[プランナーに聞く]”タイパ重視花嫁”のための打ち合わせ時間&回数削減テク
会場が決まって、初回打ち合わせをこれから迎える花嫁さんの中には、打ち合わせを効率重視で進めたい人もいるのでは。今回はウエディングプランナーさんに、打ち合わせの時間を短縮したり、回数を減らすタイムパフォーマンス重視の進め方を聞いてきました。忙しい方、会場が遠方で何度も行けない方、妊娠中の方や産後に結婚式を挙げる方など、タイパ志向の花嫁さんは必見です。
会場との打ち合わせ、いつから始まるの?
基本的なことを知りたい!
初回打ち合わせは結婚式の約4カ月前からスタート
会場との打ち合わせがスタートするのは、通常、結婚式の約4カ月前から。打ち合わせ所要時間の平均は1回につき2時間強。打ち合わせ回数のボリュームゾーンは5~6回ですが、会場により大きく異なり、回数が少ない場合は一度に決めることが多いため、3時間近くかかることもあります。
打ち合わせをコンパクトに進めるためには、やはり準備が必要。何をしておけば手早く進み、何が不足していると長引くのか、現場で多くのカップルを支えているウエディングプランナーさんに事例を交えてアドバイスしてもらいました。
アドバイスいただいたのは……
シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル
田中千恵さん
東京湾隣接の海と緑に囲まれた、リゾート感溢れるホテルウエディングが叶う会場のウエディングプランナー。プランナー歴は8年以上。ゲストハウスのプランナーを経て、2017年より同ホテルのプランナーに。
南青山ル・アンジェ教会
内山涼子さん
東京・南青山に佇む独立型教会での厳かで本格的な挙式が人気の会場のウエディングプランナー。挙式のアテンダントスタッフを経験後、同教会にて会場探しの方へのプランニングを主に担当。
初回打ち合わせを短時間にするために
知っておきたいQ&A
Q.初回打ち合わせって何をするの?
「成約時に、プランを記入するシートをお渡ししており、打ち合わせは記入していただいたシートを確認しながら進めていきます」と、田中さん。会場を決めて成約した後、プランナーさんから、ふたりのプロフィールや、結婚式のプランを書き込むシートを、打ち合わせ開始までの「宿題」として渡された方も多いのでは。
初回打ち合わせでは、こうした宿題の進み具合を確認しつつ、招待状の打ち合わせ、コンセプトの擦り合わせ、スケジュール確認などが行われるのが一般的です。
プランナーさんに聞きました
【初回はコンセプトと招待状】
打ち合わせは基本は5回行います。初回の所要時間は1時間半から2時間程度で、コンセプトの確認と招待状のお話がメインです。おふたりがどういった結婚式をしたいのか、方向性を確認するのと、招待状の準備のため、ゲストリストを確認したり、手配先を確認したりします。(内山さん)
【シートを確認しつつ、濃い内容】
打ち合わせは基本は3回です。初回の所要時間は2時間半~3時間で、書いてきていただいたヒアリングシートの確認をしつつ、招待状、スケジュール確認、司会、前撮り・二次会・宿泊関連について進めていきます。(田中さん)
Q.招待状の準備って何をすればいいの? どうして重要?
初回の招待状の打ち合わせで、ふたりの準備が肝心なのが、発送先でもある「ゲストリストの作成・提出」です。招待状は通常、式の3~2カ月前に発送しなければならないので、先延ばしができませんし、ゲスト層は、結婚式のコンセプト決めにも影響します。職場の上司や恩師も招くのか、親族と友人中心なのか、ゲスト層によって結婚式の雰囲気も変わるからです。
ほかにも、招待状は会場手配か、自分で手配するか、紙招待状か、Web招待状か、筆耕を依頼するか、どんなデザインにするかなども考えておきましょう。
プランナーさんに聞きました
【ゲスト層の把握は重要です】
職場の上司の方や、親御さまのお付き合いのある方をお招きする結婚式と、ご友人とご家族だけの結婚式では、結婚式の雰囲気や、アイテムのご提案の仕方も変わってきます。ゲストリストは未決定の部分があっても初回から必要です。(田中さん)
【ゲストリスト作成は時間がかかる】
ゲストリストを完璧に揃えるのは意外と大変。親しい人でも、住所や名字、正しい漢字表記がわからないことはありますし、親族をどこまで呼ぶのか親御さまに確認が必要だったり、締め切り間際で手間取るケースがよくあるので、ぜひ早めに取りかかって。(内山さん)
Q. プランナー視点で初回打ち合わせ前にやっておくといいオススメは?
内山さんは「先々、結婚式のトータルコーディネートがしやすくなる、コンセプトカラー決め」。田中さんは「挙式・披露宴の雰囲気を決める重要要素である司会者のセレクト」という回答でした。
プランナーさんに聞きました
【コンセプトカラーを決めておく】
ベースのカラーとアクセントカラーともう1種類。3色決めておくと、招待状、装花、テーブルクロスなど、何をするにもそれを基準に選べるので迷いません。希望するカラーがわかっていれば、会場側も提案に生かせるんです。(内山さん)
【Webの資料で絞り込みを進めて】
人気のある司会者ですとスケジュールもすぐに埋まるので早めの指名をオススメしています。司会の絞り込み資料として好評なのが、本人が話している動画のURLリストです。招待状などのアイテムも事前にWebで見本を見ておくと、決定が早いですよ。(田中さん)
Q.初回打ち合わせで時間がかかってしまうのはどんなこと?
初回の打ち合わせで、時間がかかりすぎてしまうケースとして、プランナーのお二人が口を揃えるのが「新郎新婦の意見が割れているとき」。どんなゲスト層が集う式にしたいのか、結婚式で何を大事にしたいのか、両家それぞれの意向の確認と擦り合わせが済んでいるかなど、会場で、ふたりの意見に食い違いが出てくることはままあるそう。
プランナーさんに聞きました
【ふたりの意見を共有しておいて】
例えば、新郎側は上司も呼ぶけれども、新婦側は呼ばないなど、おふたりの方向性や意見に食い違いがあり、もめているまま打ち合わせに入ると、時間がかかってしまいます。事前におふたりの意見が共有できていると、ありがたいですね。(田中さん)
【方向性を揃えておいて】
新郎は友人中心の飲み会みたいな結婚式にしたい、新婦は結婚式なんだからきっちりやりたい、といったように意見が割れてしまうと、方向性が真逆なので進め方が難しくなります。やはりコンセプトは決めてあると助かりますね。(内山さん)
Q.衣裳についてやっておくといいことは?
会場のプランナーとの打ち合わせは約4カ月前から始まりますが、衣裳の打ち合わせは会場とは別に進み、1年~半年前から始めることが多いもの。お二人とも、衣裳選びは先に進めて、できれば初回打ち合わせ前に決定しておいた方がいいというご意見です。
プランナーさんに聞きました
【半年前からドレス選びを】
ドレスはあまり早く見始めても、新作がどんどん出てきて目移りしてしまうので、半年前から見始めるくらいが、そのシーズンの流行もわかるのでオススメです。打ち合わせ時にドレスが決定していれば、ドレスに合った会場コーディネートの提案も可能です。(内山さん)
【7カ月前から衣裳スタート】
衣裳選びは7カ月前から開始できるようにご案内していますので、初回打ち合わせの時点では、衣裳はほぼ決まっていることが多いですね。成約後は早めに衣裳を見始めることをオススメしています。(田中さん)
2回目の打ち合わせを短時間にするために
知っておきたいQ&A
Q.2回目の打ち合わせはどのように進むの?
2回目からは、演出をはじめとして結婚式の進行を決めていったり、会場装飾、席次表、ギフトの打ち合わせ等が進みます。このあたりから、決めることがとても多くなっていくので、タイパ重視のふたりなら、会場から出た宿題は確実にやり遂げて打ち合わせ日を迎えるようにしましょう。席次表や、ギフトの贈り分けのリスト作成などは特に時間がかかりがちなので要注意です。
プランナーさんに聞きました
【パーティの具体的なプラン作り】
2回目の打ち合わせは結婚式の約3カ月前で、パーティの進行、装花などのコーディネートに加え、写真やムービーの打ち合わせもするので、3~5時間かかります。進行については、乾杯の発声はどなたがされるかなどの確認もあります。ムービーも自作するのか会場手配にするのか、この段階で決めます。
【席次表決めがメインです】
2回目の打ち合わせは式の1カ月前で、所要時間は2時間程度。テーブルプラン(席次表)を進めるのがメインで、誰がどこに座るのか、肩書をどう書くかも決めてきていただきます。座席の配置に迷った場合も、プランを真っ白のまま持参されるのではなく、仮置きでもいいので入れてみてからご相談いただけると、お答えしやすいです。(田中さん)
Q.2回目の打ち合わせは何をしておくとスムーズ?
2回目の打ち合わせは内容盛りだくさん。長い時間をかけたくない人は、スピーチなどを依頼するゲスト決め、コーディネートの見本写真集め、ギフトのセレクトなどを事前に進め、打ち合わせで即断即決できるように準備しておきましょう。
ムービー用の写真選びなどは、会場成約直後のまだ時間のあるときから手を付けるのがオススメ。席次表作成も、招待状の返信が戻ってくる前から手を付けることができます。肩書の確認など、時間がかかる作業はぜひ早めに始めてください。
プランナーさんに聞きました
【自作か会場手配かを決める】
ムービー、演出や装飾などは、自作するか、手配するかは早めに決めて会場に伝えましょう。コーディネートの好みも、事前に資料写真を送っていただければ、次の打ち合わせで具体的な提案が可能になります。(内山さん)
【引出物の贈り分けリスト】
引出物の贈り分けをする方は、贈り分けリストを作った方がいいです。引出物の手配もしないといけないので、結婚式の1カ月前の打ち合わせでは贈り分けリストが必要です。(田中さん)
打ち合わせの回数を少なくするために
知っておきたいQ&A
Q.回数を減らす方法はある?
会場での打ち合わせの回数を減らしたい方は、プランナーさんに相談してみてはいかがでしょう。お二人にお聞きしたところ、両会場ともに、希望があれば可能な限り、打ち合わせ回数を減らします、とのこと。特にこの数年で、オンライン打ち合わせのシステムが整い、会場に行かなくてもほとんどの打ち合わせができるようになりました。ぜひ活用してみてください。
プランナーさんに聞きました
【内容によってはオンラインで】
当ホテルは、打ち合わせ回数が3回なので、それ以上回数を減らすのは、少人数婚でもなければ難しいのですが、打ち合わせはオンラインでも可能ですから、お越しになる回数を減らすことはできます。(田中さん)
【早い段階で回数のご希望を】
「回数を少なくしたい」という希望にお応えすることはもちろんできます。可能なら打ち合わせ開始前など早い段階でお話しいただけると、最初からそのつもりでスケジュールが組めるので助かります。(内山さん)
Q. オンラインやメールでの打ち合わせの注意点ってある?
メールで文章を書くのに時間がかかったり、早く返信が欲しいのになかなか返ってこないことってありますよね。メールは便利なツールではありますが、意外と時間をとられてしまうデメリットもあるんです。
プランナーさんお二人も、打ち合わせの回数を減らすのなら、メールだけでやりとりするより、オンライン打ち合わせの方が、オススメとのこと。一方で、資料の添付や、事前相談や、報告などに使う分にはメールはとても便利。上手に使い分けましょう。
プランナーさんに聞きました
【集中力が保てないことも】
オンラインのシステムは現在とても使いやすくなっています。ただし、打ち合わせが長時間になると、対面だと頑張れても、オンラインの場合は集中力が切れやすいデメリットがあるかもしれません。(内山さん)
【メールだけの打ち合わせは危険】
実はメールは温度感とかニュアンスがくみ取りにくいので、メールだけで話を進めるのは危険。またレスポンスにも時間差が出てしまうデメリットがあります。宿題として持ち帰った件を「席次表はこれで」などと報告するのにメールを使うのは効率的でいいと思います。(田中さん)
やり直し、二度手間を防ぐために
知っておきたいQ&A
Q.後でやり直しになってしまいがちなのはどんなこと?
「『親からはふたりで進めていいよって言われています』とおっしゃる新郎新婦さまが増えています」と田中さん。「でも、のちのち親御さまの希望で変更になることは、まれではありますが、実際にありますね」
「親御さまの意見があったからと後から変更が入ると、それを私たちに伝えるご新婦さまが一番つらそうなんですよね」と内山さん。ゲストリストや料理、引出物や衣裳など、後から親の意向で変更になることはあることだそう。それを防ぐには、早めに両家の意向を確認し、経過を共有しておくようにしましょう。
プランナーさんに聞きました
【決定する前に親に報告を】
最初はふたりに任せるつもりだった親御さまでも、途中から「何か具体的なアドバイスがしたい」となる場合もあります。おふたりが時間をかけて作ったプランが崩れてしまうのを避けるためにも、決定前の「こうしようと思っている」というふたりの意向や、決まるまでの過程を親御さまに共有しておくといいですね。(田中さん)
【ゲストリストの段階で親に共有】
早い段階で、ゲストリストを作って親御さまに見てもらい、意向を確認しておきましょう。ご親族を呼ぶにも、ご夫婦で出席していただくのか、体調は問題ないかなど、親でなければわからないことは意外と多いもの。新郎新婦と親御さまとのグループLINEを作って、結婚式の進捗を共有するのもオススメです。(内山さん)
Q.二度手間を防ぐためにプランナーとしてぜひ教えてほしいことは?
プランナーさんが、二度手間ややり直しを防ぐために、ぜひ聞いておきたいことはどんなことでしょうか。
内山さんは「やりたいことだけでなく、やりたくないこと、好みでないものもぜひ教えてほしいです」。田中さんは「やりたいことを、文章にしなくてよいので、単語だけでもいいので書いておいてもらえるとヒアリングしやすいです」とのこと。コンセプトの擦り合わせの際に、方向性が擦れ違ってしまったり、コンセプトが一向に決まらない事態にならないように、とのことです。
また、二度手間を防ぐためには、資料をすぐ見られるようにわかりやすくまとめておいたり、情報を更新しておくこともお忘れなく。「その日決まったことを新郎新婦の間ですぐにLINEやスケジュールアプリを使って共有しておくと忘れませんよ」と内山さん。
プランナーさんに聞きました
【やりたくないことは重要です】
例えば「テーマカラーはピンクだけど、パステルカラーでファンシーな感じになるのは嫌で、大人っぽいニュアンスのあるくすんだピンクが好み」など、言っていただかないと、「ピンク」だけではイメージが擦れ違ってしまうこともあります。(内山さん)
【文章にまとめなくてもOK!】
コンセプトを求められても、やりたいことが、うまくまとまらない方もいらっしゃると思います。そういうときは、文章にまとめたりしなくて全然構いません。おふたりの中から出てきたワードをバラバラでもいいから、書いておいてもらうとプランナーとしてはヒアリングの糸口にできるので助かります。(田中さん)
先輩花嫁の打ち合わせ
「時短&効率化」アドバイス
先輩花嫁からも、打ち合わせの時短&効率化、二度手間予防につながるノウハウを教えてもらいました。実体験に基づく、納得のアドバイスをご紹介します。
先輩花嫁のオススメのタイパ術
【招待状の自作は早く伝える】
初回あるいは2回目までで人数やゲストリストは作っておいた方がいいです。また招待状は、初回打ち合わせで、会場に発注しないで自分たちで準備すると伝えたら、注意点などを細かく教えてもらえました。(みさみささん)
【衣裳は写真より実物を見て】
衣裳は1日かけてじっくり選ぶのがオススメ。あらかじめ写真で見ておくよりも、顔に合わせて、店にある衣裳の中から選ぶのが早いと思います。(YUKIさん)
【妥協案も考えておくといい】
テーマが決まっているとサクサク進むので決めていた方がいい。妥協案も考えておくとなおいい。やりたいこと、やりたくないことも、夫婦で話し合っておくとなおスムーズです。(shokoさん)
【リストは事前に会場に共有】
ゲストリストや引出物リストなど、外注が必要なアイテムのリストは特に、事前にプランナーさんにメールや写真で送っておくと効率的です。(YuKiNaさん)
【強い意志を持って伝える】
絶対にやりたくないことは前もって決めておく、そして、強い意志を持って「やらないです!」と伝えた方がいいです。(なっちゃんさん)
【イメージに合う画像を集めて】
結婚式イメージやテイストはピンタレストなどを参考に決めておくと、どの打ち合わせでも決定がスムーズになると思います。私はアプリコットピンクというテーマカラーを決めて、そこから装飾などの詳細に落としていきました。(ぱるかさん)
【席次の案は早めに相談】
席次は、どの人を上座にするのかなど、かなり悩む部分なので、早めに案を作成したほうがプランナーさんに相談しやすくなります。また、親の意向での変更が出てくるとかなり面倒なので、衣裳を会場でレンタルするか、披露宴でスピーチをするかなど、親には確認しておいた方がいいです。(まみさん)
【確認リストを打ち合わせに持参】
絶対確認したいことは事前にリスト化して持っていきました。聞きそびれることもないし、先にリストを見せることで、打ち合わせをサクサク進めてもらえました。(麻由さん)
【スケジュールの共有を】
彼の出張が多い時期だったため、プランナーさんには私たちのスケジュールを伝えておき、メールで対応できるところや打ち合わせの準備などを確認しました。(M.Tさん)
From 編集部
結婚式の打ち合わせはふたりの最初の共同作業
プランナーの内山さんからは「結婚式の打ち合わせって、これからの人生でふたりがいろいろなことを決める練習だとも言えるのではないでしょうか」というお話がありました。互いに忙しいときもあるでしょうが、今回ご紹介したテクニックを参考に、効率よく、情報共有を欠かさず、進めていってください。打ち合わせ期間をおふたりが存分に楽しめますように。
構成・文/河内千春 イラスト/タテノカズヒロ
※記事内のコメントは2023年8月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー63人が回答したアンケートおよび、2年以内に結婚した女性110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2023年10月時点のものです
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