式当日の親へのお願い事【伝えること&準備アイテム】ガイド
大切なわが子の結婚式は、親にとっても責任と緊張が伴う大舞台!だからこそ、結婚式で発生する親へのお願い事には丁寧なフォローが必要です。この記事ではおのおののお願い事について、新郎新婦がやっておきたい準備をご紹介。結婚式直前のやることリストにぜひ加えてくださいね!
お願い事1……ゲストへのあいさつ
【親の気持ち】ふたりにとって大切な人でも、親には見知らぬ人
親からゲストへのあいさつシーンで起こる“困り事”の多くは、「相手が分からない」「あいさつのタイミングが分からない」といった事態。これらを防ぐための親へのフォローは、ゲストへのおもてなしにもつながるので、しっかりと。
【式当日の“親の困り事”エピソード】
●誰が誰だか分からず、混乱しました
「スピーチしていただく新婦上司へごあいさつをと思ったものの、初対面の方ばかりで混乱。誰にあいさつしたのか分からなくなってしまいました。上司との関係を写真付きでメモして、事前に説明してほしかったです」(父/バイクマンさん・59歳)
●どんな人を招いているのか知りたい
「親友、職場の先輩等、どういう関係の人が出席するのか知りたかった。あいさつ回りをする上で、情報が欲しかったです」(父/ヒロマニアさん・65歳)
●席次を教えてもらっていれば……
「席次を知らないままだったので、新郎新婦の友人たちが誰が誰だか分からなかったです」(母/豆ごはんさん・62歳)
ゲスト情報共有で、親も動きやすくなる!
結婚式に来てくれるゲストは、親にとっても大切な人。新郎新婦がお世話になっている人に対してきちんとあいさつしたいと考えているので、その気持ちに応えられるように準備を。ゲストとの関係性、どのようにお世話になっているのか他、話題にできそうなことは共有を。手順やあいさつのタイミングも伝えましょう。また、今のご時世ではあいさつそのものを割愛するケースもあるので、その有無からきちんと伝えることが大切です。
「親へのお願い」卒花アドバイス
【家族婚でも、お願いはしっかりと】
家族だけの結婚式だとしても、あいさつをお願いするならちゃんと伝えた方が良いです。私としてはひと言もらうだけでよかったので、深く考えず直前にお願いをしたら「そんな大事なことをひと言で済ませられるか」と親に怒られました。(うーきさん)
【情報があれば、ゲストも喜んでくれるかも】
ゲスト情報入りの席次表を渡しました。一番仲の良い友人、遠方から来てくれているといった情報も入れたところ話題にしてくれたようで、友人ゲストから「『遠くからありがとう』と言ってくれて嬉しかった」と聞きました。(比嘉桃子さん)
お願い事2……お世話になった人へのお礼
【親の気持ち】「○○さんにお願いね」だけだと、結構つらい!
ここで起こりがちな困り事のほとんどは、お礼を渡すまでに至るための準備不足が原因。スムーズに行動に移してもらえるように、お礼までの流れをしっかりシミュレーションすることが重要です。
【式当日の“親の困り事”エピソード】
●いつ渡せばいいの?
「ごあいさつしていただいた上司とお友達にお礼を渡すように頼まれましたが、渡すタイミングが分からず戸惑いました」(母/リリカラーさん・59歳)
●受付担当へのお礼を用意できず……
「受付の方へのお礼を、お嫁さんのお母さまが用意してくれていました。息子が1人暮らしだったせいもあって連絡がほとんどなく、私はお礼の用意に気付けませんでした。申し訳なく、またありがたかったです」(母/A.Sさん・59歳)
●お礼が渡せなくて、バタバタに!
「父に、受付担当者へのお礼の他、お車代を預ける予定でした。父の会場到着時に連絡を取り合いそれらを渡すはずが、来る途中に道に迷って遅れたため受け渡しタイミングを逃してしまい、バタバタしました」(花嫁/KAORIさん)
どうしたら渡せるか、のダンドリでスムーズに!
お礼を用意し、それらを渡す相手の名前を伝えるだけではまだまだ準備不足。自分たちで用意したお礼はいつ、どのようにして親の手元に届けるのか、お礼を渡せるタイミングはいつなのか、それらを固めて親に伝えましょう。
アイテムとしては「お礼セット」として、渡す相手の名前と情報、タイミングを書いたメモと、お礼一式をまとめたポーチを用意するのがおすすめ。それぞれ金額が異なる場合もあるので、封筒の目立たない隅っこに渡す相手の名前を鉛筆で書き入れておくと安心です。
渡すタイミングは、プランナーさんにも確認しておきましょう。式当日のやりとりが難しいなら、事前に渡しておくことも考えて。
「親へのお願い」卒花アドバイス
【彼の親にも、しっかり伝えて!】
式当日はスタッフさんが付いてくれるとはいえ、忙しいはず。お礼タイミングは事前に伝えた方がよく、私の場合は主賓や乾杯あいさつの上司・受付担当には乾杯後の歓談中に、スピーチの友人にはお色直し中にとお願いしました。彼の親にもお礼タイミングが伝わっているか、何度もしつこいくらい確認を!(松下美樹さん)
【受け渡しのシミュレーションを】
お礼やご祝儀といったお金の受け渡しは、当日の流れをシミュレーションし、一番スムーズに進められる方法を考えて。それを事前に親にもシェアしましょう。(KAORIさん)
お願い事3……挙式や披露宴への登場
【親の気持ち】親だって、心の準備が必要です!
バージンロードのエスコートやベールダウンなど、新郎新婦当人にとっては「当然」と考えるお願い事でも、親にとってはそうではないケースも。またリハーサルがあるなど、本番のその場にいればいいという内容ばかりでもありません。式当日の緊張を和らげるためにも、心の準備と行動の把握が親にも必要です。
【式当日の“親の困り事”エピソード】
●え?新婦は新郎と歩くんじゃないの?
「母から『私たちは神前式だったから、チャペル式でやるならお父さんに一緒に歩いてもらうことを伝えておきなさいね』と言われていましたが、私はすっかり忘れてそのまま式当日に。当日のリハーサルで一緒に歩くことを聞かされた父はこの時点から号泣でした。エスコートの有無、誰と一緒に歩くのかは事前に伝えた方が安心です」(花嫁/高名結衣さん)
●本番前に知らされたベールダウン
「当日知らされ、控室でタイミングや言葉掛けを2回ほど練習し本番に。実際の会場でのリハーサルではなかったのでとても不安に。ビデオ撮影もあり、記録として残るためとにかく緊張しました」(母/あややんママさん・58歳)
●それって、いつですか?
「ケーキのお手本バイトがあることは伝えたものの、実施タイミングは知らされなかった親たち。出番が分からずずっとドキドキしていたそうです……」(花嫁/高尾若菜さん)
登場をお願いする場面は、全て伝えるのが理想!
挙式などへの登場他、親にスポットが当たるシーンは全て共有しましょう。サプライズについても、親の性格を考えて計画を。お色直し退場エスコートと併せてのひと言スピーチも要注意です。その場できちんと答えてはいても、親としては「もっと内容を練りたかった」と心残りに思うケースもあるようです。
また、各登場シーンの実施および、あればリハーサルのタイミングも必ず耳に入れて。親は親であいさつをしたいと考えている人もいるだろうし、化粧室などへの離席も当然起こり得ます。予定を把握して臨めば、親も安心して過ごすことができます。
「親へのお願い」卒花アドバイス
【お願い事とスケジュールはセットで】
私の親は挙式リハーサル前にホテル内のカフェに行こうとしていて、プランナーさんが慌てて呼び戻してくれて事なきを得ました。お願い事とともに、一日の流れと出番や離席NGタイミングを伝えて。(Megさん)
【動画での予習もおすすめ】
挙式のリハーサルは、式当日だけで済ますのは厳しいかもしれません。卒花さんの動画等を見てもらい事前に練習しておくのがおすすめです。(たまごさん)
お願い事4……ご祝儀の管理
【親の気持ち】全体の流れが分からないと、すごく不安!
ご祝儀を会場に預けられる場合は問題ありませんが、そうでないケースが多いのが実情のよう。ご祝儀がいつ、どこで、誰から親の手元に届き、また式後はどのようにしてふたりに渡せばよいのか。また預かっている最中にも気になることは発生します。大金を預かるという責任で気が張るからこそ、万全の環境づくりは必須です。
【式当日の“親の困り事”エピソード】
●これ、受け取って良いの?
「集めたご祝儀は親に預かってもらうことに。けれど、当日誰から受け取るのかを伝え忘れてしまい、ご祝儀を持って目の前に現れた相手にびっくりしてしまったそうです。結局式場の方から丁寧に説明を受けて、無事預かるに至りました」(花嫁/ゆうなさん)
●預かったはいいけど、その後は?
「母にご祝儀を預かってもらっていたのですが、私たちが引き取るタイミングを伝えていませんでした。お開き直後に撮影が入ったため、結局それが終わるまで母を待たせてしまいました」(花嫁/たまごさん)
●離席時はどうすれば?
「式中にご祝儀を預かることに。着席中はテーブルの足元に置いていたけれど、離席の際はほかの親族に頼んで見てもらわなくてはいけなかったです」(母/豆ごはんさん・62歳)
ご祝儀を預ける間と、前後のフォローを
まず、ご祝儀の窓口となる受付担当者を認識してもらいましょう。初対面同士であれば、顔写真を見せておいて。当日は受付を訪ねてあいさつをしてもらい、受付担当者にも親の情報や預かりの手順を共有してもらうと、お互いが安心です。
離席時については、親と事前に打ち合わせをしておきましょう。きょうだいや親族など親に代わって誰に預かってもらうのかを考え、決まったら早めにお願いしておきましょう。そうしておけば式当日もバタバタせず、預ける際の気後れもなくスムーズです。
また、ご祝儀を保管してもらうためのバッグはぜひ用意して。フォーマルな服と合わせても違和感のないデザインで、ファスナー付きだとより安心できます。
引き取りについては、お開き後にやりとりが可能な時間帯をプランナーさんに確認して決めましょう。親とのタイミングが合わない場合はいったん持ち帰ってもらい、後日引き取りに行くのもありです。
「親へのお願い」卒花アドバイス
【管理する人と方法は共有して】
親にご祝儀管理をお願いしない場合でも、誰にどのように預かってもらうのか耳に入れて。大金なので、それらを知らないままだと親も不安に思います。私は事前に伝えておらず、親はスタッフさんに管理状況を問い合わせたそう。伝えなかったことを反省してます。(まっぴさん)
お願い事5……親族紹介
【親の気持ち】当日のシミュレーションをしておきたい!
ありがちな困り事といえば、紹介の場でうまく話せないということ。会の進行は会場スタッフに手伝ってもらえるケースがほとんどですが、全てお任せというのも心もとないもの。前もって親の不安や疑問を聞き出し、それらを解決してあげましょう。
【式当日の“親の困り事”エピソード】
●進め方が分からなかった!
「どのように親族紹介をしようかと迷いました」(母/よこたんさん・66歳)
●もう少しフォローすれば良かった
「新郎新婦は同席しない親族紹介でしたが、その場は少しぎくしゃくした雰囲気だったそう。話してもらう内容は軽く伝えたものの手順などは確認せず、当日はプランナーさんにすべてお任せでした。もう少し流れを具体的に考えてフォローすれば良かったかも」(花嫁/ゆかぽん。さん)
事前の内容把握で余裕が生まれれば、和やかさはさらにUP!
当日の進行は会場スタッフが手伝ってくれるケースが多く、それほどのトラブルはなさそう。だからこそ、フォローがしっかりしていれば心の準備ができて、親族紹介はさらに良い時間になるはずです。準備としては全体の流れと話す内容を教えておくこと。また親族の顔ぶれを思い浮かべながら紹介シーンをイメージし、引っ掛かりそうな部分があればプランナーに確認し、解決しておきましょう。あとは、親に不安点がないかどうかのヒアリングを。
「親へのお願い」卒花アドバイス
【進め方を具体的に伝えて】
最初のひと言や、話す内容や順序など、伝えるポイントをプランナーさんから聞き、親に伝えましょう。それらがあるだけで、親もその場で楽だと思います。(ゆかぽん。さん)
【座り方の工夫でスムーズに】
親族紹介の流れは、事前に伝えて。また、親族紹介の場では紹介する家族の順に座ってもらうようにすると楽ですよ!教えてあげてください。(あぺさん)
【番外編】お願い事がなくても、予定の共有は必須!
当日の流れを知りたいと望む親が多数!
今回の親への調査で多く寄せられたのは、全体の流れを知りたいという意見。「会場到着から挙式までのスケジュールが分からず、落ち着かなかった」「会場入り後にスケジュールを知り、内容をイメージするのに時間がかかった」といった声が集まりました。新郎新婦としては、親にもゲストとしてゆっくり過ごしてほしいという気遣いがあっても、親としては主催者側の立場との思いは強いはず。特別なお願いがなかったとしても、式当日の流れは伝えてあげましょう。親の不安や疑問を取り除き、家族みんなで結婚式に臨んでくださいね。
「予定共有」卒花アドバイス
【親が動く箇所はマーカー入りで】
会場入りから着付け、ヘアメイク、親族紹介、式や披露宴の内容、お開きまでのタイムスケジュールを作って渡しました。私たちや親族の動きも分かるように、両家分の情報も記入。さらに親が動く項目には、マーカーの印入り。当日もバッチリでした。(maiさん)
【口頭説明と手渡しで念入りに】
一日の流れとスケジュールは必ず伝えておきましょう。口頭だけでは伝えきれないことや勘違いを生むこともあるので、紙に書いてあるスケジュール表も渡す方が良いですよ。(チカさん)
From 編集部
お願い事の前後の流れを考えて、必要なフォローを!
長い期間を準備に関わってきたふたりは、結婚式の内容への理解が深くさまざまなことにパッと反応ができるはず。けれど親はふたりと同じようにはいきません。だから、一つのお願い事に対し、それをスムーズに進めるための前後の手順までイメージしながら必要な情報・アイテムを揃えましょう。親の疑問や不安にも耳を傾けながら、丁寧なやりとりを心掛けて。そうして一緒につくり上げる結婚式は、親にとっても幸せな時間になるはずです。
構成・文/弘中栄美 イラスト/田中麻里子
※記事内のコメントは2022年1月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー131人が回答したアンケートおよび、過去2年間に新郎または新婦の親として挙式・披露宴に出席した40~60代の男女110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2022年3月時点のものです
- 挙式・披露宴
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