父と娘のサシ時間 ~今だからこそ聞けた、親の愛~
結婚が決まり、あらためて意識し始めるのが“家族”という存在。「挙式前に家族と一緒に過ごす時間をつくりたいな」と考えている花嫁も多いのでは? 中でも気になるのが、「お父さん」との過ごし方。
「父と娘」の時間を叶えた先輩花嫁の素敵なストーリーを紹介します。
“2人旅”で1泊2日
「これからは私がいたわらなきゃ」
小山香織さん(挙式より1カ月前@京都)
父の愛情をたっぷり感じて育った香織さん。彼との交際や結婚は、直接だとお互い照れくさいので、母に間に入ってもらい報告。なかなか父と2人きりで話す機会がなく、挙式1カ月前、急に思い立って、1泊2日の京都旅行に招待することに。
写真:父 文雄さん、娘 香織さん
「『結婚したらできないかも』と思ったのが父娘2人旅を思い付いたきっかけです。親子で歴史好きなので、桜の季節に京都へ。同じ景色を見て感動したり、父の熱い説明を聞きさらに盛り上がったり、楽しい時間を過ごしました。でも、電車や徒歩での移動中、私より先に疲れてしまったり、腰を痛そうにしている父を見て『知らないうちに年を取っていたんだな』と実感。『頼るだけでなく、これからは私がもっといたわらなきゃ』と思うようにもなりました。
宿では、普段はあまり聞けない父の私への思い、今も変わらぬ母への愛情溢れる話などを聞くことができ、幸せな気持ちになりました。『彼のこんなところが好きなの』とか、のろけ話も旅先だと照れずに話せ、聞いてくれる父もうれしそうでした。旅行のときに決意した『父と母のように、私も彼と一生仲良くしよう』『これからも親孝行するからね』という思いは今も変わりません。思い切って父を旅行に誘って本当に良かったです」(香織さん)
本当は寂しい気持ちもありました
娘の結婚が決まり、安心感と寂しさが一気に押し寄せてきていた頃に、旅行に誘われて、素直にうれしかったです。父親を招待するなんて、娘もすっかり大人になったなぁ、と感慨深かったです。
娘とふたりきりの旅行はきっと最初で最後。大好きな京都を娘と楽しく巡り、普段できない話もたっぷりできて、こんなに幸せなことはありません。かけがえのない貴重な時間だったな、と心から感謝しています。(香織さん父 文雄さん)
食事会の帰り道、2人並んで
「父に安心してもらえてよかった」
浦木美咲さん(挙式11カ月前@東京)
大学進学後、美咲さんは地元を離れ、別々に暮らすようになったが、お父さんが仕事などで上京するときは必ず会うほど仲がいいそう。結婚が決まってからも父娘一緒に過ごした時間はたくさんあるが、一番心に残ったのは……。
写真:娘 美咲さん、父 大容さん
「彼からプロポーズされた日、電話で報告したら大喜び。後日、和やかな食事会の後、宿泊しているホテルまで送る道すがら、父と2人並んで歩き、15分ほどゆっくり話ができました。少しお酒を飲んで上機嫌な父が、独り言のように『美咲は大丈夫だ、幸せになるぞ。彼を見たらわかる。お父さん安心できるよ』と。それに続けて『彼の仕事は肉体的にも精神的にも大変だから、美咲は一生懸命彼の支えになりなさい。それがお父さんの望みだ』とも。
彼にプロポーズされたとき以上に『あぁ私、結婚するんだ』と実感し、覚悟が決まりました。
父が面と向かって私を励ましたり、自分の望みを伝えてくれたのは、このときが初めて。『父に安心してもらえてよかった』という気持ちと、『やっぱり寂しい』という気持ちが入り交じって泣きそうに。
今でも父の言葉は一言一句、意識しなくても思い浮かぶほど私の中に染み込んでいて、結婚したときの初心を思い出させてくれます」(美咲さん)
父の気持ち
短い時間でしたが、よい伴侶に巡り会えて結婚できた幸せを娘と一緒にわかちあい、父の願いを率直に伝えることができたひとときでした。結婚後、娘が折につけ、このときの私の言葉を思い出してくれているとは……嬉しいですね。「結婚してよかった」といくつになっても思い合える幸せな夫婦になって欲しい、とあのときも今もこれからもずっと、願っています。(美咲さんの父 大容さん)
ちょっとした時間だっていい
「私たちも、父の思いを聞けました」
あらためて「時間を取って」と父に伝えなくても、ほんのちょっとした時間に話すだけでも大丈夫。“今”だからこそ聞ける父の思いを、聞いてみては?
@実家のキッチンで
10年以上中国へ単身赴任している父が、結婚が決まって、久々に帰国したときのこと。寝る前にキッチンに行ったら父がたばこを吸っていて、30分ぐらい、2人きりで話すことができました。父が母と結婚したときの話や、私が生まれるまでの話など、初めて聞く話がたくさん。自分のルーツを知ることができてうれしかったです。(K・Tさん)
@買い物へ行くドライブ中に
実家に帰ったとき、たまたま父と2人で買い物に行こう、と約1時間、車中で2人きりに。「彼があいさつに来たとき、お父さんが彼にああ言ったのは……」、「お母さんとの新婚旅行では……」など、普段は積極的に話さない父が本音でいろんなことを話してくれました。親の若い頃の話など、この時間がなかったら聞けなかったことが聞けて、本当に良かったです。(ゆんさん)
@実家のリビングで
結婚式の1週間前に帰省したとき、父とリビングで2人きりになり、1時間ほどじっくり話をしました。今までの私の育て方について父が反省する一方で、私の長所は思い切り褒めてくれ、「結婚後はしっかり責任を持って行動するように」とアドバイスしてくれました。普段とはちょっと違う改まった父娘の時間、今も思い出すたびに心が温かくなります。(彌生優子さん)
From 編集部
結婚前の今だからこそ聞ける「父の愛情」があるんです!
先輩花嫁の「父と娘」時間、いかがでしたか? みんなに共通していたのは、「あのタイミングだったからこそ父が本音で話してくれ、あらためて父の愛情を感じた」「父の言葉や思い出が結婚後の糧になっている」ということ。父と娘で旅行やドライブに行くのもいいし、さりげなく2人きりになって短時間じっくり話すだけでもいいんです。結婚前の今だからこそ持てる大切な「父と娘」の時間、ぜひ心に留めて、つくってみてくださいね。
取材・文/笠原恭子 撮影/保田敬介 構成/小森理恵(編集部)
※掲載されている情報は2017年3月時点のものです
※記事内のコメントは2017年1月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」メンバー149人が回答したアンケートによるものです
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