家計簿ズバリ診断［vol.1］愛知県・Y.Aさんの場合「借金あるけど家買いたい…」

【Y.Aさん家族のプロフィール】

・夫27歳（会社員）
・妻26歳（パート／育休中）
・長女2歳
・次女0歳

第1子の育休中に第2子を妊娠、続けて育休取得。
1年後、時短で復帰予定。

【Y.Aさんの夢と現実memo】

●将来の夢
・5年後に3000万円くらいで家を購入したい
・子ども2人の大学費用を15歳までに650万円ずつ貯めたい

●月収（手取り）
夫：21万～24万円、ボーナス35万円
妻：育休手当 13万円（半年後から10万円）

●年収（手取り）
夫：350万円
妻：120万円

●借金
親から車の費用として100万円
※余裕のあるボーナス時に少しずつ返していく予定

●貯蓄／月
夫：財形月3万円＋ボーナス月5万円、妻：銀行（特別費用積立）2万円、第2子：銀行積立5万円

●貯蓄総額（現在）
夫：財形20万円、妻：銀行60万円、第1子：銀行190万円、第2子：銀行20万円

《貯蓄の詳細》
・第1子：学資保険200万円を18歳満期で（児童手当から）
・第2子：学資保険をやらずに月6万円を銀行積み立て予定（児童手当1万円+妻育休手当5万円）。育休から復帰後、様子を見て金額を下げる予定

●保険／月
夫・妻：個人年金2万円、妻：生命保険7621円、第1子：学資保険9202円

●資産運用
今後、貯まったお金で運用を考えて勉強中。外貨建て終身保険を検討中

家の頭金は「購入価格の3割」を目安に

家を購入するとき、多くの人が住宅ローンを利用しますが、頭金として購入価格の3割くらいを入れたいもの。3000万円の家を購入するなら、頭金のほか、諸費用、家具・家電なども含めて、900万円から1000万円くらいは現金で用意したいですね。

現在、教育費の貯蓄はできているけれど、「5年後に3000万円くらいの家」と具体的な目標が決まっているのに、家の頭金専用の貯蓄があまりできていないのでは。例えば1000万円の頭金を5年間の60カ月でつくるには、毎月16万6000円ずつ貯める必要があります。住宅用の貯蓄が、夫の財形3万円だけだとしたら、計算上は間に合いません。

まず親への借金を返して、住宅資金の貯蓄を

とはいえ、親からの援助があるのなら話は別。住宅資金として親から贈与されるお金は最大3000万円まで非課税になるなどの特例もあります(*)。援助の金額次第で「5年後に3000万円の家」はぐんと現実的になるかもしれません。
(*)省エネ等住宅を住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日が令和2年3月31日までに行われた場合

ただし！

親から車の借金があるとのこと。だったら順番が違います。親とはいえ、別家計なのですから、借金は「余裕のあるボーナス月に少しずつ」ではなく、早めに返し、それから住宅資金を貯めるのが筋。その方が、もし住宅資金の援助を受けるとしてもスムーズかもしれません。

全体的には、とても優秀。若くてお子さんが2人もいるのに、家計もしっかり管理されています。家計簿上で切り詰められそうなところは「通信費」くらいしか見当たりません。通信費の節約には、格安SIMへの乗り換えなども考えてみて。

投資運用に興味があるならロボ投資を

外貨建て終身保険を検討中とのことですが、パッケージ商品は手数料が高いという点にも注意して。もし投資運用に興味があるのなら、ロボ投資をオススメします。例えば月2万円などと決めておき、毎月積み立てながら、長期に渡って分散投資をしてくれます。そしてまた、人が投資運用時に苦手とする投資先や売買の部分をロボット（プログラム）が判断しながら、自動的に運用してくれます。

Y.Aさんの場合、まだ若く、今は大変ですが、お子さんたちが成人してからでも老後の資金づくりができるのが強み。借金を早く返して、通信費を見直すと、よりよい家計になりますよ！

From 編集部

夢に向かって節約＆貯蓄を頑張って

5年後に、3000万円くらいでマイホームを！と、具体的に夢を描いているのは立派。丸山先生のアドバイスを参考に、夢をかなえてくださいね！

Profile

丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー

旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
http://www.maruyama-harumi.com/index.html