家計簿ズバリ診断[vol.4]広島県・hikariさんの場合「大きい車と家が欲しい」
結婚したら、夫婦でどのように協力して家計を管理していけるかが、未来の明暗を分けるカギ。そこでこの連載では、新婚カップルの「夢」と「リアル家計簿」から、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが一家の未来をズバリ診断。今の生活でふたりの夢はかなうのでしょうか。
「第1子誕生までに、大きい車と家が欲しいんです」
相談者:広島県hikariさん
家族が増えることを考えると大きなミニバンが欲しいし、家を建てるのが夢。目標は子どもが1人生まれるまで、または妻が30歳になるまで。予算は車300万~350万円、家が土地込みで3500万円ですが、どんなふうに貯蓄をすればいいのか……。よろしくお願いいたします!
【hikariさん家族のプロフィール】
・夫32歳(会社員)
・妻28歳(会社員)
妻30歳くらいまでに子ども1人希望。
hikariさんの平均的な月の家計簿がこちら!
【hikariさんの夢と現実memo】
●将来の夢
・子どもが1人生まれるまでに(または妻が30歳になるまでに)大きい車と家を購入したい
・家は一戸建てが希望(予算:土地込みで3500万円)
・車は今後家族が増えることも考えてミニバンが希望(予算:300万~350万円)
●月収(手取り)
夫:25万円、ボーナス25万円
妻:21万円、ボーナス30万円
●年収(手取り)
夫:350万円
妻:312万円
●借金
夫:奨学金(金額は不明)
妻:なし
●貯蓄/月
夫:(金額は不明)
妻:12万円
●貯蓄総額(現在)
夫:財形150万円、普通預金100万円
妻:普通預金220万円
●保険/月
夫:がん保険5000円
●家計管理
夫10万円、妻5万円を共通の口座に入れて管理。
それ以外はそれぞれが好きに使い、残りをそれぞれが貯蓄しているという感覚。
お互い散財しないタイプなので、ときどき貯蓄額を確認し、個人的な大きな買い物をするときは相談している。
FP丸山先生が診断
hikariさんの家計簿の採点結果は……
from 丸山先生
行き先がわからない
「その他」約15万円が心配
まずは夫の「使途不明金」をクリアにして
少しでも「貯蓄」に回して
夫も妻も収入が同じくらいで、それぞれが決まった金額を家に入れて、残りは本人たちの裁量で、というのは、今どきの共働き夫婦のよくあるスタイル。
ただ、家計簿の内容を見ると、夫が家に10万円を入れ、残りの約15万円がどう使われているかわからず、「その他」にしかカウントできないというのが心配です。
お互い散財しないタイプとのことですが、夫も使わなかった分は貯蓄に回している「であろう」という信頼だけで成り立っている状態は危険。ふたを開けてみたら貯まっていなかった、という家をたくさん見てきました。
まずは、夫の自由になるお金のうち、いくらかは貯蓄に回さないといけないよね、という夫婦の共通認識を持って管理していく必要がありそうです。
from 丸山先生
ちょっと急ぎすぎていない?
今は夢を膨らませつつ
貯蓄も膨らませる時期!
大きい車と家。どちらの夢もかなえるには、車はローンを組まずに一括現金で買えるように貯めておきましょう。すでに車の予算分くらいは貯蓄があるので、車を買う分には問題ないでしょう。
問題なのは、住宅。仮に夫の収入だけで返済していくとして、月6万円ずつ35年返済、金利1%で返すとなると、借入可能額は2120万円。となると、家の予算3500万円からそれを引くと、頭金はだいたい1500万円必要。少し厳しいですが、妻が出産後も働き続けるとして、妻と共有名義にすれば、可能といえば可能です。
ただ、28歳の妻が30歳になるまでに、という短い期間内に、車も家も、さらに子どももというのは少し急ぎすぎの感が……。
今は夢を膨らませつつ、貯蓄も膨らませる時期。共働きで、子どもにお金がかからない、貯めどきの今こそ、がんばりどきですよ!
from 丸山先生
「お金が○○万円貯まったら」を目標に
まだ間に合う!
夫は月10万円を貯蓄に回しましょう
夫も意識的に貯蓄をしましょう。なんとなく残った分が貯蓄、ではなく、専用の口座を作って、ちゃんと貯まっているか夫婦で確認しましょう。
仮に月10万円貯めれば、3年で360万円貯まります。妻もこのペースで貯蓄を続けると、3年で450万円。夫婦合わせて800万円くらい貯められ、住宅の頭金にもできます。
現状の家計簿は、夫の貯蓄のこと、あとは化粧品代がちょっと高いことなどが気になるので80点ですが、これから見直す余地もあります。急いで車も家も……と欲張ると、50点に下がる可能性もあるので、急がないことが大事。
そのためには「30歳になるまで」「子どもが1人生まれるまで」ではなくて、「頭金が○○万円貯まるまで」と目標を変えてみては。無理をせず、安定志向を目指せば、もっといい家計になりますよ。
診断を終えて
相談者さんからひと言
hikariさんより
妊娠を機に家と車の購入を考えていましたが、今回診断をしていただき難しいことがわかりました。どちらも叶えたいことでしたが、同時期に購入しようと焦らず、目標額を決めて購入したいと思います。
また、不透明なお金に関しては今後、一緒に貯金をしていくか、貯金額が明確にわかるように夫と話し合いたいと思います。
細かく診断していただき、ありがとうございました。
From 編集部
長い人生。焦らずに将来の夢をかなえて
今が貯め時。丸山先生のアドバイスを参考に、夢も貯蓄も膨らませる時期と捉えて、しっかりと目標の金額を貯め、夢をかなえてくださいね!
丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
http://www.maruyama-harumi.com/index.html
構成・文/前川ミチコ イラスト/Sachicafe 監修/丸山晴美
※掲載されている情報は2020年5月時点のものです
※記事内のデータ・コメントは2019年12月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー44人が回答したアンケートを基にしたものです
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