卒花後悔&ゲストのモヤッと集合!「“お礼・お車代”、こう出すのが正解!」
遠方ゲストや主賓・乾杯の発声を頼んだ人に出す「お車代」と、受付やスピーチ、余興などを頼んだ人に渡す「お礼」って、「出す・出さない」の線引きから金額、渡し方、メッセージまで気を使わなくてはいけないことがいろいろ。この記事では卒花のちょっとした判断やダンドリのミスが原因で「後悔」したことと、ゲストが「モヤッ」とした体験談を集めてみました。マナー講師・岩下宜子先生のアドバイスも参考により良い対応を。
【CASE1】お車代やお礼の有無
卒花「出さなかった人に申し訳なくて後悔」、ゲスト「何もないとモヤッ」
仲間内や親族間で「遠方ゲストの交通費は自己負担」という慣習があればお車代は不要ですが、特に慣習がない場合や出したくても結婚資金が少ない場合は悩みますよね。結果、「出さなくて悪かったかな?」と後悔した人、「どの範囲の人まで出すかで失敗した」という人も。お礼も多くの人がしているところで、何もしないと「失礼だったかな?」と気になります。
一方、ゲスト側には「全額自腹でも行くからお車代は不要」「お祝いの気持ちだからお礼は不要」と思ってくれる人もいるのですが、「遠方からの交通費が全額自己負担だったらきつい」「お礼がないとモヤッとする」という人も。
卒花の後悔
【中距離圏の人のお車代も出せば良かった?】
都心で結婚式。東北・北信越・愛知以西の人にはお車代を出したけど、静岡などの中距離の人には出さず。往復1万円以上かかった人もいたので、5000円でも出せば良かったかな?(りんごやさん)
【お車代をうっかり忘れておわび】
乾杯の発声をしていただいた方へのお車代を忘れていて謝罪。後日書留で送りました。(もてさん)
【二次会受付のお礼もすべきだった?】
会費無料という条件で二次会の受付をお願いしましたが、当日予期しない業務が発生しており、お礼もちゃんとするべきだったと後悔。(いちさん)
ゲストのモヤッ
【気持ちを示してくれたら……】
結構時間をかけて余興の準備をしたのにお礼なし。余興のための衣裳代もかかったので、お気持ちでも何かあったらモヤッとしなかったのに。(おがちさん)
【お車代がなく、支出が高額に】
東京から新幹線で往復2万円ほどかかる仙台へ友人と行きましたが、全員お車代はゼロ。ご祝儀と合わせて5万円の出費は正直痛かったです。(ちいさん)
遠くから来る人や特別なことを頼んだ人の気持ちになって
お車代でも、来ていただかないと困る主賓や乾杯の発声を頼んだ人には必須ですが、遠方ゲストは任意。出す・出さないで悩んだら相手の立場になって考え、お車代を期待していそうな人、経済的に厳しい人には出すなど思いやりの気持ちを持って。
ただし、資金的に厳しければ無理しなくてもOK。「交通費は出せないけれど、それでも良ければ」と伝えて、出欠の判断を相手に委ねましょう。お車代を出す範囲で悩んだら「他の人がどうしているか」聞いたり、「自分が招待されたら、全額自己負担でも行こうと思うか」考えてみて。
お礼は感謝の印でもあり、何もしないと「やってもらって当たり前と思われた?」と悲しい思いをさせてしまうこともあるので、きちんと対応を。昨今は負担が大きい余興を頼まない人も増えています。
【CASE2】お礼・お車代の金額
卒花「もっと出せば良かったと後悔」、ゲスト「相場より少ないとモヤッ」
主賓と乾杯の発声を頼んだ人のお車代は自宅~会場の距離に応じて1万円以上、遠方ゲストのお車代は交通費の半分以上を目安に切りの良い金額にします(会費制の場合は会費を上限に)。
お礼の相場は受付やスピーチ、余興を頼んだ人が3000~5000円、司会や写真・ビデオ撮影を頼んだゲストは2万~3万円。
この相場に満たなかったり、最低限の金額にしてしまって、「もっと出せば良かった」と後悔した卒花も。中には「お車代が少なかったと考え直し、後日追加で現金を送った」という人もいました。
受け取る側にはもちろん「金額なんて気にしない」という人もいますが、相場より低かったり、実費に見合った金額でなかったりすると「もうちょっと考えてほしかった」と思うことも。
卒花の後悔
【受付でも朝早い場合は考慮すべきだった】
受付を頼んだ友人にお礼として3000円程度のギフトを用意したのですが、集合時間が朝早く、ヘアセット代が早朝料金で割高になった様子。もっと高額な物にした方が良かったかも。(まみさん)
【実際の交通費の半分は出すべきだった】
負担する金額をざっくり5000円か1万円か振り分けたのですが、半分に満たない人もいたので、公平を期して、全員が半分以上になるようにすれば良かったと思いました。(Aさん)
ゲストのモヤッ
【2万5000円の交通費に対してお車代が5000円】
関西から東京までの往復の新幹線代に2万5000円。宿泊もしたのに、5000円しかもらえなかったことがありました。せめて片道分は出してほしかったな。(RMさん)
【距離が違うのに友人は一律なんて】
友人のお車代が一律の金額だった時がありました。私は他の友人よりも遠く、交通費が2倍かかっていることを考慮してほしかったです。(Chikaさん)
できたら世間の相場に準じた金額に
遠方から行く場合「全額は望んでいない。実費の半分でも出してもらえると助かる」と思っている人が多いようなので、できたら半額を目安に、個々の交通費を調べて公平にしたいところ。航空運賃は連休だと高くなることもあるので、移動日の金額を調べて。
資金がない場合は無理しないで。少ししか出せなかったら、招待する時点で正直に負担できる金額を伝え、「それでも良かったら」と気持ちを示すことが大事です。
お礼も相場を意識して。特に負担が大きいことを頼んだ人には、準備にかかった費用の負担を含めてお礼を。少額になる場合はその代わりに心からの感謝の気持ちを伝えましょう。
【CASE3】お金で渡す?品物なら何?
卒花「喜ばれる物にしなくて後悔」、ゲスト「使い道のない物だとモヤッ」
お礼には現金、ギフトカード、品物、ハネムーン土産、食事をごちそうするなどさまざまな手段があり、ゲストの方も「現金の方がうれしい」という人もいれば、「品物の方が受け取りやすい」という人も。その品物も使い道がなかったり、好みでないと喜んでもらえず、よく考えて選ばないと「違う物にすれば良かった」と後悔することに。
主賓や乾杯の発声を頼んだ人のお車代は現金を包むのが一般的ですが、受け取りを拒否され、「違う方法の方が良かった?」と後悔する人も。
卒花の後悔
【日常遣いできる物の方が良かった?】
「普段自分では買わないようなものを」と思って、バスオイルをお礼として選びましたが、もっと日常遣いできる物の方が良かったかな?(Kihoさん)
【品物の方が気兼ねなく受け取ってもらえた?】
乾杯の発声を頼んだ方のお車代として1万円包んだのですが、「多すぎるから何かお返しを」と後日連絡が来ました。品物にすれば気を使わせなかったかも。(ryokoさん)
ゲストのモヤッ
【金券や現金の方が良かった】
お礼にハンカチやハンドクリームをもらったことがあったのですが、金券や現金など、自分の好きなものに使える物の方が良かったな。(3970さん)
【使わないギフトカードをもらっても】
チェーン系カフェのギフトカードをもらいましたが、私が住んでいるエリアには店舗がない上、コーヒーが苦手なので、使う機会に恵まれず。(らんさん)
相手との関係や好み、考え方なども考えて判断を
お礼は、親しい人なら相手の好きそうな物、何がいいか分からなかったら現金や使い勝手のいい金券など、もらう人のことを考え、自分の好みの押し付けにならないように。
主賓や乾杯の発声を頼んだ人が現金を受け取らない主義だったら、引出物の金額を上げるか品物を1点増やして「祝辞(乾杯の発声)のお礼の気持ちです」とメッセージカードを入れるといいでしょう。
遠方ゲストの交通費は式当日現金で渡す方法と、事前にチケットを購入して送る方法があります。どちらが良いか相手と相談して。
【CASE4】宿泊費負担やホテル手配
卒花「気配りが足りなくて後悔」、ゲスト「イマイチな対応にモヤッ」
結婚式の時間帯によっては前泊や後泊が必要になるゲストもいます。その場合、「交通費の代わりに新郎新婦が予約したホテルに泊まってもらい、その費用を負担する」という方法もあるのですが、実家や友人宅、好きなホテルに泊まりたいと思う人、旅行会社のお得なプランで行こうと思う人もいるので、相手に希望を聞かないと失敗します。
「取ったホテルがイマイチだった」「交通費だけでなく、宿泊費も負担すれば良かった」「日帰り可能でも、スケジュール的に厳しい人には、こちら持ちでホテルを取ってゆっくりしてもらえば良かった」と後悔した人も。
花嫁の後悔
【手配したホテルがゲストに不評】
交通費も宿泊費も負担したかったのですが、資金的に無理だったので、ホテルの手配だけして宿泊費は個々の負担に。そのホテルの朝食が不評。口コミなどで確認すれば良かった。(まだんちゅさん)
【宿泊費分もプラスすればよかった】
飛行機代の半分として1万5000円包みましたが、リゾートウエディングで2泊3日となったので、宿泊費も加味した金額にすれば良かったなと思いました。(ROCHIさん)
【連絡時には多くの人がホテルを予約済み】
宿泊費または交通費のどちらかを負担することにしたのですが、連絡した時にはすでにホテルを予約済みの人が多く、もっと早い時期にアナウンスすべきだったと反省。(はっちーぽっちーさん)
ゲストのモヤッ
【宿泊より交通費負担の方がありがたかった】
東京から北海道での結婚式に出席。ホテル代を負担してくれたのですが、断然交通費の方がかかるし、旅行会社のホテルと航空券のセットプランなら、ホテル代が浮くくらいの費用で行けるので、交通費を出してもらいたかったです。(Rairaiさん)
【新婦手配のホテルがどこか不明】
新婦に「ホテルに泊まれるよ」と言われたのですが、どんなホテルなのかも分からないし、その費用がどちら持ちなのかも分からない。こちらから聞きづらくて、どうしようか迷いました。(ちなさん)
招待の話をする時に宿泊などの希望も聞いて
観光シーズンやイベントがある日は早い頃から予約で埋まることもあるので、遠方ゲストには挙式2~3カ月前には宿泊の希望を取り、自分で予約するか、新郎新婦側で予約した方がいいか相談を。新郎新婦側が手配する場合はホテル名を告げて。
宿泊しないと出席できない人にはできたら交通費の半分+宿泊費を出したいところ。一方しか負担できなくても、「交通費の代わりに宿泊費を出す」という一択は避け、「どちらを負担してほしいか」相手に聞きましょう。
沖縄など遠方でリゾートウエディングをする場合、交通・宿泊費を全額負担してもらう代わり、ご祝儀を頂かないという方法もあります。
【CASE5】事前のコミュニケーション
卒花「説明をしていなくて後悔」、ゲスト「出るかどうか分からずモヤッ」
事前に遠方ゲストのお車代に関する話をしないと、「全額、自己負担になるのかな?全部でどのくらいの出費になるかな?」と不安になる人、「出ない」と思い込んで欠席で返事をしてしまう人、悩んだ挙げ句、ご祝儀を減らしてしまう人も。実はご祝儀をあえて減らしたゲストに式当日お車代を渡して、自分たちの負担額が大きくなってしまった人もいるのです。
お礼に関しては事前に伝えなくても良いのですが、状況によってはお礼と分かってもらえず、気持ちが伝わらないことも。
卒花の後悔
【ご祝儀額を悩ませてしまった】
式当日、お車代を渡そうとしたら、「ご祝儀を、交通費分をある程度引いた額にしたから不要」と断られました。事前に伝えなかったせいで、ご祝儀を幾らにするか無駄に悩ませてしまったよう。(みっちゃん)
【式後友人から「これ何?」と問い合わせ】
引出物袋の中にお車代をしのばせておいたら、後日友人から「お金が入っていたけど、何?」と問い合わせが。事前に説明しておかなかったことが原因。(ゆかりさん)
【1品多い引出物がお礼と分かったか不明】
お礼として引出物を他の人よりも1品多くしたのですが、それが私からの感謝の気持ちと伝わったかどうか……。お礼の分は別の機会に渡した方が良かった?(かえさるさん)
ゲストのモヤッ
【説明なし=お車代が出ないと思い込み】
お車代が出ないと思ってご祝儀を2万円にしたら、当日お車代を頂きました。このままでは「けちな人、失礼な人」と思われそうなので、ご祝儀の不足分として1万円を後日送って二度手間に。(りんごやさん)
【お車代のことを聞きづらくて困った】
お車代の説明がなく、自分からも聞きづらくて、招待されている友人に相談し、代表者を1人決めて新婦に確認。そのため、出欠の返事も遅れてしまいました。(ぼにさん)
お車代の話をする時は交通手段などの確認も
遠方ゲストのお車代は早めに検討し、招待の話をする時「交通費の半分を式当日お車代として渡します」「地元から来てくれる人には一律●万円負担する予定」などと伝えて。その話がないと、ご祝儀からお車代分を差し引いてしまう人も。
お車代の話をする時、新幹線で来る、飛行機で来るなど交通手段の確認を。複数人で車に相乗りしてくるという人もいるので、その場合はガソリン代や高速料金を負担します。
式当日渡すお車代やお礼には「遠くから来てくれてありがとう。交通費の足しにしてください」「今日は〇〇をしてくれてありがとう。これは感謝の印です」などとメッセージを添えましょう。
【CASE6】お礼・お車代の渡し方
卒花「スマートに渡せなくて後悔」、ゲスト「ダンドリが悪くてモヤッ」
お礼を渡すタイミングは「結婚式の前より後の方が良い」といわれるのですが、そのタイミングが難しくて、「送賓時に渡したが、バタバタしてしまったり、渡しそびれて戻ってきてもらった」「後日お礼するつもりが、なかなか会えなくて遅くなってしまった」という後悔談が多いのです。
お車代は受付から渡してもらうのが一般的ですが、「受付時間が短い割に遠方ゲストが多く、お車代を渡しそびれた人がいる」「どれが誰に渡すお車代か分からなくなってしまった」という後悔談も。「新郎新婦から直接渡そうとしたら、時間がなかった」「親から渡してもらったけど、タイミングが悪かった」というケースもあります。
卒花の後悔
【送賓時に渡そうとしてお礼が雑に】
プチギフトと一緒にお礼の品物を渡すことにしたのですが、その意識が強すぎてゲスト一人一人に集中できず。結局、他の人の見ている前で渡すことになってしまった上、丁寧なお礼の言葉が言えなくて中途半端に。(kikiさん)
【テーブルにお礼の品を置いて失敗】
お礼のギフトをテーブルに置いておいたのですが、品物がある人とない人の差が歴然だったので、手渡しした方が良かったです。(ゆりちゃんさん)
【披露宴前に新郎新婦から渡すのは難しい】
受付をお願いした人へのお礼を新郎から直接渡すダンドリにしていましたが、披露宴前は思いの外、慌ただしくて、お礼の言葉をちゃんと言えず……。きちんとふたりから渡す時間をつくれば良かった。(M.Bさん)
ゲストのモヤッ
【お車代の封筒がなくて受付の人がワタワタ】
受付でお車代をもらうと思っていたら、披露宴中に突然新婦の親御さんから頂きました。受付の人たちも「お車代の封筒がない」とワタワタ。(佑美さん)
【受付中にお礼を頂いて困った】
受付を頼まれ、ご祝儀を預かったり、名簿を確認していた時、駆け寄ってきた親御さんからお礼を渡されました。一瞬何事かとびっくり。あいさつもできず、もう少し落ち着いた時だったら良かったのに……と思いました。(石川清香さん)
いつ誰から渡すかきちんと計画を立てて準備を
式当日の新郎新婦は慌ただしくて、直接渡す時間がなかなか取れません。お車代と受付の人のお礼は親などに預け、受付開始前に受付に持参してもらいましょう。そしてお車代は受付から渡してもらって。その際、受付の人が分かりやすいようにお車代リストを作り、ポチ袋に相手の名前を書いてあいうえお順に並べておくのが◎
お礼を新郎新婦から直接渡すなら「後で写真を一緒に撮りたいから残っていて」などと伝えてお開き後に渡すのがベター。二次会をする場合はお開き後も忙しいので、メッセージを添えて引出物袋に入れるのも一考。後日会って渡す場合は式後1カ月以内に。それが無理なら送りましょう。
From 編集部
悩んだら「相手に立場に立って思いやりの心で」判断を
お車代の出し方にもお礼の仕方にもいろいろな方法があり、悩ましいですが、困ったら相手の気持ちになり、自分たちのできる範囲で「どのくらい出したら納得してくれるかな?」「何でお礼したら喜んでくれるかな?」と考えて判断を。そしてお車代を出さないなら、相手が結婚する時、自分も全額自己負担で行くなど、「お互いさま」になるようにして、良好な関係を築きたいですね。
監修/岩下宣子さん マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校、商工会議所、公共団体などでマナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、『ゼクシィ』での愛あるアドバイスでもおなじみ。マナーに関する著書多数。
構成・文/渡邊博美 イラスト/moeko
※記事内のコメントは2022年12月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー89人が回答したアンケートと、自身の結婚式でお礼・お車代を出した20~50代の既婚女性127人が回答したマクロミル調査によるものです
※北海道、青森、山形の一部エリアでは、会費制ウエディングが一般的です。お礼・お返し・お車代の相場金額が異なるものもありますので、親や会場担当者に相談、確認をしましょう
※掲載されている情報は2023年2月時点のものです
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