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「その日らしさ」と「ふたりらしさ」、どちらも叶える♪“ロケ前撮り”の工夫6

ありきたりではないスペシャル感と、非日常感が演出できるロケーション前撮りは多くの花嫁にとって憧れ。「特に準備をしなくても、ロケ撮影なら素敵な写真になるよね♪」と思いがちですが、撮影した「その日、その場所」と「ふたり」の空気感をどれだけ出せるかが仕上がりを左右するポイント!そのためにできる工夫を、前撮りフォトグラファーの仲道雄大さんにお聞きしました。

“その日、その場所のふたり”が伝わるロケ写真って素敵!

撮影日時や場所、ふたりらしさ、どちらもある写真ならより宝物になる一枚に

ロケ前撮り

なぜ、「その日、その場所」でのロケーション撮影を決めたのか。その理由は、ふたりの中に必ずあるはず。ふたりにとって特別なシチュエーションだからこそ、そのときの空気感にとことんこだわった唯一無二の写真を残して。

「その日、その場所」とは、撮影時の天候やロケならではの自然、風景、季節感など。
「ふたりらしさ」は、ふたりにしか出せない空気感や表情、キャラクターなど。
その両方を同時に叶える写真こそが、ロケーション撮影の理想です。

「その日はどういう季節で、どんな天気で、どんな思い出に残る一日だったかはとても大切。写真を見返したときに『あの日は〇〇だったよね』と、思い出話ができるのは、ロケ前撮りの最大の魅力だと思います。“ふたりらしさ”もしっかり表現できていれば、一生の宝物になりますよ」(前撮りフォトグラファー・仲道雄大さん)

ここからは、「その日、その場所らしさ」を出せる構図と、「ふたりらしさ」を表現するためのアイデアについて、具体的なポイントをご紹介します。

“その日、その場所”らしさを出すための
<構図>って?

1.<自然光を生かして>季節や時間も写し込んだ一枚に

空

普段あまり意識することはありませんが、自然光の明るさや色合いは、季節や時間帯によって大きく変化します。写真にするとなおさら、光次第で印象がガラッと変わるもの。のどかな春の日差しや、水面がキラキラ輝く夏の光、赤い光が伸びた幻想的な夕暮れ……etc.。影の伸び方も、太陽の位置によって変わります。

だからこそ、ロケ撮影の日程を決めるときには、季節や時間帯も意識してみて。撮影の際には「自然光を生かしてほしい」とひと言添えれば、フォトグラファーも光を意識した構図を考えてくれますよ。

フォトグラファーアドバイス

フォトグラファー

皆さんが思う「良い光」には種類があり、天候や時間帯が関係します。「その日、その季節」ならではの自然光を生かして撮影すれば、素敵な写真に仕上がります。そのためには事前の確認も大事。例えば、西日がきらめくような“エモい”光で撮りたい場合は、予定している撮影時間帯に可能なのかを事前に調べておきましょう。(仲道さん)

[写真上]
撮影時期:9月頃
撮影場所:東京駅
(写真提供/atelier Rulucca 仲道雄大さん)

[写真中]るかさん
撮影時期:夏
撮影場所:海

[写真下]ryokoさん
撮影時期:2月
撮影場所:京都・大覚寺

2.<自然に包まれているような構図>で、季節感を強調した写真に

ロケ前撮り

春は桜の名所、夏の緑深いキャンプ場、秋は紅葉が彩る庭園、冬はイルミネーションスポットなど、「その日、その場所」を表現するときのポイントになるのが季節感。ただ背景として入れるだけでなく、「季節の中のふたり」を写す画面構成なら、より魅力的に仕上がります。

そこでキーワードとなるのが、「包まれているような」構図。ロケーションスポットと一体となり、決して埋もれることなく「ふたりらしさ」も際立つ、そんな写真を目指して。

フォトグラファーアドバイス

フォトグラファー

フォトグラファーに伝える際は「花にうずもれているような、ふわふわしたイメージ」というように、具体的な表現で“包まれている”雰囲気を伝えられると◎。ふたりが理想とするカットを言語化しオーダーすることで、希望に沿った写真が残せますよ。(仲道さん)

[写真上]まーさん
撮影時期:5月
撮影場所:東京・昭和記念公園

[写真中]namiさん
撮影時期:9月
撮影場所:横浜市内公園

[写真下]
撮影時期:4月頃
撮影場所:岩手県
(写真提供/atelier Rulucca 仲道雄大さん)

3.<広めに取った空>で、その時だけの一瞬を切り取る

ロケ前撮り

「空とふたり」の組み合わせは、スタジオ撮影ではできないロケならではのシチュエーション。一口に「空」と言っても、季節、場所、時間、天候などによって、色や雲の形、広がり方などはさまざま。だからこそ、「その日、その場所」に加えて、「この一瞬」しか撮れない、とっておきの写真を残すことができます。

特別な一枚にするために、フォトグラファーへ依頼する際は、「空を広めに取ってほしい」と伝えてみて。ふたりの存在感がさらに際立ち、シルエットだけでも絵になりますよ。

フォトグラファーアドバイス

フォトグラファー

空には、その日にしかない雲の形や色があります。天候によるものが大きいのも事実なので、比較的晴れの日が多い月に撮影するのがおすすめ。「撮れたらいいな」くらいの気持ちで臨むことも大切ですよ。
夕焼け空を写し込む場合は、ふたりをシルエットで表現することもできます。顔がはっきりと写らなくても「ふたりらしさ」が伝わりますよ。(仲道さん)

[写真上]
撮影時期:秋
撮影場所:千葉・稲毛海浜公園
(写真提供/atelier Rulucca 仲道雄大さん)

[写真中]あずきさん
撮影時期:GW
撮影場所:横浜・みなとみらい

[写真下]ちなさん
撮影時期:秋・18時頃
撮影場所:石垣島

“ふたりらしさ”を出すための
<衣裳・アイテム・ポーズ>って?

1.<ロケーションやテーマに合った衣裳>で、「その場所」との一体感を

ロケ前撮り

ロケ撮影の空気感を生かすには、場面にマッチした衣裳や小物選びも大切。アイテムを個々で見て「かわいい!」という感覚だけで決めてしまうと、ロケ場所の雰囲気から浮いてしまったり、希望していたシチュエーションに合わなかったりと、せっかくのロケ写真が残念なことになりがちです。

例えば、外で思い切り動きのあるポーズが撮りたいのに、ふたりともカッチリした正統派衣裳を選んでしまい、想定よりも動きが少ない写真になってしまったなんてということも。衣裳だけ、ロケ場所だけで選ぶのではなく、衣裳や小物はトータルで考えるのが「ふたりらしさ」を出すポイントです。

フォトグラファーアドバイス

フォトグラファー

衣裳や小物といったアイテムは、ロケ場所の色や雰囲気を踏まえて、なるべく統一感を出した方が仕上がりにもまとまりが出ます。「何を取り入れたいか」も大切ですが、「どれを省いたら統一感が出るのか」といった引き算の視点でも考えてみて。ドレスやタキシードはロケ場所をイメージしながら選ぶのがおすすめ。小物、ブーケ、衣裳は、なるべくトーンや使う色を合わせるといいですよ。(仲道さん)

[写真上]らんさん
撮影時期:11月
撮影場所:山梨・北杜市

[写真中]yuiさん
撮影時期:4月
撮影場所:神戸・旧居留地

[写真下]yumeさん
撮影時期:10月
撮影場所:沖縄

2.<気負いすぎないポーズ&表情>で、いつものふたりらしさを出して

ロケ前撮り

普段から写真を撮られ慣れているふたりでも、特別な衣裳を着て、プロのフォトグラファーに撮ってもらうとなると、少なからず緊張してしまうもの。いつもの笑顔がうまく出せないこともあるかもしれません。それでも、自然な表情が生まれやすいのが解放感のあるロケ撮影。ロケーションの力を借りられるので、ただ歩くだけ、ふたりが向き合うだけでも、素敵な一枚に仕上がります。

笑顔を意識するよりも、撮影を楽しむことが一番!日常とは違うシチュエーションを思い切りエンジョイして、その瞬間を写真に収めてもらいましょう。気負いすぎることなく、自然体でいることが「ふたりらしさ」につながります。

フォトグラファーアドバイス

フォトグラファー

自然な笑顔の写真は、何年たっても、何度でも見返したくなります。そんな表情をつくるには、ふたりがロケ撮影の一日を楽しむことが大事。
プロが撮るとはいえ、写真撮影は被写体であるふたりとフォトグラファーの共同作業。だからこそ、お互いに楽しんでいる空気感が写真になって現れます。特別な時間だけど、特別感を意識しすぎず、ふたりらしさにあふれる写真をたくさん残してください。(仲道さん)

[写真上]上山あきさん
撮影時期:10月
撮影場所:京都

[写真中]ももゆさん
撮影時期:3月
撮影場所:東京

[写真下]室町未希さん
撮影時期:2月
撮影場所:沖縄

3.<グッズ、アイテムを取り入れて>ふたりらしさをより印象的に

ロケ前撮り

フォトプロップスやガーランドなどのアイテムは、「ふたりらしさ」を出すための定番演出。手に持つだけ、置くだけでひと味違う写真になり、自然と組み合わせることによって、ふたりだからこその印象的な一枚に。ロケーションの雰囲気に合ったアイテムなら、より「その場所らしさ」をも表現できますよ。

また前もって用意していたアイテムだけでなく、落ちている葉っぱや花びらを手にしたり、その場で見つけた貝殻を活用してみたりすれば、季節感まで写真に盛り込むことも可能。さらに、ふたりの小さい頃の写真とともに撮影するなど、思い出のアイテムなら感動的な仕上がりに。

フォトグラファーアドバイス

フォトグラファー

「ふたりらしさ」を写真に残すなら、ふたりの思い出アイテムは大定番。フォトグラファーにアイテムの意味やストーリーを伝えることで、より素敵な写真に仕上がります。
落ち葉や花びらは、自然な形で季節を表現することができておすすめです。せっかくのロケーション撮影。その場の雰囲気を大切にするためにも、アイテムの持ち込みは2~3点程度がベストです。(仲道さん)

[写真上]竹内絵莉子さん
撮影時期:11月
撮影場所:新婦地元

[写真中]namiさん
撮影時期:9月
撮影場所:横浜市内公園

[写真下]ayaさん
撮影時期:11月
撮影場所:京都・随心院

前撮りフォトグラファーが教える、「ロケ前撮り」のためのプラスアドバイス

前撮りで一番大切なことは、撮影会社(フォトグラファー)選び」だと思います。「こういうのが撮ってほしい!」と思ったなら、その写真を撮っている人にお願いすること。今の時代だとSNSやWEBサイトで、写真とその写真を撮影した会社やフォトグラファーがひも付けされていてすぐにアクセスができるかなと思います。プロフォトグラファーといえども、一人一人撮れるもの、撮れないものが異なるもの。「撮りたい写真を撮っているフォトグラファーに依頼」が、もっとも理想を叶えてくれるはずですよ。

あとはふたりらしさの演出については、テーマをしっかり決めて、配色や衣裳選びをしてまとめていくのがもっとも押さえたいところ。

また撮影当日を楽しむことも大事。その日の写真がより格別な思い出になる写真になると思いますよ。(仲道さん)

From 編集部

あの日の状況やふたりの気持ちがよみがえる、そんなロケ前撮りでの一枚を

前撮り撮影は、結婚式と同じくらい心が躍る大事なイベント。出来上がった写真だけでなく、準備期間や撮影当日の時間も含めて、すべてが一生の思い出になります。だからこそ、ロケーションを生かしながら「その日、その場所のふたり」をしっかり残して。当日は楽しむことも忘れずに!

フォトグラファー
Profile

仲道雄大 ウエディング専門のフォトグラファー

atelier Rulucca
JWSA(日本ウェディングスタイリスト協会)認定講師
東京ベルエポック美容専門学校フォト講師
@yudai_nakamichi28

取材・文/関東博子 D/mashroom design 構成/松隈草子(編集部)
※掲載されている情報は2023年2月時点のものです

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