身内だけでもただの食事会にならない! “きちんと家族式”の叶え方
家族や親族のみの少人数で行う「家族式」。 参加者が家族だけなので気兼ねない時間を過ごせるものの、身内だけということでやや緊張感に欠け、「普通の食事会」になってしまうかも……なんて心配も。そこで今回は、家族だけの結婚式ながらも、きちんと感に満ちた式を挙げた2組の実例をご紹介! 結婚式の雰囲気をちゃんと味わえる、各ポイントについて解説していきます。
「家族式」は気兼ねがないかもだけど……
結婚式ならではの緊張感を出すにはコツがあるんです!
家族式を行う上での心配事としてよく挙げられるのは、「緊張感が少ない」「フォーマル感が足りない」「結婚式らしさが出せるのか」といった、身内ならではの近しい間柄感をどう払拭(ふっしょく)すればいいか分からないといったもの。
ところが、今回紹介する「きちんと家族式」を叶えた先輩花嫁の実例を見てみると、「結婚式ならではの定番演出やアイテム」「しっかりとフォーマルな雰囲気の会場」など、“押さえどころ”をしっかりとすることで、身内だけの結婚式の心配は問題なく解消できることが判明。
それでは、押さえどころとなるポイントにはどんなものがあるのか、先輩花嫁さんたちの実例で見ていきましょう。
[ケース1]花嫁親と同じ、高原の教会家族式を。奈歩さんカップル
[結婚式データ]
●ゲスト人数、顔触れ:20人、親族のみ
●会場タイプ:教会(挙式)、ゲストハウス(パーティ)
●エリア:軽井沢
[押さえどころ]会場選び
思い入れのある挙式、披露宴会場を選んで家族の繋がりを
奈歩さんが挙式会場に選んだのは、なんと親も挙式を行ったという高原リゾートにある教会。「親の結婚式のビデオを幼い頃に見て、『私も結婚式は絶対ここで挙げたい!』と20年以上憧れ続けていたんです」(奈歩さん)。かねてからの希望を叶えつつ、親にとっても感慨深い会場を選んだことで、家族との繋がりがより深まる式に。
初めましてのゲストが少ない家族式の場合、きちんと感を出すための有効な押さえどころとなるのが、会場。奈歩さんのように、家族や親族ゲストに縁やゆかりのある場所・エリアにある会場を選んだり、語れるストーリーのある会場をピックアップすることで、結婚式らしい特別感を感じられるものに。
また「結婚式は親や親族への感謝の気持ちを伝える場、という気持ちが強かったので、披露宴会場もカジュアルになり過ぎないよう、きちんとした場所を選びました」(奈歩さん)など、挙式会場だけでなく、披露宴会場も披露宴会場用に整えられたバンケットを選ぶことで、きちんと感がしっかり出るひとときに。
[押さえどころ]演出
ムービーやケーキ演出、花嫁の手紙など定番演出も行って華やかに
「家族、親族だけだからこそ、プロフィールムービーを作ることで昔の思い出話ができたりも。こんなことあったね、あの写真懐かしいねといった会話ができ、披露宴の場に花が咲きました」(奈歩さん)というように、家族式でもしっかりプロフィールムービーを準備するのも、結婚式の雰囲気を味わえるポイント。いわゆる「身内ネタ」が多くても、全てのネタを知っている家族だからこそ、楽しめ、思い出に浸ることができる。
また、「ケーキ演出は盛り上がるので取り入れました。ゲストも楽しそうにムービーを撮ったりしてくれたので、やってよかったです。花嫁の手紙は最初は読むつもりがなかったのですが、せっかくだからと彼に勧められたこともあり取り入れることに。親への感謝を改まって伝えることができて、こちらもやってよかったです」(奈歩さん)。というように、結婚式ならではの演出をいくつか取り入れるのもおすすめ。
特にケーキ演出や花嫁の手紙は、結婚式感が特に盛り上がるシーン!家族だけだからと省略せず、きちんと取り入れることで家族の一体感も高まる瞬間に。
[押さえどころ]アイテム
DIYアイテムを用意したり、装花を会場やテーマに合わせてふたりらしさを
「入り口にウエルカムスペースを設け、ウエルカムボードなどを置くだけでも式の雰囲気が出てよかったです。ウエルカムスペースにはふたりで旅行に行ったときの写真をフォトブックにして飾っておいたのですが、それがとても好評でした」(奈歩さん)
式に向けてアイテムのDIYを行うことも、結婚式への気持ちが高まるポイントの一つ。ふたりでウエルカムスペースやアイテムをデザインすれば、式へ参加してくれている家族へのおもてなしにも繋がる演出に。
また「色みを揃えていい感じに飾ってもらいました」(奈歩さん)という会場装花も、しっかり感が出るアイテムの一つ。結婚式らしい特別な装飾アイテムを加えることで、視覚的にも結婚式気分をたっぷり味わえる要素に。
[押さえどころ]料理
デザートビュッフェやティラミスアートなど、イベント要素もあるおもてなし
「座りっぱなしになるのが心配だったのですが、ビュッフェを取り入れたことでゲストが席から立ち上がりやすくなり、ほどよく動き回ってもらうことができました。料理でこだわったのは、ティラミスケーキの上にアートを映し出すことができる演出。その場で撮った写真を映せたので、ゲストも大盛り上がり!食べるのがもったいないくらいで、みんなでわいわいできてよかったです」(奈歩さん)
料理に「お楽しみ要素」を盛り込めば、食事を楽しんで終了ではなく、プラスアルファの語れる話題とともにより結婚式らしいスペシャルな思い出となるもの。またビュッフェなどのイベント感がある演出を取り入れると、会場の雰囲気に動の要素が加わり、メリハリ感のあるプログラムに。
<奈歩さんの家族式タイムスケジュール>
14:00 挙式説明
14:15 参列者集合&親族紹介
15:00 挙式
16:30 披露宴開始(乾杯→前菜→ケーキ入刀(お手本バイト&ファーストバイト)→野菜料理→魚料理→プロフィールムービー→肉料理→デザートビュッフェ→花嫁の手紙→記念品贈呈式→締めのあいさつ)
18:30 お開き
[ケース2]神前式とホテル会食で。まるまるさんカップル
[結婚式データ]
●ゲスト人数、顔触れ:12人、新郎新婦の親、きょうだいとその家族、新郎の祖父
●会場タイプ:神社(挙式)、神社内会食会場(パーティ)
●エリア:愛知県
[押さえどころ]挙式スタイル
少人数にちょうどいい、広すぎない挙式会場での神前式に
「式を挙げた神社には一般の参拝者の方からも見える会場などもありましたが、家族だけの特別感をより感じたかったので、家族のみが入れる特別な会場を選びました」(まるまるさん)
会場に入れるのが「家族限定」という縛りを設けることで、その場の雰囲気が引き締まり、程よい緊張感に包まれた中で式を挙げることが可能。また大切な瞬間を家族だけで共有することによって、絆もさらに深まるきっかけに。
「私のきょうだいの結婚式は全員チャペルでの式だったので、チャペルとは異なる特別な家族だけの思い出を作りたいと思っていました。また、彼は幼い頃に七五三等でこの神社を訪れており、なじみのある神社だったことも会場決定に至った理由です」(まるまるさん)。というように、ふたりや家族にとってもスペシャル感のある場所を会場に選ぶことで、より思い出深いひとときとなるポイントに。
[押さえどころ]演出
ゲスト参加型の演出で式にあたたかい一体感を
「家族だけの式だったので、よくある演出よりはひと味違った、また全員に参加してもらうことで互いの距離が近くなる演出をしたいと思っていました。そこで、だるまモチーフのケーキへの飾りつけと目入れを行うケーキ演出や、星形の絵馬に家族全員それぞれの願いを書き込むという演出を取り入れました」(まるまるさん)
家族だからこそ和気あいあいと楽しめる演出を取り入れることは、一体感が高まるおすすめのアイデア。また、まるまるさんが取り入れた「全員に参加してもらう」という条件は少人数の家族婚と相性がいいので、両家や家族同士の心の距離を縮める一つのアイデアとして、ぜひ取り入れを検討したいところ。
加えて「両家の繋がりを感じられるものにしたかったかので、ウエルカムボードには両家の名前を入れました」(まるまるさん)。というように、アイテムに工夫を凝らすことも、一体感が高まるポイントに。
[押さえどころ]衣裳
お色直しは一着で通してゆったりとした時間に。家紋入り紋付きで家族感も
「自分たちのことにお金を使うよりも、料理や演出など参加者をもてなす部分に費用を充てたかったので、お色直しはせずに衣裳は一着のみとしました」(まるまるさん)
お色直しを省くことで新郎新婦と家族が一緒に過ごせる時間が長くなり、より充実したひとときに。また衣裳代を節約することで浮いたお金で、料理やドリンクのグレードアップ、プレゼントを奮発するというのも参加者の満足度が高まるポイントに。
また「会場の方からの提案を受け、新郎の衣裳には家紋を付けることに。家紋を取り入れることで、家族の歴史を感じるきっかけになるといいなと思いました」(まるまるさん)。こんな、家族の絆を感じることができるアレンジを衣裳で加えるのもおすすめ。新婦の場合には母親から受け継いだアクセサリーを身につける、思い出のある着物をアレンジして着るなどのアイデアも。
<まるまるさんの家族式タイムスケジュール>
10:30 家族全員で挙式会場である神社の本殿へ参拝
11:00 神前式(巫女さんの舞や雅楽演奏→祝詞奏上→指輪交換)
12:30 食事会場へ移動
13:00 食事会開始(乾杯→談笑→ケーキの飾り付けと目入れ→子どもへプレゼント→絵馬書き→家族への手紙と父母へのプレゼント)
16:30 お開き
きちんと家族式のためにできる「押さえどころ」、他にこんなポイントも
今回紹介した以外にも、心配を払拭(ふっしょく)してくれる要素はいろいろ。例えば、「司会者を入れてメリハリを」「格式のあるホテルを選びアットホームでありつつ、フォーマル感を」などをポイントに選んでいた花嫁も。
他にも、「婚姻届の証人署名を演出として取り入れた」「挙式とパーティでドレスのトレーンの長さを変えて、雰囲気が異なるように」「アクセサリーは母に作成を手伝ってもらって、準備から家族に参加してもらった」などなどさまざまな押さえどころが見られました。
From 編集部
特別感を盛り込んで、「きちんと家族式」を実現して
今回紹介した全ての押さえどころに共通していることは、「特別感」。当日に非日常なスパイスを取り入れることで、家族式でも十分にきちんと感を出すことは可能。演出やアイテム、会場に料理や衣裳など、ふたりがこだわりたいポイントをピックアップして特別感を盛り込み、きちんと感を感じられる家族式を、ぜひ実現してくださいね。
取材・文/島袋芙貴乃 イラスト/南 夏希 構成/松隈草子(編集部)
※記事内のコメントは2021年5月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー22人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2021年7月時点のものです
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