【文例付き】親あいさつ後にそのまま使える。お礼状の書き方&出し方
結婚あいさつで相手の親に会った後に、当日の感謝を伝えるお礼状。「送った方がいい気がするけど、どうすればいいか分からない」。そんな花嫁のために、堅苦しすぎず、心が伝わるお礼状の書き方&出し方をご紹介。プロ直伝の文例&解説付きだから、プチアレンジしてすぐ使えます!
今回教えてくれるのは……
(社)手紙文化振興協会認定
手紙の書き方コンサルタント
今の時代に合う手紙の書き方を分かりやすく発信。カルチャースクール、オンラインなどで指導や講演などを行うほか、書籍、企業ウェブサイトの監修など、手紙の力で“書くコミュニケーション力”を高める活動に取り組んでいる。
結婚あいさつの後は<お礼状>を送ろう!
あいさつしたその日のうちに電話やメール、SNSでお礼を伝えるという人が多いと思いますが、これからのお付き合いのけじめとして手紙も送ることをおすすめします。
「堅苦しい」「面倒」など抵抗を感じる人は多いかもしれません。でも、真剣な気持ちを伝えるツールとして、手紙はとても優秀。あいさつの数日後、「感謝の気持ちがこもった手紙」が届くことで、相手の親に「しっかりした人だ」「今どき珍しい丁寧な人だ」と好印象を持ってもらえます。「電話だと緊張してうまく気持ちを伝えられない」と感じている方にも最適です。
プライベートかつ改まった想いをつづるので、通信面が第三者に見られやすいはがきではなく、封書で送りましょう。
先生からのプラスアドバイス<こんなときは送る?>
●元々親しい間柄の場合
普段からメールやSNSでやりとりするような、親しい間柄であった場合にこそ、あえて手書きの手紙を送ると印象的です。日頃からの感謝を伝える、いい機会になります。自分たちの結婚の意識も高まり、けじめにもなるでしょう。相手との関係性によって、形式やマナーにとらわれすぎず、普段通りの言葉遣いで思いをしたためましょう。
●結婚あいさつの場が微妙だった場合
お礼状を書くのをためらってしまいそうな微妙な場になった場合でも、相手が時間を割いてくれたことには変わりありません。ぜひ、一筆送りましょう。その際、当日の話題に触れたり、おわびの言葉を書いたりしない方が無難。あくまでもお礼を伝えたくて筆を取った、ということをつづってみてください。あえて堅苦しくない書き方や便箋を選び、柔らかな雰囲気になるよう努めましょう。
親への結婚あいさつ<お礼状>の基本文例
(相手の父の名前)様(母の名前)様
先日は貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。改めて、おふたりとお話できる機会に恵まれましたこと、とても光栄に感じています。
おふたりの心のこもったお言葉は、どれも胸に響き、身の引き締まる思いでいます。ご用意くださったお料理と、名産のお酒も素晴らしく、とても気に入りました。心に残る一日となりました。あたたかなおもてなしの数々に、感謝いたします。
未熟な私ですので、ご無礼もあったかと存じます。今後ともご指導やご助言をいただけましたら、うれしく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
簡単ではありますが、まずはお礼をお伝えしたく、お手紙を差し上げました。季節の変わり目ですので、おふたりともお体を大事にお過ごしください。
またお目にかかれますときを、楽しみにしています。
〇〇〇〇(自分の名前)
<前文>あいさつの場を設けてくれたことへのお礼を書こう
【POINT】
・時間を作ってくれたことに対するお礼を
・会えてうれしかったという思いを
<前文>の解説
まずは、結婚のあいさつのために時間を割いてくれたことや、あいさつの場を設けてくれたことに対し、感謝する気持ちを伝えましょう。直接会ってお話ができた喜びを、謙虚な思いでしたためます。
<主文>印象に残ったことや心遣いに対する感謝の気持ちを伝えよう
【POINT】
・言葉や心づかいなどに対するお礼を
・印象に残ったことの感想を
・これからの指導をあおぐひと言を
<主文>の解説
掛けてもらった言葉や、温かな心遣い、おもてなしに対してお礼を述べましょう。特に印象に残ったことがあれば、「〇〇のお料理がおいしかった」など、飾らない言葉で具体的に書くと、より気持ちが伝わりもてなしてよかったと思ってもらえそうです。謙虚な姿勢でこれからの指導を仰ぐひと言を添えるのも、今後のよりよい関係づくりに繋がります。
先生からプラスアドバイス<主文>
手紙の本題となる主文の一番のポイントは、相手の笑顔を想像しながら肩の力を抜いてつづること。形式や礼儀などを気にしすぎ、堅苦しい言葉ばかり並べては逆に気持ちが伝わりにくくなってしまいます。末永く付き合っていく相手ですから、等身大の自分に自信を持って伸び伸び書いてみましょう。字の上手下手も関係ありません。できるだけ丁寧に書くことは心掛けてくださいね。
また、先走って結婚生活について書くのは控えましょう。調子に乗っているようにとられてしまうかもしれません。「結婚を許してもらえてうれしい」という直接的な内容にはあえて触れない方が、和やかな雰囲気の手紙になります。
<末文>相手を大切に思う気持ちを丁寧な言葉でつづろう
【POINT】
・健康を気づかう言葉と、再会を願うひと言を
<末文>の解説
季節に合わせた、体をいたわる言葉を添えることで、相手を大切に思う気持ちが伝わります。また、再会を楽しみにするひと言があると、次につながる前向きな雰囲気が生まれますよ。思いを長々と書くより、むしろ、短くても丁寧な言葉遣いでつづられた手紙の方が、相手にとっても読みやすく爽やかな印象になります。
先生からプラスアドバイス<頭語・結語>
よりフォーマルな形式のお礼状にと考えるのなら、頭語と結語を使いましょう。
例えば……
------
拝啓 先日は……
……楽しみにしています。敬具
令和×年×月×日
鈴木〇〇
佐藤太郎様、花子様
------
「拝啓~敬具」で文章を挟み、最後に日付、自署、相手の名前を書きます。特に礼儀を重んじる相手にはこちらがおすすめ。縦書きにするとさらにかしこまった雰囲気になります。
<お礼状>こんなときは、どんなひと言を付け加える?
以前に会ったことがあるとき
相手の親と会ったことがあり、すでに親交がある場合は、これまでにお世話になったことへのお礼もしっかり伝えましょう。
コロナ下で伺ったとき
コロナ下での面会はお互いに気を使うもの。会っていただけたことのお礼を丁寧に伝えましょう。会う時間も限られることが多いので、「短い時間でも会えてうれしかった」という気持ちもつづって。
祖父母やきょうだいに会ったとき
手紙が届いたことはご家族にも伝わるでしょうから、祖父・祖母やごきょうだいにもお会いした場合はそのお礼も伝えるように気を配りましょう。
<お礼状>封筒の書き方の基本
文字を揃えたり、大小つけることで、すっきり美しい印象に
<書き方>解説
封筒に記す内容は、このように普通の手紙の場合とあまり変わりません。文字を揃えたり、大小を付けることですっきり美しく見えます。縦封筒は封をした部分に「〆」を書くと、かしこまった印象に。横封筒は「〆」は不要です。
<お礼状>便箋の入れ方の基本
相手が開封したときに「取り出しやすく、読みやすい」を意識して
〈入れ方〉解説
便箋の入れ方は封筒の形状によって変わりますが、基本は、相手が開封したときに「取り出しやすく、読みやすい」状態であることを意識することが大切です。
縦横の封筒とも、三つ折りにする場合は書き出しが上にくる(下から折り上げる)ように折ると開きやすいため読みやすくなります。
<お礼状>出し方の基本
お礼状を出すタイミングは?
親あいさつが済んでから、早すぎず、遅すぎない「1週間以内」に送るのがいいでしょう。落ち着いて相手のことを思い浮かべながら、心を込めてつづります。
便箋や封筒の選び方は?
便箋や封筒、はがきは真っ白で縦書きの、いわゆる「フォーマルなもの」でなくても問題ありません。相手の喜ぶ顔を想像しながら選んでみましょう。絵柄入りの場合は、相手の好きなものや季節に合うもの、幸福のモチーフがあしらわれたものなどがおすすめです。相手との心の距離が縮まり、「気が利く人だな」という印象にも繋がるでしょう。
筆記道具の選び方は?
せっかくですのでペンはボールペンではなく、「インクペン」で書いてみてください。とりわけ「ブルーブラック」の色は、黒よりも上品で特別感があるのでおすすめです。
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From 編集部
相手の親と関係を深め、結婚に向けたけじめにもなるお礼状
今どきの結婚あいさつでは、その日のうちに電話やメール、SNSでお礼を伝えるという人が多数派。だからこそ、かしこまりすぎず心が伝わるお礼状が後日改めて届くと、親へのインパクト大。「きちんとしている人」と思ってもらえ、これから始まる良いお付き合いにも繋がります。ふたりにとっては結婚に向けたけじめにもなる手紙。あなたも書いて送ってみませんか?
取材・文/笠原恭子 イラスト/高篠裕子
※掲載されている情報は2021年7月時点のものです
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