家計簿ズバリ診断[vol.8]広島県・taさんの場合「借金返済中だけど子ども2人欲しい」
結婚したら、夫婦でどのように協力して家計を管理していけるかが、未来の明暗を分けるカギ。そこでこの連載では、新婚カップルの「夢」と「リアル家計簿」から、ファイナンシャルプランナー(以下FP)の丸山晴美先生が一家の未来をズバリ診断。今の生活でふたりの夢はかなうのでしょうか。
「借金返済中で出産予定。第2子もすぐ欲しいです」
第1子を妊娠中で、すぐに第2子も欲しい。6年後には家も建てたい。でも預貯金が少なくローンを抱えて不安……という広島県・taさんの家計簿を診断してもらいました。
相談者:広島県 taさん
7カ月後に第1子を出産予定ですが、すぐに第2子希望で、産休育休を連続で取得したい。第1子小学校入学前に家も建てたいのですが、貯蓄が少なく、ローンもあり、今後がすごく不安。だいたいの支出はわかっていますが、家計簿を付けられていません。よろしくお願いいたします!
【taさん家族のプロフィール】
・夫25歳(会社員)
・妻31歳(会社員)※妊娠3カ月
第1子出産後、第2子もすぐに希望。
taさんの平均的な月の家計簿がこちら!
【taさんの夢と現実memo】※金額はすべて「約」
●将来の夢
・現在妊娠中で来年第1子誕生。すぐに第2子希望
・第1子の小学校入学までに家を建てたい
・家族で年に1回は旅行、将来ハワイ旅行に行きたい
●月収とボーナス(手取り)
夫:23万円、ボーナス65万円×2回
妻:21万円、ボーナス75万円×2回
●年収(手取り)
夫:400万円
妻:400万円
●借金
夫:奨学金300万円
妻:奨学金400万円
共通:ブライダルローン
●貯蓄/月
夫妻で:6万円
●貯蓄総額(現在)
夫:65万円(定期預金65万円)
妻:50万円(定期預金50万円)
●保険/月
夫:自動車5000円、生命保険1万7000円
妻:自動車1万2000円、生命保険1万7000円
●家計管理
妻が管理、財布は一つで夫はお小遣い制
FP丸山先生が診断
taさんの家計簿の採点結果は……
from 丸山先生
借金の返済が重いのが心配
産休育休中の収入減に備え
夫の収入だけでやりくりできる家計に
貯蓄額が少ないのは、結婚したばかりの夫婦にはよくあること。ただし、taさん夫婦の場合、奨学金やブライダルローンの返済が毎月7万円近くと重いのが心配です。
しかも、半年後に産休・育休に入ることが決まっているなら、それまでに家計をしっかり管理できるようにし、夫の収入だけでやりくりできる家計をつくっていく必要があります。
今は夫婦だけでギリギリの家計なので60点ですが、ひとりの収入でやりくりができるようになれば80点、できなければ30点。今後のやりくり次第でどちらにでも転ぶ可能性のある家計です。
from 丸山先生
もっと節約できる項目もありそう
どの項目を削れるのかを考えて
それぞれの予算を決めて生活しよう
現状、貯蓄とその他(借金返済)以外にかかっているお金が31万1000円。これを夫の月収23万円以内に収められないか考えてみましょう。
食費、住居費、光熱費は固定として、日用品は5000円くらいに。通信費は携帯電話を格安SIMにして夫婦3000円ずつに。化粧品・美容院代は、一般的な夫婦にしては多いので2万5000円くらいに。交際費とお小遣いは5000円ずつカットしたいところ。
そして生命保険は、金額的に貯蓄性のあるものだと思うので、貯蓄として計算してみましょう。すると、食費からお小遣いまでの項目が、22万8000円となり、夫の収入23万円でやりくりできる家計となります。
これくらいの見直しをして、その予算をオーバーしないように管理し、産休に入る前の2回のボーナスでブライダルローンを返してしまえば、先々の家計はぐんとラクになると思いますよ。
from丸山先生
いつまで、ではなく頭金を貯めてから
子どもが小学校に上がるまでに家を建てたいとなると、6年後までにまとまった頭金を貯めなくてはなりません。
頭金はなくても家は建てられる、と売る側の人は言いますが、将来苦しくなるのは、買う側。頭金は購入価格の3割以上が目安なので、例えば3000万円の家なら1000万円ほど用意したいものです。
だから家を建てるタイミングは、第1子の小学校入学までではなく、適正な頭金が貯まったら、としましょう。
夫が若いので、31歳で35年ローンを組むと完済は66歳。一応それで借りたとしても、それまでにしっかり家計を管理できるようになっていれば、繰り上げ返済でどんどん期間を短くすることができます。
だから今が大事。これを機に、夫婦で家計簿アプリを駆使し、無駄な出費をどんどん削りましょう。夫だけの収入で生活費を捻出できるようにし、妻の収入は貯蓄と返済に回せば、将来はハワイへの家族旅行も夢ではなくなりますよ。
診断を終えて
相談者さんからひと言
taさんより
いろいろなアドバイス本当にありがとうございます。
やっぱりローンが大きいなぁと改めて感じました。そして、このままでなんとかなるかなと思っていた点を指摘されて、見直さなければ、と思いました。携帯電話、やっぱり高いですよね!
これから産休育休に入るので、夫の給料のみでやりくりできるようにしていこうと思いました。
今回の結果は彼とも話して、マイホームや家族でのハワイ旅行を目標にがんばります。
From 編集部
産休に入るのを機に家計の見直しを
産休育休、子育てと、ライフスタイルが大きく変わるときは家計の見直しが重要。丸山先生のアドバイスを参考に、まずは夫だけの収入でやりくりできるような家計を築いて、安心してお子さんを迎えてくださいね!
丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
URL:http://www.maruyama-harumi.com/index.html
構成・文/前川ミチコ イラスト/Sachicafe 監修/丸山晴美
※掲載されている情報は2020年7月時点のものです
※記事内のデータ・コメントは2020年3月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー44人が回答したアンケートを基にしたものです
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