夫婦のお小遣い、みんなはどう決めた? いくらにしている?
結婚前は「自分で働いたお金は自分のお金」とシンプル。でも、結婚したらどうなる?と疑問に思う人は多いよう。うやむやにしてしまいがちだけれど、将来の出産・育児、マイホーム購入などを考えると、家計の管理、そしてお小遣いのルールをきちんと決めることは大事。先輩のルールは? ファイナンシャル・プランナーさんに教えてもらったアドバイスも参考にして。
みんな、家計とお小遣い、どう分けている?
先輩の新婚カップルに、家計とお小遣いの分け方についてアンケートを実施したところ、ルールはさまざま。多い順に見ると、以下のような結果となりました。
●新婚カップルの「家計とお小遣い」の分け方ルール
【タイプA】ひとつの財布にまとめ、一定額をお小遣いに 31.7%
【タイプB】一方の財布で家計管理、もう一方を貯蓄に 20.2%
【タイプC】費用項目を分けて出し合い、残りをお小遣いに 17.3%
・特に決まったルールで管理していない 16.3%
【タイプD】ひとつの財布に一定額を入れ、残りをお小遣いに 9.6%
その他 4.9%
最も多かったのは「夫婦でひとつの財布にまとめ、決まった額をお小遣いに」というカップルで、全体の3割以上。とはいえ「一方の財布で家計を管理し、もう一方の財布は貯蓄に」というカップルも多く、全体の2割以上を占めています。
まさに夫婦によってさまざまな方法がとられていて、どれが主流ということもなさそうです。
お小遣いの金額・家計の管理の仕方、どう決めた?
特にルールを決めていないカップルを除くと、主な家計の管理方法はタイプA・B・C・Dの4つ。
そこで、実際にこれらのルールで管理しているカップルが、なぜそう決めたのか、実際どのように感じているのか、それぞれのタイプごとに聞いてみました。
私たち、こう管理しています!
【タイプA】夫婦でひとつの財布にまとめ、決まった額をお小遣いに
今は共働きだけど、近い将来、産休・育休・時短勤務のために私の収入が減ったときのことを考えて、新婚当初から財布をひとつにまとめようと決めました。
でも、入れるお金・使ったお金をお互いすべてオープンにすることで、ちょっとした気苦労も。夫が入れるお金が少ない月は、へそくりに回してるんじゃないかとか、勘繰ってしまいます。
【タイプB】一方の財布で家計を管理し、もう一方の財布は貯蓄に
妻の私は季節によって収入にばらつきがある仕事なので、夫の収入だけで家計とお小遣いをやりくりし、私の収入はすべて貯蓄に回すことにしました。
でも実際は、夫の収入だけでは間に合わないことも。貯蓄にするはずの私の口座からときどき引き出してしまうので、なんだかあんまり貯まらないね、とぼやいています。
【タイプC】各自が決まった費用項目を出し合い、残りをお小遣いに
夫が家賃・光熱費を負担し、妻が日々の食料品・生活用品を購入し、それ以外の出費は話し合って決め、残りはお小遣い。余裕ができたら貯蓄に回しています。
負担割合がお互いの収入に合っているし、日々の買い物は妻が仕事帰りにするので、この方法にしました。でも、もうすぐ産休・育休に入ることを考えると、この方法も見直さないと無理ですね。
【タイプD】夫婦でひとつの財布に決まった額を入れ、残りをお小遣いに
ふたりとも月によって収入がバラバラなので、収入の多かった月は自由にお金を使いたいよね、という考えから、毎月固定の金額を家計・貯蓄にして、残りは各自の自由にしようと決めました。
でも、通年で考えると彼の方が収入が多く、私は収入が少ないながらも家事の大部分を負担しているので、なんだか不公平感がぬぐいきれなくて……。
教えてFPさん! どのタイプがいいの?
各タイプのメリット・デメリットについて、FPの鈴木さや子さんに聞きました。
【タイプA】ひとつの財布にまとめ、一定額をお小遣いに
最もシンプルでわかりやすいルール。ただし、資金を移動する側が「隠す」こともできるので、よく話し合いを。
【タイプB】一方の財布で家計管理、もう一方を貯蓄に
最もお金が貯まりやすいルール。ただし、一方の収入でやりくりできることが大前提。無理をすると貯蓄から崩していくことに。
【タイプC】費用項目を分けて出し合い、残りをお小遣いに
最も管理がラクなルール。ただし、家計全体や貯蓄額が不明になりやすく危険。項目ごとの費用が変わると不公平感も生まれやすいので、見直しを考えて。
【タイプD】ひとつの財布に一定額を入れ、残りをお小遣いに
最も公平感のあるルール。ただしAと同様、昇給したことを「隠す」こともできる点に注意して。
みんなのお小遣いはいくら? 収入の何%?
結局、新婚カップルのみんなはお小遣いをいくらに設定しているのでしょう。アンケートによると
●お小遣いの平均額
夫3.4万円/月
妻2.5万円/月
という結果に。
そして、夫婦のお小遣いの合計金額が、収入のどれくらいを占めているかを調べたところ、「世帯収入の13.8%」がお小遣いの平均的な割合となっていることがわかりました。
お小遣い、どれくらいが理想?
前述のデータはあくまで平均的なもの。では、お小遣いの金額として「これくらいが適正」というものはあるのでしょうか。
「お小遣いの金額は、人それぞれ、どんなことにどれくらいお金が必要なのかが違うため、一概に何円・何%が理想とは言えません」と鈴木さん。ただし「何にいくら使ったか、夫婦でどう分けるかより、どれだけ『貯蓄』できているかが大事。貯蓄については、子どもがいない時期には最低でも収入の20%以上を回せるようにしたいものです」。
つまり、「毎月の収入」から「毎月かかる家計」と「貯蓄分として収入の20%」を引いた金額を、毎月のふたりのお小遣いのMAX金額と考えることができそうです。
ふたりのお小遣いは「お互いの収入やこれからの働き方、お金の使い方を考えて、よく話し合って決めたいもの」と鈴木さん。「もちろん使いすぎはNGですが、最初から無理をしすぎず、順調に貯まっているときはお小遣いや夫婦のデート費用を増やすなどして、楽しくやりくりしたいですね」。
From 編集部
お小遣いは「貯蓄」ありきで考えて
お小遣いありきで残りを貯蓄、ではなく「収入ー家計ー貯蓄=お小遣い」という考えをしっかりと持ちたいもの。そして「特に共働きで子どものいない『貯めどき』にしっかり貯蓄力を付けておくことが大事」(鈴木さん)なのだそう。新婚のうちに家計の基盤をつくって、経済的にも円満な幸せ夫婦を目指しましょう!
鈴木さや子 ファイナンシャル・プランナー
2人の娘を持つママFP。マイホーム購入を機にお金の知識の大切さを実感し、FPの資格を取得。11年の専業主婦生活にピリオドを打ち、FP事務所を開業。マネー相談、セミナー講演、執筆を主に活動。キャリアコンサルタントの視点でもアドバイスする。株式会社ライフヴェーラ代表
構成・取材・文/前川ミチコ イラスト/七月マイ
※記事内のコメントは2018年9月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」メンバー105人、マクロミルが既婚女性104人に対して実施したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2018年11月時点のものです
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