【これだけ確認!】顔合わせ・結納の前に両家の親に必ず聞くべきこと7
結婚が決まり親へのあいさつを済ませたら、次はいよいよ両家の結納や顔合わせ食事会。滞りなく準備を進めたいけれど、中にはお互いの思いがうまく伝わらなくてぎくしゃくしてしまうケースも。今回はみんなが気持ちよく出席できるよう、結納や顔合わせ食事会の前に必ず聞くべき7つのポイントをご紹介します。また、迷いがちなポイントについて、マナーデザイナーの岩下先生にアドバイスをもらいました。
1 結納の希望について
結納をするかしないかは親の意向が大きく関わってきます。結婚するからには結納を行うのが当たり前と考える親もいれば、かしこまらず気楽なムードで顔合わせ食事会のみを希望する親も。まずは両家の親が結納についてどのような考えを持っているのかを尋ねてみて「絶対にやりたい」とどちらかが望む場合は、できるだけ実施する方向で調整したいもの。また結納は地域によってしきたりや手順が異なるので、行う場合はまずどちら側に合わせるのかを決め、進め方などを両家で共有しておくことが大切です。
もし両家の意向が異なったら?
どちらかの親が強く結納を望んでいるならぜひ検討を。一方が結納を希望しているものの、もう一方が乗り気でない場合は、ふたりが間に入って話し合うことが必要です。親自身が結納を経験したことがなくイメージが湧かないという場合は、「結納を行う意味」をどうやって伝えたらいいのかふたりで一生懸命考えてみましょう。親とのコミュニケーションを図るいい機会にもなるはずです。
2 どんな食事会を希望するかについて
顔合わせ食事会を行う場合は、どんな食事会を行いたいのかを最初に確認しておきましょう。例えば「大事なけじめの場なのでフォーマル感を大事にしたい」、「おいしい料理を食べ、リラックスしながら親睦を深めたい」というように、親が食事会に求めることが分かればお店を選ぶ際のヒントになります。
具体的な会場選びで大事になるポイントは、「落ち着いて顔合わせができる場所」であること。パーテーションで仕切った部屋では周囲の声を遮ることができないので、個室を選びましょう。まずは親の希望を聞き、特にお店のリクエストがない場合はこちらから候補を出して。料理の味だけでなく目に映る風景も大事な思い出になるので、庭が見えるなどできるだけ雰囲気のよい部屋を選ぶのもおすすめです。
食事会の際の服装は?
服装を両家でそろえておくことも大事なポイント。フォーマルな雰囲気に合う服、きちんとしながらもリラックスできる服など、食事会の雰囲気によって服装も若干変わってきます。両家の服装の格が極端に違うとお互いに居心地の悪い思いをすることもあるので、会場が決まったら、男性なら「カチッとスーツ姿で」「ジャケット着用だけどノーネクタイでOK」など、具体的に伝えておきましょう。
3 出席者について
食事会の主な目的は「両家の親同士の顔合わせ」ですが、お互いの家族を紹介し合う場にしたいなら、きょうだいや同居する祖父、祖母が出席しても大丈夫。家族構成はそれぞれ異なるものなので人数や顔触れも無理に合わせる必要はありません。ただし誰が出席するかによって選ぶ会場が変わってくるため、当日はどんな場にしたいのかということも含め、前もって両家で共有しておくことが重要です。
出席者を調整する際の注意点は?
両家の温度差には気を付けたいところ。例えば既婚のきょうだいが幼い子どもを連れてくるケース。子どもがいることで場が和むことは多いのですが、逆にそちらに気を取られて本来の顔合わせの目的が果たせなくなる恐れも。自分にとってはかわいい身内でも、相手も同じ気持ちとは限らないことを肝に銘じておきましょう。
4 実施するエリアについて
結納の場合は「女性の実家やその近辺で行うもの」と考える親も。まずはお互いの親の希望を確認し、それからふたりで擦り合わせていくことが必要です。
両家の実家が遠く離れていると、どこで顔合わせをすればいいのか迷ってしまいますよね。そんな場合はどちらかが相手の地元を訪れたり、両家の中間地点で行ったりと、さまざまな選択肢が考えられます。また、合理的に考えると中間地点がいいと思っても、仕事や家族の介護などで遠方へ出向くことが難しい親もいます。いろんな事情に配慮しながら全員が納得できるエリアを決めましょう。
開催場所の希望がない場合は?
例えばふたりが実家から離れた場所で暮らしている場合は、ふたりの住んでいるエリアに来てもらう方法もあります。親に時間的な余裕があるなら、食事会のついでに観光も楽しめるプランを考えてみましょう。親にとっても日頃ふたりがどんな場所で生活しているのか興味のあるところ。すでに同居しているふたりなら新居にお招きするのもいいですね。
5 実施する日程について
ふたりのために集まってもらうのだから、まずは親の都合が最優先。仕事などで出席が難しい日を除外してもらい、それから日程を擦り合わせていくとスムーズです。親が大安や仏滅といった「六輝」を気にする場合はできるだけ希望を聞くとよいでしょう。何かあったときに「あのとき縁起のよい日を選んでおけば……」と言われないよう、ここは親の気持ちを尊重するのがベター。
6 食事会の費用について
誰が負担するのか明確なルールはありませんが、主催する人が支払うケースが多く、最近ではふたりが主催して親を招待し、支払いもふたりで持つケースも増えています。ほかには両家で平等に折半したり、結納後の食事会は女性側が負担したりとまさにケースバイケース。
気を付けたいのはお会計の際にゴタゴタしてしまうこと。気まずい思いをしないよう、あらかじめ誰が支払うのかを決め、両家の了解を取っておくことが大切です。
お互いの親が支払うと言ったら?
「自分たちのために来てもらうのだから、私たちに出させてください」と思いを伝えて一度は断った上で、それでも支払うと言ってくれたら素直に甘えても大丈夫です。また、両家で出し合いたいという話になった場合は、会計でもたつかないよう当日はふたりが立て替え、後で両親からお金をもらうという方法を取るといいでしょう。
7 食の好みについて
せっかくの食事会なのに苦手なものや食べられないものが出てくると大変。当日の手土産や、会場選びの参考にするためにも必ず聞いておきましょう。お酒を飲むかどうかもふたりで共有しておきたいところ。一方の親がお酒好き、もう一方が全く飲めないという場合は、飲めない方のペースに合わせて食事会を進める配慮が必要です。
手土産は用意する?
手土産の有無も最初に相談して決めておくといいでしょう。お互いの了承の上で「手土産なし」にしたという人も少なくないようです。手土産の相場は3000~5000円が相場。良かれと思って高いものを持っていくと相手を恐縮させてしまうかもしれないので要注意。手土産を渡すタイミングは食事の後、別れ際に。「本日はありがとうございました」と言いながら渡すのがマナーです。
From 編集部
親には「相談する」というスタンスで聞くのが肝心
顔合わせ食事会も結納も、お互いに確認し合い共有することがスムーズに進めるコツ。また、親は頼られていると感じるとうれしいので、何でも自分たちだけで決めてしまわず「相談する」姿勢を見せることも大切です。ふたりが親たちの希望を上手にすくい上げ、調整しながらすてきな結納や顔合わせ食事会を迎えてくださいね。
岩下宣子さん マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事長。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
取材・文/南 慈子 イラスト/田中麻里子 構成/伊藤りつ子(編集部)
※掲載されている情報は2021年4月時点のものです
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