新婚の今こそ始めどき[夫婦のタイプ別]おすすめ投資運用はコレ!
将来のお金のことはゆっくり考えよう、と思っていませんか。ところが「新婚の今こそ、貯めどき・殖やしどきなんです」とファイナンシャル・プランナー(以下:FP)の丸山晴美先生。その最大のチャンスをがっちりつかむために、夫婦のタイプ別・おすすめの投資運用を聞きました。
投資運用、なぜ「新婚の今こそ始めどき」なの?
預貯金だけではインフレリスクに対応できないから
「人生でお金の貯めどきは3回あります」とFPの丸山先生。以下、詳しく教えていただきました。
from FP丸山先生
まず独身時代、次に夫婦共働きで子どもが生まれるまでのDINKS期、そして子どもが独立して自分たちが老後を迎えるまで。中でもDINKS期が最大の貯めどきです。
結婚したてというのは、何事も柔軟に考えやすい時期。お金の価値観について不一致があっても話し合いで解消しやすく、この先の超長期にわたるライフイベントについて話し合うべき大事な時期でもあります。
そして現在、インフレ(物の値段が高くなる=お金の価値が下がる)が起こっているなか、預貯金だけに頼っていても、0.001%というわずかな利息ではインフレリスクに対応できなくなる可能性が。
だから、預貯金だけでなく、いろんな運用商品でリスクを分散させることが大事なんです。投資運用で成功するカギは「長期・積立・分散」。この3つの法則さえ守れば、投資運用はそれほど怖いことになりません。
特に若い新婚カップルは「長期」の運用がしやすいので、今のうちに貯める・殖やす仕組みを考えましょう。
【1】老後の資金をお得に貯めたいなら「iDeCo」
掛け金が全額所得控除になり節税に
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」とは、公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金制度の一つです。
from FP丸山先生
「iDeCo」の最大のメリットは、掛け金が全額所得控除になり、所得税・住民税が軽減されること。60歳まで引き出すことができない点には注意が必要ですが、老後の資金をしっかりと、かつお得に貯めたいカップルに向いています。
なお、月々5000円から積み立てることができますが、金融機関に支払う手数料にも注意。掛け金があまり少額だと、手数料の負担が大きく、利益が出にくいケースがあります。できれば1万5000円から2万円くらいの金額で積み立てをした方が利益は出やすいでしょう。
かつ、控除のメリットも、掛け金が多いほど出やすいので、できれば設定を高めにするといいでしょう。
【2】運用しつつ利益を使いたいなら「つみたてNISA」
中途解約OK! 利益が出たら少し解約して使うことも
「つみたてNISA(ニーサ/少額投資非課税制度)」とは、長期の積み立て・分散投資が非課税でできる制度です。
from FP丸山先生
一般の投資信託では、出た利益に対して約20%の税金がかかるところ、「つみたてNISA」では20年間、非課税で運用できるため利益が出やすくなります。
60歳まで引き出せないiDeCoと違い、中途の解約も可能なのが大きなメリット。運用しつつ、利益が出たら少し解約して使いたい、60歳までは先が長すぎて重荷、というカップルに向いています。
「NISA」と「つみたてNISA」って違うの?
一般の「NISA」と「つみたてNISA」は別の制度です。「NISA」では投資信託だけではなく国内外の株式投資など幅広く運用できるのに対し、「つみたてNISA」では決められた投資信託の中からしか選べません。
ただ、「NISA」は口座をつくったものの運用していない状態になることもある一方、「つみたてNISA」は毎月決めた金額を強制的に積み立てていくことができます。他にも積立可能額や非課税で投資できる期間など違いがあります。
「NISA」口座と「つみたてNISA」口座は、どちらか1つしか選べないので、よく考えましょう。
【3】運用したいが知識や時間がないなら「ロボ投資」
自分で判断しなくてもロボットが自動的に運用
「ロボ投資」とは、時間や手間をかけず、ロボットに任せて資産運用が行えるサービス。最初に積み立てる金額を決め、リスク許容度を5段階の中から選べば、後はロボットが自動的に投資運用をしてくれます。
from FP丸山先生
人間はどうしても感情に左右されがちですが、その部分をロボットがタイミングを判断してやってくれるのでラク。手数料が約1%かかりますが、運用の知識が浅い初心者や、銘柄を選ぶ時間がない人にも向いています。
お金を預けたら売買まですべてやってくれる投資一任型の他、提案してくれるアドバイス型も。初心者は投資一任型の方がロボ投資のメリットを最大限生かすことができるといえそうです。
【4】今後、海外旅行・出張をするなら「外貨預金」
違う通貨を持ってリスク分散でき、海外でも使える
外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロなど外国の通貨に替えて預け入れる預金のことです。
「長期・積立・分散」が投資運用の成功のカギと言いましたが、通貨の分散という意味で「外貨預金」もおすすめです。日本円も盤石とは限らないので、米ドルやユーロなど違う通貨を持ってリスクを分散させることで、リスクを軽減させることができます。
また、毎月積み立てることで「ドルコスト平均法」という手法が成立します。これは、毎月一定額のドルなどを買うことで、為替変動の波がだんだん平らになっていくということ。どんどんリスクが軽減されていき、全体的にドルの相場が高くなってくると、利益が出やすくなるというもの。純金積立、プラチナ積立も同様です。
外貨預金は、貯めた外貨をそのまま旅行や出張で使えるのもメリット。コロナが落ち着いたら海外旅行に行きたい、出張予定がある、という夫婦に向いています。
もちろん、海外に行く予定があまりない人にも、リスク分散の一つとしておすすめです。
From 編集部
強い家計を築くため、ふたりで一緒に勉強を
結婚、出産、マイホーム、教育、老後と、これからの人生は超長期戦。ふたりのお金に対する価値観を早い段階ですり合わせ、家計の管理から投資運用まで一緒に勉強し、さまざまなリスクに対応できる強い家計を築きましょう。
丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
https://www.maruyama-harumi.com/
構成・文/前川ミチコ イラスト/田中麻里子
※掲載されている情報は2021年11月時点のものです
- 保険・家計
- 新婚生活
- 結婚準備全体
- お金
- 節約・貯蓄
- 新婚の家計