結婚式のムービー制作を始める前に、会場に確認したいポイント10
オープニングムービーやプロフィールムービーなどを自作しようと思っている人必見。ムービー制作には設定やBGMなど気を付けないといけないことが多々あり、あいまいな状態で作ると、失敗して時間がかかってしまうことも。まずは映像制作に強いウエディングプランナーのアドバイスと卒花さんたちの体験談を基にまとめた「会場に確認したいポイント」に目を通して!
映像持ち込みの可否や持ち込みにかかる費用
【ポイント1】映像の持ち込みはできる?
中には会場と提携している業者制作以外の映像は流せない会場もあります。自作してから「NG!」と知っても後の祭り。自作を考えている人はもちろん、外部の業者に頼むことを考えている人も先に確認を。
【ポイント2】映像演出や持ち込みにかかる費用は?
映像演出をすると、プロジェクターやスクリーンの使用料がかかるのが一般的ですが、その費用が会場費に含まれている会場も。自作&外注したムービーの場合、持ち込み料や確認料(持ち込んだ映像がちゃんと流れるかどうかなどを確認する費用)がかかる会場もありますし、「その費用が映像の中に動画が入っている場合と、写真だけの場合で違った」というケースも。
このように費用のかかり方は会場によってまちまち。会場見学時の見積りに入っていないこともあります。少しでも費用を抑えたくて自作や外注を考えている人は、確認してから手配方法を決めましょう。自作する手間まで考えると、会場に頼んだ方がよいこともあります。
卒花体験談「確認してよかった」
【持ち込み料が1本につき5000円かかった】
私たちの会場の場合、自作の映像でもプロジェクター使用料はかからなかったのですが、持ち込み料が1本につき5000円かかりました。事前に聞いておいたおかげで、自作するのと会場に頼むのとどちらがよいか、金銭面と作る手間の両方から判断。結局、予定していた通り2本を自作。(ゆりちゃんさん)
【全部持ち込むとプロジェクター使用料が発生】
3本のムービーをリーズナブルな外部業者に頼もうと思っていましたが、そうすると8万円のプロジェクター使用料がかかるとのこと。「1本でも会場の映像委託会社に頼めばその使用料が無料になる」と聞き、プロフィールムービーだけ会場に依頼。(カナさん)
スクリーンの比率や大きさなど画面設定に関係すること
【ポイント3】アスペクト比(スクリーンの横と縦の比率)は?
スクリーンの「横:縦」の比率は「16:9」「4:3」のどちらか。この比率を間違えて制作すると、上映したときの画面に余白ができたり、端が切れてしまって、作り直しになります。
この先、映像に使う写真や動画を撮るときも、その比率で撮影を。
卒花体験談「確認しなくて失敗」
【異なる比率で作って作り直しに】
同じ会場でも部屋によってアスペクト比が異なりました。私たちが使用する部屋の比率を確認しないで作ってしまったら、間違っていて、一からやり直しに。(もてさん)
【ポイント4】スクリーンの大きさは?
スクリーンの大きさも会場によって違うので、使用する部屋の大きさを確認して、それに適した画面サイズに設定しましょう。スクリーンが大きいのに、画面サイズが小さいSNS用の設定で制作すると解像度が下がり、画質が粗くなって文字が読みづらくなります。特にスマートフォンで作成する人は要注意。画像サイズを大きくして、大画面を意識した作り方を心がけて。
卒花体験談「確認してよかった」
【見栄えのするサイズを確認】
私の会場では「基本的にどんな比率の動画でも流せるけれど、スマートフォンで作ると画面のサイズが小さくて、周囲に黒い部分が増えてしまう」と聞き、見栄えのよいサイズを教えてもらい、パソコンで作成しました。(Ayakaさん)
映像を編集するときの注意点
【ポイント5】文字を入れていい範囲は?
画面の端から端まで文字を入れてしまうと、見づらくなるし、文字の端が切れてしまうこともあるので、左右上下どのくらいのスペースを空けて文字を入れるのが理想的か確認を。
そして、編集時には画面の幅いっぱいに文字を入れないようにしましょう。
卒花体験談「確認しなくて失敗」
【文字が見切れてしまった】
指定された縦横の比率で作ったのですが、文字を端の方に入れたら見切れてしまいました。事前にどのあたりまでなら文字を入れて大丈夫か確認しておけばよかったです。(ゆりちゃんさん)
可能ならブライダルフェアなどで映像をチェック!
ブライダルフェアなどで披露宴会場のスクリーンに映し出されるサンプルムービーをゲスト目線で見る機会があったら、文字の見え方に加え、写真が入れ替わるスピードもチェックして参考にしましょう。スマートフォンで見たとき、違和感がなかったスライドのテンポが、会場のスクリーンで見ると速く感じることもあります。
【ポイント6】映像の前後に入れる無地の画面など編集時の注意点は?
映像が唐突に始まったり、終わったりしないように、映像の前後には、画像も文字もBMGも入っていない画面を入れます。その長さは5秒くらいが一般的ですが、終わりは10秒など長めに取っておくと、余韻の間に拍手やMCがスムーズに入れられます。この長さについて会場から指示があることも。
このほか、制作時に注意することも事前に聞いておきましょう。
映像編集アプリ&ソフトの機能についても確認を
自作ムービーの失敗で多いのは「文字の読みづらさ」。特に写真の上に文字をのせる場合、文字がはっきり見えなくて、修正が必要になることもあります。ところが、映像制作に使うアプリやソフトによっては、「画面ごとに文字の色を変える」ことができないものも。アプリやソフトを選ぶ際はこのような機能についても確認して、ゲストに優しいムービーを作りましょう。
BGMと音楽の著作権に関すること
【ポイント7】BGMを入れていい?
ムービーにBGMは付き物ですが、著作権にも気を付けましょう。
とりわけムービーに音楽を入れる場合、音源をコピーするのに必要な「複製権」の許諾申請が必要。そのような手続きに関する対応は会場によっても異なるので、まずは「BGMを入れてよいかどうか」の確認を取りましょう。
ムービー編集時に音楽を入れず、映像とCDのBGMを同時に再生して流す会場もあるので、その場合は「曲数や曲の順番」「映像のイメージに合う曲かどうか」などを作り始める前に考えましょう。
卒花体験談「確認してよかった」
【先に音楽の相談をして良かった】
私たちの会場では、動画に音楽を入れられなかったので、BGMとして会場で流す曲を決め、それに合わせて映像を制作。先に相談したので、曲のどのタイミングで映像を流してもらうか、どのくらいの長さがよいかなどを考えながら作れました。(yunnoさん)
【ポイント8】希望する曲は使える?音源の手配方法は?
ムービーにBGMを入れてOKの会場でも、「ISUM(結婚式で流す音楽の複製権の手続き代行機関)に登録されている曲しか選べなかった」という声が多数。未登録の曲については独自に申請して複製の許諾を得る方法もあります。このように「BGMとして入れていいか」や「申請方法、その費用、許諾までの期間」は会場や曲によって異なるので、早めに希望する曲を伝えて確認しましょう。中には許諾まで2カ月以上かかったケースや「予算オーバーで著作権フリーの曲にした」という人も。
また複製OKの曲でも、使用できる音源が「購入したCDしか使えない曲」もあれば、「配信音源でもよい曲」もあるなど、曲によって異なります。CDの場合、家族や友人、会場が購入したものも使用できるので、未購入なら会場で借りられるかも聞いてみて。
卒花体験談「確認しなくて失敗」
【音源について知らなくて慌てた】
ダウンロードした音源を入れていたら、使用したい曲は購入したCDじゃないといけないことがプランナーの指摘でテスト上映前日に判明。慌ててCDショップに走って購入し、BGMを入れ直しました。(rumix1118さん)
編集した映像を会場で上映するために必要なこと
【ポイント9】当日の再生に使うメディアの種類とデータ形式は?
中には式当日の再生にパソコンを使う会場もありますが、多くはDVDプレイヤーまたはBlu-rayプレイヤーを使用するので、会場に、DVDディスク、Blu-rayディスク、USBなど再生に使用するメディアの種類と再生可能なデータ形式について確認しましょう。
そして、編集して保存してあるデータをドラッグアンドドロップするのではなく、指定された形式にしてディスクに書き込み、1映像ごと1枚に保存して再生用ディスクを作成します。
パソコンで再生するのが可能な場合、ムービーのデータが入ったパソコンを持参し、ケーブルでつないで再生します。その場合、当日誰がセッティングや操作をするのかも確認を。
卒花体験談「確認してよかった」
【制作途中の確認で失敗回避】
会場から自作ムービーに関する説明はなかったのですが、説明書はもらっていました。でも、式前は確認事項が多すぎて、説明書を見ないで制作開始。制作途中でDVDに関することが気になって会場に質問しました。失敗にならなくてよかったけれど、説明書に目を通すことも大事。(みみさん)
自分でDVDに焼けない場合の対処方法も下調べして
スマホやDVDドライブが内蔵されていないパソコンを使って制作する場合、DVDに焼くことができません。会場の多くは「再生できる状態」での持ち込みを前提にしているので、会場にDVDに焼く作業を頼むことはできないと思って。それだけ専門の業者に外注するなど代替方法を考えておきましょう。
【ポイント10】テスト上映する日と完成品の搬入日は?
DVDに焼くことができても、会場の機材でスムーズに再生できない場合もあるので、事前にテスト上映します。その時期は挙式1~2週間前が多いようですが、1カ月くらい前、最終打ち合わせ時に新郎新婦同席で確認する会場もあれば、会場担当者が預かって、結婚式がない平日などに確認するところも。
対応は会場によって異なるので、テスト上映の日や修正したDVDを搬入する日などスケジュールの確認もしておきましょう。
卒花体験談「知らなくてヒヤリ」
【テスト上映を知ったのが直前】
ムービーの締め切りなんて考えていなくて、悠々と準備をしていたら「手作りアイテムなどの搬入前にDVDを提出して、会場で確認する」と聞いて、かなり焦りました。事前にいつまでが締め切りなのかを聞いておくべきでした。(まみんさん)
From 編集部
事前に確認すれば、効率的にムービー制作ができる
この記事で取り上げたポイントをちゃんと会場に確認してからムービー制作を始めれば、無駄な失敗が防げ、効率的にDIYができます。この先、不明な点が出てきた場合も、確認して進めましょう。素敵なムービーができますように!
監修/岡村奈奈さん フリーウエディングプランナー
音大卒。婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。執筆・監修、メディア出演多数。オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホールなどでのユニークなウエディング、伝統的な結婚式までオールマイティーに対応。カウンセリング形のプロデュースに定評がある。音楽と結婚式、2つの専門分野を生かし、結婚式のBGMへの見識も広い。
構成・文/渡邊博美 イラスト/moeko
※記事内のコメントは2023年12月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー53人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2024年2月時点のものです
- 挙式3ヶ月前
- 写真・ビデオ
- アイテム検討期
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- エンディング演出
- 中座中演出