遠方・妊娠中etc. 招待したいけど迷うゲストへの声掛けマナーって?
「結婚式にはぜひ来てほしい」と思っているのに、「事情を考えると呼びづらい」「負担になりそうで声を掛けにくい」と招待するのをためらってしまうゲスト、いませんか?遠方、妊娠中、子連れ、お1人さまなど理由はいろいろですが、今回はそんなゲストにも「行きたい」「呼んでもらってうれしい」と思ってもらえる声掛けのマナーをウエディングプランナー清水恩さんに聞いてみました。先輩花嫁やゲストの体験談もぜひ参考にして。
1.遠くからわざわざ来てくれるかな……?遠方ゲスト
交通費の手配があることを伝えるのがベター
海外や遠方に住むゲストのハードルになるのが、交通費や宿泊費。時間やご祝儀もかかることを考えると、声掛けのタイミングで「お車代」としてこちらがいくら負担できるか伝えましょう。全額自己負担だと出席をちゅうちょするゲストでも、「負担してもらえるなら行きたい」と思ってもらえるかもしれません。
交通費は片道分程度が目安ですが、新幹線や飛行機のセットプランを早割などで安く手配し、全額負担する人も。宿泊費も新郎新婦側が負担するならその旨を伝え、支払いも自分たちで済ませましょう。親族間や友人グループ内で「交通費・宿泊費は自己負担で」などルールがある場合はそれに従って。
海外ゲストは全額を負担するのは難しいですし、相手も恐縮してしまいます。旅行を兼ねて来てもらい、ご祝儀をなしにするなど、率直にゲスト本人と話し合って決めるのがお勧めです。
やや遠方、九州に住んでいる友人を招待。「遠方から来ていただくのは申し訳ないけど、ぜひ自分の晴れ姿を見てほしい」とひと言添え、交通費や宿泊費を一部負担することを伝えたら、喜んで出席してもらえました。(田村 茜さん)
お車代を出す代わりに会費を減額して提示。また遠方ゲストが多かったため、地元でのパーティーも企画していましたが、コロナ下で地元パーティーが延期になったため、都内パーティーだけにして地元や遠方ゲストの友人にはリモート参加を提案しました。(ころりんさん)
海外に住む彼の高齢のおばあちゃん。費用はこちらで負担するので気にしないでと伝えました。また、長時間のフライトが心配だったので、「私たちはぜひ招待したいけど、無理はしないで」と彼から伝えてもらいました。(じゃすみんさん)
招待時に「挙式するホテルに泊まって。宿泊代はこっちで持つから」と声掛けが。普段自分では泊まれない高級ホテルで幸せな気持ちになり、祝福気分もアップ。金額的に助かっただけでなく、前泊のため移動の負担がなくゆったり過ごせてよかったです。(39歳女性)
遠方の友人の結婚式。仕事に支障がないように、三連休の中日に式を組んでくれ、交通費と宿泊費を出してくれるという申し出がありがたかったです。(45歳女性)
海外に住んでおり、日本での結婚式に呼ばれたときに一部負担として交通費(お車代)を出すからという声掛けと共に招待が。気持ちがうれしかったです。(36歳女性)
ちなみに……当日はこんな準備をしてくれるとうれしい!
・着付け、ヘアセット、着替えが必要かを事前に聞き、予約・手配を
・早く到着したときに使える、控室・休憩室などの準備・案内を
・お車代など、披露宴中に親から渡されると目立って受け取りにくいので、受付経由で渡す
・当日迷わないよう、挙式会場までのアクセスを詳しく書いた地図を招待状に同封
2.体の負担になってしまう……?妊娠中のゲスト
声掛けはOK!出欠は相手の体調優先の気遣いを
まず確認したいのが、ゲストの妊娠月齢です。結婚式が安定期の前(妊娠2~4カ月目)や、おなかが大きくなり臨月と呼ばれる時期(妊娠9~10カ月目)に当たるようなら、出席は難しいはず。ただし、最初から遠慮して招待しないのはNG。「親しいと思っていたのに、声も掛けてもらえなかった」とゲストを悲しい気持ちにさせてしまいます。「大切な〇〇さんにはぜひ来てほしいのだけれど」という声掛けはきちんとした上で「無理しないで」と思いを伝えましょう。
また、安定期であっても、体調には個人差があり、直前に出席できなくなることも。その場合、どんな対応になるのか会場に確認し、ゲストには「欠席の場合〇日前までに伝えてもらえると助かるけど、当日急に来られなくなってしまっても遠慮せずに言ってね」と伝え安心させて。
彼の弟のお嫁さんが妊娠中。声掛けはしたけれど、無理をしてほしくはなかったので、「体調が一番大事。出席しても欠席してもどちらでも大丈夫だからね」と彼から弟に明るく伝えてもらいました。(はなちゃんさん)
大親友の出産予定日が結婚式近辺。「99%出席は厳しいだろうけれど、招待したい気持ちは受け取ってほしい」と声を掛け、招待状を送付。彼女なしには私の人生は語れない!と思うくらい大切な友達だったので、友人代表のスピーチを手紙という形でお願いも。喜んで引き受けてくれ、当日は司会者の方に代読してもらい、友情が深まりました。(豊浦遥香さん)
県外在住の親族から「妊娠中だけれど出席します」という返事があったので、「式当日でも、体調が悪ければ欠席していいからね」と声掛けを。会場には食事の配慮、ブランケット、クッションの有無などを確認し、事前に伝えたら、安心してもらえたようでした。(ゆいさん)
出産後期で出席。まだ予定日は先でしたが、「いざというときのために近隣の病院やアクセスを調べたし、横になって休める部屋を用意したよ」という声掛けがうれしかったです。(35歳女性)
「無理しないでいいけど、会場にはよくお願いしたから」と声掛けが。新郎新婦が見えやすい席で、クッションとブランケットの用意が。メインのお肉もしっかり焼いてくれるなど、料理も気を使ってくれていました。(32歳女性)
招待時に「ゲスト思いの会場を選んだから安心して」と声掛けが。ガーデン挙式では寒くないよう暖かいスペースを確保してくれていました。デザートビュッフェもスタッフが運んでくれ、大きなおなかで取りに行かずに済みました。(30歳女性)
ちなみに……当日はこんな準備をしてくれるとうれしい!
・会場に妊婦ゲストの月齢を伝え、クッション・ひざ掛けなどを用意してもらう
・振り向くなどしなくても、無理のない体勢で新郎新婦を見られる席に
・空調などが直接当たらない席に
・妊娠して食の好みが変わったか事前に確認し、食べられない料理は出さない配慮を
・さっぱりしたノンアルコールカクテルなど、妊婦でも楽しめるドリンクを用意
・ホテル婚などで宿泊の手配に余裕があるときは、苦しくなったとき横になって休める部屋を確保
3.子連れだと大変……?小さな子どもがいるゲスト
子ども連れで出席できる旨をはっきり伝えよう
声掛け時に「よかったらお子さんも一緒に」というひと言を添え、返信欄にも子どもの出欠・年齢や月齢を記入できるようにしておくと「子ども連れでOKなら出席したい」と思っているゲストに来てもらいやすくなります。キッズスペースや授乳室など、受け入れ態勢が整っていることもしっかり伝えましょう。逆に、子どもを預けて来てほしい場合は、やんわりと大人向けの結婚式であることを伝えて。
出産後間もない友人。「出席はしてほしいけど、お子さん優先で無理せず」というひと言を添え、もらった出欠の返事も「結婚式の〇日前まで変更可能だよ」と伝えました。子どもの様子をギリギリまで見て、判断してもらえてよかったです。(@hikari_wd1215さん)
1歳前の子どもがいる友人には、「子ども連れOK」だと伝えて招待。会場で用意できる場所や物も前もって伝えて、そのほか必要なものがあるか聞いて準備を万全にしました。(まふぱんさん)
出席すると言ってくれたけれど、小さな子どもを連れてくるか悩んでいた友人。「子ども用の席など、準備はすぐできるので、家の状況などを見てゆっくり考えてね」と伝えました。(ありぴさん)
人気キャラクターをモチーフにしたキッズプレートが出てきて子どもたちも大喜び。歓迎してくれていることがわかり、うれしかったです。(38歳女性)
子ども連れのゲストが多かったので、披露宴会場内にキッズスペースが。目の届くところで子どもたちが楽しそうに遊んでくれ、親もゆっくりおしゃべりできてよかったです。(28歳男性)
「子どもがいたら迷惑では……」と思っていたので、「子どもも連れてきていいよ。遠慮しないで」と言ってくれたのが何よりうれしい配慮でした。(29歳女性)
ちなみに……当日はこんな準備をしてくれるとうれしい!
・子どもの年齢や月齢に合う座りやすい席を親の隣に用意
・大人以上にしっかりアレルギーの有無を確認し、喜ばれる食事を準備
・離乳食の持ち込みOKかを会場に事前確認し、スプーンなどの食器も自宅から持参してもらうよう頼む
・施設内に授乳室やおむつ替えスペース、披露宴会場内にベビーベッドがあるか確認
・子どもが飽きずに過ごせるキッズスペースやおもちゃなどを用意
・席次表への名前の記載や席札も用意
4.共通の知り合いゼロは寂しい……?お1人さまゲスト
同じ卓の友人ゲストに事前に紹介しよう
事前に結婚式に来るゲストの顔触れ、共通の知り合いがいないことを伝え、出席するかしないかはゲストに任せましょう。今どきは1人でもちゅうちょなく出席してくださる方は多いですし、お1人さまのゲスト同士仲良くなるケースも。どんなゲストと同じ卓になるか、事前に伝えておくとより安心してもらえます。顔見知り同士の卓に1人で座ってもらう場合、同じテーブルのゲストに「1人だから声を掛けてあげてね」など事前に頼んでおくといいですね。お1人さまゲストがシャイな場合は、隣席を趣味が合う人や、初対面でも楽しく話せるタイプの人にするなどの工夫も◎。
同じテーブルに座るメンバーの紹介や、隣の席は年齢が近く話しやすそうな友人になるよう席を配慮していることを伝えて「もしよければ来てほしい」と声を掛けました。(Renaさん)
共通の友人がいないゲストには、声を掛ける際に「1人になってしまうので無理して出席しなくても大丈夫」と伝えましたが、絶対に行くと言ってくれました。その友人と合いそうな明るい性格の別の友人グループを隣の席にし、またその友人たちにも「隣の子は1人で来るので、よかったら話し掛けてあげてほしい」とお願いを。当日は仲良く楽しんでくれたようでよかったです。(池本 綾さん)
知人のいない友人数人には、事情を伝えて声掛けを。「知り合いがいなくても大丈夫!結婚式は絶対行く!」と言ってくれましたが、当日楽しく過ごしてほしかったので事前にグループLINEをつくって紹介し、当日席が近いことを伝えておきました。とても仲良くなって楽しんで帰ってくれたのでうれしかったです。(あおいさん)
会ったことはないけど、よく話題に出てくる人を隣の席にしてくれると招待時に聞いていたので、当日会うのが楽しみに。相手もそうだったようで、「おうわさは聞いています」と話が弾みました。(27歳男性)
1人でしたが、「趣味(好きなアーティスト)が一緒のゲストばかりだから話が合うはず」と招待され、喜んで出席しました。当日はみんなで趣味の話で盛り上がり、楽しかったです。(35歳女性)
知り合いのいない結婚式でしたが、当日は受付を頼まれ、「やることがある」と気持ちが楽に。新婦やご家族が他のゲストに丁寧に紹介してくれ、自然に言葉を交わせたのもうれしかったです。(29歳女性)
ちなみに……当日はこんな準備をしてくれるとうれしい!
・同じ卓にどんなゲストが座っているかがわかるゲスト紹介表を用意
・新郎新婦が卓を訪れて、ゲスト同士を紹介
・新郎新婦の親が「〇〇さんですよね」とあいさつに
・同じ卓のゲスト同士を事前にLINEで繋いで写真で紹介。当日はすでに顔見知り状態に
ご無沙汰のゲスト、どうする?
学生時代や同じ会社だった時代はとても仲が良かった&お世話になったけれど、しばらく連絡を取っていないゲスト。招待していいのか迷うけれど、「一生付き合いたい」「また仲良くしたい」と思える相手なら、ぜひ声掛けを。メールなどでまず近況を報告し、「しばらく疎遠になっちゃったけど、○○さんは今後も付き合っていきたい人だから結婚報告を兼ね招待させてください」と丁寧に伝えれば、相手も嫌な気はしないはず。「突然の招待だし、無理しなくても大丈夫。この声掛けを機に、またご縁が復活したらうれしいです」などのひと言を添え、来るか来ないかは相手に任せよう。
From 編集部
気持ちと配慮を大切に声掛けすれば「行きたい」と思ってもらえるはず!
義理や人数合わせではなく、本当に来てほしいゲストを招待するのが今どきの結婚式。結婚式招待のため声を掛けるときは「来てほしい」という“気持ち”と共に、ゲスト思いの“配慮”があることをしっかり伝えることが大事。ゲストにその2つがしっかり伝われば、「行きたい」と思ってもらえるし、たとえ欠席だったとしても、絆が深まります。諦めずにまずは声を掛けてみて。
清水 恩 ウエディングプランナー
2004年に独立し、フリーウエディングプランナーの先駆けとして活動を始め、「しっくりと心になじむ結婚式」をモットーに結婚式を幅広くサポート。『All About』のオフィシャル・ガイドなど、メディアでの執筆や監修も多数。
プリーマ ウェディング
https://prima-wedding.com
取材・文/笠原恭子 イラスト/田中麻里子 監修/清水 恩 構成/小堀そら(編集部)
※掲載されている情報は2021年1月時点のものです
※記事内のコメントは2020年11月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー77人が回答したアンケートおよび、結婚式の参列経験が5回以上ある男女103人と、過去5年以内に10回以上結婚式に招待されたことがある男女104人が回答したマクロミル調査によるものです
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