[北海道&青森] 会費制ウエディングの作り方~会費からギフトまで~
北海道や青森など東北の一部で、一般的な結婚式スタイルとして行われている「会費制ウエディング」。今回はみんながどんな準備をし、どのような式を叶えているのかをご紹介します。会費やギフトの相場、花嫁のこだわりどころ、最近のトレンドまで、じっくり読みながら参考にしてください。
北海道・青森県の会費制ウエディング基礎知識
<北海道の結婚式事情>
■北海道の結婚式の平均総額は203万1000円
この金額は全国平均と比べると120万円ほど低め。ただしゲスト数は平均45.6名と決して少ないわけではなく、ほとんどの項目も全国平均とあまり変わりません。では総額を下げている要因は何でしょう。その一つが「北海道では当たり前」のギフト事情です。引出物や引菓子を組み合わせて複数用意するのが一般的な他のエリアと比べると、北海道ではお菓子やハムなどの食品を1つだけ贈るケースが大半。1人当たりのギフト総額も2000円と、全国平均よりも4000円ほど低くなっていることも、総額に影響していると考えられます。
■「会費制」が主流の北海道ウエディング
北海道では他のエリアのようにご祝儀を受け取るスタイルではなく、ゲストから会費を集める会費制の結婚式が一般的。そのルーツは明治時代に開拓民として移り住んだ人々の暮らしにあります。決して豊かとはいえない生活の中、周囲の人たちが発起人となり、お金を出し合ってふたりのために結婚祝賀会を開いたのが始まりで、今やすっかり北海道の結婚式スタイルとして根付いています。
会費は平均1万8000円。なお、発起人を立てるケースは年々減ってきていて、最近では新郎新婦がホストとしてお招きするスタイルの方が主流になっているようです。
<青森県の結婚式事情>
■青森県の平均総額は258万5000円
こちらも北海道と同様、ギフトにかける費用が全国平均より2000円ほど低く、お菓子やタオルセットなど1人当たり3000円程度のリーズナブルな品を贈るのが普通です。ちなみに料理代も平均より1人当たり4000円ほど低い1万2600円。ただしゲスト人数が平均65.7名と北海道よりかなり多いので、総額だけ見ると青森県の方が高めになっています。
■青森県だけ、他の東北エリアと異なり「会費制」が主流
青森県では63.6%が会費制。一部ご祝儀制の式もあるけれど、新郎新婦とも青森出身の場合は昔ながらの会費制スタイルを取ることが多く、会費は北海道とほぼ変わらず、1万8000円といったところです。
会費制ウエディングの仕組みをチェック
会費制ウエディングといっても内容はご祝儀制とほとんど変わりません。二次会のような立食ビュッフェを選ぶ人は少数派で、料理も大半の人が着席フルコース料理を頼んでいます。会場ごとに、予算や人数、こだわりに応じたパックプランも豊富に用意されています。
会費と料理の平均額がさほど変わらないので、ほぼ飲食代が会費で賄われると思ってもいいでしょう。ざっくり考えると、総額から会費を差し引いた額が自己負担額。挙式料や会場費、衣裳や演出・装飾代などは自己負担となることが多いようです。
北海道カップルの会費制ウエディングをのぞき見!
ここからは、北海道のカップルの会費制ウエディングの様子をレポート。かかった費用や利用したプラン、こだわりポイントなど、さまざまな角度からじっくりご紹介します。
Belleさん夫妻のケース
これまでお世話になり、これからもずっとお付き合いしていきたい人たちに感謝を伝えるのが結婚式の大きな目的。ふたり主導でゲストを招待し、おもてなしをしました。
【結婚式のデータ】
・ふたりの出身地……いずれも北海道
・ゲストの居住地……約9割が道内居住
※道外居住者10名のうち7名は北海道出身
・会場タイプ……ゲストハウス
・ゲスト数……105名(乳児2名含む)
・式の総額……約425万円
・会費(1人当たり)……1万8000円
【利用したパックプラン】
「お花にこだわりたかったので、会場装花がフルオーダーできるパックプランを利用しました。挙式や料理、衣裳の他に、メイン卓装花とゲスト卓装花10卓分、チャペル装飾、ブーケ&ブートニア、フラワーシャワーなどが含まれていて、専属のフラワーコーディネーターさんとの打ち合わせ付き。イメージ通りの空間づくりが叶えられて大満足です」
【料理・飲物】
「落ち着いてゆっくり食事を楽しんでもらえるよう、着席フルコース料理を用意しました。さらにゲスト同士の会話も弾むようデザートビュッフェも追加オーダー」
【こだわったこと】
「こだわったのは衣裳です。1着目のお色直しは和装にし、2着目のお色直しでは大好きなアニメ映画のワンシーンをモチーフにしたイエローのドレスを選びました」
【挙式スタイル・披露宴演出】
「挙式はアットホームな雰囲気の中で行いたかったので、皆さんに承認してもらう人前式スタイルで。披露宴では彼へのサプライズとして、各卓からゲスト1名ずつ選んで協力してもらってフラッシュモブを行いました」
【ギフト】
「ゲストの顔触れに応じて贈り分けを。カップスープセットやラーメンセット、お赤飯や紅白うどんなど10種類の引出物を用意しました」
[1枚目]たくさんの拍手と祝福の言葉に包まれた人前式
[2枚目]コース料理とは別に用意したデザートビュッフェ
[3枚目]ゲストと一緒に行ったフラッシュモブは新婦から新郎へのサプライズ
北海道・青森の会費制ウエディング
「ここがもっと知りたい」Q&A
Q.会費はどうやって決める?
A.料理代に相当する金額が一つの目安に。
先に結婚した友人やきょうだいに倣ったり、会場に相談する人も多い。
Q.ゲストへのお声掛けはどうする?
A.基本的にふたりで。
発起人を立てるのが当たり前だったころは、お声掛けから出欠確認まで発起人がやってくれたけど、最近ではふたりがお招きするスタイルを取ることが多く、招待もふたりが自ら行うことが多い。
Q.引出物にはどんなものを用意する?
A.北海道では主にお菓子や食品などが1品。青森はプラス1品が主流。
他のエリアではご祝儀に見合う額の引出物を「ふたりの結婚の記念品」という意味合いで贈るけれど、北海道など会費制が主流のエリアでは、「ふたりをゲストがお祝いするために開く祝賀会」の名残りで、お土産程度のシンプルな引出物を用意するのが普通。
Q.会費制なのにご祝儀もいただいた!どうすればいい?
A.特に他県から出席してくれるゲストの中には、ご祝儀をくださる方も。そんな場合はいただいた金額に応じ、後日「内祝い」としてお返しをする人も多いよう。もちろん事前に会費制で行うことと、ご祝儀は不要であることをきちんと伝えておくことが肝心。
Q.会費制の場合、お車代はどうするの?
A.同じ道内・県内の場合は「お互いさま」ということで、お車代は出さないことが多いけど、最近では主賓をお願いした人や、遠方から来てくれる人には包むケースが増えている。迷ったら会場のプランナーさんに相談したり、親や周囲の友人の意見を聞いてみよう。
Q.会費制ウエディング後でも二次会って行うのが普通?メンバーは?
A.ケース・バイ・ケース。
そもそも呼びたい人をみんな呼ぶスタイルの結婚式なので、式自体の参加者が多い場合はそこで完結し、二次会を行わないケースも。一方で二次会を開く場合は、「式に招待できなかった人」ではなく、「式に出席し、さらに二次会にも出たい人」が参加するのが普通。引出物袋の中に、場所や時間を記した二次会のご案内カードを入れておくのをお忘れなく。
From 編集部
きちんと感を備えた会費制ウエディングはとっても素敵!
会費制と聞くと、中にはカジュアルなイメージを持つ人がいるかもしれないけど、北海道や青森の会費制ウエディングは、きちんと感と温かさを備えたフォーマルな式。ぜひふたりのアイデアで素敵な一日をつくり上げてくださいね。
構成・文/南 慈子 イラスト/田中麻里子
※掲載されている情報は2020年8月時点のものです
※記事内のコメントは、2020年6月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー35人が回答したアンケートと、2020年6月に20~30代の男女103人が回答したマクロミル調査によるものです
※この記事内のデータは「ゼクシィ結婚トレンド調査2023北海道版」「ゼクシィ結婚トレンド調査2023青森・秋田・岩手版」によります
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