後回しにすると“損”しちゃう!?結婚したら要checkな漏れがち手続き6
結婚するとき、運転免許証やパスポート、クレジットカードや保険証…などなど、さまざまな申請や手続きが必要。でも、知らなかったり、面倒で後回しにしたりなどで、抜け・漏れがあるとお金や手間がかかって損しちゃう可能性も……。そこで今回は、“後回しにしたらもったいない!”手続きについて解説。ファイナンシャルプランナー・丸山晴美さんのアドバイスを参考に、忘れずに手続きを!
漏れがち手続き1
『会社からのお祝い金・お祝い休暇』の申請
[損point]手続きを忘れて期限が過ぎると、もらい損ねることも……
会社からの結婚祝い金や結婚休暇などは「何もせずとももらえる」といった考えはやめた方がよさそう。上司に結婚報告できたことに安心し、その後の手続きを確認しなかったために「もらい損ねた」という先輩花嫁が多数!
私もやっちゃいました……
新婚旅行に行くタイミングで結婚休暇をもらおうと先延ばしにしていたら、期限が切れてもらい損ねました。期限があることを意識していなかったので後悔……。(ぷるめりあさん)
会社からもらえる結婚休暇を取り損ねました。結婚後1年くらいは使える制度かと思っていたら、前後1カ月間しか使えず!気付いたときには失効していました(涙)。(あんにんさん)
会社によって規定はさまざま。人事部や総務部などに確認を!
会社からもらえるお祝い金や結婚休暇などは社内規定によってケースバイケース。お祝い金の金額は3万円くらいが相場のようですが、会社によってはもっと多いところもあり、勤続年数などによって変わることもあります。申請方法や期限、もらえる金額・日数などについてわからなければ、人事部または総務部などの担当部署、最近結婚した会社の先輩・同僚などにも確認しましょう。
(ファイナンシャルプランナー・丸山さん)
漏れがち手続き2
『自治体からのお祝い金やお祝い品』の申請
[損point]自治体によっては住まいの補助金も。知らずに引っ越すと損
住んでいる自治体からもお祝い金やお祝い品をもらえるケースが。知っていたが申請し忘れた花嫁もいるものの、「制度があること自体、知らなかった」という先輩花嫁が多数。自治体のウェブサイトで調べるなど、自ら積極的に情報収集する必要があるので気を付けよう!
私もやっちゃいました……
市からお米の引換券をもらいましたが、お米は重いから車で行こうと後回しに。なかなか市役所へ行く機会がなく、結局忘れてしまいました。(satomiさん)
自治体からお祝い金やお祝い品をもらえると知らず、婚姻届提出から1年半以上過ぎて、結婚情報サイトを読んでいて知りました。結局、対象には該当しませんでしたが、該当していれば利用したかった~。(hitomiさん)
自治体の制度はウェブサイトや役所で確認!子育て支援の体制も要チェック
自治体によってはお祝い金・お祝い品のほか、結婚するカップルの住まいの敷金・礼金、引っ越し費用やリフォーム費用などに対して補助金を出してくれるところもあるので確認を。自治体のサービスは、自分から調べてもらいに行くのが基本。予算の関係で、年度の後半になると打ち切りになってしまうケースもあるので注意しましょう。
ちなみに、自治体のサービスは、子育て支援に対しても差が出る部分です。将来、子どもを持つことを選択肢として考えているのであれば、支援のしっかりしている自治体かどうかも併せて調べてみることで、子育てが始まってから得をすることもあるでしょう。
(ファイナンシャルプランナー・丸山さん)
漏れがち手続き3
『ふるさと納税の氏名・住所変更』の申請
[損point]返礼品が届かなかったり、ただの高いお取り寄せに……!
ふるさと納税をした後に、住所や氏名が変わるときも申請が必要。けれど、実際にどういった手続きが必要か、分かっていない花嫁も多いのでは。
旧姓・旧住所でふるさと納税した分(同じ年の申請分)は寄付した自治体へ氏名・住所変更の連絡をしよう。また、年末に旧姓・旧住所でふるさと納税を利用した場合は要注意。寄付金控除の申請に影響が出る場合もあるので早めに連絡を!
私もやっちゃいました……
旧住所でふるさと納税をしましたが、新しい住所に修正しなければいけないことを知らず。納税通知書を確認した際に金額が違ったため、発覚!急いで、税務署に問い合わせました。(chisaさん)
税金控除の手続きは2種類!それぞれで期限が異なるので注意して
ふるさと納税をしたら、ワンストップ特例制度の申請(確定申告の必要がない給与所得者等の場合)または確定申告をしないと、寄付金控除が受けられません。控除が受けられないと、ただの高いお取り寄せになってしまうので注意しましょう。
それぞれの申告方法は以下の通り
●ワンストップ特例制度
→翌年の1月10日までに寄付をした自治体へ申請書類を送付します
●確定申告
→原則として寄付をした翌年の3月15日までに住所地の所轄の税務署に確定申告をします
ワンストップ特例申請の期限を過ぎてしまっても、確定申告をすればOK。また、確定申告書の提出期限から5年以内であれば、寄付金控除の適用を受けることができる場合も。更生の請求手続きをする必要があるので、該当する場合は所轄の税務署などへ問い合わせてみましょう。
(ファイナンシャルプランナー・丸山さん)
漏れがち手続き4
『扶養に入る際の保険の切り替え』の申請
[損point]何も考えず国民健康保険に加入すると保険料が高くなる!?
結婚を機に退職する場合にありがちなのが、退職時とその後の健康保険制度への加入時の手続きに関する失敗。退職する会社の健康保険から、保険の切り替えをすぐにしなかったために、後から手続きが発生したり、支払う金額が大きくなってしまったりすることが。切り替え先には選択肢がいくつかあるので、今後も働くかどうかの意思をはっきりさせておこう。
私もやっちゃいました……
退職後から再就職するまでの期間が少しあいていたけれど、扶養に入る手続きをしなかったため、年金と健康保険の支払額が大きくなってしまいました。(野依さん)
結婚を機に仕事を辞めた際、健康保険料の支払いができておらず、後日支払い通知が届きました。切り替えがスムーズにできていなかったので、支払いが少し面倒でした。(佑美さん)
退職後の働き方をある程度想定した上で、選択しよう
扶養に入る人が退職する場合、保険の切り替え方は以下のいずれかを選択することになります。
●(A)退職する会社の健康保険に任意継続する
●(B)国民健康保険に加入
●(C)扶養する人の健康保険に加入
退職する時点で今後の働き方を想定し、働く意思があるなら(A)を選択し、再就職後にその会社の健康保険に加入してもいいでしょう。ただし、任意継続をした場合は、会社負担分がなくなり、保険料が退職時の倍になるので、注意が必要です。扶養に入る意思が固まっているなら(C)を。(B)は前年度の所得に応じて金額が決まるため、保険料が高額になる可能性があります。
なお、扶養に入る際の資格は、退職後1年間の見込み年収が130万円未満である必要があるので注意を。迷ったときは社会保険労務士に相談するのがおすすめです。
(ファイナンシャルプランナー・丸山さん)
漏れがち手続き5
『退職した際に受け取れる失業手当』の申請
[損point]働く意思はあるが就職できていない場合は申請しないと損
働く意思はあるものの、やむを得ず退職し、再就職先が決まっていない人が受け取れる失業手当。結婚を機に退職した先輩花嫁からは、名前は知っていたものの、「手続きがわからない・面倒そう」で後回しに……という声が。
私もやっちゃいました……
退職してから3カ月後に結婚式&引っ越し。居住地が変わってハローワークも遠くなり、忙しくなって失業手当の手続きができませんでした。ちゃんと調べていたら受け取れた可能性もあり、後悔しています。(まほさん)
失業手当はどこでどんな手続きをするのか調べるのがおっくうでそのままに。気付いた頃には次の就職先が決まってしまって手続きできませんでした。(moteさん)
失業手当の手続き、後回しにしてやっていません。行くのが面倒で、結局今も調べていません……。(まりんさん)
結婚による離職後、次の転職先が見つかっていない人はハローワークで申請を
失業手当は、働く意思があるにもかかわらず職に就くことができない人が対象なので、結婚により転職することになったが転職先が見つかっていないという人は受給できることがあります。
また、結婚と同時に妊娠や出産をし、それを理由に退職した場合、すぐに求職の申し込みは出せませんが、再就職したい意思がある場合は、「特定理由離職者」として、失業給付金の受給を最長3年間(受給期間も含めると4年間)延長する特例を受けられます。延長手続きは、退職翌日より30日経過した日から、ハローワークで申請できます。
いつどれくらい受給できるかは、離職理由や勤務年数、年齢などによって異なりますが、結婚を機に転職する場合は自己都合退職となり、7日間の待期期間+3カ月後に失業手当がもらえることになります。働く意思はあるけど、という場合はハローワークで申請をしましょう。
(ファイナンシャルプランナー・丸山さん)
漏れがち手続き6
『マイナンバー電子証明書の氏名・住所変更』の申請
[損point]確定申告の電子申告ができず郵送や税務署に行く手間が発生
氏名・住所が変更になるとさまざまな手続きが必要になるけれど、身分証明書としても役立つマイナンバーカードは優先度が高いはず!そんな中でもうっかり忘れがちなのが、マイナンバーの電子情報を変更する手続き。少しニッチな気もするけれど、この手続きを行うことで時間的な損が解消!
e-Taxで確定申告する人は早めに手続きを!足を運ぶ手間を回避しよう
マイナンバーカードは更新手続きを行わなくても、本人確認書類としてはマイナンバーカードの有効期限まで使えます。ただし、住民票の写し等のコンビニ交付や確定申告の電子申告(e-Tax)などは利用できなくなり、役所や税務署までわざわざ行かなければならないという時間的な損が生じてしまいます。
マイナンバーカードの電子情報を更新するには、役所の窓口で電子証明書の申請が必要です。マイナンバーカード表面の氏名・住所変更と併せ、電子情報の書き換えも忘れずに行いましょう。
(ファイナンシャルプランナー・丸山さん)
From 編集部
損する手続きは後回し厳禁!すぐ確認し、申請しよう
結婚にまつわる手続きはたくさんあるため、後回しにしていると、期限を過ぎてもらえるはずのものがもらえなかったり、関連する手続きが増えて二度手間・三度手間になってしまったりするもの。自分に必要な手続きをリストにまとめて、忘れないうちに手続きを済ませて、スムーズに新生活をスタートさせよう。
丸山晴美 ファイナンシャルプランナー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの肩書きを持つ。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
https://www.maruyama-harumi.com/
取材・文/前川ミチコ イラスト/てぶくろ星人 構成/間宮 愛(編集部)
※記事内のコメントは2022年6月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー106人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2022年8月時点のものです
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