「好き×思い」をテーマに!“ふたりらしい”結婚式の叶え方Part2
結婚式には2つの大切な要素が存在します。それは、新郎新婦らしさやこだわりから取り入れられる「ふたりの“好き”」を表現するものと、大切な人へのおもてなしや感謝から取り入れられる「ゲストへの“思い”」を伝えるもの。これらがどのように取り入れられているのか、卒花さんのウエディング実例からご紹介!
Case1「型にはまり過ぎずに」×「ゲストファースト」
テーマ:tears and laughter/maoさん
皆で食事をおいしく食べて、たくさん笑って過ごしたい。自分たちも自然体で笑ったり泣いたりしたい。そんな素直な気持ちから“tears and laughter”をテーマに結婚式をつくりあげたmaoさん。子どもと一緒のファミリー婚は温かで、全員の距離が近いひとときに。その中に込められた「ふたりの“好き”」と「ゲストへの“思い”」を紹介します。
【ふたりの“好き”=型にはまり過ぎない、温かなファミリー婚】
皆との距離が近い、カジュアルな結婚式を目指したmaoさん。それは息子と自分たちのファミリー婚であることと、子ども連れのゲストが多かったから。挙式は人前式。新郎新婦とゲストの距離が近い造りのチャペルで、視線で合図を送ったりおしゃべりが発生したりと双方の思いが行き交う和やかな時間だったそう。また花好きのふたりならではのこだわりの空間づくりも素敵。緊張し、笑い、時には思いが溢れ涙がこぼれたりといつもの自分たちで過ごした一日に、ゲストは「ふたりらしい」と言ってくれたそう。
maoさんに聞きました!
【内容はすぐ決められた?】
日常の中でもふたりで「こんな式にしたいね」と伝え合っていたので、意見が分かれることもなくスムーズに決まりました。
【参考にしたものは?】
Instagramで卒花さんの投稿を参考に。また私自身がブライダル業界で働いていたことから、演出などの知識がありました。
【実現が難しかったことは?】
特にないです!
【準備で一番楽しかったことは?】
息子が寝た後、夫と夜な夜なふたりで結婚式のことを語り合った時間は、特に楽しい思い出です。
(写真)上から
1枚目:親子3人でのファミリー婚。「息子とは初対面の方もいたので、“これからもよろしくお願いします”の思いも込めました」(maoさん)
2枚目:ゲストと距離が近いようにと、あえてボリュームレスなドレスを選択
3枚目:ゲスト卓はもちろん、受付やウエルカムスペースにもこだわりの装花を
【ゲストへの“思い”=ゲストファースト】
ゲストにとっての心地よさを考えたところ行き着いたのは、余興やスピーチを一切割愛してしまうことだったそう。「その分、皆での写真撮影や会話の時間をたっぷり取りたいと考えました」(maoさん)。ゆったりとパーティを楽しみながらも、全ゲストにメッセージを読んでもらうスイッチングレターとテラスでのBBQで、全体の流れにアクセントも。全員で一緒に同じタイミングでの感動や嬉しさ、おいしさといった温かな幸せを共有しました。
maoさんに聞きました
【内容はすぐ決められた?】
決まるまで、特に問題もなくスムーズに進みました。
【参考にしたものは?】
Instagramを参考にしました。
【実現が難しかったことは?】
BBQはオプション料金だったので金額面で悩みました。が、“やらない後悔より、やって後悔!”をモットーにしていたので実施しました。ゲストにも好評で後悔はないです!
【準備で一番楽しかったことは?】
夫とふたりで“皆はBBQを楽しんでくれるかな”などと、当日のイメージを膨らませていた時間がとても楽しかったです!
(写真)上から
1枚目:「お気に入りの装いで出席してね」と伝えていたmaoさん。その姿が残せるようにとウエルカムスペースには大きな鏡を設置。堅苦しさがなく、皆が楽しめる仕掛け
2枚目:一斉に新郎新婦からのメッセージを開封。そのメッセージを手にメイン卓まで声を掛けにくるゲストも
3枚目:楽しいことが大好きなゲストを思い、また自分たちも“夏は皆でBBQ!”と過ごしたことから実施。ウエディングには珍しいおもてなしに大盛り上がり
【好き】×【思い】の実現のコツは、お互いの考えを理解し合うこと
「やりたいことのイメージが明確にならない場合も。そこで大切だと感じたのは、ふたりでたくさん話し合い互いの考えを分かり合うこと。それによってイメージが鮮明になりますし、話し合いの時間はこれからのふたりにとっての宝物にもなると思います。準備も大変かと思いますが、頑張ってください!」(maoさん)
Case2「THE結婚式過ぎないWEDDING」×「心ほかほか結婚式」
Best Friend~ゆったりのんびりいこう~/Fukucoさん
友人という関係から絆を深め結婚へと至ったFukucoさんカップル。描く夫婦像は“出会った時と変わらず仲良く、感謝と尊敬を忘れないふたり”。また“結婚式”という枠に捉われ過ぎず、いつもの自分たちでゲストと楽しみたいとの思いもあって、生まれたテーマは“Best Friend~ゆったりのんびりいこう~”。自然体と上品さを兼ね備えた「ふたりの“好き”」と「ゲストへの“思い”」に注目です!
【ふたりの“好き”=THE結婚式過ぎず、WEDDINGらしく】
「THE結婚式という雰囲気は、私たちには少し違う」と感じていたというFukucoさん。アットホームなぬくもりある会場で、衣裳やアイテム、演出、進行、BGM等自分たちらしさを感じさせるもので彩りました。人前式ではテーマに絡め、“べすとふれんど”を文頭にして始める宣誓文を作って読み上げたそう。新郎の趣味が取り入れられた“釣りざおバイト”もとってもユニーク!
Fukucoさんに聞きました
【内容はすぐ決められた?】
ふたりで話を進めつつ役割も分担しながら進められたので、スムーズでした。誓いの言葉は文字を当てはめる必要があったためやや難航。仕上がったのは式の前日でした!
【参考にしたものは?】
Instagramでの情報収集のほか、リアル情報も大切に。ウエディングアイテムの販売店舗で実物を見たり、卒花の友人に体験談も聞きました。
【実現が難しかったことは?】
プロフィールや席札、映像など手作りにしたものもあり、節約にはなったものの手間と時間はそれなりに。仕事をしながら休日や夜の隙間時間での準備が大変な一面も。
【準備で一番楽しかったことは?】
誓いの言葉を語呂合わせで考えるのが楽しかったです。ふざけ過ぎず、かしこまり過ぎず、定番になり過ぎず、を意識しました。映像制作も、懐かしい写真を振り返ることができる良い時間でした。
(写真)上から
1、2枚目:「すこし照れくさくても感謝の気持ちは言葉で伝える」など、日常で大切にしたいことがつづられた、誰もが笑顔になる宣誓文
3枚目:「初めて見た!」との声が上がった釣りざおバイト。自宅で2度の練習を経て、当日はヒヤッとする場面がありつつも見事に成功!
4枚目:“結婚式過ぎない”リングピローは、式後も家になじむテイストのものを使用
【ゲストへの“思い”=心がほかほかする結婚式】
結婚報告と感謝を伝えるだけでなく、ふたりの大切な人たちが一堂に会する貴重な一日…。そこで心がけたのは、皆がホッとできる楽しいひととき。映像演出には会話のきっかけとなる思い出の写真もふんだんに取り入れて、歓談時間もたっぷり確保。余興を入れない代わりに、ラッキードラジェで進行にアクセントを付け、席札には一人一人へのメッセージも添えたそう。きめ細やかで優しい時間をつくり出しました。
Fukucoさんに聞きました
【内容はすぐ決められた?】
通常はお見送りで渡すプチギフトを席札として贈りましたが、それは夫の発案。「こうでなければ」ということからの発想の転換にハッとし、このようにオリジナリティーが生まれるのも良いなと思いました。
【参考にしたものは?】
今までに参加した友人の結婚式を思い出すなどして、参考にしました。ドラジェの景品にしたブーケ形ギフトを手作りしましたが、それはSNSを参考に。
【実現が難しかったことは?】
手作りしたブーケ形ギフトの束ね方が難航。自分好みの包装紙やリボンを見つけるまで時間がかかり、用意したギフトの束ね方もしっくりこなくて、なかなか制作に取り掛かることができませんでした。
【準備で一番楽しかったことは?】
実際の場面を想像しながらBGMを決めたり、ドラジェの景品を当てる人を想像したり、ギフト内容を考えたり。いろいろなことを相談し、それらが形になっていくことがとても楽しく、良い思い出です!
(写真)上から
1枚目:席札をプチギフトと兼ねて贈り物のような仕立てに。各ゲストへのメッセージもプラス
2枚目:余興を入れずゆっくり過ごしてもらいながらも、お楽しみの仕掛けを
3枚目:選んだ料理はゲストにも大好評。こちらは最も評判だった「蝦夷アワビのロースト トリュフリゾット添え オマールエビのビスクとともに」
4枚目:ムービーのBGMもウエディングソングにこだわらず、自分たちの好きな楽曲を使用
“好き”ד思い”の実現のコツは、
こだわりと優先度を見極めること!
「やはり“費用”は重要。自分たちのこだわりや優先度を見極め、思い描く結婚式が実現するように進めていくと良いかと思います。また、悩むことや決められないことも多々ありますが、彼を巻き込み“ふたり”で進めることが大切だと思います!一緒に取り組んだ準備時間はとても良い思い出にもなりますよ」(Fukucoさん)
Case3「森の中の上質な結婚式」×「全てのゲストに役割を」
テーマ:Something four/悠月さん
結婚式に憧れていた悠月さんのウエディングは、とにかく盛りだくさん! それらをまとめたのが、欧米に伝わる幸せのジンクス“Something four”というテーマ。“Old(古いもの)”には家族との絆を、“New(新しいもの)”には未来を、“Borrowed(借りたもの)”には友人の手を借りること。そして本来はBlueであるところ、悠月さん夫婦が大好きな“Yellow”を設定。これらに「ふたりの“好き”」も「ゲストへの“思い”」もしっかりのせた結婚式を紹介します。
【ふたりの“好き”=森での上質な結婚式、サムシング・フォー etc.】
キャンプを愛するふたりがこだわったのは、本物の森の中での結婚式。「屋外とはいえチープなものにはしない!」と妥協のない空間をつくりました。ゲスト卓を飾ったのはふたりが新郎母と作ったテーブルクロスとランナーで、これは家族との絆を象徴する“Something old”にちなんだもの。ほかにも「絶対に!」との本人の希望から新郎が白馬に乗って挙式入場を行い、お色直しは“Something yellow”のオーダーメード衣裳で登場するなど、本物の森がふたりのカラーに彩られた結婚式となりました。
悠月さんに聞きました
【内容はすぐ決められた?】
夫は私の意見を尊重してくれましたが、費用やデザイン面で食い違うことも。費用対効果を夫にプレゼンするのが難しく、代替案を見つけて着地させるのが大変でした。
【参考にしたものは?】
自分たちのような前例が少なく、SNSで海外で行っているものを見てイメージを膨らませ、また憧れのプランナーさんのHPも参考に。そのまま採用するものは少なく、独自で考えたものが多かったです。
【実現が難しかったことは?】
屋外のため、天候への配慮が必要だったことが大きいです。また会場は結婚式で使用されている場所ではないため、飾り付けや準備が大変!自分の支度にかかる時間や撮影が短くなるという一面も。
【準備で一番楽しかったことは?】
好みのアイテムや装飾品をデザイン、作成している時です!会場装飾やヘアメイク、撮影の依頼書を用意する時間もとても楽しかったです。夫は、挙式入場時の白馬を自分で探し出し、嬉しそうでした。
(写真)上から
1枚目:白雪姫の物語から“いつか白馬の王子様が”と信じていた悠月さん。その話は新郎には言っていなかったものの、夢が叶うことに!
2枚目:DIYのクロスには70mもの生地を使用したそう!「一番お金がかかりました」(悠月さん)。そのかいあってラグジュアリーな屋外ウエディング空間が出現
3枚目:ふとテレビで見た女王の姿と装いに引かれ、結婚式で実現。帽子からドレスのシルエット、ディテール、小道具の傘までかなりの再現率!
【ゲストへの“思い”=全ゲストに役割を、未経験の体験を!etc.】
「少しでも思い出に残る一日であるように」と、ゲスト全員に何らかの役割をお願い。“Something borrowed”に引っかけて、手を“借りる”とした発想がとてもユニークです。また“未体験の経験を”という気持ちから、従来にはない演出や流れも考案。その一つが、映像演出代わりのオリジナルラジオ音声。ふたりでDJを務めたラジオ音声を録音し、披露宴の入退場時に流したそう。「屋外では映像が見にくいと思い、音声を流すことに。食事の手を止めない点も良かったです」(悠月さん)。料理にもこだわり、上質な森のウエディングを実現!
悠月さんに聞きました
【内容はすぐ決められた?】
前例がないものへの苦労はありました。「ゲスト全員に何かをお願いする」にも内容決定までは夫に否定されることも多々あり。オリジナルラジオも拒んでいた夫ですが私の強い思いを汲んでくれ、最後は「やるからにはノリノリで!」と。その姿に救われました。
【参考にしたものは?】
お願いする役割については、受付等の定番を除き全て自分で考えたものでした。過去の参列経験を通し、「この流れなら○○の役をお願いできるかも」とアレンジを加えながら考えました。
【実現が難しかったことは?】
“全員に役割をお願い”については、出欠状況が変動するため直前まで調整が必要でした。またケーキにも、オリジナルの要素を加えることで会場との調整が必要に。
【準備で一番楽しかったことは?】
ゲストへのお願い事を考えること!中にはサプライズでのお願いもありましたが誰もが快く応えてくれました。「こんな大役をありがとう!」と言ってくれる方も多く本当に嬉しかった!
(写真)上から
1枚目:ブライズメイドとアッシャーをゲストにお願い
2枚目:“フラワーセレモニーの花を渡す”という役割も設定
3枚目:ウエディングケーキへのペインティングもお願いし、世界で一つのケーキが完成
4枚目:ラジオ音声には、当日来られなかった方々からのメッセージの紹介コーナーも。【しんごとゆづきのsomething four radio】と番組名も付けるこだわりっぷり!
【好き】×【思い】の実現のコツは、やりたいことは妥協せず、存分に!!
「こだわりが多いとそれなりにバタバタしますし、会場側の意見を聞いた方がスムーズな面もあります。ですが“あれをやりたかった”という後悔は一切ありません。ただ、準備・打ち合わせは早めの開始をおすすめします。また自分たちが全力で楽しむことで、それがゲストにも伝わるはず。私たちも、ゲストから“幸せそうで良かった、安心した”との言葉を頂き、良かったなと思っています」(悠月さん)
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From 編集部
自分たちとゲストのことをしっかり考えれば、“好き”ד思い”が実現!
新郎新婦とゲストの組み合わせの数だけ結婚式は存在し、そのどれもがオンリー・ワン。だから、目指すものや取り入れることはそれぞれで、正解・不正解などはありません。自分たちとゲストそれぞれが楽しみ、幸せな気持ちになることをじっくり考えてみましょう。また今回のカップルに共通するのが、準備の時間を楽しんでいること。そういう感覚を持つことができれば、きっと素敵な結婚式が実現しますよ!
構成・文/弘中栄美 D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2024年7月時点のものです
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