ふたりらしさが光る。プランナーに聞いた「忘れられない結婚式」
結婚式の中で、さりげなく光を放つ演出やおもてなし。そんな“キラリポイント”は、ゲストにとって、ふたりの式を強く印象付けるもの。今回は、プランナーさんのコンテスト「GOOD WEDDING AWARD 2023(以下GWA2023)」の受賞者に、「ふたりらしいキラリと光るポイントがある、忘れられない結婚式」について聞きました。幾多の式をプランニングしてきた皆さんの、心に残る結婚式って?
1.出会いに感謝し縁を未来へ。
ゲストへのあふれる想いがキラリ
実幸さん・敦さんカップル
選んでくれたのは
徳永彩奈さん
ブランレヴュー宇都宮アクアテラスプランナー。プランナー歴10年。GWA2023クリエイティブ賞受賞。
「おしゃれでナチュラルな今風の結婚式を希望する新婦さまと、彼女の意見を尊重しつつ、お仕事の関係から『王道で失礼のない式を』と考えていた新郎さま。両者の想いを叶えつつ、“ゲストとのご縁”を大切にするおふたりにちなんで、コンセプトは『縁-ゆかり-』に決定。ゲストへの感謝がさりげなく伝わり、未来につながる一日になりました。」(徳永さん。以下同)
[キラリ1]過去、現在、未来をつなぐ思い出の写真
●子育て振り返りフォトギャラリー
「ファミリーミートに向かう親御さまの導線に、おふたりの誕生から現在に至るまでの写真を展示。子育てを振り返ってからのご対面は、自然と涙がこみ上げる感動の時間になりました。おふたりの感謝の想いもしっかり伝わる演出に。」
●見て、撮って楽しめるフォトスポット
「カメラが好きな新婦さま。ウエルカムスペースは、おふたりやゲストとの写真でいっぱいに。また、フォトスポットを設けることで、待ち時間がすてきな思い出作りのシーンになり、式が始まる前からたくさんの笑顔があふれました。」
[キラリ2]ゲストとの触れ合いはなるべく長く、近い場所で
●ゲストとの交流タイムをたっぷり
「『できるだけゲストと一緒に楽しみたい』という希望から、挙式後のアフターセレモニーはシャワー演出のみ。会話を交わしたり写真を撮ったりと、ゲストと過ごされた時間は、おふたりの人柄を表すような温かさでした。」
●キャンドルサービスにプロジェクションマッピングをプラス
「テーブルラウンドは、ゲストにしっかりごあいさつができるキャンドルサービスをセレクト。王道の演出をよりおしゃれで印象的なシーンにするため、360度星空が映し出されるプロジェクションマッピングを取り入れて、幻想的な空間とされました。」
2.人生の大切な1ページに栞(しおり)を添え。
日常にあるキラリを形に
なつきさん・しょういちさんカップル
選んでくれたのは
松浦玲奈さん
オワゾブルー山形プランナー。プランナー歴13年。GWA2023準グランプリ受賞。
「当初のおふたりは結婚式をどのような時間にしたいか、具体的なイメージはありませんでした。お話を聞いていると、これまでの何気ない出来事も鮮明に覚えていることに気づきました。おふたりは記憶の1ページ、1ページに大切な“栞”を残されている。そう思い、『栞』というテーマを提案。結婚式という特別な日にも、ゲストとたくさんの“栞”を挟みました。」(松浦さん。以下同)
[キラリ1]「本」をコンセプトにした演出&装飾
●絵本を持ち寄って思い出を共有
「栞に関連して、『本』もコンセプトの一つに。幼い頃、親御さまに読んでもらった絵本を前撮りアイテムに持ち寄って、お互いへ本を紹介するなど和やかに撮影を行いました。当日はその絵本を会場に飾り、ゲストが昔を思い出す仕掛けとしての活用も。」
●ブック形ケーキに載せた手作りの栞クッキー
「ウエディングケーキはブック形でオーダー。おふたり手作りの栞クッキーを載せる演出を行いました。クッキーには、おふたりが記念日に贈り合っている『おめでとう。これからもよろしくね』の言葉が書かれています。」
[キラリ2]みんなの記憶の栞をカタチに残して
●結婚準備の日々をつづった記憶のノート
「日常を大切にするおふたりにとって、準備期間も特別な時間。そこで、日記風のノートを作って日々の想いを残すことに。招待状に栞形のカードを同封してゲストにメッセージを書いてもらい、当日ノートに貼る演出も行いました。」
●ご家族との思い出のページに残された栞が導いたサプライズ
「事前に今回のテーマを親御さまにお伝えしたことで、ご家族の記憶に挟まれていた栞も思い起こされることに。挙式中、両家のお母さまによるサプライズメッセージの際には、新郎のお母さまから新郎さまへ、手作りされた絵本バッグと幼少期に愛読されていた思い出の絵本が贈られました。まさに『記憶の栞』がカタチになった瞬間でした。」
3.ふたりの想い&親の想いが伝わる
笑顔いっぱいのキラリ演出
Mさん・Tさんカップル
選んでくれたのは
杉本里佳さん
ホテル雅叙園東京プランナー。プランナー歴5年。GWA2023ソウル賞受賞。
「『和』のしっとりした雰囲気も、『洋』の華やかなイメージも、中途半端ではなくどちらも完璧に取り入れるのがおふたりの理想。会場のしつらえなどを利用しながら、両方の要素が楽しめる結婚式を行いました。お打ち合わせの際『みんなが笑顔になれる一日にしたい』と話していた新婦さま。お父さまのサプライズ動画も含め、笑顔に満ちた式でした。」(杉本さん。以下同)
[キラリ1]「和」と「洋」の世界観を大切に
●衣裳に合わせた和&洋の空間演出
「披露宴の和装入場では、会場壁に施されていた木彫りの桜を照明で際立たせて。ドレスでの再入場時は、天井のシャンデリアを生かした幻想的な雰囲気を演出。衣裳ごとに『和』と『洋』のシチュエーションづくりにこだわられました。」
●神社のような和の挙式
「おふたりが選んだ挙式は、館内の神殿で誓い合う神前式。神社のように花嫁行列を行ったことで、より厳かな時間になりました。行列にはご友人もご参加いただいたのですが、初めての方も多く新鮮な気持ちで体験されたようです。」
●こだわりのスタイリストを個人依頼
「白無垢とウエディングドレス。どちらもおしゃれに着こなしたいと希望していた新婦さま。ご自身のイメージに合うスタイリストを個人で手配し、こだわりの花嫁姿をつくられました。宿泊部屋でリラックスしながらのお支度に。」
[キラリ2]涙よりも笑顔!を象徴するサプライズ
●笑顔を誘うサプライズムービー
「新婦さまの誕生から高校生まで、親御さまが撮りためた60時間の成長記録。その映像にメッセージを入れ、お父さまがムービーを制作。感動系でなく面白く仕上げたのは、『娘に涙は似合わないから笑ってほしい』という愛情でした。」
4.東京の夜景をニューヨークに重ねて。
非日常な特別感がキラリ輝く
香織さん・辰哉さんカップル
選んでくれたのは
小久保香織さん
キンプトン新宿東京プランナー。プランナー歴15年。
「高層階からの景色と、ニューヨークを思わせる都会的な会場に、『これこそ私たちが結婚式に求めていた非日常だよね!』とおふたり。そこから、ニューヨークというコンセプトで準備を進めました。『この感動をみんなに体験してほしい』と、日没までウエルカムパーティを行い、乾杯と同時にシェードをオープン!大歓声に包まれました。」(小久保さん。以下同)
[キラリ1]都会の煌めく夜景がふたりを祝福
●幻想的なナイトウエディング
「コンセプトは『アーバンナイトウエディング N.Y. Meets TOKYO』。高層階の窓外に広がる夜景は、都心に立地する会場ならではの煌めく絶景。日没から夜にかけてのナイトウエディングを選ばれ、トワイライトから夜にかけてのロケーションを楽しまれました。」
●挙式後のウエルカムパーティ
「披露宴で夜景を楽しんでいただくため、挙式後から日没まで、ラウンジ&テラスでウエルカムパーティを行いました。45分間と通常より長めでしたが、ケーキカット演出やNYモチーフのオリジナルカクテル、カナッペの提供などであっという間。」
[キラリ2]アメリカンな雰囲気づくりを肩肘張らず自然に
●ニューヨークのイメージで空間を統一
「ネオン街であるタイムズスクエアをイメージした装花を飾り、コンセプト通りの空間に。パーティを盛り上げるBGMはアメリカンポップス。幅広いゲストに楽しんでいただけるよう、年代を広げて選曲したのもおふたりのこだわりです。」
●アメリカンビールでワンモアチアーズ
「おふたりの先輩でありキューピッドでもあるゲストに、再入場のタイミングでワンモアチアーズの発声をお願いしました。2度目の乾杯はカジュアルな雰囲気を演出。アメリカのボトルビールを配って、会場をさらに盛り上げる乾杯に。」
5.家族3人が主役!
キラリと光る演出は子どもへの愛情の証し
Sさん・Aさんカップル
選んでくれたのは
藤縄裕子さん
ララシャンスガーデン 東京ベイプランナー。プランナー歴1年。GWA2023ソウル賞受賞。
「結婚式当日はおふたりの息子さんのお誕生日。お子さまへの愛情が深く、楽しいことも好きなおふたりだったので、ゲストに見守られて1歳を祝う伝統行事も行いました。『人と違う演出がしたい!』というご希望から迫力満点のマグロ解体ショーも!さばいたマグロはにぎりずしで提供し盛り上がるなど、お祝いムードにあふれた式でした。」(藤縄さん。以下同)
[キラリ1]家族3人のハッピーをゲストへお裾分け
●1歳の誕生日をみんなでお祝い
「当日、初めての誕生日を迎えた息子さんのために、ロウソクを1本立てたバースデーケーキを用意。ゲストを交えて全員でバースデーソングを歌ってお祝いしました。家族3人の仲の良さが伝わる時間にゲストもほっこり。」
●一升餅行事で健やかな成長を祈願
「お子さまが一生健やかに過ごせるよう祈る『一升餅』や、手にしたもので将来を占う『選び取り』といった、初めての誕生日を祝う伝統行事に拍手喝采。おふたりがお子さまを大切にしているからこそ、その想いが式の中で表現されたと思います。」
[キラリ2]目と舌で楽しみ心を満たす、盛大なショータイム
●ゲストも大興奮のマグロ解体ショー
「ケーキの代わりにおふたりが入刀したのは1本の生マグロ!職人による華やかな解体ショーを目の前で楽しんだ後は、にぎりずしでマグロを満喫していただきました。貴重な体験に皆さん大喜び。インパクト大のおもてなしになりました。」
<プランナープロフィール>※紹介順
徳永彩奈さん
ブランレヴュー宇都宮アクアテラス所属
プランナー歴10年
GWA2023クリエイティブ賞受賞
2014 年ディアーズ・ブレイン入社。これまで社内コンテストグランプリ受賞歴も。2020年よりシニアウエディングプロデューサーとしても活躍。
松浦玲奈さん
オワゾブルー山形所属
プランナー歴13年
GWA2023準グランプリ受賞
中学3年生の頃に憧れを抱いたブライダル業界。夢を叶え株式会社ジョインへ入社。途中他部署も経験。
杉本里佳さん
ホテル雅叙園東京所属
プランナー歴5年
GWA2023ソウル賞受賞
2017年に入社。2年目より憧れだったブライダル営業部へ異動。現在はチーフウエディングプランナー。自身の出産経験も生かせる、The Professional Wedding認定・おめでた婚 サポートプランナーとしても活躍。
小久保香織さん
キンプトン新宿東京所属
プランナー歴15年
2008年に新卒で株式会社ベストブライダルに入社。同社名古屋の3店舗で勤務し、20年2月にキンプトン新宿東京の開業準備室に異動。キンプトンではファーストウエディングからこれまで150組以上を担当。
藤縄裕子さん
ララシャンスガーデン 東京ベイ所属
プランナー歴1年
GWA2023ソウル賞受賞
人生観で大切にしていることは「感謝に勝る能力なし」。
From 編集部
自分らしい“キラリポイント”で式を印象付けて!
5名のプランナーさんが教えてくれた結婚式は、どれも「ふたりらしさ」を形にしたもの。「自分で自分らしさを見つけるのって難しい……」と感じている人も安心して!結婚式はプランナーさんと一緒につくるもの。やりたいこと、好きなこと、大切なものをすべて話して、ゲストの心に残る、キラリと光る結婚式をつくってくださいね。
取材・文/関東博子 D/mashroom design 取材協力/オワゾブルー山形、キンプトン新宿東京、ブランレヴュー宇都宮アクアテラス、ホテル雅叙園東京、ララシャンスガーデン 東京ベイ 構成/松隈草子(編集部)
※掲載されている情報は2023年10月時点のものです
- 挙式・披露宴
- 演出・アイテム
- 結婚式準備全般
- 式イメージ収集期
- 自由
- ふたりらしい
- 感謝
- 頑張りたい
- じっくり読む