【引出物・引菓子】選び方決定版!「誰に・何を贈る?相場は?」
「喜んでもらえるものを渡したい!」という気持ちが高まりすぎて、星の数ほどのギフト候補に圧倒されて……etc. 引出物・引菓子の準備に戸惑うプレ花嫁さんのために、ギフトの選び方をご紹介。相場や、プロが薦めるギフト例をぜひ参考にしてください。
ギフトの基本を知ろう!
そもそも引出物・引菓子って?
引出物・引菓子とは出席するゲストだけに向けたものではなく、本来は家で留守を預かる家族への配慮として渡すもの。つまり、ギフト内容はご祝儀額に左右されるものではく、全員同じ品としても失礼には当たりません。とはいえ、親族間でのギフト相場が暗黙のルールとして存在するなど、ゲスト別のアイテム選びを求められる場も少なくありません。下記データも参考に、臨機応変に対応しましょう。
【ギフト総額と品数】
・1人当たり総額…平均6800円
多い価格帯…5000~6000円未満、6000~7000円未満、2000円未満
・1人当たりの品数…平均2.8品
多い品数…3品
引出物平均額は6500円、価格帯で多いのは3000~4000円未満が30.2%、5000~6000円未満が24.7%。引菓子平均額は1400円、価格は1000~1500円未満に67.3%が集中。
【贈り方】
・贈り分けあり78.9%/なし20.0%/無回答0.8%
・贈り分けで多いパターン数…3パターン
贈り分けでは3パターンが多く40.1%が該当。次が2パターンで26.0%。贈り分け基準は<親族、上司、友人等の間柄別>が60.4%と最多。分け方では親族、上司、友人の3パターン、親族・上司、友人の2パターンが多いよう。親族のみなら親、兄弟姉妹、ほか親族などと分ける場合も。
【選ばれているギフト】
カタログ式ギフト(冊子)…62.1%
カタログ式ギフト(WEB)…27.1%
食器類…23.6%
生活用品…15.5%
カタログ式ギフトが人気。「内容やアイテム数が多すぎると選ぶのが面倒で困難ということも。ブランド、百貨店のものなどセレクト感があると嬉しいですね」と、ギフトコンシェルジュの裏地桂子さん。
※データ出典/ゼクシィ結婚トレンド調査2021(全国推計値)
ギフト選び成功のコツは“毎日使える、ちょっといいもの”
今回取材にご協力いただいたギフトコンシェルジュの裏地桂子さんは、「“自分で買うにはちょっと贅沢な品だけど、頂いたら嬉しいもの”を意識してみてください」とアドバイス。また日常での使用頻度も考慮したいもの。「例えば、カップ&ソーサ―のセットよりもマグカップの方が頻繁に使ってもらえるはず。一輪挿しも良いですね。さらに名のあるブランドならば“ちょっと良いもの”感が高まります」(裏地さん)
贈り物のプロからアドバイス
【自分主体のギフト選びを楽しむ】
引出物の役割とは“お福分け”であり、幸せの連鎖を生むもの。大好きなふたりの結婚式に行くだけでゲストは嬉しさを感じるもので、そういう人たちがギフトに対してネガティブな感情を抱くことはないはず。ですから気負いすぎず、自分がもらったら嬉しいもの、頂いて良かったものから選んでみては。選んだ引出物に対して自信を持って贈ることができますよ。(裏地さん)
引出物の選び方
【親族へ】日常に嬉しい変化を与えるものを
他ゲストよりも平均額が高い層です。親族はご祝儀を多く包んでくれる傾向があり、また親族間の慣例があれば親がそれを気にしているはず。品物選びの際は、必ず親の意見を聞きましょう。選ぶ内容としてはパーソナルなものを贈っては。親族であれば、ライフスタイルや暮らしを思い浮かべやすいはず。そこにちょっとした変化や華やぎを与えるものだと良いでしょう。
贈り物のプロのおすすめは?
【相手の暮らしを想像して】
親御さんには飯わんはいかがですか。いつも同じ飯わんを使う方が多く、新たな飯わんにより食卓に変化が。兄弟姉妹は肌触りの良いバスマットを。1枚で済み、家族構成を問いません。目上の親族にはシルクやベロアの上質な枕カバーを。高齢の方にはフリーズドライ食品も良いです。注ぐ湯量のしるし付きわんとのギフトセットは、計量の手間なくおいしく召し上がっていただけて特におすすめ。(裏地さん)
【Price データ】
父:平均8828円/多い価格帯=5000円、1万円
母:平均9324円/多い価格帯=5000円、1万円
兄弟姉妹:平均8113円/多い価格帯=5000円、1万円
祖父・祖母:平均8803円/多い価格帯=5000円、1万円
目上の親族:平均8516円/多い価格帯=3000円、5000円、1万円
夫婦連れや、家族揃って出席するゲストへの引出物は?
1人ずつに用意しても良いし、夫婦・家族を一組と考えてギフトを用意しても構いません。1人ずつに渡す際は、同じ品は避ける、同じ品でもセット使いできるものを選ぶなどの配慮を。
一組と考えて渡すなら、単身出席のゲストよりも単価や品数を増やした内容で贈るケースが多いようです。
【上司へ】持っていないものを思い浮かべて
頂くご祝儀を考慮し、その分高い予算を組むケースも。また経験の豊富さから既に多くのものを所持していることも考えられるため、ギフト選びはなかなか悩ましいはず。そこで着目すべきは「持っていなさそうなもの」であること。加えて「ちゃんとしたもの」であれば、喜んでもらえる可能性はグッと上がります。
贈り物のプロのおすすめは?
【上質なショットグラスを!】
ショットグラスをおすすめします。ギフトではワイングラスを思い浮かべがちですが、既にお持ちのことも多く、意外とこだわっている方も。またロックグラスはそれほど使用頻度が高くなさそうです。本来はテキーラを飲むためのショットグラスですが、アイテムによっては日本酒のぐい飲みとして使えるものもあり、多くの場面で楽しんでいただけるはず。(裏地さん)
【Price データ】
平均:8112円
多い価格帯:5000円、1万円
ギフトののし紙はどうするの?
のし紙は、のし付きで紅白の結び切り(水引5本×2束)が印刷されたものを選び、表書きは“壽”に。名前は、引出物は両家の名字を並べ、引菓子はふたりの名前を並べます。またのし紙をかけるのは包装紙の上となる“外のし”となります。
【友人・同僚へ】この時期だからこその上質な生活アイテムを
日常でしっかりと使えて、満足感と共に使い切る……、そういった“消えもの”ギフトも喜ばれます。さらに、今の時期ならではの活用度を組み合わせて考えれば、より生活にピッタリとはまる贈り物が選べます。ソープといったケアグッズや在宅時間に潤いを与えるインテリアグッズは、かなり重宝してもらえるでしょう。ただし、“ちょっといいもの”の観点を忘れずに。
贈り物のプロのおすすめは?
【今なら衛生用品が役立ちます】
「自分で買うには贅沢だけれど、使ってみたい」そんな気持ちにさせられるブランドのハンドソープ、ボディソープといったパーソナルケアグッズはいかがでしょう。ほかには、ルームフレグランスもおすすめです。香りで悩んだ際は、そのブランドで一番売れている人気商品を選べば外すことはありませんよ。(裏地さん)
【Priceデータ】
平均:5094円
多い価格帯=3000円、5000円
贈り分けする際の注意点は?
それぞれの内容の違いがゲストたちに分からないように気を付けましょう。引出物袋を全員同じもので統一すれば大丈夫です。また、ゲスト宅への宅配サービスを利用している場合は事前に伝えましょう。着席時に「ほかのゲスト席には引出物があるのに……」と思わせないように配慮を。
【全ゲストへ】分かりやすくて、ちょっと良いものを
世代や性別などを問わず多くの人に好まれるギフトというと、奇をてらわない分かりやすいものにたどりつきます。また結婚式のギフトという特別感と、誰もが納得する存在感を考えるなら、知名度やブランドの力は侮れません。「ブランドの定番品であれば、後々自分でも買い足しが可能です」(裏地さん)。確かに、買い足しができるアイテムであれば贈った相手の暮らしの楽しさをさらに広げてくれそう。増えても困らないもの、日常でしっかり使えるものを探してみましょう。
贈り物のプロのおすすめは?
【買い足し可能なシンプルなものを】
1人分ほどの食器などをのせる小さなお盆・折敷(おしき)は、食卓のプレイスマット代わりにもなり気が利いています。2人分なら正方形を1枚ずつ、お一人なら長方形1枚を。ほか、お箸もおすすめ。“幸せの橋渡し”とされる縁起物で、複数でも1膳でも贈りやすいですね。このご時世では、取り分け箸も喜ばれますよ。気に入ったときの買い足しも想定し、お店や品物を選んでは。(裏地さん)
【Priceデータ】(贈り分けをしていない場合)
平均:6002円
多い価格帯=3000円、5000円
思った以上にご祝儀を多く頂いた場合は?
祖父・祖母など身近な人なら感謝の言葉を伝えれば十分です。それ以外のゲストで気になるなら、後日にお礼の品を送る、新婚旅行のお土産や自宅に招きおもてなしをするなどで、過度にならないお返しを。
引菓子の選び方
自宅でのくつろぎ時間を楽しんでもらえるお菓子を
引菓子は、結婚式の土産話のお供にと、帰宅後も楽しい時間を過ごしてもらえるようにと贈るもので、日持ちのする焼き菓子などが一般的です。無理なくおいしく味わってもらえるよう、相手のライフスタイルを考えましょう。
また贈り分けの実施割合は、全体の45.6%で、贈り分けしていない人の方がやや多い結果でした。贈り分けした中でも2パターンというケースが多く、引出物と比べると贈り分け需要が低いことが分かります。贈り分けをするなら、相手の家族構成や年代、性別などを基準に。会場オリジナルのお菓子ほか、ふたりの好きなもの、老舗の定番などから選んで。
贈り物のプロのおすすめは?
【王道のお菓子など、ゲスト別に分けては】
人気のある老舗や名店の代表的なお菓子には、誰をも「さすが」と思わせる納得感があります。特に高齢の方にはその傾向が顕著ですね。これらにこだわることが正解ではありませんが、王道のものを選ぶのは一つの手だと思います。年代の若い方には華やかな洋菓子にするなどと贈り分けても良いですね。(裏地さん)
【Price データ】
親、兄弟姉妹、祖父・祖母、高齢の親族/多い価格帯=3000円、1000円
上司/多い価格帯=3000円、1500円
同僚・友人/多い価格帯=1000円、2000円
From 編集部
気負いすぎず、ギフト選びを楽しもう!
引出物は個人向けのプレゼントではなく、結婚するふたりからの幸せのお福分け。つまり、ふたりが主体となるものです。気負いすぎることなく、ギフトを選びましょう。迷ったときは、“気に入ってもらえるもの”よりも“使ってもらえるもの”に意識を向けては。好みにこだわるよりも選択肢は広がり、一歩引いた客観的な視点で選べるはずですよ。
裏地桂子さん ギフトコンシェルジュ
“ギフトを通して思いを伝える”をモットーに贈り物を提案。確かな審美眼と幅広い知識への信頼は厚く、講演、雑誌や企画展などの商品セレクト、ショップや企業の商品企画、開発等にも携わる。ギフト関連著書も多数。毎日更新のインスタ@k.uraji が好評。
構成・文/弘中栄美 イラスト/篠塚朋子
※記事内のデータは2021年9月に、過去2年間に挙式・披露宴(会費制を除く)を実施し引出物または引菓子を贈った女性103人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2021年10月時点のものです
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