竹内正人先生 産婦人科医
日本医科大学卒業、米国ロマリンダ大学、日本医科大学大学院を経て、葛飾赤十字病院に勤務。東峯婦人クリニック副院長を経て現在はフリーに。著書に『はじめてママの「からだとこころの悩み」お助けBOOK』など。
おなかの赤ちゃんは男の子か、女の子かの性別判明は気になるところ。そもそもいつ性別が決まるのか、超音波写真ではいつ頃から性別がわかるのかなどを、産婦人科医の竹内正人先生に伺いました。
竹内正人先生 産婦人科医
日本医科大学卒業、米国ロマリンダ大学、日本医科大学大学院を経て、葛飾赤十字病院に勤務。東峯婦人クリニック副院長を経て現在はフリーに。著書に『はじめてママの「からだとこころの悩み」お助けBOOK』など。
赤ちゃんの性別は、ママの卵子とパパの精子とが受精したときに決まります。精子には男の子を決定するY染色体を持つY精子と、女の子を決定するX染色体を持つX精子とがあります。受精するとき、そのどちらの精子が卵子につくのかで、赤ちゃんの性別が決まります。
受精した受精卵はどんどん分裂が進み、いろいろな器官が作られます。体や脳に男女の違いが出てくるのは、妊娠6~7週頃です。生殖器の発達は、女の子は卵巣から、男の子は精巣から始まりますが、内性器なので、まだ超音波などで見てもわかりません。
いまは超音波の性能がよくなってきたので、妊娠15週くらいで性別が判断できることが多いです。しかし、赤ちゃんの位置や足を広げているか閉じているかなどのポーズによって、その時期になっていても、わかりにくいこともあります。
より確実にわかるのは、外性器がより発達してくる妊娠20週前後です。超音波で男の子のおちんちんや女の子の外陰部があるのを確かめてから、性別判定をします。性別判定は一方向からだけでなく、何方向からも超音波を見て、確証がないと決定できません。楽しみにしていた健診で「今回はわからなかったね」となることもありますが、焦らずに待つことも大事です。
人がやることなので、全くないとは言い切れませんが、超音波の性能はかなりよくなっているので、見間違うことはまずありません。「おちんちんが見えないから女の子かな?」とかの理由でなく、女の子の場合も外陰部などの性器を確認してから確定させます。医師たちは胎児の頃から内臓疾患がないか?など、もっと細かいところも見ているので、性別を間違うことはほぼないといえます。
おなかの中の赤ちゃんが元気に動き回っていると、「きっと男の子だわ」と思うかもしれませんが、性別と胎動の激しさが関連しているという科学的な根拠はありません。ですが、男の子か?女の子か?の予測は、確率的に半分は当たるので、「やっぱり、当たった!」となるケースも多いもの。それはそれで「子どものことがわかる」という自信につながるし、予想と違っていても、「どっちかな?」と考えながら胎動を感じるのは、幸せな時間です。
おなかが前に出ていると男の子、横に広がったら女の子。ママの顔つきがやわらかくなったら女の子など、諸説ありますが、それらに医学的根拠は全くありません。性別によってホルモンが変化しママの毛が濃くなるなんてこともありません。ただ、「どっちかな?」と夫婦や家族で話すことには意味があります。おなかにいる子のことを想像しながら、一緒に話をすることで、パパの父性意識が高まるメリットもあります。
男の子か女の子かの性別がわかると、より具体的に赤ちゃんのイメージがわいてきます。もうすぐ会える赤ちゃんのことを想像しながら、出産準備を楽しんでください。
構成・文/江頭恵子
イラスト/ヒビユウ
※本記事は、妊娠・出産・育児情報サイト「ゼクシィBaby」のサービス終了に伴い、同サイトでご紹介していた記事を、ゼクシィにて掲載しております。

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