【親の本音】息子・娘の結婚相手と「しなくていい」お付き合いって?
結婚したら彼の親とも「親子」になるけれど、どれくらいの距離感で付き合っていけばいいの?と迷う人も多いのでは。そこで、結婚した娘・息子を持つ「親」にアンケート。誕生日プレゼントの贈り合いなどの“付き合い方”についての本音を聞きました。恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんに教えてもらったアドバイスも参考にしてくださいね。
【その1】
「誕生日プレゼントの贈り合い」はしなくてよい
親VOICE
誕生日のプレゼントは贈り合わなくてよい。彼女の好みがわからないし、息子にも誕生日プレゼントはあげていないので。(息子をもつ親・てーさん)
なくていいと思う。回を重ねるうちに儀礼的になり、お互いに気持ちが縛られるから。(息子をもつ親・ららさん)
こちらからは必ず贈るが、娘たちからは、メッセージだけでよいと伝えている。(娘をもつ親・おせっかいおばさん)
都合がつけば、娘も交えて、誕生日より数日前に食事に行くぐらいがよい。何を贈っていいのか迷うから。(娘をもつ親・晴れパンダさん)
自分の娘・息子の結婚相手との「理想の誕生日プレゼントの贈り方」について聞いたアンケートでは、実に77%の親が「贈り合いはしなくて良い」と回答しています。息子をもつ親のコメントには「妻に気を使わせたくない」「息子の妻の好みがわからない」といったものが多く、娘の親のコメントには「言葉だけでよい」「食事に行くぐらいがよい」など、プレゼントでなくても気持ちが伝われば十分といったコメントが目立ちました。
専門家からのアドバイス
自分の親、相手の親がいて、それぞれの誕生日にプレゼント、さらに父の日・母の日もとなると大変。やり始めたら、続けていくのが大変なので、最初から割り切りましょう。ただ、親としては完全スルーされるのも寂しいもの。近くに住んでいるなら安くておいしいお菓子を持っていく、遠いならLINEのメッセージだけでもありがたいものです。忘れてないよ!というアピールだけはしておきましょう。(三松さん)
【その2】
「イベントを一緒に過ごすこと」はしなくてよい
親VOICE
クリスマスや年末、誕生日、母の日、連休などは一緒に過ごさなくてよい。年始のあいさつだけでよい。(息子をもつ親・チャウさん)
どのイベントも、本人たちの生活があるのだからわざわざ一緒に過ごさなくてよいと思う。(息子をもつ親・はなさん)
娘夫婦は共働きのため、休みの日はふたりでゆっくり過ごしたいだろうから。(娘をもつ親・kkさん)
嫁ぎ先の家族と過ごすのが優先だと思うから。(娘をもつ親・さかさん)
「理想のイベントの過ごし方」について聞いたアンケートでは、全体では64%が一緒に過ごさなくてよいという結果に。ところが、イベントごとのポイント差が大きく、クリスマスや誕生日、母の日、連休を一緒に過ごしたい親は5%以下なのに対し、年末年始を一緒に過ごしたい親は29%。特に息子をもつ親からは「年始のあいさつだけは」という声が目立ちました。また、娘をもつ親からは「彼の実家を優先して」という声も多かったのが印象的です。
専門家からのアドバイス
新婚カップルの親世代はバブル期に自立して遊んでいた世代。イベントごとに会おうとしなくて大丈夫です。ただ、自分の息子・娘やその結婚相手はさておき、孫には会いたいんです!お食い初め、初節句など、孫に関するイベントには声を掛けましょう。また、日本の伝統文化として、年始のあいさつは大切。ことあるごとに会う必要はなくても、年始くらいは顔を見せてほしいと思う親は多いと思います。(三松さん)
【その3】
「親子のように仲よく」はしなくてよい
親VOICE
息子の結婚相手とは、親子のように仲よくする必要はないと思う。それぞれの世代でそれぞれの生活があるから無理はしない方がいい。(息子をもつ親・jjさん)
長い付き合いになると思うので、ある程度の距離がある方が結局よい関係が築けると思う。(息子をもつ親・ジローさん)
育ってきた環境も違うのだから、いきなり「はい、今日から家族です」となるのは難しいと思う。距離感を縮めるのは、少しずつで構わない。(娘をもつ親・なないろ仮面さん)
ベタベタした付き合いは好きではないし「実の息子のように」というのは相手の親御さんにも失礼だと感じる。(娘をもつ親・にゃん吉さん)
自分の子どもの結婚相手との「理想の距離感」を聞いたアンケートでは「ある程度の距離を保ちたい」と答えた親が76%。息子をもつ親からは「無理しない方がいい」「その方がうまくいく」といったコメントが多かったのに対し、娘をもつ親からは「彼の親御さんにも気を使う」といった声がいくつか見られました。また、「実の親子のように仲よくしたい」という少数派の中には「自分の息子と同じくらい愛してあげたい」(息子をもつ親・スリーナインさん)といった声も!
専門家からのアドバイス
「ある程度の距離がある方がうまくいく」というのはその通り。必要以上にべったりする必要はありません。ただし、節目節目に連絡をとって「忘れてないよ!」アピールはしておいた方が円滑な関係を築けると思います。また、最近はLINEなどでやりとりをする人が多いと思いますが、たまには声を聞かせたり、顔を見せたりしてくれると親はうれしいもの。毎回でなくても、ポイントで電話を挟んでいきましょう。(三松さん)
【その4】
「ふたりでお出掛け」はしなくてよい
親VOIVE
まだ新婚なので、いきなり義理の親とふたりで出掛けるのは彼女にも負担になるだろうし、息子がきちんと彼女に気使いをしているかチェックしたいので、出掛けるなら息子も一緒に。(息子をもつ親・ペパーミントさん)
息子も一緒の方が彼女にとっても気楽でいいんじゃないかなと思う。(息子をもつ親・りりてつさん)
娘抜きでお出掛けする必要性がない。娘、孫がいないと会う意味がないから。(娘をもつ親・まゆみさん)
娘を交えて一緒に出掛ける方が自然だと思うので。彼とふたりだと、彼が義理の母である私に気を使うことになるから。(娘をもつ親・晴れパンダさん)
子どもの結婚相手との「理想のお出掛け」について聞いたアンケートでは、今回の調査で最も多い86%もの親が「子どもの結婚相手と子どもも交えて一緒にお出掛けしたい」と回答。その理由のほとんどが「お互いに気を使うから」というものでした。また、少数派である「子どもの結婚相手と、子ども抜きでお出かけしたい」という人は、娘をもつ親には少なく、息子をもつ親であるケースがほとんど。「女同士のお買い物も楽しいので」(息子をもつ親・ばぁばんさん)など、「女同士」のお付き合いを期待する義母が多いのが特徴的でした。
専門家からのアドバイス
これは本人たちの関係性によって大きく変わります。ふたりで出かけられるほどの関係性ができていないのに、無理して出掛ける必要はまったくありません。ただ、息子の母と妻がふたりで買い物に出掛けたり、娘の父と夫がふたりでお酒を飲んだり、といった女同士・男同士のお付き合いは、当人同士の関係によってはありだと思います。無理せず、少しずつそのような関係を築いていけたらいいですね。(三松さん)
【その5】
「一緒に旅行」はしなくてよい
親VOICE
旅行は別々に行けばよい。せっかくの旅行に義理の親がいたら旅行が台無しでしょう。(息子をもつ親・ペパーミントさん)
こちらからは誘わないけれど、息子の結婚相手が一緒に行きたいと言ったら考える。(息子をもつ親・ねりまだいこんさん)
年代が違えば、行きたい場所も違うだろうから。気を使って合わせてもらうと、こちらもまた気を遣うので。(娘をもつ親・しめじさん)
日帰りで会うだけでもお互い何かと疲れるので、旅行という長時間を一緒に過ごしたいとまでは思わない。(娘をもつ親・faさん)
子どもの結婚相手との「理想の旅行」について聞いたアンケートでは「一緒に行かなくてよい」と答えた親が63%。ほかの項目と比べると「一緒に行きたい」という声も一定数あります。理由としては「楽しそうだから」(息子をもつ親・かき氷さん)、「家族が増えて、より楽しい旅行がしたいから」(息子をもつ親・クーさん)、「楽しいことは分かち合いたいから」(娘をもつ親・レモンさん)などといったポジティブな意見が、息子をもつ親・娘をもつ親ともに見受けられました。
専門家からのアドバイス
旅行はハードルが高いと思っている人も多いようですが、むしろお互いの家に行ったり来たりするよりもオススメ。家に来られると家事のアラが目立ったり、相手の実家に行くと手伝いをどうしようか悩んだりしますが、旅行だったら家の中を見られずにすみ、食事も出してもらえますし、気持ちよく過ごせます。毎回一緒に行く必要はないので、年に1回、◯◯家のイベントのようになれば、家族の絆が深まりますよ。(三松さん)
From 編集部
年始のあいさつ、たまの旅行はありかも!ただし相手の親の希望を聞いて
親へのアンケートの結果をまとめてみると、ほとんどの付き合いは「いらない」という意見が多かった一方、年始のあいさつ、たまの旅行に関しては、前向きな意見もありました。
ただし「ドライな関係を望む親が大多数だからいいよね!と思うのは危険」と三松さん。中には親子のように仲よくしたい親もいるので、自分の義理親はどうなんだろう?と考えた上での付き合いが重要です。
最初から無理をする必要はないけれど、せっかく家族の仲間入りをしたのだから、自分たちの関係性に合ったお付き合いをしたいもの。親の希望を聞いて提案してみてはいかがでしょうか。
三松真由美さん 恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト
会員1万3000人を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」を運営し、夫婦仲の改善、セックスレス対処法ED予防法を真剣に考える夫婦仲コメンテーター。的確なアドバイスにファンが多く、マスコミ取材や著書の執筆、講演多数。女性の悩みに寄り添うフェムテックの新会社Gladを設立。
取材・文/前川ミチコ イラスト/タテノカズヒロ 構成/紺矢里菜(編集部)
※記事内のデータおよびコメントは、2021年7月に、5年以内に結婚した息子がいる40代~60代の女性103人と、5年以内に結婚した娘がいる40代~60代の女性103人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2021年9月時点のものです
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