[全文掲載] 花嫁の手紙vol.5~新婦と一緒に新郎も手紙を読む~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない……なんて悩む花嫁さんもいるのでは?
そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
「何事もふたりで一緒に。だから新婦と一緒に新郎も手紙を読みました」
今回ご紹介するのは、むーさん夫婦のお手紙。結婚式で大切にしていたのは「何事もふたりで一緒に」ということ。そこで、新郎新婦はそれぞれが親に対して花嫁の手紙・花婿の手紙を読むことにしました。手紙を絵本に仕立て、それぞれの両親へプレゼントしました。
【基本DATA】
■2020年2月挙式(アルマリアンTOKYO)
■招待ゲスト数…75名(家族、親族、職場関係、友人)
■花嫁の手紙を書き始めた時期…
(新婦)挙式の5カ月前、(新郎)1カ月半前
■花嫁の手紙を書くのに要した時間…
(新婦)約1時間半、(新郎)約2時間
■事前練習の有無…有
■挙式で花嫁の手紙を読んだ時間…
(新婦)2分30秒、(新郎)2分40秒
むーさん夫婦の「花嫁の手紙」「花婿の手紙」
【GOODポイント&感動ポイント】
2000組以上のウエディングをサポートし、多くの花嫁さんから「花嫁の手紙」の相談を受けている、ウエディングプロデューサーの澤さんにコメントを頂きました。
おふたりから親御さまへしっかり思いを伝えられてるのがGOOD!
お母さまの普段の呼称から始まる新婦のお手紙。
【A】からは、お子さまを信じて育ててきた親御さまの大きな愛情を感じ、最後の【B】のユーモラスな一文からも、素晴らしい親子関係が伝わりました。また、文中の「9335日間」という表現。年月を日数で表すことで、共に歩んできた日数の重みがぐっと伝わりました。
男性は普段なかなか気持ちを伝えられていない人も多いかと思うので、新郎の手紙、親御さまはとても喜ばれたでしょう。
【C】では、小さい頃の情景が浮かび、ご家族の温かさが想像できました。「お父さんを超える」という言葉は、お父さまへの最大級の敬意を感じます。
【D】では、ずっと胸にしまっていた後悔と感謝を書いてますが、このフレーズはお手紙だからこそ伝えられたのではと感じました。特に最後の3行は、お母さまにとって宝物の言葉になったはずです。(澤さん)
花嫁と花婿の手紙「書いてどうだった?」「受け取ってどうだった?」
手紙を読んでどうでしたか?
練習のかいあって、当日は最後まで自分の声で感謝を伝えることができました。ふたりの写真をスライドショーで流したので、ゲストの視線が自分だけに集まっていなかったことも必要以上に緊張しなかった理由かもしれません。めったに泣くことのない父が涙を流してくれたのは意外でしたし、本当に嬉しかったです。
両親も喜んでくれたし、ゲストからも「新郎が親への手紙を読んだのを初めて見て感動したし、この形もアリだと思った!」という嬉しいコメントをもらいました。自分の結婚式参列後に結婚した男友達も、自身の披露宴で手紙を読んでいました。
苦労&工夫したポイントは?
伝えたい思いやエピソードはたくさんあり、漠然と何から書けばいいのか……と悩みました。そこでまずは「両親にどう育てられたのか」を考えて、その一つの答えを手紙の軸と自分の中で導きだしてから、樹形図を書いて内容を膨らませて、最終的にそれをまとめる形で書きました(私の手紙の軸は、「どんな選択も応援してくれて自由に育ててくれた」です)。
内容を考えること自体に苦労はありませんでしたが、限られた時間と文字数の中で、今までの感謝をどう伝えるかという点が難しかったです。とにかく両親との思い出のエピソードをたくさん思い返して、その中から厳選して形にしていきました。
事前練習はどうしましたか?
当日はきっと泣いてしまうだろうなと思っていましたが、最後まで自分の声で届けたいと思い、手紙を書いてから毎日のように何度も声に出して練習し、耐性を付けました(笑)。スマホのメモにも手紙の内容を写して、思い立った時はすぐに見直したり練習できるようにしました。
妻と一緒に練習しました。当日の映像とBGMをPCで流しながらイメージを膨らませ練習したので、練習中にもかかわらず泣いてしまうという、自分でも予想外の練習となりました。
後輩花嫁・花婿へアドバイスを
ふたりで読むなら、手紙の内容を擦り合わせることをおすすめします。私たちの場合は、彼は「お父さんへ、お母さんへ」と個々にメッセージを、私は「両親にどのように育てられたか」という振り返りをメインにしました。パターンを変え、聞いてる側を飽きさせない工夫です。また、写真のスライドショーも、シーンを感動的にするだけではなく、家族以外のゲストが置いてけぼりにならない工夫になるのでおすすめです!
花婿さんへ!両親への手紙はどうしても花嫁が読むイメージがありますが、結婚式の場だからこそ、普段恥ずかしくて言えないことを改めて伝えられるいい機会だと思うので、少しでもやってみようかなという気持ちがあるなら、ぜひ読んでください。しかも花婿からの手紙を読むと、会場にいるゲストからのポイントも爆上がりですよ!(笑)
お手紙を受け取ったお母さまより
まず、サプライズで絵本を作ってくれたことにびっくり。結婚しても親子の関係性は変わらないと思っていたけれど、今までの感謝を言葉にしてくれたのを聞いて「巣立っていくんだなぁ」と改めて実感しました。今でも絵本を読むたびに涙が出てきます。(新婦母)
最高のサプライズでした!普段言わなくても通じている部分はあるけれど、改めて言葉にしてくれて嬉しかったです。包み隠さず、取り繕うことのない、本人の素直な気持ちと言葉に真心を感じました。自分自身では子育ての反省もあったけれど、子どもの受け止め方が知れて、25年間ありがとうの言葉に重みを感じました。一冊の本にまとめてくれたことにも感動し、親子をつなぐ一生の宝物が増えました。(新郎母)
From 編集部
新婦と一緒に、新郎も手紙で思いを伝えよう!
新郎と新婦が結婚式準備で大切にしていたのは「何事もふたりで一緒」ということ。手紙だけではなく謝辞でも新郎新婦それぞれが気持ちを伝えたようです。
最初は、「絶対に花嫁の手紙は書きたくない」と思っていた新婦でしたが、結婚式の準備の中で、家族が協力してくれたり、相談に乗ってくれる過程で改めて家族の結び付きを感じ「上手に伝えることができなくても手紙で感謝を伝えたい」と徐々に気持ちが変わっていったそう。
演出としては花嫁の手紙が定番ですが、花婿も結婚式で改めて思いを伝えてはいかがでしょうか。
澤 智子さん
株式会社NEO FLAG.
ウエディングプロデューサー
ウエディング歴16年で通算2000組のカップルをプランナーや司会者としてサポート。
花嫁より、手紙の相談をされることが多く、親やゲストにしっかり伝わる手紙の書き方をアドバイスしている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2021年7月時点のものです
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