「引出物にオーガニックなワインを」Stylist.石井なお子[おしゃれで優しいエシカル]Vol.2
“おしゃれ”な中に、さりげない“優しさ”がそっと残る。そんな、肩肘張らずに取り入れられるエシカルウエディングのアイデアを、スタイリスト・石井なお子がお届けします。今回は、引出物や内祝いにおすすめの、本当にもらってうれしいオーガニックワインをご紹介。ふたりが「選ぶ」ことで、ゲストはもちろん、世界の誰かにもHappyをお裾分けしませんか?
おしゃれなラベルで開けた瞬間のうれしさと驚きを誘って!
Vol.1でも少しお話しをしましたが、ワインにとってラベルは「顔」です。自分で選ぶときも、ラベルが素敵だとおいしそうに見えたり、ラベルが好みのデザインだと、これは自分に合うかも!と思ったりしませんか? CDやスイーツなどの「ジャケ買い」感覚で、ラベルからワインを選ぶのもセンスを発揮できるアイデアの一つです。
作り手ももちろん、自分のワインの味をイメージしてラベルをデザインしています。例えば、クラシックなデザインだと味もしっかりと重厚だったり、絵画のようなナチュラルな雰囲気だと素材の持ち味が生きていてフルーティーだったり……。ゲスト一人一人を思い浮かべながら、好みそうな味を選べたら一層喜んでもらえそう。味わいだけでなく、ラベルが放つ雰囲気と自分の結婚式のイメージをマッチさせるのも素敵です。
幸せを運ぶエンジェルは至福のウエディングにぴったり
人生を守り導くモチーフとされているエンジェルは、ウエディングのシーンでもよくお目にかかりますよね。中でも子どもの天使は祝福を招くラッキーモチーフと言われています。エンジェルのシルエットを生かして切り抜いたような、立体感のあるデザインも目を引くこと間違いなし。大人のかわいらしさをテーマにしたウエディングにもおすすめです。
人気のシャルドネ種を樫樽で熟成。優しい酸味がかんきつ系果実の味わいを支えながら、余韻にはバニラやヘーゼルナッツを思わせる香ばしいコクが続く白ワイン。シャルドネ(樽熟)白 3350円/ドメーヌ ド ブロー(オーガニックワイン専門店マヴィ)
リュクス感のある華やかなパーティの余韻に浸ってもらえそう
両腕いっぱいに花束を抱えたような華やかなデザインは、特別感があって印象的。艶やかなロゼカラーもお祝いの場にふさわしく、持ち帰って開けてもらったときもふたりの幸せ感がよみがえってきそう。ラグジュアリーなホテルやロマンチックなゲストハウスでのウエディングなどにマッチする一本です。
赤ワインに用いられるピノノワールという黒ぶどうを100%使用し、シャンパーニュと同じ製法で造られたロゼのスパークリングワイン。香りも色合いも華やかで、繊細さと強さを兼ね備えた味わいに。クレマン ダルザス ロゼ 発泡4980円/ドメーヌ ユージェーヌ メイエー(オーガニックワイン専門店マヴィ)
ぬくもりのある風景画でナチュラルなウエディングを印象付けて
フランスの田園風景をそのまま切り取ったような、絵画風のラベルがとってもナチュラル。ガーデンウエディングやアンティークテイストの会場ならイメージもぴったりです。ウエルカムスペースにディスプレーしておくなど、デコレーションアイテムの一部にするとナチュラル感が高まり、演出としての効果もあります。
機械を使わずに全て手作業で収穫される、自然をそのまま瓶詰めしたような豊かな味わいの赤ワイン。口に含むと柔らかい果実味が溢れるように広がり、ボリューム感と豊富なタンニンで飲み応えも十分。カイロル 赤 3450円/ブランケット ベリュウ(オーガニックワイン専門店マヴィ)
リユースできるコットンバッグでふたりらしさもアップ
ボックスに入れたり、割れないように幾重にも包んだり。ボトル類を持ち帰ってもらうためのラッピングは、見た目だけでなく、保護するためのケアも必要です。でも過剰包装はしたくない! そこでおすすめなのが、手作りの布バッグです。丸みのあるボトルを紙できれいに包もうとするとかさばりがちですが、布製ならボトルの形も気にせずさっと入れるだけ。やや厚みがある柔らかいコットンなどを選べば、緩衝材を使わず一枚で済みます。繰り返し使ってもらえたら、うれしいですね。
《写真1枚目》手作りといっても、コットンの布を袋状に縫い合わせるだけなのでとっても簡単。口はあえて切りっぱなしにしておく方が、抜け感が出ておしゃれ!
《写真2枚目》アルファベットのスタンプでさりげなくイニシャルを入れると、ロゴ風のデザインになってふたりらしさもぐっとアップ。タグにメッセージを書き、ひもと一緒に添えればシンプルでスマートなラッピングが完成。
「オーガニックワイン」って、どんなもの?
今回紹介した3本は「オーガニックワイン専門店マヴィ」で購入できるワインです。マヴィさんは日本におけるオーガニックワインのパイオニアとして知られ、私も大ファン! そこであらためて、オーガニックワインについて、教えていただきました。
「オーガニックワインとは、オーガニック(有機)農業で栽培したブドウから造ったワインのことです。オーガニック農業は、植物に化学肥料を与えない、農薬や除草剤などの危険な化学物質を用いない、遺伝子操作を行わないという三大原則の下に行われます。化学物質を使わないということは、水や空気、大地を汚さないこと、生態系を守ることへとつながり、同時に生産者の健康も守られます。また、香料などで補正をしないため、畑や天候など、自然と人の手が造り上げる味のある個性を楽しめるのも大きな魅力です。」(オーガニックワイン専門店マヴィ 田村 安さん)
生産者の“腕”が大きくものをいう!
ブドウそのものの味と、ブドウを作り、醸造をする生産者の腕が、オーガニックワインの魅せどころ! となれば、生産者さんのことも知りたくなりますよね。今回紹介した3本の生産者についても、田村さんにお伺いしました。
写真1枚目:「白ワインの生産者はフランス・ラングドック地方のタリ家。城壁都市として名高いカルカッソンヌの近郊に40haの畑を所有していて、さまざまな品種のブドウを栽培。受賞ワインも多数ある実力者です」
写真2枚目:「赤ワインはフランス・ラングドック地方のベリュウ家です。ブドウ本来の味を引き出してナチュラルを極めるため、S02(二酸化硫黄)を一切使わずにワインを造ります」
写真3枚目:「ロゼのスパークリングはフランス・アルザス地方のメイエー家。ご主人のユージェーヌさんが農薬で失明しかけたのをきっかけに、1969年から、堆肥まで全て自家で作るビオディナミ農法を実践。オーガニックワインのパイオニアともいえる生産者です」
認証マークが正真正銘のオーガニックワインである目印に
オーガニックワインを購入する際、私はまず認証マークがあるかを確かめます。認証を取るには、畑での活動から醸造所での記録まで厳しい基準をクリアする必要があります。マークは国や機関によって異なりますが、日本でも比較的見かけるのはEU各国で定めた有機農産物認証マーク。星が葉っぱの形に並んでいるマークです。同様に、フランス政府の有機農産物認証マークが「AB」と記されたマークです。こういった認証マークを目印にすれば、ラベルが読めなくても確かなオーガニックワインを探せるので、参考にしてくださいね。
ラベルがおしゃれで品質も確かなオーガニックワインなら、大切なゲストへ安心して贈れますよね。ウエディングのギフトとしてだけでなく、ふたりの記念日や 新居でのホームパーティなどにも、ぜひ!
What is Ethical Wedding?
“エシカル(Ethical)”とは人や社会、自然環境などに配慮した消費活動のこと。「人に優しい、地球や環境に優しい、地域に優しい、ことやものを選んで取り入れる」という発想から生まれた結婚式の新たなスタイルが“エシカルウエディング”です。結婚式というHappyな消費をきっかけに、大切なゲストとはもちろん、世の中ともちょっぴり幸せをシェアする。そんな思いは、ふたりの未来の幸せへときっとつながるはずです。
石井なお子 スタイリスト
ウエディングをはじめ、ファッションやインテリアなど幅広いジャンルで活躍。「JUSTIN DAVIS BRIDAL」のイメージビジュアルのほか、全国のホテル・ゲストハウスの広告撮影などでもスタイリングを手掛け、一歩先を行く提案力の高さで信頼を集めている。また、2013年にはファッション×ウエディングの新しい可能性を追求したドレスブランド「Mariee Pollin」を立ち上げ、話題に。近年は社会貢献をファッションと絡めて発信していく新たな取り組みに力を注ぐため「THINKS」をスタート。
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オーガニックワイン専門店マヴィ
TEL03-6826-4310
スタイリング・撮影ディレクション/石井なお子 撮影/角田明子 構成・文/大平美和 取材・写真協力/オーガニックワイン専門店マヴィ
※掲載されている情報と商品の取り扱いおよび価格は2016年8月時点のものです
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