[全文掲載] 花嫁の手紙vol.17～家族全員に「いつもありがとう」を伝える～

花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない……なんて悩む花嫁さんもいるのでは？
そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか？

「家族の好きなところをゲストに知ってもらう絶好の機会だと思った」

今回ご紹介するのは、なゆさんのお手紙。
「花嫁の手紙を読むことは『普段言えない感謝や家族の好きなところをゲストに知ってもらう絶好の機会』だと思ったんです。しっかりと時間を取った場だからこそ、きちんと伝えられると思いました。参加しているゲストがいて、その雰囲気が家族にも伝わる場だからこそ、『いままでこんないい人たちと出会えたのは、家族がいたから』という気持ちも伝わるかと思ったんです」と花嫁の手紙を読んだそうです。

【基本DATA】
■2020年11月挙式（アンジェリカ・ノートルダム）
■招待ゲスト数…48名（家族、親族、職場関係、友人）
■花嫁の手紙を書き始めた時期…挙式１週間前
■花嫁の手紙を書くのに要した時間…５時間
■事前練習の有無…有
■挙式で花嫁の手紙を読んだ時間…約５分

なゆさんの「花嫁の手紙」

【GOODポイント＆感動ポイント】

2000組以上のウエディングをサポートし、多くの花嫁さんから「花嫁の手紙」の相談を受けている、ウエディングプロデューサーの澤さんにコメントを頂きました。

素直な感想と飾らないエピソードがGOOD！

お手紙の始まりの【Ａ】では、「楽しい時間をありがとう」「あっという間に過ぎて寂しい」という素直な気持ちでゲストへ感謝をつづられており好感が持てました。
文中にあるお姉さまお２人へ、親御さまへと伝えた「ありがとう」のエピソード。ご家族全員に思いを伝えながらも日常のエピソードを盛り込むことでご家族紹介も兼ねていて、ゲストにもご家族の魅力が伝わったと思います。具体的で飾らないエピソードでご家族間の温かさを感じました。

【Ｂ】では親御さんのおかげで素晴らしい出会いがあったことを伝えていますね。ゲストの顔が見える結婚式だからこそ、新婦がどのような方たちに囲まれて過ごしているかも親御さんに伝わったのではないでしょうか。文末の飾らない素直な言葉の締めくくりからも新婦の優しいお人柄と願いがしっかりと伝わりました。（澤さん）

花嫁の手紙「書いてどうだった？」「受け取ってどうだった？」

今回のお手紙を書いたなゆさんと、お姉さまにお話を伺いました。

手紙を読んでどうでしたか？

「手紙を読む」という達成感や満足感がありました

いま考えると、「身内の話題が多くてゲストにわかりにくかったかな……」とか、姉から「母のエピソードもっといいのあったやん」なんて笑いながら突っ込まれた（素直じゃないけど実は優しいことを伝えるエピソードとして選んだのですが笑）ので、内容に少し後悔はあるけれど、結婚式という場で「花嫁の手紙」を読んだことで、達成感や満足感は得られました。ただ当日に戻れるなら手紙の文章を少し書き直したいです（笑）。

苦労＆工夫したポイントは？

長くなりすぎないように何度も調整しました

いままで参加した結婚式で聞いた手紙を思い出したり、調べたりしながら構成を考えました。
元々文章や言葉がまとまらず長くなりがちだったので、手紙に盛り込むエピソードもわかりやすいか、長くなりすぎずに気持ちを伝えられるかと何回もエピソードや言い回しを変えました。頭で考えていてもまとまらないので、思い付いたことをタイピングして、繋げたり消したりしながら調整しました。

書くエピソードはどう選んだ？

自分が好きなところや知っていてほしい家族のエピソードを選びました

ゲストは私の家族について知らない人が多いので、自分が好きなところや皆に知っていてほしいところをざっと決めてエピソードを考えました。２人のお姉ちゃんにも感謝を伝える場は今しかないと思って手紙に書きました。亡くなったお姉ちゃんにもずっと守ってもらっている気がしたので、手紙にエピソードを入れましたが、亡くなった姉がいることをあまり周りの人に言っていなかったので、重くならないような言い回しを考えました。

後輩花嫁さんにアドバイスを

伝えたい気持ちをしっかり手紙で伝えて！

考えれば考えるほど、「あれ言いたい、あっちの方がいいかな」なんて悩んで、結局式当日の朝までかかって書いたのですが、こんなに時間をかけて考えたり書いたりする手紙は最初で最後かもって思います。親も、娘の本音を聞けていままでの子育てを振り返り、「よかった。ほっとした」と思ってくれたと思います。
「花嫁の手紙」なので言いたいことをしっかり言えることが一番！伝えたい気持ち、親御さんに伝わるといいですね。

お手紙を聞いたお姉さまより

妹らしい手紙だなと思いました

私についてのエピソードが、妹の麻衣子とのエピソードよりあっさりしていて「なんでやねん」って思いました（笑）。手紙を読んでいる時に緊張してなのか、普段とは違うコテコテの関西弁のイントネーションになっていたところも、聞きながら笑ってしまいました。手紙の内容は全体を通して、妹らしい手紙だなと思いましたね。（新婦姉：直美さん）

From 編集部

花嫁の手紙を通じて「いつもありがとう」を伝えて

ご家族それぞれへのエピソードを「いつもありがとう」という結びにしたなゆさん。その理由として「手紙を丸ごと暗記するのは無理なので、手紙を読んでいる間は下を向きがちだけれど、『いつもありがとう』という言葉なら相手の顔をしっかり見て伝えられるかなと思ったからです」と教えてくれました。結婚式の場で聞く「いつもありがとう」はご家族にとっても特別なものになったことでしょう。

彼の父へ宛てた手紙を入れた封筒には、封の裏側に「これから秋葉家の嫁として、第２の娘としてよろしくお願いします！」というメッセージを書くサプライズを。義父はもらった手紙を飾ってくれているそうです。