家計簿ズバリ診断[vol.3]群馬県・m1mmyさんの場合「貯蓄は少ないけど子どもを…」
結婚したら、夫婦でどのように協力して家計を管理していけるかが、未来の明暗を分けるカギ。そこでこの連載では、新婚カップルの「夢」と「リアル家計簿」から、FP丸山晴美さんが一家の未来をズバリ診断。今の生活でふたりの夢はかなうのでしょうか。
「貯蓄は少ないけど
そろそろ子どもが欲しいんです」
今回は、この先8年以内に子ども2人、ゆくゆくはマイホームが欲しい、だけど貯蓄がまだあまりなくて…という群馬県のm1mmyさんの家計簿を診断してもらいました。
相談者:群馬県 m1mmyさん
子どもは2人欲しいし、ゆくゆくはマイホームを購入したい。夫の結婚前の貯蓄がほとんどなく、結婚後はきちんと貯めてくれているけれど(2年間で100万円)、まだ妻の貯蓄より少ないのが現状。子どもが生まれてもやっていけるでしょうか。よろしくお願い致します!
【m1mmyさん家族のプロフィール】
・夫32歳(会社員)
・妻27歳(専業主婦)
夫が40歳になるまでに子ども2人希望。
m1mmyさんの平均的な月の家計簿がこちら!
【m1mmyさんの夢と現実memo】
●将来の夢
・現在32歳の夫が40歳になるまでに子どもが2人欲しい
・ゆくゆくはマイホームを購入したい(結婚直前に地元を離れ転勤。いずれは戻れるとの話だったが、現状はいつ戻れるのかわからず、具体的な計画はなし)
●月収(手取り)
夫:35万円、ボーナス40万円
●年収(手取り)
夫:500万円
●借金
夫:車のローン200万円、親から借金90万円
(以前はリボ払いの返済あり。今は完済)
●貯蓄/月
夫:7万円
●貯蓄総額(現在)
夫:普通預金100万円、妻:普通預金250万円
●保険/月
夫:医療保険2500円、死亡保険1万8000円
妻:ー(養老保険200万円一括払い)
●資産運用
なし
FP丸山先生が診断
m1mmyさんの家計簿の採点結果は……
from 丸山先生
夫がやや浪費家体質なのかも?
まずは借金を返す。
子どもやマイホームの話はその後で
まず、食費を3万円で抑えているのは立派。お弁当を作ったり、安い食材を探して買ったりと、妻の頑張りの成果が数字に表れていますね。そして家賃が全額会社負担というのは、とても恵まれていると思います。
ただ、「子ども2人とマイホーム」が希望という割に、マイホーム購入資金があまり貯められていなくて、車のローンが200万円、親からの借金が90万円あり、過去にはリボ払いの返済もしていたというのが気になります。
まずは借金を返すことの方が優先順位として高いはず。子どももマイホームも、それからの話です。
from 丸山先生
3年でマイホームの頭金が貯まる計算に!
3カ年計画で
「夫40歳までに子ども2人」は間に合う
家賃を全額補助してもらえている今のうちに貯蓄をしていくことが大事。
妻も扶養から抜けない程度に働くことはできないでしょうか(所得税は103万円以下、住民税は自治体によりますが、100万円以下ならどこでもかからないので確認しましょう)。
現在、貯蓄と借金の返済に16万円近く回すことができているので、年間で190万円くらいの貯蓄が可能。かつ、妻が月8万円働けば、年間プラス96万円。夫婦で年間290万円を返済に回すことができ、これで車のローンと親からの借金は、1年ですべて返済できます。
1年目は返済をする年、2年目からはその分を貯蓄に回し、3年やれば600万円近く貯まりますから、夫35から36歳で第1子、1年あけて37から38歳で第2子妊娠・出産というペースでいけば、計算上は「夫40歳までに子ども2人」は間に合います。
from 丸山先生
イレギュラー専用口座を作ってみては?
アプリの共有機能を使って
夫も家計簿管理に関わって
この家計簿で気になるのは「その他」の不明瞭さ。使途は「借金返済、以前はリボ払いの返済、車検、家具購入費用、引っ越し代などイレギュラーの支払い」とのことですが、イレギュラー出費専用の口座を作ってみては?
車検や家具購入などとイレギュラー出費が重なっても対応できるように、常に50万円を入れておいて、何かあったらそこから出すのがいいですよ。
また、妻にお小遣いがないのはちょっと…。妻もお小遣いを持てるような仕組みをつくりましょう。
また、アプリで家計簿を管理しているなら、共有機能を使って、夫も家計簿管理に関わって。妻に任せきりにせず、共有することで、家計の問題点や出費の優先順位が見えてきます。
イレギュラーだから、お金はないけど必要だから、なければ借りればいい、と考えるのは危険。そうならないよう、妻が夫をしっかり管理していくことが、この家の家計の肝になってくると思いますよ。
診断を終えて
相談者さんからひと言
m1mmyさんより
食費はこれでいいの?と思っていたので、褒めていただいて嬉しかったです。借金の返済は、やはり最優先ですよね。そして、子どもを、マイホームを、と口で言う割にまったく行動に移せていなかったことも反省。イレギュラー口座に常に50万円、など具体的に指摘していただいて、今何をしたらいいのかがはっきり分かりました。ここまで詳細なアドバイスをいただいて、本当にありがとうございました!
From 編集部
夫婦で一緒に家計に向き合って
夫婦で力を合わせてこその家計。丸山先生のアドバイスを参考に、夫婦ふたりともが当事者意識を持って家計を管理し、まずは3カ年計画を達成して、夢をかなえてくださいね!
丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
http://www.maruyama-harumi.com/index.html
構成・文/前川ミチコ イラスト/Sachicafe 監修/丸山晴美
※掲載されている情報は2020年4月時点のものです
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