家計簿ズバリ診断[vol.19]神奈川県・りささんの場合「マンション購入か賃貸に引っ越しを」
結婚したら、夫婦でどのように協力して家計を管理していけるかが、未来の明暗を分けるカギ。そこでこの連載では、新婚カップルの「夢」と「リアル家計簿」から、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美先生が一家の未来をズバリ診断。今の生活でふたりの夢はかなうのでしょうか。
「マンションを買うのと賃貸、どっちがいい?」
現在、妊娠6カ月。子どもが小学校に上がる頃、マンションを買おうか、もっと広い賃貸に引っ越そうか……という神奈川県・りささんの家計簿を診断してもらいました。
相談者:神奈川県・りささん
ありがたいことに会社の家賃補助が手厚く、7割負担してもらっています。が、子ども部屋が作れないので、おなかの子が小学校に上がるころにはマンションを買うか、もっと広い賃貸に引っ越したい。子どもは1人のみ希望で中学受験をさせたいです。よろしくお願いいたします!
りささんの平均的な月の家計簿がこちら!
【りささんの夢と現実memo】※金額はすべて「約」
●将来の夢
・もうすぐ生まれる子どもが小学生になるあたりでマンション購入(予算6000万円ほど)、または広い賃貸に引っ越しをしたい
・夫婦とも中学受験をしているので、できれば子どもにも中学受験をさせたい
●月収とボーナス(手取り)
夫:30万円、ボーナス年間120万円
妻:25万円、ボーナス年間120万円
●年収(手取り)
夫:480万円
妻:420万円
●借入金・ローン
なし
●貯蓄総額(現在)
夫:普通預金100万円、定期預金200万円
妻:普通預金100万円、定期預金600万円
●貯蓄以外の金融資産(現在)
夫:投資信託50万円
妻:投資信託200万円、株100万円
●保険/月
夫:2万5000円
妻:1万5000円
●家計管理
光熱費・外食代・貯蓄は夫、家賃・スーパーなどでの生活必需品の買い物は妻、その他は各自で負担。家計簿はアプリで管理
FP丸山先生が診断
りささんの家計簿の採点結果は……
from 丸山先生
やや「どんぶり勘定」な部分も?
産休に入って収入が減るとき。
時間があるうちに家計の見直しを
収入が多く、貯蓄も十分できているけれど、どうしても「時間をお金で買っている」感が拭えない家計。
ランチの外食などは会社の文化もありますし、突発的な支出があるのも当然ですが、食費・その他の金額が多いのは気になるポイント。お互い働いていて忙しい、でも収入はあるから適当に使っても残るだろう、というDINKS特有のどんぶり勘定な部分が若干見え隠れします。
その一方、携帯電話を夫婦とも格安SIMにしているなど、節約しようという意識も高いので、産休に入るのを機に、自炊を増やすなど、ぜひ節約にも目を向けてみては。
産休・育休に入って収入が下がるとき。これから子どもが生まれると出費も増えます。ぜひ出産前の時間のあるうちに、じっくりと家計の見直しをすることをおすすめします。
from 丸山先生
毎月の住居費は17万円超に!
家賃補助分をどんどん貯蓄し
子育て後の家を現金で購入しては?
マンション購入のシミュレーションをしてみましょう。
住宅購入時に必要な現金は、物件価格の3割が目安。今回の予算は6000万円なので、1800万円が必要です。このうち1割の600万円は諸費用として手元に残し、2割の1200万円を頭金とし、残り4800万円の住宅ローンを組み、金利は全期間1%で借りるとします。
ここでネックとなるのが、購入時の夫の年齢。子どもの小学校入学時は37歳なので、返済年数は30年に設定します。
すると、ボーナス払いなしで毎月返済額は約15万5000円という計算に。管理費を仮に2万円とすると、毎月の住居費は約17万5000円、他に固定資産税もかかります。
家賃補助が減っても、無理に買わない方が得策。仮に17万5000円のマンションを借りたら、約10万円は会社がみてくれます。その分を貯蓄し、家賃補助が終わったときに、子育て後の家を現金で購入するのはいかがでしょうか。
from 丸山先生
中高一貫校ならざっくり1000万円
育休後に仕事に復帰して
家賃補助の分、貯蓄すれば大丈夫
中学受験の費用感は、ざっくり1000万円くらい。小学校4年生から塾に入り、3年間で約200万円、そして中高一貫校に入るとして6年間で約800万円という計算になります。
りささんが産休・育休後に復帰するのであれば問題ない金額でしょう。ただし、今のような余裕のある暮らしをしながら子どもに教育費をかけたいのであれば、なおさらマンションは買わず、その分でしっかりお金を貯めた方がライププラン的にはいいと思います。
中学受験を考えているなら、小学校もいい学区にと考えているはず。中学受験に合格した時点で、そのエリアに引っ越したくなるかも。と考えると、賃貸の方が柔軟に対応できるというのもメリットになると思います。
子どもが生まれると生活スタイルも変わるはず。だからこそ、出産前の時間のあるうちに家計の流れを把握し、項目ごとに予算を組んで、予算の中でやりくりできるようになれれば、いい家計になりますよ!
診断を終えて
相談者さんからひと言
りささんより
たくさんのアドバイスをありがとうございました!
普段から気になりつつも目を逸らしてきた食費の高さをご指摘いただき、すぐに見直そうと思いました。出産後の生活を思い浮かべ、自炊の増加や出費の削減など夫と相談していきます。
教育・住宅資金は規模が大きすぎてイメージが湧いていませんでしたが、具体的なプランを提示いただけて答えの糸口が見えたように思います。
診断結果をもとに、ライフプランを考えていきます!
From 編集部
出産前の時間は家計の見直しのチャンス
貯めどきのDINKS生活が終わり、収入が一時ダウンする今、暮らし全体を見直すチャンスですね。丸山先生のアドバイスを参考に、出産前の時間を活用して家計について話し合い、ますます強い家計を築いてくださいね!
丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
URL:http://www.maruyama-harumi.com/index.html
構成・文/前川ミチコ イラスト/Sachicafe 監修/丸山晴美
※掲載されている情報は2020年12月時点のものです
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