いくつ正解できる？[結婚式準備～式後のマナー］３択クイズ

結婚の話は、それほど親しくなくても毎日顔を合わせる人なら、結婚前に伝えた方がよいです。知らされないと「自分には大事なことを教えてくれなかった」と寂しく感じるからです。その面でCは避けるべきでしょう。
職場の人を結婚式に呼ぶか呼ばないかに関わらず、結婚に伴う長期休暇を取ったり、働き方を変えるなど、職場に何かしら影響があるなら、婚約（結納または顔合わせ食事会）が済んだら報告するのがおすすめです。
休暇を取らず働き方もそのままで職場に影響がない場合でも、社会保険の変更手続きなどがあるので、婚姻届を出す数週間前には報告が必要です。（岩下先生）

夫婦別姓の議論もありますが、現状では婚姻届の提出の際にどちらかの名字を選ぶ必要があります。基本的には、名字が変わる方の親のもとへ“許し”を得るために、先にあいさつにいくのが昔からの礼儀です。慣例で女性の実家へ先に行くのは、女性が名字を変えることが多いため。男性の方が名字を変えるのであれば、男性の実家へ先に行きます。
実家が遠方でどうしても先にあいさつに行けない場合は、双方の親の了承を得られれば、順番が逆になっても大丈夫です。その際も、本来の順番と違うことを念頭に親御さんと話をするようにしましょう。（岩下先生）

顔合わせ食事会は、結婚するふたりが双方の親を招いて互いを紹介するという会です。ふたりが主催なので、会場の予約や支払いはふたりが行うのがよいと思います。
ただし、結納の場合は事情が異なります。結納では男性側が結納金を包んで女性の家に持参します。家に来た男性とその親をもてなす形で女性側が食事を用意するのが習わしでした。最近では金銭の授受を行わず、婚約記念品だけを用意したり、料亭などで会食をする場合もあります。その会が“結納”に近いものなのか、“顔合わせ食事会”なのかによって、支払いを持つ人が変わってくるため、双方の親の認識を揃えることが大切です。（岩下先生）

招待したいと思う方全員に会って話をするのは難しいので、送付する数日前にメールやLINEでお伝えするのが現実的な選択です。ただし、ふたりの仲をよく知っている親友など特別な相手には、お礼の意味も込めて直接会うなり電話をするなり、丁寧に伝えた方が喜んでくれるでしょう。
結婚報告で一番よくないのは、いきなり伝えることです。突然の報告は相手を驚かせてしまいます。相手に心の準備をしてもらうためにも、予告することが親切な手順です。（岩下先生）

結婚式の引出物は元々“お福分け”といって、祝宴に参加した招待客が自分の家族に、披露宴の料理の一部を持ち帰ったことから始まっています。以前は尾頭付きの鯛やお赤飯でしたが、現在は品物を用意するのが通例となっています。
そのような意味合いですから、引出物は少し特別なものを贈るのがマナーです。日用品を贈ると「経済的に困っているでしょう」というニュアンスになるためです。ハンカチや靴下は、誰もが持っていて日常で使うので、日用品の部類に入ります。
靴磨きセットは足元に使うものではありますが、高級な革靴の手入れ用のものでしたら、誰もが必ず持っているわけではないので大丈夫です。営業の仕事をしている男性などからは、特に喜ばれるようです。（岩下先生）

職場の人を呼ばない場合、上座には恩師に座っていただくのがよいです。恩師は文字通り、人生の恩人。晴れの日を迎えるに当たり、感謝の気持ちでぜひもてなしましょう。
恩師も招かない場合は、親戚の年長者に座ってもらうのがベターです。親しい友人に近くに座ってほしいと思うかもしれませんが、自分がゲストとして招かれたときに主賓席に通されたらびっくりしてしまいませんか？それぞれのゲストに居心地良く楽しんでもらうためには、相手の立場に立って考えることがポイントです。（岩下先生）

結婚式は新たな家族の縁を結ぶ場。おめでたいことに水を差さないよう、言葉の選び方にもマナーがあります。祝宴で避けるべき言葉や言い回しを「忌み言葉」と言います。プロフィールブックだけでなく、祝辞やスピーチ、花嫁の手紙、映像演出などあらゆるところに「忌み言葉」が使われていないか、確認しましょう。
例えば「割れる」「切れる」「冷める」「落ちる」といった別れを連想させる言葉は×。「忙しい」も“心を亡くす”と読めるため、NGです。「度々」「いろいろ」「重ね重ね」といった重ね言葉は、“何度も同じことがある”＝再婚を連想させるため使いません。「日々」や「二回」はこれに当たります。他には「辛い」「苦い」「嫌い」などネガティブなワードも避ける必要があります。（岩下先生）

お祝い事なのでゲストの方から「お車代は頂けるの？」とは面と向かって聞けません。結婚式に出席するとなると、交通費や衣裳代、ご祝儀などゲストの負担は小さくありません。お車代があるかないかを最初に教えてもらえば、出費の額を検討立てて出席の可否を考えられます。「お金の話を先にするのは……」と思いがちですが、招待する前にお車代を出せるのか、いくらくらい出すかをハッキリと伝えた方が、本当の意味で親切です。（岩下先生）

結婚報告はがきは、送る相手によって時期を判断します。
目上の方や親戚など尊重したい相手には、結婚式の後１カ月で発送するのが目安です。ただし、結婚式を挙げて２～３カ月くらいでお正月や８月上旬頃になるようであれば、年賀状や暑中見舞いを兼ねてもOKです。３カ月以上過ぎてしまうようなら、できるだけ式後１カ月をめどに発送したほうがよいです。
いつもメールのやり取りをしている友人であれば、結婚報告はがきはメールやSNSで画像送信しても問題ないでしょう。普段メールのやり取りをしない人にメールなどで結婚報告はがきを送るのは、失礼に当たります。（岩下先生）

ご祝儀袋は名前が記載されているので、取り扱いには注意します。どんど焼きは正月飾りやお札などと一緒に処分でき、燃えてしまうので個人情報の面からも安心な処分方法です。
お祝い事ではありますが、ご祝儀袋は神様が宿っているものではないので、神社でお祓いしてもらう必要はありません。
どんど焼きが行われる予定がないなら、可燃ゴミとして処分することは致し方ありません。その際はまず一緒に捨てる可燃ゴミの上に塩や酒をまいてお清めし、その上にきれいな包装紙に包んだご祝儀袋を置くと、心清らかに処分できます。（岩下先生）

Profile

岩下宣子さん マナーデザイナー

現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校、商工会議所、公共団体などでマナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、『ゼクシィ』でも悩める花嫁への愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。

構成・文／稲垣幸子　イラスト／高篠裕子　D／mashroom design
※掲載されている情報は2021年12月時点のものです

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