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【プロが指南】引出物&引菓子選び 基本マナー&リアルな悩みQ&A

結婚式帰りの若者たち

結婚式に出席してくれるゲストに贈る、引出物や引菓子。ただふたりの好きなものを選ぶだけだと、マナー違反になる可能性も。そこで選ぶときに知っておきたい基本マナーを専門家にインタビュー。さらに先輩花嫁さんたちの選んだときのリアルな悩みも紹介します!

「引出物&引菓子」選びで知っておきたい基本マナー

【基本マナー1】決定する前に両家の親に相談しておく

引出物イメージと花嫁が親に電話するシーンイラスト

結婚式では会場や装花、衣裳など、たくさん決めなければならないことがあります。「ふたりの好きなように」という親や、何も言わないけれど「当然、決定前には相談があるよね」と思っている親などとさまざま。いずれにしても、引出物や引菓子を選ぶ前には、両家にきちんと相談しておくのがベターです。

岩下先生のアドバイス

マナーの先生

引出物は、ご招待する人たちを感謝の気持ちを表現するもの。自分たちだけで決めず、早い段階で親に相談を。両家の意見が異なる場合には、ふたりでまずは相談しましょう。品物を選んだ後に「プランナーさんのオススメだけど、どう思う?」などのように、相談する形が取れれば角が立たないのでよいと思います。

引出物の「のし」と「水引」のマナー

引出物の正しい「のし」の書き方と「水引」の選び方についてご存じでしょうか。ここでは、最適な水引とのしに何を書き添えればいいのかをご紹介します。

[水引]……一般的に「赤白」か「金銀」のあわじ結びを選びます。一度、結んだらほどけないことから結婚や全快祝いで使われることのある「結び切り」を使う場合には「切り」という言葉は使わず、「結び留め」と呼びましょう(結婚では切るはNG)。

[のし]……日本では、結婚=家同士の結びつきと考えられているため、苗字を並べて書くのが主流です。しかし苗字と名前を書いた方が差し上げる方を立てる形の書き方となり、より礼儀を重んじている印象を与えます。表書きは「寿」または「内祝」でもOKです。

【基本マナー2】品数は3点が目安。日持ちするもの・重くないものがベター

引出物3点イメージイラスト

古くから日本では、奇数=吉、偶数=凶と言われていて、喜びごとは奇数で合わせます。昔は5点くらい(例えば赤飯や砂糖、お菓子、タイ、折り畳み傘)が主流でした。ですが、今は数よりも質を重視し、3点くらいが多いようです。

岩下先生のアドバイス

マナーの先生

食べ物を選ぶ場合には日持ちするかどうかが大事。それ以外のものを選ぶときにはできれば、重くないものを選びましょう。さらに新郎新婦の名入りのものは先方がお気に召さない可能性もありますので、できれば避けた方がベターです。日常使いができるけど、もったいなくて自分ではなかなか買いづらいものを贈ると喜ばれるでしょう。

【基本マナー3】結婚式にふさわしくないタブーな品物は避けて

NGの引出物イメージイラスト

引出物としてふさわしくない、タブーとされているものがあります。その品物から「切る・割れる・別れる」などを連想させるものは避けた方がいいでしょう。持ち込みをする場合にも、会場のプランナーの方に事前に相談して、アドバイスしてもらいましょう。

岩下先生のアドバイス

マナーの先生

例えば、切ることを連想させる、はさみや刃物はふさわしくありません。くしは、苦と死という言葉を連想させるからNG。また、靴下が履けないほど、貧乏という意味があり、それを贈ることは失礼になります。外で履く靴や下着も同じ理由で目上の方には不適切な贈り物になりますのでくれぐれもご注意を。

先輩花嫁たちの「引出物」選びの悩み こんなとき、どうする?

先輩花嫁のお悩み1/他の結婚式の引出物とかぶらないか心配……

お悩みシーンイラスト

先輩花嫁さんの写真

夫の友人は年齢的にも結婚式の参列回数が多く、引出物もたくさんもらっているだろうと思ったので、かぶらないものを選ぶのに悩みました(ももこさん)

岩下先生のアドバイス

品物がかぶることはマナーとしては「失礼」にはあたりません。ただ、あえていえば、「いくつ持っていても嬉しいもの」を基準に選ぶ、あるいはかぶらないという点においてはゲストが好きなものを自由に選べる「カタログ式ギフト」が強い味方ですね。会社の先輩・上席の方が近日同じ上司をお呼びしている場合などは、さりげなく情報共有をする・してもらう配慮があるとベターです。

先輩花嫁のお悩み2/ゲストを思うと、あれもこれも気になります……

お悩みシーンイラスト

先輩花嫁さんのお写真

重さも気になりますし、一人暮らしの方が食べきれるよう、日持ちなども気にすればよかったと後悔しました(みにょんさん)

岩下先生のアドバイス

贈るゲスト別、ライフスタイル別に合わせて「贈り分け」をしてはいかがでしょうか。ひとり暮らしの方なら、マグカップやカップなどおひとりで使いやすいものを。遠方の方には軽くて、持ち運びのよいものを、など。重い引き出物は、持って帰る際にゲストの負担となることを考えて避ける方が増えてきたようです。

先輩花嫁のお悩み3/配送の場合、個別に選ぶことができるんですよね

お悩みシーンイラスト

先輩花嫁さんのお写真

引出物を配送することにしたため、個別に選ぶことができました。でも、友人によって、男女、独身・既婚などとライフスタイルによって欲しいものも異なるので、それぞれ選ぶまでかなり時間がかかりました(Mさん)

岩下先生のアドバイス

個別に引出物を選ぶことは理想ですが、負担も大きいですよね。年齢別にお年を召した方か、若い方とか、既婚者か独身かなど、4パターンぐらいで分けるくらいがよいと思います。相手に喜んでもらうものを探すのは、日数もかかりますので全部贈り分けする必要はありません。また受け取りの日時などは勝手に設定せずに、事前に確認しておくと、マナー違反になりません。

先輩花嫁のお悩み4/「お箸」は軽いから“しょぼい”って思われる?

お悩みシーンイラスト

先輩花嫁さんの写真

遠方からのゲストが多いので、かさばらないように軽いもの(若狭塗の箸など)を選びたいが箱が小さいので“しょぼい!”と思われたりしないでしょうか(まめこさん)

岩下先生のアドバイス

お箸は、「幸せの橋(はし)渡し」のような意味もあり、引出物で贈るのもオススメです。また、いくつあっても、喜ばれる消耗品です。特に地元の名産品でおふたりに縁のある品であったり、ゲストのお名前入りの特別なものであれば、選んだ理由を書いたメッセージカードを添えて気持ちを伝えてみては。

From 編集部

選ぶ際には最低限のマナーを守って

せっかく心を込めて選ぶ贈り物だから、ゲストのみなさんに喜んでほしい。これから結婚式を挙げようとしているみなさんはそう思われるのでは? 基本マナーを知って、守ったうえでゲストが喜ぶ顔を思い浮かべながら、感謝の気持ちを込めて選んでください!

マナーの先生写真
Profile

岩下宣子さん 現代礼法研究所

全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流小笠原清信氏のもとでマナーを学び、1985年に現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業、学校、商工会議所、公共団体などでマナーの指導、研修、講演と執筆活動を行う。

取材・文/松葉紀子(スパイラルワークス)、イラスト/Nozomi Yuasa、監修/岩下宣子先生 ※記事内のコメントは2018年5月に「ゼクシイ花嫁1000人委員会」のメンバー97人が回答したアンケートによるものです。※掲載されている情報は2018年7月時点のものです。

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