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家計簿ズバリ診断[vol.13]和歌山県・NYさんの場合「子ども3人を小学校から私立に」

結婚したら、夫婦でどのように協力して家計を管理していけるかが、未来の明暗を分けるカギ。そこでこの連載では、新婚カップルの「夢」と「リアル家計簿」から、ファイナンシャルプランナー(以下FP)の丸山晴美先生が一家の未来をズバリ診断。今の生活でふたりの夢はかなうのでしょうか。

「子ども3人を小学校から私立に入れたいです」

子どもは3人くらいが理想。転勤族なので住宅は購入せず、子どもは全寮制の小学校に入れたい……という和歌山県・NYさんの家計簿を診断してもらいました。

相談者:和歌山県・NYさん

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子ども3人を全寮制の私立小学校に入れたい。でも夫婦ふたりとも、お金はあればあるだけ使ってしまうタイプ。子どもの教育費を貯蓄するためのアドバイスをいただきたいです。また、将来夫のみの収入でもやっていけるのか知りたいです。よろしくお願いいたします!

【NYさん家族のプロフィール】

・夫28歳(会社員)
・妻29歳(会社員)※妊娠6ヵ月

産休取得後、育休なし(雇用1年未満のため)。保育者が見つかれば職場復帰、見つからなければそのまま退職予定。非正規雇用であれば、どの地域でも再就職しやすい職業。将来、子どもは3人くらい希望。

NYさんの平均的な月の家計簿がこちら!

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【NYさんの夢と現実memo】※金額はすべて「約」

●将来の夢
・現在妊娠6カ月、子どもは将来3人くらい希望
・子どもは全寮制の私立小学校を希望
・転勤族のため住宅は賃貸を希望

●月収とボーナス(手取り)
夫:30万円、ボーナス年間140万円
妻:26万円、ボーナス年間60万円

●年収(手取り)
夫:500万円
妻:372万円

●借入金・ローン
妻:奨学金 残債200万円

●貯蓄総額(現在)
夫:普通預金70万円
妻:普通預金70万円

●貯蓄以外の金融資産(現在)
なし

●保険/月
1万7000円

●家計管理
夫:家賃・光熱費・生活費・娯楽費等
妻:貯蓄、自身の奨学金返済、実家への仕送り

FP丸山先生が診断

NYさんの家計簿の採点結果は……

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from 丸山先生

全寮制の私立小学校に入れると……
mmm

ひとり年間150万円ほどかかります

希望校でどれくらいかかるのか
チェックして計算してみて

家計簿を見ると、生活費はそれほど使いすぎている金額ではなく、問題なさそうですが、「その他」つまり使途不明金が17万円と多いのと、貯蓄総額があまり多くないのが気になります。ご自身もおっしゃるように「あればあるだけ使ってしまう」タイプのようですね。

子どもは3人欲しい、希望の小学校は私立の全寮制とのことですが、具体的にどれくらいの費用がかかるのかをチェックしてみましょう。

ある私立の全寮制の小学校で調べたところ、初年度が年間約150万円(入学金を含む)、次年度以降は約130万円かかるようです。

子ども3人が希望となると、年間150~400万円ほどかかる計算に。妻は立て続けに出産することになるので、夫の収入だけで考えると、現在の夫の年収500万円が大幅にアップしたり、親などからの援助がないかぎり、子ども3人を全寮制の私立に、というのは現実的に難しくなりそうです。

from 丸山先生

私立に行かせるかどうか以前に……
meisan

月30万円でやりくりできるプランを

「その他」=使途不明金をクリアにして
家計簿の項目ごとの配分の見直しを

家計簿の内訳をみると、現在15万円が貯蓄に回っていて、それ以外は41万円かかっています。産休明けから働くことができず、退職となった場合、夫の手取り月収30万円だけでやりくりをしつつ貯蓄をする必要があります。最低でもあと11万円分をどこかから削らなくてはなりません。

食費も通信費も低く抑えられているけれど、大きいのが「その他」、つまり使途不明金。ここをクリアにして、家計簿の項目ごとの配分を見直し、まずは30万円でやりくりできるプランを作ることが先決です。

将来の費用も大事ですが、赤ちゃんは待ったなしで生まれてきます。赤ちゃんを迎えるための準備費用もしっかり確保しつつ、夫だけの収入でやりくりできる家計を築いていきましょう。

from 丸山先生

できれば産休に入る前に……
hanashi

子育ての「優先順位」を話し合って

子どもの人数か、希望の学校か
どちらが大事なのかを考えて

私立の全寮制の学校に入れると年間1人130~150万円かかり、高校になるとさらに高額になります。

妻が今の手取りを維持できれば、私立には頑張って2人行けるかもしれませんが、3人となると、よほど収入がアップしたり、親からの援助がなければ難しいでしょう。住宅も今より広いところが必要となり、家賃がアップします。

ですが、公立の小中学校でいいなら、教育費の負担が減る分、2人でも3人でも子育てしていけそう。

貯蓄を考えるなら、子ども1人生まれるごとに、小学校入学までの6年間で、全寮制の私立小学校の学費1年分の150万円ずつが理想。小学校に入学したら、中学校の学費の貯蓄を。

夢や目標を持つことは大切ですが、実現するためのお金をどう捻出するかも大切。まずは優先順位を明確にし、月に17万円もある使途不明金をなくし、夫のみの収入でやっていけるようになれば、80点の家計になる日も近いですよ。

診断を終えて

相談者さんからひと言

NYさんより

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具体的なご指摘ありがとうございます! 頑張っているつもりでも55点とは…(汗)。自分たちの貯金額が適正かどうか知りたかったので、まだまだ頑張れそうだと分かりました。

子どもの学費についても、就学前にまでに「一人150万円貯金を」と、具体的な貯金額も教えていただいたので、私立か公立かどちらに行くかに関わらず、目標額に向かって夫婦ふたりで頑張りたいと思います。

From 編集部

家族の優先順位についてよく話し合って

すべての希望を叶えることは誰にとっても難しいですよね。丸山先生のアドバイスを参考に、夫婦で家族の優先順位について話し合い、やりくり上手になって、夢をかなえてくださいね!

maruya
Profile

丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー

旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
URL:http://www.maruyama-harumi.com/index.html

構成・文/前川ミチコ イラスト/Sachicafe 監修/丸山晴美
※掲載されている情報は2020年9月時点のものです
※記事内のデータ・コメントは2020年6月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー80人が回答したアンケートによるものです

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