サステナブルでお得なウエディングって私たちらしい!
「サステナブル」とは「持続可能な」という意味。長い時間軸で地球が永続するための暮らしのヒントや活動を取り入れていくことが、今後ますます大事に。ブライダルにおいても、「地球に優しい」物やアイデアがたくさんあります。そして、それは「ふたりのお財布にも優しい」アイデアであることも。この記事では、そんな「サステナブルでお得」な取り入れやすいアイデアをご紹介します。
最初に「サステナブル」「SDGs」についておさらい
「サステナブル(Sustainable)」とは、英語で「持続可能な」「維持できる」といった意味を表す言葉で、世界各地で「サステナブル(Sustainable)な社会の実現」を目指していろいろな取り組みが行われています。そして、世界中の課題を解決するための目標として掲げられているのが、「SDGs」(持続可能な開発目標)。貧困や環境破壊などさまざまな地球規模の問題だけでなく、私たちの身近な生活に関わる問題まで、誰もが心から幸せに生きるためのあらゆる課題を解決するために、国際目標として掲げられています。
「サステナブルウエディング」って何?
ずばり、結婚式の準備や用意するアイテムなどを通じて「サステナブル」「SDGs」に貢献すること。例えば衣裳やギフトを選ぶ際には「サステナブルかどうか」という視点を取り入れたり、適量な料理・飲物でフードロスをなくすのもその一つ。必要のない消費を控えることは、限りある資源を守ることにつながります。結婚式の準備を進める中で、「自分たちにできること」をぜひふたりで考えてみましょう。
【TIPS1】ペーパーアイテムはペーパーレスで節約&資源を守る
従来の紙のアイテムをやめて「オンライン招待状」や「LINE配信」にすれば、大事な森の資源を守ることができ、紙や印刷、発送にかかるコストだけでなく、温暖化の原因になるCO2排出量も抑えられます。ゲストが不便な思いをしないよう、同年代の友人や同僚にはオンライン、目上の人や年配の親族には紙の招待状と分けて用意してもいいでしょう。ほかにもアイデア次第でペーパーレス化が可能なアイテムはいろいろ。席次表をQRコードで読み取る仕組みにしたり、プロフィールブックの代わりに、ふたりの生い立ちをムービーで紹介する方法もあります。
MY TIPS
【招待状や席次表をWEBに】
招待状はWEBで用意。さらに席次表・プロフィール・タイムテーブル・メニュー表などは、全て公式LINEからアクセスしてもらうようにして、約4万円節約できました。(写真#01:rumiさん)
【席次表をQRコードに】
一人一人に配る席次表をやめることで、3万円弱の節約に。受付に置いたQRコードを読み込んで自分の席を確認してもらうスタイル。用意したものはフォトフレームとエンボスペーパー1枚だったので、合計200円程度の出費で済みました。(写真#02:みゆきさん)
【TIPS2】式後も使えるアイテムを考えてみる
1日限りの使い捨てではなく、式後もずっと大事に飾っておけるものや、形を変えて再利用できるアイテムならサステナブルでとても経済的。素敵な思い出が詰まったアイテムたちを大事に使おうとする意識が、クリーンな環境を維持することにもつながります。
MY TIPS
【引出物袋をトートバッグにチェンジ】
引出物袋は式後もずっと使ってもらえるよう厚手のトートバッグに。実用性を考えて結婚式に関わる文字などは印刷しませんでした。紙バッグと比べ、1枚当たりのコストも200~400円程度抑えられたと思います。(写真#01:Arisaさん)
【ずっと手元に置いておけるアーティフィシャルフラワー】
生花とあまり料金は変わりませんでしたが、アーティフィシャルフラワーだと破棄せず式後もずっと飾って思い出と共に楽しめるメリットが。さらに生花をアフターブーケに加工するより金額的にもお得でした。(写真#02:佑美さん)
【TIPS3】先輩花嫁からのお譲りでアイテムの有効活用
素敵なドレスは花嫁の憧れですが、一方で「式当日しか着用しないのに、高いお金を払うのはもったいない」と考える花嫁もいます。そんな人たちに人気なのが卒花さんからの“お譲り”。人気ブランドのドレスを半額以下でGETできるケースも少なくありません。アクセサリーやベールといった衣裳小物も、お譲りを活用すればグンと節約できるし、物を無駄にしないことは、環境にも優しいですよね。
お譲りは「サムシングオールド(何か古いもの)」として、結婚式の時に身に着けると幸せになれる“サムシングフォー”の一つでもあるので、取り入れてみてはいかがですか?
MY TIPS
【衣裳小物をフリマアプリで購入し、式後はお譲り】
デザイナーズシューズと専用のインナーセットは、新品を買うとそれぞれ4万円以上。一度しか使用しないことを考えてフリマアプリで揃え、5万円超の節約に。きれいに使った後は、また次の花嫁さんにバトンタッチ! (写真#01:いくらさん)
【お得に譲ってもらえた装飾アイテム】
同じ会場で式を挙げた卒花さんたちと交流する機会があり、和婚にぴったりな手まりや折り鶴などの装飾アイテムを譲ってもらいました。 幸せの花嫁バトンで素敵なものを引き継げてよかったです。(写真#02:rumix1118さん)
【小物やBGM用のCDはリユースで】
リングピローやベール、グローブは式の一日だけしか使わないので経費削減!タキシードの小物セットやBGMに使うCDなども含めてフリマアプリを探し、総額8800円というお得な料金でGETしました。 (写真#03:ここさん)
【TIPS4】適度なボリュームの料理でフードロスを削減
フードロス(まだ食べられるのに廃棄される食品)も大きな問題。結婚式でも、ついおなかいっぱい食べてほしくてボリュームたっぷりの料理を選ぶこともありますが、ゲストの顔触れや披露宴の開始時間などに合わせて、適量を用意することも実は大事なことなのです。また、「ランクが高くて量が多い料理=おもてなし」という意識を変えることで、コストも抑えられます。
MY TIPS
【スタート時間や招待ゲストの顔触れを考え、量を控えめに】
披露宴スタートが10:30、さらに親族中心で60歳以上の人が多かったこともあり、料理や飲物は、ややボリュームを抑えたコースを選びました。結果的に1人当たり1万5000円程のダウンに。 (写真#01・02:ちーさん)
【TIPS5】場所を生かした装花は控えめボリュームでもオシャレ
例えば窓越しに広がる緑の木々や海、夜景などは、それだけでも十分ゲストの目を楽しませてくれます。過剰な装飾を控えることは資源を守り、温室栽培などに必要な燃料を削減することにもつながっていきます。装花は持ち帰りが可能なアレンジにすれば、さらに◎。
MY TIPS
【小物使い&余白を生かした装花】
元々豪華な装花を希望していなかったので、生花の量を減らして花器やキャンドルでうまくアレンジしました。またソファ席は花材をたくさん使うので、4分の1程度の料金から調整できる高砂席を選択。キャンドルは本物の代わりにお得なLEDタイプにしました。(写真#01:maiさん)
【美しいロケーションを生かし、テーブル装花は1つ】
大きな窓いっぱいに青い海が広がる会場。美しい景色に圧倒され、装花のボリュームが少なめでも全く問題なし。さらに新郎新婦と両家が1つのテーブルを囲むスタイルに。そのため装花自体も1つで十分で、費用もコンパクトに。(写真#02:ちなさん)
【TIPS6】装飾はリユースアイテムを使って見た目も費用もかわいらしく
ボードやドールをはじめ、イニシャルオブジェやガーランド、フォトフレームといったウエルカム装飾に必要なアイテムは、会場でレンタルしたり、フリマアプリなどを利用すると余計な消費や出費を抑えることができます。サステナブルな社会に貢献するために、新品にこだわらず“リユースアイテム”を用いることも検討してみましょう。
MY TIPS
【装飾アイテムの多くは会場の無料レンタル品】
披露宴会場の入り口に設けた「ジェンガ&曲当てクイズ」のコーナーは、ほとんどを会場でレンタルした無料アイテムで仕上げてもらいました。ウエルカムスペースには自前の小物を持ち込みましたが、大半が式後新居のインテリアとして飾ることを前提に選んだアイテムです。(写真#01:シホさん)
そのほかにもこんな方法が!
カタログギフトで!
ギフトを選ぶ際には、商品が作られる過程や仕組みを知ることや、長く使い続けられるかどうかも念頭に。例えば途上国で作られたものを適正な価格で購入する“フェアトレード”や、農薬や化学肥料に頼らない“オーガニック製品”などがその代表です。また、「長く使い続ける」という視点で考えると、単価は多少高めでも結果的にお得であることが多いので、ぜひチェックしてみてください。
MY TIPS
【カードタイプのカタログギフトをセレクト】
カタログギフトは冊子ではなく、カードタイプのものをセレクト。ゲストの荷物にならず、使った後のゴミの削減にもなるので正解でした。冊子と比べて1人当たりの単価が200円以上低いのも嬉しいところ!(いくらさん)
【再利用できるカタログでプレミアム感をプラス!】
フォトアルバムとしても使えるカタログギフト。料金は通常の冊子タイプとさほど変わりませんが、使用後もずっと使ってもらえるところがポイントです。 (もここさん)
From 編集部
結婚式にも「地球に優しい」視点を取り入れて
「サステナブル」を意識した結婚式は決して難しいものではありません。環境に配慮したアイデアを無理のない範囲で取り入れることで、自分たちらしい式だったね、と思えるかも。あなたなりの「サステナブルウエディング」を始めませんか?
深井 宣光 一般社団法人SDGs支援機構 事務局長
社会課題をイノベーションで解決するスタートアップ専門ビジネスメディア「Startup-Japan」ナビゲーター。経済産業省関東経済産業局のベンチャー支援事業のサポーターや各種メディア、企業でのSDGs/サステナブル企画の、企画・監修のほか、講演、執筆、社会課題解決型のスタートアップのメンタリングなど多岐にわたって活動。
取材・文/南 慈子 D/mashroom design 監修/深井宣光 構成/山川眞侑(編集部)
※記事内のコメントは2023年10月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー79人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2023年12月時点のものです
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