結婚報告に使いたい♪「婚姻届」を素敵に撮る“写真映え”テクニック
「婚姻届」は一度提出したら、手元には残らないものだから。何度も見返したくなる、SNSにもアップしたくなる、スペシャルショットを撮って残しておきたいですよね。とはいえ個人情報を隠しつつ指輪も見せつつの撮影は、なかなか難しい……。そこで花嫁さんの素敵写真と共に、フォトグラファー・清水知成さんが“映えテク”を解説します。
写真映えする“構図の取り方”テクニック
「構図」は、写真の骨格ともいえる大事なポイント。四角い平面の中に、物を斜め置きするなどして“斜めライン”をつくると、素敵感が増すのだそう。
手と婚姻届の“斜めライン”で美しい構図の写真
「デザインが気に入った婚姻届を大きく見せたくて、手で隠す構図にしました。隠しきれない部分はアプリ『Camera360』のモザイク機能を使用。写真が窮屈な印象にならないよう婚姻届は斜め置きに」(kanakoさん)
プロ直伝の“映えテク”
【“斜めライン”をつくろう】
婚姻届の斜め置き、手の三角形置きが成功のポイント。正方形の中に構図をつくるのは難しく、写真の中に水平線・垂直線が出ると画が分割されてしまいます。アイテムを使って“斜めライン”をつくると、単調さが薄れて新鮮な画に。“斜めライン”は無限にできるので、アイテムをずらしつついろいろ挑戦してください。
【手前に柔らかい手、奥にがっしりした手】
手はインパクトが強く、生々しく写ってしまいがち。手前に肌色が白く柔らかい印象の手、奥に肌色が濃くがっしりした手を置くと、生々しさを緩めてくれます。一層インパクトが強く感じられるがっしりした手の方に、自然光を当てているのも好ポイント。
指輪がリズムをつくる構図のクローズアップ写真
「晴れた日の自然光を生かして午前中に撮影しました。絶対に一緒に撮りたかった前撮りのヘッドパーツの花が影をつくって、アクセントに」(ラフォンテーヌ優璃さん)
プロ直伝の“映えテク”
【3つの指輪で「婚姻届」を強調】
「婚姻届」の文字にグッと寄ってリングで囲むのは人気の構図ですが、やっぱり面白い。パッと見て「婚姻届」とすぐ分かることも好ポイント。少し斜めに振った感じもいいですね。指輪の石は前面にしてダイヤを見せても良いですね。
【影を生むのは10時か14時】
自然光を生かすときは窓際で撮影しましょう。レースのカーテン越しに撮ると柔らかい光に。快晴で光が強すぎるようなら、少し厚めのレースなどを用意。レース模様が面白い影になることもあります。影をつくりたいときは正午ではなく、10時か14時に撮影を。
写真映えする“色使い”テクニック
「色使い」は、「構図」と並ぶ写真の二大ポイントの一つ。同じ系統の色の中に、アクセントとなる色があるとコントラストのある写真になる。
影のブラックを生かした色使いの写真
「『#淡色女子』『#消えそうな色コーデ』が好きで、甘々しているのは苦手。グレーの婚姻届はお気に入りです。背景は白にして柔らかな印象になるように。花は新郎のブートニア」(まいまいさん)
プロ直伝の“映えテク”
【黒で美しいコントラストをつくる】
グレイッシュな世界観が素敵です。花に注目すると、左は明るく、右には黒い影が。布のドレープも影を生んでいます。この陰影があることで、表情がある写真になっています。
【指輪は重ねると輪がきれい】
3つの指輪を並べるなら、接点を重ね合わせると輪郭をきれいに見せられます。
淡ピンク×愛犬の茶模様を掛け合わせた色使い写真
「結婚・愛・恋・ハートなどを連想するピンクで統一。ふたりの手の上に愛犬の手、さらに指輪を置くのは大変でした(笑)」(SHOKOさん)
プロ直伝の“映えテク”
【補色を意識しよう】
婚姻届、ネイル、ワンちゃんの洋服を淡いピンクで統一。これだけだとボヤッとしてしまうけれど、ワンちゃんの茶色の模様が少しアクセントになっています。ピンクの補色(色相環で正反対にある色の組み合わせのこと)はグリーンなので、淡い軽やかな葉をぼかして入れるのもおすすめです。
写真映えする“婚姻届のデザイン使い”テクニック
婚姻届のデザインはいろいろあるので、好みのものをセレクトしたい。せっかくなら、デザインされているその世界観を生かしきって撮影して。
指輪を婚姻届のデザインに溶け込ませた写真
「可愛すぎないイラスト入りデザインに惹かれて、ネットからダウンロードした婚姻届。指輪の位置は試行錯誤して、下からのアングルで撮影しました」(みかんさん)
プロ直伝の“映えテク”
【平面に立体感を生み出そう】
正攻法なら主役の指輪を手前に置くけれど、奥に配置することで指輪もイラストのようで、デザインに溶け込んでいますね。意外性がある写真です。指輪を重ねて影が生まれ、立体感があるのもポイント。婚姻届は平面なので、立体感を出す=表情を出す工夫をしましょう。
婚姻届のデザインが生きる真俯瞰(まふかん)の写真
「アイボリーの婚姻届に、淡いお花が複数の色を重ねながらハートを描いている優しい感じがお気に入り。リボンの結び目にリングを置くと、ハートの中に収まってベストショットに」(M.Iさん)
プロ直伝の“映えテク”
【デザインが生きるアングル探しを】
真上から撮影して、イラストを生かしている写真。まるでリングピローのようですね。花の赤色を明るくすることで、楽しさは増します。そのためには、真ん中に電気スタンドなどの光を当てて撮影するのもおすすめ。
写真映えする“コマ送り”テクニック
SNSに投稿するなら、複数の写真をコマ送りで見せることで、世界観がグンと広がる。時系列・本番と舞台裏・静と動・寄り引きなどなど、いろんなコマ送りを楽しんでみて。
喜びの瞬間を時系列で見せるコマ送り写真
「婚姻届提出前に、その日の過ごし方についてインスタでリサーチ。私も参考になる投稿にしたくて、写真に時間・タイトル・テキストを入れました。顔写真が連投しないよう並びにも気を付けました」(yuka.uさん)
プロ直伝の“映えテク”
【寄り引きでメリハリある流れに】
1枚目は指輪をクローズアップ、2枚目におふたり登場、3枚目は小指を結んで上から指輪撮影、と人物だけでなく寄ったり引いたりアイテムを織り交ぜてメリハリあるコマ送り。花の置き方にも変化があっていいですね。
【ストーリーを宿す】
1枚の写真では分からないけれど、コマ送りにすることで、全部が人物写真じゃないのに、ふたりの関係性がじんわり伝わってきます。1枚目の重ねた指輪、3枚目の小指を結んだポーズは動きがあり、楽しさが表現されている写真です。
本番→オフショットで味わい深いコマ送り写真
「付き合って7年目に同居を始め、愛犬を迎えて8年目に結婚。指輪には愛犬の誕生石、アクアマリンが入っています。コマ送りは『これからも家族3人楽しく暮らそうね』の意味を込めたお気に入りの2枚。伏せを決めた写真と、撮影に疲れた写真を並べました」(k.iさん)
プロ直伝の“映えテク”
【写真にギャップをつける】
本番からオフショットへの展開は、コマ送りとして面白いアイデア。1枚目の写真で、ワンちゃんの顔をアップに撮影するとより真剣さが出て、2枚目とのギャップにコントラストをつけられます。ワンちゃんを強調することで「家族として一緒にいたい感情」、「見届け人になってもらったような物語」も生まれます。
From 編集部
技あり撮影で「婚姻届写真」をお宝ショットに
まずは、写真の魅力を左右する二本柱「構図」と「色使い」のテクニックをインプットして、婚姻届写真撮影会を楽しみつつ実践してみて。デザイン性の高い婚姻届を入手して、アレンジ版を撮るのもおすすめです。さらに前撮りで使った花なども添えれば、特別すぎるお宝ショットの完成☆
清水知成 フォトグラファー
結婚式の密着撮影は約2500件。『じゃらん』のアイドル猫、にゃらんの撮影でもおなじみ。老舗ラグジュアリーホテルでは料理撮影も手掛けていた。
取材・文/千谷文子 イラスト/naohiga
※掲載されている情報は2022年12月時点のものです
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