【連載】立原綾乃のOne&OnlyウエディングVol.11「ロケーションからイメージを広げる」
結婚式には人それぞれ異なる想いがあります。時には「ここで挙げたい」という場所そのものがふたりのテーマになることも。今回は立原綾乃さんが手掛けたウエディングの中から、大好きな場所にこだわり、そんなふたりの想いをゲストにも共有してもらったカップルの素敵なウエディングをご紹介します。
この場所での結婚式を決意するまでのお話
花嫁のChifumiさんに初めてお会いしたのは、彼女が軽井沢の「ルゼ・ヴィラ」へ会場見学に訪れた時のことでした。ずっと憧れているこの場所で式を挙げたいけれど、人数が合わないとのこと。その後しばらく悩んでいらっしゃいましたが、翌年「せめてロケーション撮影だけでも。そうすればウエディングは諦めます」と再度相談を受けました。
そして翌年に行った森でのロケーション撮影。ところが自然の中でのウエディングをよりイメージできたことで、気持ちに火が付いてしまったのでしょう。「やっぱりルゼ・ヴィラでなくちゃ」と、次にお会いした時には結婚式への気持ちを固めていらっしゃいました。そこから私たちのプロデュースでウエディングの準備が始まったのです。
3年前からずっと憧れていた会場。ふたりやゲストの姿に加え、ドレスなど大切なアイテムの写真もさまざまな場所で撮影を
今回のカップル「Yukiさん&Chifumiさん」
幼いころから絵本「ピーターラビット」に親しみ、イギリスの湖水地方が大好きなChifumiさん。軽井沢の「ルゼ・ヴィラ」はまさに思い描いていた風景をほうふつさせる運命の場所。親族やごく親しい友人たちと一緒に、長い間温めていた夢を叶えた。
【会場】ルゼ・ヴィラ(軽井沢)
※問い合わせは「TRUEwedding」まで(下記プロフィール欄参照)
ブライズメイド&グルームズメンとの大切な時間
今まで何度もここを訪れ、ルゼ・ヴィラの良さを知り尽くしていたふたり。「みんなにもこの素晴らしさを感じてほしい」という気持ちを強くお持ちでした。ブライズメイドとグルームズメンをお願いする友人たちには前日から一緒に泊まってもらい、男性と女性に分かれて独身前夜のひとときを。翌日はラウンジでゆっくり朝食を取り、朝から優雅なひとときを楽しまれたようです。
ちなみに式前の「ファーストミート」を大切にしたいので、お支度は新郎新婦別々のお部屋で。お互いの友人たちがそばにいてくれたので、リラックスして式を迎えることができました。
【1枚目】親しい友人たちが務めてくれたブライズメイド&グルームズメン。式前夜はお互いの友人とゆっくり過ごした
【2枚目】式の前、控室でグルームズメンとくつろぐ新郎のYukiさん
【3枚目】感動のファーストミートは、綾乃さんと一緒に選んだインポートドレス姿で
ワンポイントadvice 「お飾りではないブライズメイドの役割」
欧米では準備段階から中心となって動いてくれるブライズメイド&グルームズメン。文化の違いもあり、日本ではなかなか難しい部分もありますが、とはいえ写真撮影に華を添えてくれるだけの存在にはしたくありませんよね。式当日だけでもいいので、ぜひお支度から手伝ってもらいましょう。親しい友人たちが近くにいてくれるだけでも、新郎新婦の緊張はかなりほぐれるはずです。
みんなの前で誓うことの大切さをかみ締めて
ガーデンでの挙式は、お互いの愛を確かめ合う感動的なものでした。「あなたと出会ってから6年間、楽しいこともつらいこともありましたが、今こうして一緒にいることに感謝しています。僕の精いっぱいで愛し、幸せにすることをここに誓います」という新郎の言葉は、花嫁だけでなくそばで見守る家族や友人たちの心にもじーんと響きました。
結婚の誓いは、本心から出た「飾らない素直な言葉」だからこそ胸を打つものがありますよね。
【1枚目】お互いの手を取り、みんなの前で結婚を誓うYukiさんとChifumiさん
【2枚目】誓い合うふたりの傍らには、ブライズメイドとグルームズメンの姿が。セレモニーの間も近くでずっと支えてくれた
温かい手作りアイテムに囲まれて
実はふたりの結婚式を陰で支えてくれたのがChifumiさんのお母さま。招待状に使ったロゴをモチーフにして、ウエルカムボードを器用に仕上げてくださいました。招待状やラッピング用のベールもお母さまと一緒に手作り。結婚準備を通し、母娘でかけがえのない素敵な時間を過ごされたことでしょう。
ちなみにブーケはある程度の色味の希望だけ伝えていただき、後は私たちに任せてくださいました。お好みの淡い色をベースに、差し色として濃いピンクを使い、気品ある雰囲気とナチュラルさを融合しました。
【1枚目】お母さまが作ったウエルカムボードは、プロ顔負けの出来栄え。招待状のロゴで使った「鹿の角」をハンドクラフトで再現
【2枚目】ネームプレートを兼ねたコサージュ。新郎新婦自ら一人一人の胸元に付けた
【3枚目】会場のガーデンとテイストを合わせた、優しくナチュラルな雰囲気のブーケ
ワンポイントadvice 「アイテムはみんなで世界観を合わせること」
手作りをするに当たり、花嫁のChifumiさんは「こういうものを作りたいんです」と常に私たちに相談しながら進めてくれました。材料が手に入らないときは、こちらで用意してお渡ししたことも。そうやってお互いが世界観を共有することって、実はとても大切なんです。せっかく心を込めた手作り作品も、会場に飾ったときに統一感がないと、何となくしっくりきませんよね。皆さんもぜひプランナーさんと話し合いながら進めてみてください。
新郎新婦が席を移動しながら一人一人にごあいさつ
パーティでふたりが大切にしたかったのは、一人一人とゆっくり語り合える時間。さらにゲスト同士の仲も深められる、そんなひとときになればという希望をお持ちでした。そこで取り入れたのが「Mr&Mrsチェア」。新郎新婦が自分たちの椅子を持って自由にゲスト卓を回り、会話を楽しんだり感謝を伝える時間をつくれるようにしました。
【1枚目】ゲスト同士の絆も深まった、アットホームなガーデンパーティ
【2枚目】テーブルナンバーにも招待状やウエルカムボードと同じ「テーマロゴ」をあしらった
【3枚目】新郎新婦の「Mr&Mrsチェア」。各テーブルにふたりが座れるスペースを設けておいた
パーティの合間にみんなでガーデンをお散歩
思う存分会話を楽しみ、おなかがいっぱいになったところで、みんなで隣接するガーデンの湖畔をお散歩。ふたりのお気に入りの場所へゲストをご案内しようと計画していた特別な時間です。
お散歩から戻った後は、中庭でケーキカット。その後デザートビュッフェを楽しんだり、ゲストからの心温まるスピーチなどで、和気あいあいのひとときを過ごしてもらいました。
From 編集部
from綾乃「場所が持つ力を最大限に生かして」
いかがでしたか? 大好きな場所をみんなにも楽しんでもらう素敵な一日。写真もたくさん撮り、ふたりにとってもゲストにとっても満足のいくウエディングが叶えられたと思います。会場を下見する際には、「ぜひこの場所をゲストの皆さんにも楽しんでほしい」というスポットを見つけておくといいですね。
立原綾乃 TRUEwedding代表/ディレクター
「結婚式という時間そのものをデザインする」という新しい発想で、日本のウエディングデザイナー第一人者として活動。特定の会場を持たず軽井沢・ハワイに特化した1日1組のオーダーメイドウエディングプロデュース「TRUEwedding」を手掛ける。
相手の想いを形にする抜群のセンスと彼女にしかつくれない温かな時間は、ウエディングにとどまらず、ライフスタイルにおいても多くの女性から人気を集めている。
TRUEwedding TEL03-6450-6363
http://truewedding.jp/
企画・監修・写真提供/立原綾乃 構成・文/南 慈子
※掲載されている情報は2017年5月時点のものです
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