結婚式に「地元感」を出したら、こんな良いことありました!<東日本編>
結婚式のテーマを設定したり、アイテムや演出を決めるときに、「地元感」を取り入れることを考えるカップルは多いようです。料理の食材やギフトなどに取り入れる例はこれまでも多くありましたが、他にもさまざまなアイデアで形にしている卒花さんがいました。結婚式に地元感を取り入れると、どんな良いことがあるか。花嫁さんやフリープランナーの荒井さんに聞いてみました!
1.山形/思い出の宿を舞台に、「山形って楽しい!」をゲストと体感
地元・山形の名所デートを重ねる青木さん夫妻の場合
【地元感を結婚式に取り入れた背景は?】
ふたりは山形が大好きで、デートで県内のあらゆるスポットを巡ってきた。県内外から参列する人も多かったため、ゲストに山形の魅力を伝えたい!というのが、そもそも結婚式のコンセプトの一つだったそう。
こんな良いことありました!
県外から来ていただいたゲストは口々に「山形って素敵なところだね!」「また来たくなった」と言ってくれました。もともと、山形の素晴らしさを紹介したいというコンセプトがあったので、しっかり伝わってうれしかったです(青木さん)
【会場選び】亡き母と食事をして以来結婚式をするならココ、と決めていた山形の象徴的な蔵王連峰を望む温泉宿を会場に選び、その景色もおもてなしの一つに
【餅つき演出】地元の餅つき保存会の人を呼んで昔懐かしい餅つき。ゲストも参加して「ヨイショ」と声をそろえて盛り上がった後は、全員に振る舞って喜ばれた
【ペーパーアイテム】プロフィールパンフでデートで巡った県内のお気に入りスポットの紹介。パーティの合間にゲストが興味津々で読んでくれた
【ウエルカム装飾】ふたりで行った庄内の海で拾った流木を装飾アイテムの一つに
2.福井/料理、器から伝統芸能まで、皆が知らない福井の魅力がギュッと
地元のPRがライフワークの本多さん夫妻の場合
【地元感を結婚式に取り入れた背景は?】
彼は福井県出身で地元大好き、彼女はローカルメディア「Dearふくい」を運営し、夫婦共に福井のPRがライフワーク。だから、結婚式は福井ずくめにすることが何よりも自分たちらしいと思ったそう。半数以上のゲストが初めて福井県に来ることもあり、この地の良さをぜひ伝えたいという思いも。
こんな良いことありました!
福井について全く知らないゲストに、魅力を知ってもらえたことが良かったです。また、地元の雑誌などに取り上げられたため、後日会場へ「こんな式がしたい」という相談が何度かあったと伺い、とてもうれしかったです(本多さん)
【笏谷石のおちょこ】福井でしかとれない幻の青い石を使ったおちょこは乾杯に使い、ゲストにはギフトとして持ち帰ってもらった
【伝統芸能】無形民俗文化財に指定されている勝山左義長ばやしで会場が一つに。保存会に所属する彼も参加して、サプライズで見事なパフォーマンスを披露
【伝統工芸】越前和ろうそくをキャンドル風にアレンジされたものを、各卓やメイン席にセット。また、福井の越前そばは越前漆器でおもてなし。さらに、ふたりですくところから行った越前和紙で婚姻届を作り、ウエルカムスペースでお披露目
3.北海道/大好きな地元のものを、楽しませながらおもてなし
北海道育ちで高校から交際を重ねてきた魚谷さん夫妻の場合
【地元感を結婚式に取り入れた背景は?】
道外からのゲストも多かったので、北海道の食材で楽しんでもらいたいと思った。また、ゲストに何か感謝を伝えることができるテーブルラウンドをと考えたときに、彼が大のクラフトビール好きだったことから、お気に入りの上富良野産のビールサーブを行うことに。
こんな良いことありました!
ゲストの皆さんの喜ぶ姿を見て、北海道にわざわざ来ていただいたことへ、「ありがとう」の気持ちがちゃんと伝わったかなと安心しました(魚谷さん)
【ビールサーブ】上富良野町産のビール2種を入れたタンクを背負い、ふたりでゲスト席を回って直接サーブ
【料理】道産牛ヒレ肉のステーキなど北海道ならではのメニューでおもてなし。夜景が一望できる空間を選び、生まれ育った札幌の街並みと共に食事を楽しんでもらった
【自然の中で前撮り】北海道の雄大な自然の中で写真が撮りたいと思い、フォトグラファーに依頼し、ニセコで撮影。撮影した写真はパネルにして結婚式でも飾ったところ、「どこで撮ったの?」とゲストにも好評だったそう
4.宮城/一からつくったアウトドアウエディングで地域の温かさを実感
地元のバーベキュー協会で活動する遠藤さん夫妻の場合
【地元感を結婚式に取り入れた背景は?】
地元のバーベキュー協会で出会ったふたり。その仲間が自分たちで結婚式を一からつくろうと提案。アウトドアをテーマに、牧場に地元の木材を使ってテントを立てて、地域の飲食店のブースを設けるなど、地域の「もの」だけでなく、人が大活躍する結婚式に。
こんな良いことありました!
ゲストだけでなく、スタッフとして関わってくれた皆さんに地元の魅力をたくさん伝えられたと思います。また、地元感があったからこそ、皆さんとの絆をダイレクトに感じられました(遠藤さん)
【会場】牧場の丘に地元の製材所の協力を得て、テントを設置し特設会場に。360度山に囲まれて、どんな瞬間もベストショットに。
【料理・ドリンク】地元のすし店やバーなどがブースを出して料理を提供。地元食材や、牧場の牛乳を使ったオリジナルメニューにゲストが列を成した。また、器まで、地域の木材を使用し、どこまでも地元にこだわった
5.北海道/特産でもある実家の牛乳を使ったメニューでおもてなし
新婦の実家が十勝の酪農家である田村さん夫妻の場合
【地元感を結婚式に取り入れた背景は?】
もともとは会場となったホテルで行われていたビュッフェスタイルの中で、「家庭の味」のメニューが振る舞えることに引かれたのがきっかけ。彼女の実家が酪農家で、自家製ジャージー牛乳を多彩なメニューにして振る舞った。彼の地元が岡山ということもあり、道外ゲストも多かったため、北海道らしいうれしいおもてなしに。
こんな良いことありました!
ゲストからは、この日だけの特製メニューを含めビュッフェ形式の食事に「動きがあって楽しかった」「北海道ならではのおいしいものを食べられて良かった」など、とても満足していただけました。地元らしさを通してふたりらしさを伝えられたかなと思います(田村さん)
【料理】料理はビュッフェスタイルにして、グラタンやカレー、ケーキまで自家製ジャージー牛乳を使ったメニューを振る舞った。自由に動き回るスタイルで、メニューもきっかけとなって会話やふれあいの時間もたっぷり
【ドリンク】ウエルカムドリンクを自家製ヨーグルトにして、最初からふたりらしくゲストをお出迎え
プロに聞きました!「地元感を取り入れるとどんな良いことがありますか?」
フリープランナー荒井さん
地元感を取り入れると、ふたりにとっても、家族やゲストにとってもより思い出深い結婚式になります
「ふたりにとっては、これまでの軌跡を知るきっかけに」
「結婚式は準備も含めて、これまでのふたりの人生の軌跡をたどる機会にもなります。地元に関するアイデアを取り入れることは、お互いが育った場所や、ゆかりのある場所について、改めて知る機会となり、人生やルーツについての思いを深めることに。
親御さんやご家族と話す機会にもなりますし、地元愛も深まるようです。それによって、これまでの人生への感謝や幸せになる決意もより固まるでしょう」(荒井さん)
「年齢問わず、どんなゲストにも喜ばれます」
「結婚式の内容によっては、親族などを絡めることに苦労したり、実際に親族が置いてけぼりになることもありますが、地元感のある演出やアイテムは年齢やふたりとの関係性の違いに関係なく、楽しんでもらえます。
また、知的好奇心がくすぐられたり、見聞を広げられるという点で、結婚式に参列したかいがあったと、メリットを感じてもらえます」(荒井さん)
地元感を結婚式に取り入れるポイント&アイデア
「まず、ジャンルごとに考えてみると、アイデアが出しやすくなります。ジャンルは、料理・ドリンク・ギフト・撮影・イベントなどから考えてみましょう。
例えばギフトなら、地元の銘菓を贈るのも定番ですが、おすすめは、ビールなどをお酌する代わりに親御さんが直接ゲストへ渡すこと。地元の話を交えながらサーブすればより印象に残ります。
イベント系だと、両家の地元の水で行う水合わせの儀が人気ですが、少しアレンジした『米合わせの儀』も好評でした。両家の地元のお米を合わせた後、ブレンドしたお米を個包装してプチギフトに。
また、餅まきやだるまの目入れなど地域の風習を取り入れるのも素敵です。祖父母や親族などにインタビューしてゲストに意味合いが伝わるように配慮すると、より楽しんでもらえます。
最近では各自治体でゆるキャラが誕生していますが、結婚式に呼ぶことも可能。キッズゲストに限らず喜ばれますよ」(荒井さん)
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From 編集部
ゲストにとってもふたりにとってもうれしい、地元感のある結婚式
内容や取り入れ方を一工夫することで、遠方ゲストはもちろん地元からのゲストにも、新たな発見や感動を味わってもらえるはず。荒井さんのお話にもありましたが、地元について知識や思いを深めることで、お互いへの理解や家族など周囲の大切な人とのつながりも、さらに固くなっていきそうですね。ぜひ、この機会に、あなたのルーツについて見直してみては?
荒井さやかさん フリープランナー(Coco style WEDDING)
5年間の結婚式場でのプランニング経験を生かし、2011年よりフリーランスのウエディングプランナーに。これまで手掛けてきた結婚式は500組を超える。「ふたりらしさ」を大切にし、参加者全員の心に残るオーダーメイドの結婚式を創作し続けている。
構成・文/小松七恵 D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2020年2月時点のものです
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