連載「プチギフトや引菓子にフェアトレードのチョコバーを」Stylist 石井なお子[おしゃれで優しいエシカル]Vol.24

お見送りの際に手渡しするなど、多くのカップルが結婚式に取り入れるプチギフト。ささやかな贈り物なだけに、質の良いものやセンスのよいものを選び、ふたりらしく感謝の気持ちを伝えたいですよね。

また、すぐ使えるものがうれしいというゲストは多く、その場でさっと食べられるスイーツなら、お口直しにもなるとの声も。そんな一つとして紹介したいのが、ガーナ産の良質のカカオを使った、フェアトレードのチョコバーです。

私も差し入れやちょっとしたプレゼントにこのチョコレートを使っていますが「おいしい！」「どこの？」と皆さんの反応もよく、おすすめです。

プチギフトはウエルカムスペースにスタンバイ。開宴を待つ間にゲスト自身にピックアップしてもらい、ウエルカムスイーツを兼ねるのも一案です。

ドリンクコーナーなどにトレーやプレートに並べて置き「Thank You」や「welcome」と記されたカードを立てておくと、ディスプレーの一部にもなります。

秋冬のウエディングなどでウエルカムタイムに温かいドリンクを用意する場合も、コーヒーや紅茶に合うチョコレートはいいですね。

プレート上にネームタグを添えたチョコバーを置き、席札を兼ねるのもグッドアイデア。ラッピングの黒の麻ひもを生かし、ゲスト名が書かれたタグを一緒に結び付けるだけと簡単なのに、さりげない心遣いを感じてもらえそう。

「結婚式の料理のお裾分け」という意味もある引菓子。家に帰ったゲストが結婚式の余韻に浸り、ふたりを思い浮かべながら味わってくれたらうれしいですよね。

例えば、ほっとひと息つきたい秋冬のティータイムをイメージするなら、チョコレートにドリンクを添えて引菓子にしてみては。

飲物とのセットなら、甘いものは量があると食べ切れないという方でも無理なく楽しんでもらえるし、コーヒーと紅茶のパターンを考えておけば、コーヒーが苦手な方がいらしても安心です。

セレクトしたアイテムを自分でパッケージする際は、再生紙でできたボックスやクッション（緩衝材）を使うのもおすすめ。

あえてペーパー＆リボンでの包装をせず、ドライフラワーのプチブーケやカードなどを添えて感謝の気持ちを伝えれば、ふたりの思いもゲストに届き、地球にもやさしく。

途上国の生産者と先進国の消費者が対等な立場で取引を行い、生産者の生活向上につなげる仕組みがフェアトレード（公平貿易）。中でもチョコレートやコーヒーは、フェアトレードを代表するアイテムとして日本でも知られるようになってきました。

そんなアイテムをギフトに選ぶことで贈られた人とも作り手とも幸せを分かち合えたら、もっともっとHappyですよね！

さて、さまざまな“エシカルウエディング”のアイデアを1年にわたってお届けしてきましたが、今回が最終回です。

エシカルはそう、「社会のために」が前提ではなく「おしゃれ！」から入ったっていいと私は思います。おしゃれな中に優しいストーリーが潜んでいたら、選んだあなたの思いにきっとみんなの心まで温かくなるはずだから。

もちろん“ささやかだけどちょっといいこと”は、あなたの身近にもたくさんあります。自分たちの大事な人や未来を思う結婚式をきっかけに、何かに優しいことやものを選びたいという気持ちになってもらえたら、何よりうれしいです。

大切なゲストだけでなく、世の中ともちょっぴりHappyをシェアする。そんな思いは、ふたりの未来の幸せへときっとつながるはずです。

Profile

石井なお子 スタイリスト

ウエディングをはじめ、ファッションやインテリアなど幅広いジャンルで活躍。「JUSTIN DAVIS BRIDAL」のイメージビジュアルのほか、全国のホテル・ゲストハウスの広告撮影などでもスタイリングを手掛け、一歩先を行く提案力の高さで信頼を集めている。
1999年にはセレクトショップ「naughty」をオープン。
近年は社会貢献をファッションと絡めて発信していく新たな取り組みに力を注ぐため「THINKS」をスタート。
https://www.thinksthinks.com

スタイリング・撮影ディレクション／石井なお子　撮影／角田明子　構成・文／大平美和　写真・取材協力／一般社団法人 わかちあいプロジェクト
※掲載されている情報と商品の取り扱いおよび価格は2017年6月時点のものです

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