スタイリスト&専門サロンが注目!2023-24のトレンドドレス
普遍的な魅力も求められながら、流行も移り変わるウエディングドレス。旬を捉えたスタイルは時代の空気感ともマッチしてトータルでステキに見えるもの。トレンドだけに縛られる必要はありませんが、ポイントを押さえておくことで、グッとおしゃれな花嫁姿に近づけるはず。そこで、トレンドに詳しいスタイリストさんとドレスサロンに、今期のウエディングドレスの傾向を伺いました。
現場の流行を熟知するスタイリストが注目するトレンドは?
結婚式の多様化や大人花嫁の増加で、細身ライン×トップスデザインに進化が
お話を伺ったのは……
Stylist 土田麻美さん
ゼクシィをはじめとしたブライダル雑誌やファッション誌で活躍。王道とトレンド、バランスの取れたスタイリングが人気を集めている
Stylist 福崎香織さん
広告やブランドカタログまで幅広く手がける。キュート、ナチュラル系はもちろん、個性的なスタイリングで花嫁の魅力を表現
「コロナ下によって、ドレス姿での動きやすさ重視のロケーションフォトや親族や友人メインのミニマムな式が増え、結婚式の様式がより多様化した昨今は、控えめなシルエットのドレスが引き続き人気。シンプルな中でもトップスなどに盛りポイントがあると、写真映えや会場映えが実現できるので、人気のようです」(土田さん)
「継続して人気なのはパフスリーブなど袖にボリューム感のあるデザインです。ドレスのシルエットにかかわらず、程よい華やかさを演出し、気になる二の腕もカバーしてくれます。また、大人花嫁が増えているためか、デザインや素材感も甘すぎずモードすぎないタイプが、トレンドとなっていると思います」(福崎さん)
From Stylist/トレンド01.リボン
甘すぎない大人かわいいあしらいが旬
From Stylist
女性らしいモチーフの中でも甘くなりすぎず、大人かわいいバランスが取りやすいデザインです。バックスタイルから肩や袖など大小関わらず、取り入れるドレスが増加中!(福崎さん)
ビッグリボンは引き続き人気ですが、さりげないあしらいのリボンが増えてきています。袖や背中にリボンがあることで、甘すぎず普段の自分らしいドレス姿に。(土田さん)
RIBBON1|かわいくなりすぎない大胆バックリボン
●みい@mi_1004_wdさん
シンプルなフロントの印象とは一転、ビッグサイズで後ろ姿にインパクトを添えるリボン。透け感のある素材やすっきりとしたフォルムで、程よい甘さを漂わせる旬のドレス姿に!
トレンドは意識した?
SNSで新作を中心にチェックするうち、自然とトレンド感のあるドレスを選んでいました。参列経験の多いゲストにも初めて見ていただくという点でも良かったと思います。
RIBBON2|大人っぽさと甘さの絶妙なバランスに一役
●@dr.y_n_weddingさん
リボンがオフショルダーとともに、マーメイドラインのすっきりとしたフォルムのアクセントに。リボンが大きめだから、前やサイドからもチラリとのぞき、大人っぽさと甘さが共存したスタイルに。
トレンドは意識した?
ドレスショップのSNSや海外モデルの結婚式の写真を参考にしました。大人っぽくもありたいけど、どこかしらかわいらしさもプラスしたいなと思いセレクト。程よい甘さに仕上げたくて、小物選びでバランスを大切にしました。
RIBBON3|ロマンチックな中に抜け感を
●わか@waka_mumさん
肩先の大きなリボンと花モチーフのギュピールレースが相まってロマンチックなムードを醸す一着。その中にも、リボンがもたらす抜け感があり、絶妙なバランスがお気に入りだったそう。
トレンドは意識した?
SNSでドレスを見ていたので自然にトレンド感のあるデザインをチェックしていました。胸元が大きく開いているところは正直ゲストからの見え方が心配でしたが、当て布などを入れて対応しました。
From Stylist/トレンド02.デコラティブスリーブ
細身ラインのドレスにワンポイントで花を
From Stylist
ボリュームスリーブは存在感が大きく、その部分だけでおしゃれ感が出る今注目の一着です。気にする人が多い二の腕をさりげなく隠してくれてスタイルアップ効果もありながら、最近増えている細身のラインのドレスでも主役感が出せるのも人気の理由です。(福崎さん)
ビッグパフは引き続き人気ですが、パールあしらいや異素材との組み合わせなどバリエが広がっています。ドレス全体のシルエットもスレンダーが増え、姫っぽさから大人かわいいバランスへシフトしている印象です。(土田さん)
DECORATIVE SLEEVE1|溶けそうなフリルが重なって華やか
●Miyuさん
ドレスは肩ひものパールが目を引くミニマムな一着。たっぷりのフリルがくしゅくしゅと重なったボレロを合わせることで、全体に程よくボリュームが出て、手の動きにも花をもたらす。遠くから見ても華やかなドレス姿に。
トレンドは意識した?
トレンドは意識しつつ、あまり他と被らないデザインを意識していました。肩ひものパールをはじめ、大胆に開いた背中、オプションでプラスできたボレロのシルエットがとても気に入っています。
DECORATIVE SLEEVE2|スズラン柄のふんわりスリーブ
●minami@___wd27さん
透け感のある生地に珍しいスズラン柄のレースが際立つ、ふんわりとしたロングスリーブ。袖のボリューム感とオフショルダーの華奢な肩先のギャップが、フェミニンな柔らかさを醸す一着。
トレンドは意識した?
ゼクシィの記事やSNSでトレンドのドレスをチェックしていました。その中で、好みのドレスブランドをいくつか発見できたので、それらのブランドを中心に担当さんと一緒に選んでいきました。
DECORATIVE SLEEVE3|ミニマムなのに華あるパフ
●@fm____weddingさん
全体は装飾レスですっきりとしたデザインに、生地の光沢感で高見えし、ポワンと膨らんだ袖のボリュームでデザイン性を感じさせる一着。胸元や背中の深いV字、二の腕をカバーする袖によって、スタイルアップも。
トレンドは意識した?
少し変わったトレンド感があるものに引かれていたので、パフスリーブのマーメイドラインのドレスを選択。ミニマムなデザインなので、スタイリング次第で韓国風、モード系などさまざまな雰囲気になれるのもお気に入り。おしゃれに着こなすためサイズオーダーしてフィット感にもこだわりました。
From Stylist/トレンド03.ワンショルダー
ワンポイントでヘルシーな着こなしに
From Stylist
モード感とヘルシーな印象をもたらすので、さりげなくドレスを着こなしたい大人花嫁にもぴったりですし、モードでカッコいいスタイルを好む花嫁さんにも支持されるデザインです。(福崎さん)
デザインレスなワンショルダーがトレンド。個性はワンポイントで表現し、シンプルな中に素材でリッチ感を出しつつ、モードな印象のワンショルダーが今の傾向です。(土田さん)
ONE SHOULDER1|シンプルな中にヒトクセ
●ayakaさん
カラフルな会場の装花や装飾にこだわっていたので、ドレスは極力シンプルなデザインを選んだそう。素材は柔らかく滑らかな装飾レスで、シルエットも控えめ。アシンメトリーなショルダーにリボンがアクセントとなり、角度によって変化のあるドレス姿に。
トレンドは意識した?
特に意識はしていませんが、SNSでドレスをチェックしているうち、なんとなく好みの傾向が明確になっていきました。それ以上に会場とのバランスを重視しました。
ONE SHOULDER2|マントのような大胆なアクセント
●あやかさん
光沢のある生地のすっきりとした王道Aラインドレスに、ワンショルダーが個性をプラス。ワンショルダー部分は、たっぷりとした生地がマントのように後ろに流れるデザインになっていて、バックスタイルの大胆なアクセントに。
トレンドは意識した?
SNSや画像検索で無意識にトレンドに影響されていたと思います。ただ、何十年後に見てもステキだと思えるように、トレンドばかりに気を取られないように、自分の感性を大切にしました。
ONE SHOULDER3|翼のように立ち上がる気品
●YURINO@wedding_yrnさん
ミカドシルクのつやが美しく、ハリのある素材感で立体的に立ち上がるワンショルダーが顔周りに品と花を添える一着。ロイヤル感のある印象にさりげなく旬のエッセンスが光る花嫁姿に。
トレンドは意識した?
SNSでたくさん情報収集したり、ドレスショップで新作やトレンドのデザインも紹介していただきながら、似合うかどうかを考えて選びました。
最新トレンドをいち早く提案するドレスサロンが注目するトレンドは?
トレンドは、ミニマルから幸福感のある華やかさへ
2023年秋冬から2024年の春夏の新作ドレスのトレンドについて、「THE TREAT DRESSING」PRESSの池田さんにお話を伺いました。
「パンデミック期間中、ドレスデザイナーたちから花嫁へエールのメッセージがドレスに込められました。そのため、最近のコレクションでは、ミニマル思考からフラワーやリボンモチーフなど幸福感を感じさせるデザインが多く見られるようになりました。繊細で華やかな装飾、ボリュームデザインがコレクションごとに進化した形で発表されています。
当社が今、日本の花嫁さんに最もお届けしたいブランドは、中東ブランドの『LIZ MARTINEZ(リズ マルチネス)』。煌びやかで女性心くすぐるウエディングドレスは、ラグジュアリーで繊細な女性らしさを叶えてくれます。
実際に、結婚式をする意味に向き合う花嫁さんも多く、その思いはより研ぎ澄まされたように思います。そのため、定番というよりはデザイン性があったり、ストーリーがあったりすることで、より愛着を持てる一着を好む方が増えている印象です。」
次からは2023年秋冬と2024年春夏のウエディングドレスの新作から、今後のトレンド傾向を見ていきましょう。
From Salon/2023秋冬のトレンド
デザイン性のある甘く華やかなデザイン
●ファッションコンシャスなリボンモチーフ/写真1枚め
リボントレーンをきっかけに、リボンモチーフは長く愛されてきたアイコン。パールやストーンを用いた立体的なタイプ、華奢で繊細な素材、複数あしらったデザインまで、大きさや素材を変えて登場。
●ボリューミーなウエストシルエット/写真2枚め
細身のAラインやトレーンがなくても、ウエスト周りが膨らんでいることで、大胆なシルエットを叶えるボリュームドレスが人気。クラシカル感やドラマティックな印象でまさに花嫁らしさを実感させてくれるデザイン。
●アームウォーマースタイル/写真3枚め
昨今人気のビッグパフスリーブの次に、2023年秋冬から登場したのは、腕から手の甲にかけて添ったチュールのロングスリーブ。中でも、生地をくしゅくしゅと寄せたブラウジングスタイルに流行のきざしが。
From Salon/2024春夏のトレンド
リボンやフラワーを大胆にデザイン
●ビッグリボン/写真1枚め
背中の中心にエアリーかつビッグシルエットなリボンが施されたデザインがさまざまなブランドから登場。2024年春夏シーズンのビッグリボンは甘すぎずモードすぎないバランスと、空気をまとうようなゆったりとした生地のドレープでバックコンシャスなブライズスタイルに一役。
●ローズモチーフ/写真2枚め
シーズンごとにトレンドが変わるフラワーモチーフ。最旬はモダンに昇華されたローズモチーフ。以前までのような繊細でフェミニンなタイプではなく、レースや刺しゅう、3Dフラワーなど、大胆にして立体的なデザインに落とし込まれているのが特徴。
●スクエアネックライン/写真3枚め
ウエディングドレスだけでなくファッションブランドでも発表されているスクエアネックライン。バストトップ上まで深めに開いたネックラインに、細いショルダーラインを合わせたデザインが2024年春夏シーズンの特徴です。
写真提供:THE TREAT DRESSING
From 編集部
トレンド感があるからこそ、自分らしさも大切に
トレンドは昨今の世情や社会の空気感にも強く影響されるもの。つまり、その中で花嫁さんが抱く思いも汲み取りながら進化しています。その上で、特別な日の一着だからこそ、リアルクローズ以上にトレンドに左右されすぎないことも大切。「THE TREAT DRESSING」プレスの池田さんによると、「結婚式の真の価値に目を向け、自分らしさを形にするからこそ、一瞬の華々しさだけでなく時を経ても幸せで特別な一日として、記憶に残る上質な結婚式となるはずです」とのこと。ぜひ、トレンドを押さえる中で、自分らしさにも向き合ってみてくださいね。
Shop list
THE TREAT DRESSING
https://www.treatdressing.jp/
構成・文/小松ななえ イラスト/EccO
※掲載されている情報は2023年10月時点のものです
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