも増えています。最も格式が高いといわれる白無垢を、旬の装いで着こなした花嫁たちのSNAPをお届けします!
[プロに聞く!]白無垢の歴史と最旬傾向
崇高な純白を尊ぶ文化から、自分らしさの時代へ
和装のプロがお答え!
花嫁着物専門店「CUCURU」の創業メンバー。花嫁和装のコーディネートをするかたわら、撮影ディレクションやオリジナル白無垢のプロデュースを行う。2024年9月より『はなよめきものKANO』として独立。着物のスタイリング、着付け、撮影のディレクションを案内中。
「日本では、古くから白を“神聖な色”とみなし、晴れの日には白の服をまとってきました。
白無垢も“純潔”を意味し、近代には『他の何色でもなく、あなた色に染まる』といわれるように。もともと歴史は室町時代までさかのぼり、当時は、嫁入り衣裳は白い着物を打ち掛けて着ることをはじめ、色や柄行まで細かく定められていました。
現代にはそんなお約束事は存在せず、婚礼衣裳においても自由に“自分らしさ”を表現できる時代になりました。情報感度の高い花嫁さまが増え、メーカーもさまざまな意匠を凝らした新作を次々に発表するようになりました。
たくさんの色や柄の掛下や色小物の中から、季節感や個性、自分の思いを表現しているように思います」(花嫁和装専門店「CUCURU」/加納紘美さん)
CASE01.繊細な手描きの墨絵がほんのりと
ゆりなさんの進化系白無垢
歴史が好きで神社で巫女をしていたこともあるゆりなさん。結婚式でも和装を着たいと思って、たくさんの試着をした中で巡り合ったのがこの一着。
打ち掛けには水墨画のような趣の藤の花をはじめとする柄が描かれ、金糸の縁取り刺しゅうもアクセントに。さらに地色と同じ白の刺しゅうがさりげなく、見るたびに発見のある、古典的でありながらモダンさも醸す白無垢姿に。
差し色効果&選んだ感想は?
着物の繊細な模様や質感とともに、職人さんが手描きされたという背景のエピソードにも心惹かれ、全身のコーディネートも柄を引き立てるように配慮しました。
白無垢でありながら、まるで絵画のような柄行が全面に入ったデザインはとても珍しく、オリジナリティを好む母にも好評でした。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/親族披露宴(3月)
■白無垢の手配時期/披露宴6カ月前
■白無垢の手配先/ドレスショップで紹介された和装専門店「CUCURU」
■価格/ヒミツ
※取材協力/CUCURU
CASE02.朝日の海に映えるキリリとした赤
マミさんの進化系白無垢
白無垢姿に憧れ、海で朝日を浴びながら撮影がしたいという希望があったマミさん。和装のスタイリストさんに相談したところ、「真っ白だと写真全体がぼやけてしまうので、差し色があった方が映えますよ」とのアドバイスがあったそう。
袖や背中に紋章のように入った花の柄、また袖口や裾に赤い縁取りの入った打ち掛けを選び、懐剣や草履にも同じ赤の入ったものをセレクト。真っ白な背景と着物姿が、鮮やかな赤によってキリリと清々しい一枚に。
差し色効果&選んだ感想は?
朝日の優しい光がもたらす柔らかい白色の世界の中に、赤い花とラインが入っていることで、凛と気持ちが引き締まるような感覚でした。
試着した時にもうれしい気持ちがこみ上げてきました。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/婚姻届けから1年の記念撮影(5月)
■白無垢の手配時期/撮影1年前
■白無垢の手配先/和装専門店「CUCURU」
■価格/ヒミツ
※取材協力/CUCURU
CASE03.掛下のピンクと小物のゴールドの淡いトーン
まほ@__mh.wedさんの進化系白無垢
日本の伝統である白無垢を着られるのは結婚する今しかないと、京都での前撮りで白無垢を着たまほ@__mh.wedさん。
撮影をしたお寺の世界遺産に指定された桜のふすま絵に合わせて、ピンクの掛下をセレクト。筥迫(はこせこ)や半襟などの小物、ヘッドドレスにはゴールドを合わせて、屋外の新緑にも映える淡いトーンで今っぽくコーディネートした。
差し色効果&選んだ感想は?
ピンクの掛下は今っぽくてかわいいと家族・友人にたくさん褒めてもらいました。顔色が明るく見えるところも気に入ってます。
相良刺しゅうの白無垢は、全ての刺しゅうが玉結びで施されていて、模様に立体感がありつつも優しい雰囲気が素敵でした。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/前撮り(5月)
■白無垢の手配時期/撮影2カ月前に選び始め、前日に決定
■白無垢の手配先/撮影と衣裳レンタルができるショップに依頼
■価格/ロケーション撮影・ヘアメイク・衣裳込みで約30万円
CASE04.裏地のサーモンピンクがさりげなく
ぼにさんの進化系白無垢
神社での花嫁行列に憧れがあり、伝統を大切にしつつも現代ならではの自由さも楽しみたいと、差し色のある白無垢をセレクト。
裏地全体のサーモンピンクは少しだけくすみがあり、パステルピンクに比べて大人っぽさがある印象。八掛(はっかけ)やふき、袖口などでさりげなく色を添え、顔によくなじむ様子もお気に入り。
差し色効果&選んだ感想は?
白無垢だと屋外での写真は刺しゅうの柄が光の加減で飛びがちですが、差し色が入ることで、寂しくならず写真映えしました。
桜と花車の柄行は春らしくて季節にもピッタリ。ゲストからは「ピンクの裏地は珍しい」とお褒めいただきました。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/挙式(5月)
■白無垢の手配時期/挙式3カ月前
■白無垢の手配先/会場内のドレスサロンでレンタル
■価格/35万円(特典価格)
CASE05.ラベンダーの掛下とモカ色の小物で秋らしく
reiiina_mouse__wdさんの進化系白無垢
もともと白無垢は絶対着たいと思っていたところ、SNSで淡い差し色のある白無垢スタイルに引かれたというreiiina_mouse__wdさん。
ラベンダー色の掛下に合わせ、背景の紅葉とリンクしたモカの筥迫や半襟、草履といった小物をセレクト。景色に優しくなじむ絵画のような写真を残せた。
差し色効果&選んだ感想は?
差し色で秋っぽさが出て、紅葉や寺院のピンクのふすま絵にも合うコーディネートもできて、とても満足でした。
白無垢姿を見た父と母、祖父母がとても喜んでくれました。お気に入りのコーディネートで思い出に写真を残せて良かったです。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/前撮り(12月)
■白無垢の手配時期/撮影2カ月前
■白無垢の手配先/撮影と衣裳レンタルができるショップに依頼
■価格/ヒミツ
CASE06.紋章の淡いトーンと掛下の黒が織りなす絶妙な配色
mari.sさんの進化系白無垢
自分では想定していなかった色打ち掛けとコーディネートを提案され、すっかり和装選びが楽しくなったというmari.sさん。さらに和装での思い出を作りたいと、前撮りで白無垢も着ることに。
白無垢には鶴、松、梅の淡い色合いの紋章が施され、掛下はモノトーンの絞りに。彼の好きなグリーンとゴールドを小物に取り入れ、希望していたモダンな雰囲気とひと癖あるスタイリングが完成!
差し色効果&選んだ感想は?
打ち掛けは生成りを選ぶことで、イエベの私の肌にも自然に馴染みました。
普段は黒・カーキ・ネイビー・赤など、ダーク系やビビッドカラーの洋服ばかり着ているので、差し色にあえて淡い色味を選びました。一方、掛下はモノトーンにすることで、普段とのギャップと正装感を出しつつ、自分の個性をしっかり残すことができて満足しています。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/前撮り(8月)
■白無垢の手配時期/撮影1カ月前
■白無垢の手配先/和装専門店「CUCURU」でレンタル
■価格/ヒミツ
※取材協力/CUCURU
CASE07.伝統の黒引きに銀糸刺しゅうが浮かび上がる白無垢を
mi.no2022.weddingさんの進化系白無垢
江戸時代から昭和まで婚礼衣裳としてよく着られていたことを知ってから、黒引き振り袖を着るのを夢見ていたmi.no2022.weddingさん。一方、チャペルでの挙式で白無垢を着たいという思いもあり、黒引きを掛下にすることで両方叶えた。
白無垢には銀糸の刺しゅうが施され浮かび上がるような柄が上品。キリリとした黒引きがモダンなチャペルに映えていた。
差し色効果&選んだ感想は?
チャペルでの挙式に白無垢を着ること、さらに白無垢の中に黒引き振り袖を合わせるのが、意外性があっていいなあと思い選びました。
ゲストも驚いた様子で、「素敵!」とたくさん褒めてくれました。白無垢の柄や黒引きを引き立たせるため、小物は白で統一したのもこだわりです。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/挙式(3月)
■白無垢の手配時期/挙式4カ月前
■白無垢の手配先/会場提携外のショップでレンタル
■価格/16万5000円(白無垢、引き振袖、紋付き袴がセット)
CASE08.ゴールドの刺しゅうに、グレーの小物で柔和な大人スタイル
ichi____00さんの進化系白無垢
子どもの頃から白無垢の花嫁姿が夢だったichi____00さん。眺望の美しいチャペルでの人前式で着用したので、アットホームな雰囲気に合う柔らかな印象の白無垢姿にしたいと思ったのだそう。
打ち掛けとアイボリーの掛下の刺しゅうの一部がゴールド、小物には淡いグレーを合わせたことで、柔らかさの中にも大人っぽい品の良さもプラス。半襟や伊達襟の淡いグリーンで春らしさも。
差し色効果&選んだ感想は?
チャペルの窓から見える緑ともマッチしていたので、差し色を入れて良かったです。生地に絞りが入っていて、全体の質感も柔らかい印象の白無垢は、背面に大きなまりの刺しゅうがあり、後ろ姿も抜かりなくかわいいところが気に入っています。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/3月
■白無垢の手配時期/挙式6カ月前
■白無垢の手配先/会場提携のドレスショップでレンタル
■価格/25万~30万円
CASE09.アンティークの朱色の引き振り袖を掛下に
えんさんの進化系白無垢
神社での挙式と料亭での披露宴を行ったえんさん。たくさんの和装を見て、最終的に選んだのは、シンプルな鶴柄の白無垢。掛下には母から譲り受けた朱色の引き振り袖を合わせたレトロなコーディネートに。
色みを紅白にしぼったことで、クラシカルな花嫁姿を実現。襟元からのぞく引き振り袖の銀糸の刺しゅうが、アンティーク着物ならではの品の良い華やかさを放っていた。
差し色効果&選んだ感想は?
クラシカルな花嫁姿を目指し、色合いを紅白にしぼりました。母から受け継いだアンティーク感のある朱色の引き振り袖は、銀糸の刺しゅうも美しく、角隠しとの相性もピッタリ。神社での古式ゆかしい挙式に映えると親族や友人からもとても好評でした。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/挙式(10月)
■白無垢の手配時期/挙式3カ月前
■白無垢の手配先/会場提携の老舗衣裳店
■価格/挙式プラン内
CASE10.赤い椿柄の筥迫がポイント!遠目からも華ある花嫁姿
@waca2023_wdさんの進化系白無垢
挙式会場や庭園の雰囲気に引かれ、白無垢スタイルを選んだ@waca2023_wdさん。厳かな雰囲気の中、遠目からでも華かな印象になるように、裏地、伊達襟、筥迫に赤を取り入れた。
ワンポイントになったのが、70周年を迎えた会場を象徴する赤い椿の刺しゅうが施された筥迫。ちらりと見える様子がまた愛らしい。
差し色効果&選んだ感想は?
会場限定の椿柄が大きくあしらわれた白無垢は、赤い差し色と相まって、遠目から見てもとても華やかな印象。
親とも「これが一番素敵ね!」と全員一致で決めました。椿をあしらった筥迫を合わせて、細部までこだわりました。
[白無垢DATA]
■着用シーン(時期)/挙式(12月)
■白無垢の手配時期/挙式6カ月前
■白無垢の手配先/会場提携のドレスショップでレンタル
■価格/ヒミツ
From 編集部
インスピレーションを大切に自由にセレクト!
取材した卒花の皆さんが差し色の入った白無垢を選んだのは、伝統も大切にしながらも、自分自身のこだわりも取り入れたから。こだわりとは、例えば素直な「かわいい!」という気持ちや、「写真映え」「花嫁らしい華やかさ」といったそれぞれの思い。自分らしくも普遍的な神聖さをまとった白無垢は、これからも進化しそうです。
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CUCURU
花嫁和装に特化した専門店。独自の世界観で「着物をコーディネートする」楽しみを提案。着物のレンタルにとどまらず、フォトプランやヘアメイクプラン、オリジナルアイテムの販売も手掛ける。
https://cucu-ru.com/
構成・文/小松ななえ D/mashroom design
※記事内のコメントは、2024年7月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー20人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2024年9月時点のものです
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