日本全国食文化の違いクイズ~彼家の定番は?~
結婚が決まると、彼の実家で食事をごちそうになったり、いっしょに料理を作る機会も増えるけど、地域によって食文化は違うって知ってた?「こんな食べ物&味は初めて!」と驚いてしまわないためにも、事前に知っておいたほうがいいかも!ということで、彼といっしょに楽しみながら日本全国の食文化の違いを予習できるクイズをご用意。ふたりで楽しくチェックしてみて♪
今回教えてくれるのは……野瀬泰申さん
先生からひと言
日本の食文化は大きく、1.西日本と東日本の違い 2.地域ブロックによる違い 3.山側、海側で異なります。地域ごとの暮らしに息づく食文化の違いは、いわゆる「食の方言」。違いをぜひ楽しんでみてくださいね
1951年、福岡県久留米市出身。日本経済新聞特任編集委員。文化部記者として30年にわたり日本各地の食の地域偏差、食文化の境界線を取材。主な著書に「天ぷらにソースをかけますか?」(ちくま文庫)、「食品サンプルの誕生」(同)、「文学ご馳走帖」(幻冬舎新書)、「食は『県民性』では語れない」(角川新書)など。B-1グランプリ主催団体「ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会(愛Bリーグ)」会長を務める。
第一問「おもちのタイプについて」
「お正月には欠かせないお祝い料理・お雑煮。その主役となるもちの形には角と丸がありますが、元々は神へのお供えものであった鏡もちと同じ『丸』がはじまり。角もちは江戸時代に生まれた略式の形になります。角と丸、その分岐点となるのは岐阜県関ヶ原付近。だいたいこの辺りで東が角、西が丸に大きく分かれます。お雑煮にあんこもちを入れるのは香川県の一部地域。またお雑煮はもちのタイプだけでなく、焼く、煮る、だしや具の種類など、そのバリエーションは千差万別。家ごとに異なるほどバリエーションに富んでいるんですよ!」(野瀬さん)
第二問「しょうゆの味について」
「和食の味の基本となる調味料・おしょうゆは、大きくは色の濃い・濃口(こいくち)、色の薄い・薄口(うすくち)の2種類に分けられます。一見、薄口しょうゆの方が薄味そうですが、塩分濃度は濃口より2%ほど高め。濃口・薄口というのは、味ではなく見た目を指します。ただし、濃口しょうゆは香りやコクもしっかりしているため、濃いめの味付けの料理に使われやすく、薄口はだしや素材の色や味を生かした薄めの味付けの料理に向いています。薄口しょうゆが多く使われるのは西日本で、さしみは濃口など地域や用途によって使い分けるケースが多いようです。その他、九州、中国、北陸、東北日本海側では甘みを足した甘口しょうゆ、東海は大豆を多く使ったたまりしょうゆも多く使われています」(野瀬さん)
第三問「てんぷらに掛ける調味料について」
「日本で初めてウスターソースが生まれたのは明治時代中頃の神戸・大阪だと言われています。『洋式しょうゆ』として売り出されると、ハイカラで高級な調味料として瞬く間に食卓を席巻し、しょうゆ代わりに何にでも掛けるように。西日本の多くの県で約半数の人が『天ぷらにはソース』と答えるのは、その影響が大きいようです。和歌山県では80%以上がソース派です。東日本は埼玉県以外は塩、もしくはしょうゆ派がほとんど。最近では、天ぷら屋さんやめんつゆの普及から広がってきた天つゆを選ぶ家庭も全国的に増えてきています」(野瀬さん)
第四問「料理に使う肉の種類について」
「『とんかつ』など、豚肉を使った人気洋食が関東で生まれたこともあり、東日本ではカレーに入れる肉=豚肉が一般的。一方、もともと多かった農耕牛が文明開化で食用に転じ、牛肉を安く買うことができた西日本では牛肉が好まれ、7割超えのエリアも! 料理に使う肉は何かについては、カレーの他、肉じゃがやコロッケなどに使う肉も東日本は豚肉、西日本は牛肉という違いが。ただし全国から人が集まる首都圏では、牛肉を使うと答える人の割合が増加傾向。九州や沖縄は鶏肉を使う人も目立ちます」(野瀬さん)
第五問「卵焼きの味付けについて」
「卵焼きは、昆布ダシを入れただし巻き卵がデフォルトの関西を除くと各家庭でバラバラ。東日本は甘く、西日本は塩辛いなど一概には言えません。関西のだし巻きは昆布ダシの旨味を楽しむための料理ですが、他のエリアでは家庭でダシを入れるような手間はかけず、代わりに砂糖やしょうゆで味付けするのが一般的。砂糖としょうゆの割合なども、作り手の気分で変わります。卵焼き=各家庭の味と言っていいと思います」(野瀬さん)
先輩花嫁に聞いてみました!
「彼の家で出合った、食文化の違いは?」
今回取り上げた項目以外にも、さまざまな違いのある食文化。先輩花嫁が実際に彼家で出合った、食文化の違いエピソードを聞いてみました。違いに出合ったときのナイスアドバイス付き!
先輩花嫁VOICE
彼は関東出身。実家で初めてご飯をごちそうになったときは味付けが濃くて驚きました。でも、人それぞれ育ってきた環境や食文化は違って当たり前。結婚後、彼の実家で料理をするときは濃い味付けに合わせますが、普段は私の好きな薄めの味付けにしているので問題なし。「何それ」と思わず、違いを楽しむくらいの心の余裕があるとうまくいくと思います(裕子さん)
彼の実家ではお正月、おもちに塩鮭を挟んで食べる習慣が。彼の家だけでなく、ご近所さんも自宅でおもちをつき、その組み合わせで食べる家庭が多いそう。きなこやあんこ、甘しょうゆでしか食べたことのない私はびっくり。でも実際に食べてみたらおいしくて、全然ありだなと。自分の食習慣と違うからと引かず、踏み込んで試すことが大事。新しいおいしさに出合えるし、彼の家族とも仲良くなれると思います(成美さん)
九州出身の彼。実家にお邪魔したら、お味噌やおしょうゆが甘くて驚きました。私は「おいしければ問題なし!」という考えなので、出していただいたお料理を「おいしい」と喜んでいただきました。彼のご家族のうれしそうな顔が見られてよかったです(まりもさん)
天ぷらでお肉といえば鶏だったので、彼の家の夕食で出てきた豚の天ぷらに驚きました! 彼母に聞いたら、彼家ではみんなが好きな定番料理なんだとか。確かにすごくおいしくて納得。とりあえず食べたことがない料理も食べてみるべし!(みっちーさん)
彼の実家でお赤飯を食べたら甘くてびっくり。私の実家のお赤飯は甘くない小豆入りなので違和感がありましたが、おいしく頂きました。食文化の違いを知るのはおもしろいし、「私の実家では○○なんですよ」というのもいい話のネタに。私も彼も「絶対○○じゃなきゃダメ」などというこだわりはないので、お互いに違いを楽しんでいます(ひろさん)
From 編集部
食文化の違いを楽しみ、理解し合えればみんなでおいしくハッピーに♪
地域によって食文化はさまざま。慣れ親しんだ味覚や食習慣を変える必要はないけれど、結婚相手のソウルフードをポジティブに受け入れ、受け入れる姿勢は重要。事前に心の準備をしておけば、彼や家族を理解し、コミュニケーションを深める絶好のチャンスになるはず。新たな食文化との出合い、どうぞ楽しんでくださいね。
取材・文/笠原恭子 イラスト/山本あゆみ D/ロンディーネ 構成/松隈草子(編集部)
※記事内のコメントは2019年7月に実施した「ゼクシィ花嫁1000人委員会」のメンバー31人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2019年9月時点のものです
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