“会場装花の打ち合わせ”大成功!卒花は「何を伝えた?どう伝えた?」
結婚式の印象を大きく左右する会場装花。ゼクシィの調査によれば、装花の打ち合わせ相手は「会場提携のフラワーショップスタッフと」が62%で最多です。「はじめまして」の相手に「当日まで見られない装花」を依頼するのは至難の業。いったいどうしたら良いのでしょうか?
装花の打ち合わせ、「何を伝えたらいい?」
まずはイメージの大枠をつかむのに必要な要素から
調査結果によると、「仕上がりに大満足」な卒花さんが事前に固めていたイメージは「雰囲気」が68%で第一位。続いて「色」が67%で第二位。この2つが圧倒的でした。
「花材」や「高さ」といった細かい項目より、「雰囲気」や「色」といった大枠のイメージを打ち合わせて満足だった、という結果ですが、本当にそれだけで大丈夫なのでしょうか?
日比谷花壇の中島リーダーに聞いてみました。
私がアドバイスします
日比谷花壇
シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート店
チームリーダー 中島友和さん
婚礼の装花の打ち合わせ歴20年以上。「細部よりも大枠のイメージをつかむ、という結果に納得です。打ち合わせで雰囲気をしっかり共有できれば、フローリスト側から見ても腕の振るいがいがありますから」
【最低限、伝えること】打ち合わせでは
「雰囲気と色を伝えよう!」
□全体的な雰囲気
打ち合わせで「どんな装花にしたいですか?」と言われたら、“ロマンチック”や“カジュアル”といった「雰囲気」の好みを聞かれていると思って。
□色合い
「色」は「雰囲気」にひもづく大切な要素。「グリーン」と「くすみカラー」は認識の違いが生まれやすいので気をつけたい。
「他にボリュームや飾る場所などもありますが、優先順位としては雰囲気が一番じゃないでしょうか。日比谷花壇にも独自のヒアリングシートがあり、これは好き、これは嫌い、と感覚的に選んでいくだけでスタイル診断できるようになっています」(中島さん)
装花の打ち合わせ、「どう伝えたらいい?」
写真や画像を持参して打ち合わせのベースにする
結婚式準備の伴走者である会場プランナーさんは花嫁さんと提携のフローリストさんをつなぐ役です。打ち合わせに同席するケースは少ないため、事前に「画像を用意しておいてくださいね」とアドバイスすることも。
「そう言われても、一体、どんな画像を?」とピンと来ないかもしれません。実はこの画像こそ、「雰囲気」と「色」のイメージを相手に誤解なく伝えるのに最も有効な手段なのです。サイトやSNSなどから、「自分が好きな装花の雰囲気(や色)に近いのはどれ?」という観点で、結婚式装花の画像をひたすらピックアップしましょう。
実際の打ち合わせでは、集めた写真や画像を見せながら、自分がイメージする「雰囲気」や「色」を伝えるのですが、だからといって「雰囲気」や「色」のことしか話さない、なんてことはなく、花嫁さんによっては「ボリューム」や「飾る場所」、少数派ながら「NG例」や「結婚式のテーマ」などを話す人も。ただし、花材や飾り方といった細かい部分までがちがちに指定するより、ある程度フローリストさんのセンスが発揮できる余地を残した打ち合わせのほうが期待以上の仕上がりになる傾向があることは忘れないようにしてください。
次からは、「打ち合わせでうまく伝えられた!」と回答した卒花さんが、自分の好みを「どう」アピールして、どんな装花に仕上がったのか具体的に見てみましょう。
卒花さんは打ち合わせでどう伝えた?
「華やかモダン」な“雰囲気”の写真を共有
●中堀あずささんの場合
ホテル婚のような華やかさもありながら、モダンでオシャレな雰囲気にしたくて。高砂席ソファを半円アーチで囲むのに、「グリーンはなしで」とお願いしました。カジュアルになりすぎず、私が目指した“華やかモダン”な世界観を表現してもらえて、フローリストさんに感謝しています。
仕上がりに満足!
枝に白いコチョウランが咲いたような仕上がりはイメージ以上。「これ、どうなっているの?」と興味津々でのぞき込んだゲストが「あなたのイメージにぴったり!」と言ってくれたのもうれしかったです。
「ジューンブライド」の“雰囲気”を画像プラス言葉で
●高田 啓さんの場合
ジューンブライドらしくみずみずしい雰囲気が理想でした。例えば、ゲスト卓中央には水を張ったボウルにお花とキャンドル。色はピンク、水色。花材はアジサイが好き、といった具合に、いろいろな写真を見せながら言葉でも希望をお伝えしました。
仕上がりに満足!
結果、バッチリくみ取ってもらえたみたい。ゲストの皆さまから大変好評だったし、自分でも理想以上の仕上がりに大満足でした。
高砂席と衣裳、2つの資料を渡し、「ロマンチック」な“色”を具体化
●「むー」さんの場合
会場コーディネートはピンク、白、ゴールドを基調にしたいと伝えました。お花はアンティークな淡いピンク色を基調にアイボリーや濃いピンクなども混ぜてもらっています。打ち合わせ1週間前に資料を渡して、ゼロスタートでなかった点も良かったみたい。フローリストさんも事前に質問を用意してくださったりしてうれしかったです。
仕上がりに満足!
装花は事前確認ができないので不安もありましたが、「お花はとにかくロマンチックに!」というイメージ通りで大・感・動!写真を撮ってくれたゲストもすごく多かったです。(むーさん)
「白メインで海外のように」という“色使い”にNG例も添えて
●「Meg」さんの場合
最もプレステージの高い色の一つである白メインでお願い。使う色はがちゃがちゃする色味を避けて、潔く白と緑に。花材はリリー、すずらん、葉っぱ類。またバンケット中央に長テーブルを入れることにしていたので、高砂席の次に目立つくらいの装花の量にして、高低差もつけたいと伝えました。
仕上がりに満足!
イメージしていた「海外の結婚式のような装花」になって大満足。ゲストも「こんな装花見たことない!」と装花の写真をたくさん撮ってくれたのがうれしかったですね。(Megさん)
「会話の邪魔にならないように」とテーマにからめて“ボリューム”を調整
●りぃさんの場合
結婚式のテーマは「ホームパーティ」。何より楽しく温かな会にしたいこと、そしてお色直しのピンクドレスを着た時に、おとぎ話のような世界観を少し出したいとも伝えました。ゲストに会話を楽しんでもらうためにも、「卓上で邪魔にならないようにボリュームはなくて良い」と念押ししています。
仕上がりに満足!
大きなこだわりがなかった割に、うまくくみ取ってもらえました。予算を抑えたにしては華やかで可愛らしく、イメージ通り。テーブルクロスとの相性もとても良かったので、満足しています!(りぃさん)
【伝え方を分解】写真と一緒に
「何を伝える写真なのか、理由も添えよう」
□画像などビジュアルをベースに
写真があるとイメージが伝わりやすい。スマホなどに保存した画像を見せるだけでも大丈夫。
□具体例を示して
相手に画像を見せながら「この写真のココが好き」といった理由を伝えられればなお良し。OK例ばかりではなくNG例を挙げるのも効果的。
□色のイメージもビジュアルで分かりやすく
一口に「ピンク」「可愛く」と言っても人によって選ぶ色はさまざま。濃淡や色合いなど、目に見える色見本や事例の写真で示して。
□結婚式のテーマや思いも共有を
ふたりが目指す結婚式のイメージを理解してもらえれば、より結婚式のテーマにフィットする提案が受けやすくなる。
「フローリストも質問の仕方を考えていますので、おふたりにはリラックスしていただきたいですね。例えば“結婚式で感謝の気持ちを伝えたい”と話すおふたりとはゲスト卓装飾からご案内するとイメージが膨らみます」(中島さん)
From 編集部
プロと直接話せるチャンス。せっかくだから楽しんで。
装花の打ち合わせが難しい理由は “結婚式当日になるまで現物を確認できない”から。相性次第では不信感が募ってしまいがちです。しかし、打ち合わせで大切なのは駆け引きよりも正直な関係を築くこと。
フローリストの自由度を高める打ち合わせができれば、打ち合わせそのものが結婚式の楽しい思い出の一つに。何より結婚式当日の装花の仕上がり度もグンとUPすることでしょう。
構成・文/水野康子 イラスト/湯浅 望
取材協力/日比谷花壇(https://www.hk-wedding.jp/)
※記事内のデータならびにコメントは2021年5月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー98人が回答したアンケートおよび、過去2年以内に結婚式を挙げた女性103人が回答したマクロミル調査または「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」(全国推計値)によるものです。
※掲載されている情報は2021年7月時点のものです。
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