ふたりの新居、住むならどっち?【持ち家 vs 賃貸編】
新居を探すとき、大きな迷いどころとなる1つが、「持ち家」を買ってローンを返済していくか、「賃貸」を契約して家賃を支払っていくかという選択。どっちがお得? 安心? 快適? それぞれのメリットを、ファイナンシャル・プランナー鈴木さや子さんに教えてもらいました。持ち家・賃貸それぞれを選んだ先輩カップルのコメントも参考にしてみて。
「持ち家」「賃貸」それぞれのメリット・デメリットは?
持ち家か賃貸か、「どちらを選んでも、それぞれにメリットがあります」と鈴木さや子さん。よく挙げられるものを下にまとめてみました。
■ 持ち家
□ 資産として子どもに残す・売却ができる
□ ローンを返し終われば住居費の負担が減る
□ 団体信用生命保険が生命保険代わりになる
□ 設備・建材のグレードが高め/選べる
□ 生活環境や好みに合わせ部屋数を増減するなどのリフォームが可能
■ 賃貸
□ 負債(ローン)を抱えなくて済む
□ 転勤などに合わせて気軽に引っ越せる
□ もし被災しても自分で直さなくていい
□ 固定資産税、修繕費がかからない
それぞれのメリットの反対が、もう一方のデメリットとなります。
個別の事情があり、一概にはいえませんが、
・今後のライフスタイルの見通しがある程度立っている
・十分な頭金(物件価格の2割以上が目安)を入れられる
場合には「持ち家のメリットのほう大きいかもしれません」と鈴木さん。
次からは、持ち家・賃貸それぞれを選んだ先輩カップルのケースを見ていきましょう。
「気軽に引っ越せるからいつでも通勤ラクラク!」
【case 1】賃貸・マンション/東京都世田谷区・えるさん
●新居を「賃貸(マンション)」にした理由
ゆくゆくは地元に帰るつもり。そのとき実家を建て替える予定なので持ち家は不要。また、賃貸だと、わずかながら勤務先から補助が出るからです。
●「賃貸(マンション)」ここが満足!
よりよいところに、気軽に引っ越しできるところ。通勤を考えて今の場所にしたので、職場が変わったら、通勤ストレスの少ないところに引っ越し予定です。
●「賃貸(マンション)」ここが残念!
勝手に壁に釘を打てない。額縁入りの写真を壁に飾りたいのだけど、穴を開けたら敷金から修繕費が差し引かれるので。
●賃貸 vs 持ち家、どっちがお得?
正直、わかりません。賃貸はお金を捨てるだけだけれど、持ち家だと引っ越しが簡単にできない、変な近所の住民に悩まされたり、建物が日陰になったりなど、予測できない将来のリスクもあるから。
「カフェやゲストルームがあって設備が充実!」
【case 2】持ち家・マンション/千葉県流山市asaさん
●新居を「持ち家(マンション)」にした理由
賃貸住宅での支払いがもったいなく感じ、持ち家にすれば月々の支払いも家の購入のためになるので。また、たまたま見た物件がとても気に入ったので即決しました。
●「持ち家(マンション)」ここが満足!
持ち家は自分たちの財産になるので、家を持っていると将来も安心。分譲マンションは、賃貸マンションに比べて構造が頑丈だったり、24時間ゴミ捨てOKだったり、カフェが併設されていたり、ゲストルームがあったりと、さまざまな共用設備があって満足しています。
●「持ち家(マンション)」ここが残念!
賃貸だと通勤の利便性をメインに考えられますが、持ち家だと住環境優先になるので、勤務場所によって通勤時間が少し長くなってしまいました。
●賃貸 vs 持ち家、どっちがお得?
持ち家だと思います。賃貸住宅で家賃を支払う分、持ち家だと購入費用に回せるのと、万が一のとき、持ち家は売却するなどしてお金にできて財産になるので。
「希望どおりに設計して『自分の家』を実感!」
【case 3】持ち家・一戸建て/神奈川県横浜市YTさん
●新居を「持ち家(一戸建て)」にした理由
家賃を払い続けるのがもったいないと思ったので自分たちの資産として持ち家を購入しました。何かあったら、将来売ってお金にできます。
●「持ち家(一戸建て)」ここが満足!
広々した家に大満足。自分たちの希望の間取りで設計してもらったので、思い入れもあります。注文住宅は本当に「自分の家」という感じがします。
●「持ち家(一戸建て)」ここが残念!
家が職場から遠くなってしまいました。賃貸の家賃と同等の月々の支払いで済ませるには、職場がある都心からやや離れた場所に家を買わないといけなかったので。
●賃貸 vs 持ち家、どっちがお得?
将来売れる条件の土地を買えば、ですが、賃貸より持ち家がお得だと思います。自分たちの資産になって、終の棲家(ついのすみか)ができるのは安心です。
また、持ち家だと固定資産税などがかかりますが、住宅ローン減税や住まいの給付金など、条件次第でもらえるお金もあるので、上手に活用すればよりお得だと思います。
From 編集部
ライフスタイルに合わせた選択を
持ち家と賃貸、どちらに住んだとしても、生活が落ち着いてからの引っ越しは大変。とはいえ「子どもが生まれてからは、住みたい環境も変わるかもしれません」と鈴木さん。「家を買うつもりがあり、子どもの予定があるなら、生まれてからがおすすめ。それまでは、頭金をとにかく増やすこと。そしてローンは退職までに返し終わるようなプランが理想的ですね」。ほかにも転勤や親との同居など、ふたりのライフスタイルに合わせて計画を立て、ベストな選択を!
鈴木さや子 ファイナンシャル・プランナー
2人の娘を持つママFP。マイホーム購入を機にお金の知識の大切さを実感し、FPの資格を取得。11年の専業主婦生活にピリオドを打ち、FP事務所を開業。マネー相談、セミナー講演、執筆を主に活動。キャリアコンサルタントの視点でもアドバイスする。株式会社ライフヴェーラ代表
取材・文/前川ミチコ イラスト/IKULA
※記事内のデータならびにコメントは2019年5月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」メンバー71人が回答したアンケートおよび、既婚女性103人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2019年7月現在のものです
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