[全文掲載] 花嫁の手紙vol.20~ファーストミートで新郎と共に手紙を読む~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない……なんて悩む花嫁さんもいるのでは?
そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
「人生最大の門出の日くらい、感謝を直接伝えたいと思った」
今回ご紹介するのは、真悠子さん・光さん夫婦のお手紙。ダンサーとして知り合ったふたり。「花嫁の手紙ってすごく定番だけど、特別なイメージ。大人になり離れて住むとなかなか素直に親に感謝を伝える機会が少なくなってくるので、人生最大の門出の日くらい感謝を伝えたい」と思った新婦 真悠子さん。新郎 光さんも「一般的には『花婿の手紙』ってあまりないのかなと思っていましたが、自分はたくさん親に心配を掛けてきたし、この機会にちゃんと感謝を伝えたいと思いました」と、ファーストミートの場でそれぞれが親御さんに対してお手紙を読みました。
【基本DATA】
■2022年3 月挙式(バトゥール東京)
■招待ゲスト数…55名(家族、親族、職場関係、友人)
■花嫁の手紙を書き始めた時期…(新婦・新郎とも)1カ月半前
■事前練習の有無…無
■花嫁の手紙を読んだ時間…(新婦)約5分30秒、(新郎)約3分30秒
真悠子さんの「花嫁の手紙」
光さんの「花婿の手紙」
【GOODポイント&感動ポイント】
2000組以上のウエディングをサポートし、多くの花嫁さんから「花嫁の手紙」の相談を受けている、ウエディングプロデューサーの澤さんにコメントを頂きました。
夢に向かい挑戦する姿や応援してくれる姿が浮かび上がってきてGOOD!
夢に向かって応援してくれるご家族との絆、そしてその応援や支えをエネルギーに夢へ挑戦する新郎新婦のお姿が浮かび上がってくるようなお手紙でした。
新婦のお手紙の【A】では、親御さまの愛情が夢への原動力となり、それを支えに頑張ってきたことが伝わってきました。つらいときには温かく寄り添ってくれる素敵な家族関係ですね。そして、【B】では、その家族の支えの先に、素敵な未来が待っていて、さらにご家族が増えるというサプライズも伝えられており、皆さまとても喜ばれたのではないでしょうか。
新郎のお手紙からは、当時の状況や心の変化が深く伝わりました。【C】からは、当時の葛藤やそれを支えてくれるご家族の姿が浮かび上がり、【D】では、子どもの未来に対して真剣にアドバイスしてくれている親御さまのご様子も伝わりました。(澤さん)
花嫁と花婿の手紙「書いてどうだった?」「受け取ってどうだった?」
今回のお手紙を書いた新郎新婦と、お手紙を受け取ったお母さまにお話を伺いました。
なぜファーストミートで読んだ?
披露宴の最後に読むのが一般的という感覚もあるし、パーティ後には「花嫁のお手紙聞きたかった!」というゲストの声が実は多くあったんです。
ですが当時毎日顔を合わせて何公演も踊り明かし、お互いをよく知るきょうだいに近いような存在の前で読むのはやっぱり恥ずかしくて、私たちも緊張しないで周りの目を気にすることなく両親への感謝は伝えたいと思ったのでファーストミートのタイミングで読むことにしました。
元々「一般的な結婚式にはしたくないよね」と夫婦で話し合っていたんです。その上で「どこで両親への手紙を読もうか?」と考えた時に、ファーストミートのタイミングが一番自分たちにとって理想だなと思いました。
手紙を読んでどうだった?
一番最初に思ったのはちゃんと気持ちが伝わったかなという不安でした(笑)。
彼が先に読んでいて、ご両親の涙に私も釣られたのを抑えつつ、かなり声を震わせながら読んだので、「私ちゃんと読めてる?」「伝わってるといいな……。聞き取れなかったら後で手紙読んでください」って思っていました(笑)!
とにかく緊張しました(笑)。
面と向かって感謝の言葉を伝えるのも照れくささがありましたね。両親の涙を見た時には自分も読みながら涙が出てきてしまったのですが、「しっかり伝えないと!」と思い、頑張って最後まで読みました。思いが伝わっていたら嬉しいです。
苦労&工夫したポイントは?
普段から親友やお世話になった方へ手紙やはがきを書く習慣があったので、書くこと自体には特に抵抗はなかったのですが、相手が親となっただけでまず何から書き始めれば……というところに悩みました。
そこで、親との記憶の中でどんな情景が頭に浮かぶのか、そのとき何を思っていたのかというのを書き出してから文章としてまとめていきました。
なにぶん手紙を書くのが苦手だし、相手も親だし、かなり悩みました。とにかく自分の思っている感謝の気持ちを整理してから、文章にしていきました。
書くエピソードはどう選んだ?
やっとの思いで叶えたダンスの仕事についてをメインに、当時誰にも言ったことがない素直な気持ちをすべて書きました。夢を叶えるために親の支えはとても大きかったので、小さい頃の記憶がないわけではないけれど、それより今伝えたいことを……と、最近のエピソードを盛り込むようにしました。
自分が学校に行ってなかった時期のこととダンスの仕事についてを伝えたいと思いました。エピソードは、自分が学校に行ってなかった時期のことをメインに書きました。自分にとっても家族にとってもターニングポイントだったと思うので、そこは絶対欠かせませんでした。
後輩花嫁・花婿へアドバイスを
迷っているなら、断然書いた方がいいと思います!書くことで、親が「子どもが本当はこんなふうに思ってくれていたんだ」と思うのと同じくらい、私たちも「親が実はこう思ってくれていたんだ」と気付くことができ、親御さんとの絆がより深まるのではと思います。
あと、ご夫婦で読まれる際に絶対に泣きたくない・しっかり読みたい花嫁さんは先攻で読む事をおすすめします(笑)!
おふたりにとって素敵な時間になりますように。
「花婿の手紙」はあまり浸透していないかもしれませんが、書くかどうか悩んでいる花婿の皆さん、ぜひとも書いてください!親への感謝の気持ちを伝える機会、なかなかないと思います。人生の中での大きなイベントの一つ、この機会にぜひとも!
お手紙を受け取ったお母さまより
私たち夫婦の子どもとして生まれてくれてたくさんの思い出がある事を嬉しく思っています。感謝の手紙をもらったけれど、私たちも娘に対してとても感謝しています。
つらくてもやり抜く強さと、いつでも協力してもらえる人たちに恵まれているふたりを心配していませんし、ふたりで幸せをつくっていけると信じています。(新婦母)
手紙をもらえるとは予期していなかったのでびっくりしました。なぜハンカチを持ってこなかったのかと後悔するくらい涙が出て、マスクが濡れて大変でした(笑)。
私が忘れていたことも本人が覚えていたりして、聞きながら昔を思い出し懐かしい気持ちになりました。とてもありがたかったです。お手紙は大事にとってあります。(新郎母)
From 編集部
ファーストミートなどプライベートな空間で手紙を読むのもアリ
親御さんとのファーストミートをパーティ前に行った新郎新婦。ゲストがいない家族だけのプライベートな空間で、手紙を通じて心からの感謝と妊娠の報告をしました。
プライベートな空間だったので、ふたりとも緊張せず、周りの目を気にすることなく感謝を伝えることができたそうです。手紙を書いて読むことで、「自分の言葉や気持ちを文字にして伝えることって、大切で素敵なことなんだなと感じました」と教えてくれました。ゲストの前で読むのは恥ずかしいという方は、このおふたりのようにファーストミートの場などで手紙を読むのも良いですね。
澤 智子さん
株式会社NEO FLAG.
ウエディングプロデューサー
ウエディング業界歴17年で通算2000組以上のカップルをプランナーや司会者としてサポート。
花嫁から手紙の相談をされることが多く、親やゲストにしっかり伝わる手紙の書き方をアドバイスしている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2022年10月時点のものです
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