【要クリップ】婚姻届提出前の最終確認!「戸籍課担当者はココを見る」
婚姻届の提出日は、ふたりにとって大切な記念日。でも婚姻届に不備があると、希望の日に受理されないことも。不備をなくすためには、事前に役所の窓口で確認してもらうのも手。とはいえ「何度も足を運べない……」という人向けに、ゼクシィが戸籍課担当者さんにチェックの手順とポイントを聞いてきました!これから婚姻届を出す人は全員、要クリップ!
こんな不備があると、当日に“受理”できない!
今回は、東京都文京区役所で婚姻届の受理業務に当たっている戸籍住民課の方にお話を伺いました。
「多くではありませんが、婚姻届をその日に受理できず、“預かり”の状態になってしまう方もいらっしゃいます」
“預かり”の状態とは、婚姻届に必要な添付書類が揃っていないといった理由で、婚姻届を窓口で預かり、後日書類を提出する日まで待ってくれること。書類が揃った時点で当初の日にちにさかのぼり、婚姻届が受理される。ただし正式な受理までは婚姻届受理証明書の発行ができず、住民票の移転に不都合が生じることも。
また、その日に受理できず再提出になる事例としては、提出者が本人以外(代理人など)で本人署名欄や証人署名欄が空欄の場合などがあるそう。本人が提出に来れば、本人欄の間違いはその場で訂正が可能。ただし、時間外窓口への提出だと担当者が確認できないため、受理の日にちがずれてしまうことがあります。
婚姻届の提出に必要なものは2つ!
無事に婚姻届を受理してもらうために、必ず持って行くものが2つあります。自分のものだけでなく、パートナーのものも揃っているか、今一度確認を。
■婚姻届
提出する役所の窓口で受け取れるほか、付録やダウンロードして利用できるものも。役所配布のものでないときは、事前に受理してもらえるかを提出予定の窓口に確認を。
■本人確認ができるもの
運転免許証、マイナンバーカードなど顔写真があるものは1点でOK。健康保険証など顔写真がないものは、2点以上必要。夫と妻のものそれぞれを用意。
2021年9月以降は、押印は任意に
戸籍法の一部改正により、2021年9月1日以降に婚姻届を提出する場合は、本人の署名欄および証人の署名欄の押印は任意に変わりました。
婚姻届には今まで通り押印してもOKですが、訂正印としての効力がなくなったため、印鑑は必ず持って行くものではなくなりました。
訂正がある場合を想定して、ペン(筆記用具)を持参しておくと安心です。
戸籍課担当者さんと一緒に、正しく記入できているかCHECK!
婚姻届を提出するときには、窓口で担当者が記載内容を確認してくれます。日々婚姻届のチェックを行っている方のお話を参考に、担当者目線のチェックポイントを紹介します!
婚姻届の見本に書かれた番号と照らし合わせながら、【CHECK1~11】を確認していきましょう
【CHECK1】本人の署名は手書きで書かれている?
婚姻届の提出時には、まず「届出人署名」の欄を確認します。
自分自身の名前なので、間違えることはないと思いがちですが、ここは戸籍謄本にある名前通りに記入が必要。普段使っていない旧漢字などは注意して。
「署名以外の部分はパソコン等で記入してもOKですが、署名欄だけは手書きで書く必要があります。押印はあってもなくても大丈夫です」
【CHECK2】証人の署名は手書きで書かれている?
婚姻届の右側には、証人の記入欄があります。証人の署名欄も、手書きが必須です。
証人は18歳以上の成人であれば誰でもOK。証人も本籍地の記入が必要なので、わからないときは本籍記載の住民票で確認してもらって。
「証人の欄で間違いがあると、本人では訂正できないため、再提出となる場合があります。届け出の日にちが変わってしまうことにもなるので、必ず確認ください。押印は証人欄も任意です」
【CHECK3】夫婦の氏名と生年月日は正しい?
左側一番上のふたりの氏名と生年月日の欄。ここは本人の確認ができるもの(運転免許証など)と一致しているかをチェックします。
生年月日は西暦ではなく元号で書くため、証明書類を見て今一度確認を。
「ご本人の氏名も署名欄同様に、漢字に注意してお書きください」
【CHECK4】本籍地は正しく書かれている?
本籍地は、戸籍謄本に書かれている通りに記入されているかを確認します。
「筆頭者」の欄は、戸籍謄本の最初に書かれている人の名前を記入。自身が戸籍の筆頭者であれば、自分の名前になります。
「戸籍謄本の数字は漢数字ですが、アラビア数字(1、2など)で書いてしまっても受理は可能です。番地などは通常使用している住所と異なることがありますので、ご注意ください」
【CHECK5】夫婦の新しい氏は決まっている?
現行の法律では、結婚の際に夫婦どちらかの氏(名字)を選ぶことが決まり。
新しい氏が決まっていないと戸籍を作成できないため、どちらかの氏にチェックを入れて。(日本国籍同士の場合)
「選択的夫婦別姓の議論もありますが、現状ではどちらかの氏を選ばないと婚姻届は受理できません。窓口にお越しになる前にふたりでよく話し合ってください」
【CHECK6】新本籍は決まっている?
新しい本籍地の欄は、夫婦の氏(名字)を元々名乗っている方が戸籍の筆頭者の場合は記入しませんが、そうでない場合は新本籍にしたい場所の住所の記入が必要。
「新しい本籍は、置きたい市区町村によって書き方が異なります。新本籍を置きたい市区町村の戸籍係に事前に確認してください」
【CHECK7】初婚、再婚の別は書かれている?
初婚か再婚かの欄は必ず確認する項目。特に女性が再婚の場合、離婚から100日を経過しないと新たに結婚することができないため、受理できるかをチェックします。
再婚の場合は、離婚や死別の日付を偽りなく記載して。
「離婚後すでに新しい戸籍になっている場合は、離婚100日経過しているかどうかを戸籍謄本からは判別することができません。ここは必ず正確に記入をお願いします」
【CHECK8】仕事、職業欄にチェックが入っている?
「同居を始める前の夫妻のそれぞれの世帯の主な仕事」の欄は、該当するところにチェックが入っていることを確認します。
1人暮らしなら自分の職業を、親と同居していたなら世帯主の職業を記入して。「夫婦の職業」は国勢調査が行われる年のみ記入が必要。
「仕事の欄はどこに該当するかわからなければ、窓口で聞いていただいても構いません。職業はできる限り記載していただきたいですが、個人の意志で記載しない場合も受理は可能です」
【CHECK9】同居または結婚式の日が書いてある?
「同居を始めたとき」は、一緒に暮らし始めた時期または結婚式の時期の早い方が記入されていることを確認します。
まだ結婚式も同居もしていないときは空欄にして、その他の欄に「同居も結婚式もしていないため『同居を始めたとき』は空欄です」と記入を。
「年月については、おふたりの申告でOKです。この欄が間違っていたとしても、婚姻届は受理できます」
【CHECK10】父母の名前と続柄は書いてある?
婚姻前に親の戸籍に入っているのであれば、戸籍謄本の通りに親の名前が記入されているかを確認します。
親が離婚している場合は、現在の親の氏名を記入して。続柄は戸籍謄本と同じ内容を記載する必要があるため、次男・次女の場合は、「二」、三男・三女の場合は「三」と漢数字で記入を。
「親の名前の欄でわからないことがあれば、窓口でご相談ください。訂正が必要なら、その場で修正していただければ問題ありません」
【CHECK11】連絡先は書いてある?
最後に必ず確認するのが、連絡先の電話番号。
担当者が問い合わせたいときに、すぐ連絡が付く電話番号を記入しておいて。
「夜間窓口で受け取る場合は、夫婦おふたりの電話番号を書いてもらっています。電話がつながらないと受理に影響しますので、必ずつながる電話番号を記入してください」
戸籍課担当者さんからのお願い「これだけは!」
婚姻届の受理を行う担当者さんの立場から「これだけはお願いしたい」ということを教えてもらいました。
「婚姻届だけでなく、戸籍謄本と本人確認できるものを必ず持ってきてもらえると助かります。この2つがないと、関連する手続きが滞ることがあり、二度手間になってしまいます。
それから、戸籍謄本に記載された名字が、旧漢字や普段使わない難解な漢字であることがあります。ご自身の名前でも漢字が違うことがありますので、よく見て書くようにしてください」
From 編集部
ふたりで最終チェックをして、婚姻届を提出!
婚姻届は、間違いや記入漏れがあると受理できない箇所と、間違っていてもその場で訂正すればよい箇所があります。【CHECK1】から【CHECK7】までは特に大切なので、お互いに最終チェックを。それでも不安が残る場合は、提出する予定の役所の窓口に電話で相談したり、開設時間内に直接確認してみましょう。
構成・文/稲垣幸子 イラスト/moeko
取材協力/東京都文京区役所 戸籍住民課
※掲載されている情報は2021年10月時点のものです(2024年5月21日更新)
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