無理なく貯める 新婚家計の節約小技集
将来に備えてがっちり貯めるためには、出ていくお金の見直しも重要。月々は小さな金額でも、年間では大きな出費につながっていることもあるので、一つずつ見直す必要があります。ここでは、節約の考え方、具体的な見直し方法などについて、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美先生に教えてもらいました。
#01|【光熱費・通信費】
契約する会社から見直しを
電気・ガスは新電力・新ガス会社も検討
電気に続き、ガスも販売が自由化され、消費者が自分で電力会社、ガス会社を選べるようになりました。各社それぞれ、お得な料金プランやキャンペーンなどを実施していることもあるので、上手に利用すれば節約に。住んでいる地域に対応している新電力会社、新ガス会社も比較検討してみましょう。
携帯電話はサブブランドや新料金プランも
携帯電話も、大手キャリアのサブブランドや格安プランに乗り換えることで節約できることがあります。より節約したいときは、格安SIMも検討しましょう。結婚を機に、家族割りのきく同じ会社への統一を考える人も多いようですが、それぞれの使い方などによっては、個別に契約した方がお得なケースも(例えば在宅勤務が多い人は、wi-fi接続+格安SIMの3GBプランなど)。また、携帯電話と光回線をセットにするとお得な場合も。
インターネット無料/込みの住まいを選ぶ
最近はインターネットの接続料金が無料(または家賃などに込み)の賃貸マンションやアパートが増えているようです。単独で契約をすると、3000~5000円ほどかかる分、お得になることもあります。ただし在宅勤務が多い人は回線速度も要チェック!もはやネット回線は必需品とも言えるので、賃貸物件を探すとき、チェックしてみましょう。
#02|【家具・家電・育児用品・衣料品】
「借りる」「中古」にも目を向ける
買わずにサブスクを利用する
家具、家電、育児用品、衣料品なども、最近はサブスク(※)が充実。家具や家電などの大きなものは、新婚のうちはサブスク商品を使いながら自分たちに合うものを検討し、家族が増えたときや引っ越すときに買うというのも賢い選択。使う期間が短い育児用品や子ども服も同様。在宅勤務が多く、出社が少ない人は服のサブスク利用も検討してみては?より使用期間が短いものは、レンタルを検討するとよいでしょう。
※:サブスク/サブスクリプション=月額課金制で商品やサービスを一定期間利用できる
フリマアプリで売る・買う
すぐに買い替えるかもしれない家具・家電、使う期間が短い育児用品・子ども服などは、フリマアプリなどを利用して「中古で買う」ことも視野に入れてみては。新品で買うよりぐんとお得に手に入る上、使わなくなったものを売れば、次に欲しいものを買うときの資金の足しにもなります。
服は家で洗えるものを買う
1回数百円のクリーニング代も、回数を重ねると大きな金額になりがち。例えばシャツは形状記憶のもの、おしゃれ着は手洗いOKのものなどを選ぶことで、クリーニングが不要だったり、回数を減らすことができたりと、買った後にかかるコストを抑えられます。
#03|【レジャー・移動など】
比較検討、サブスク利用も
旅行は比較サイトで最安値をチェック
旅行や宿、飛行機などは、予約するサイトによって料金やプランが変わることも多いので、公式ホームページと比較サイトで最安値をチェックしましょう。飛行機は早期予約割引、宿は直前割引で希望の便や宿が見つかることもあるので、予約のタイミングも考えて。
車はカーシェアやレンタカーも考えて
車を所有すると、車そのものの購入費に加え、日々のガソリン代だけではなく、自動車保険、駐車場代、自動車税や車検費用など諸々もかかってくるもの。毎日乗るのでなければ、カーシェアやレンタカーなどを利用する方がいい場合も。車の利用頻度に合わせて料金シミュレーションができるサイトもあるのでチェックしましょう。
#04|【本・新聞・雑誌・映画など】
サブスク、リサイクルショップ利用も
デジタル版やサブスクを上手に活用
本・新聞・雑誌はデジタル版で購読すると節約に。映画は見たいもの・見る回数などによりサブスク利用がお得なこともあります。無料のお試し期間を設けている契約先も多いので、じっくり検討したいときに便利ですが、解約し忘れて利用料金を毎月払い続けていることに後で気付いた、とならないように注意しましょう。
本はリサイクルショップもチェック
本はリサイクルショップを利用して中古のものを買う、読まなくなったものを売る、というのもお得。売るときは、汚れや破損がない、シリーズものが全巻そろっている、など条件を満たせば高く売れるので、買ったときから大切に扱いましょう。
#05|【金融、保険、納税など】
保険は見直し、税金は納め方に工夫を
ポイント経済圏を決める
クレジットカードやスマホ決済などのポイント還元率は決済方法などによっても幅があります。ポイントは経済圏でまとめると、より貯まりやすくなります。例えば、「楽天ポイント」は、「楽天カード」×「楽天ペイ」×「楽天モバイル」。「dポイント」は「dカード」×「d払い」×「docomo」です。自分にとってお得な会社は人それぞれ。使いやすくてお得な会社を絞り、支払いはなるべくその経済圏でまとめるなど工夫しましょう。
保険は節目ごとに見直しを
保険会社をネット生保(ネット専業の保険会社)に変更する、学資保険や養老保険といった満期返戻金がある貯蓄性のある保険を掛け捨て保険に切り替えることで、保険料を節約できるケースもあります。ゼクシィ保険ショップなど中立な立場の相談窓口を利用し、家族の節目ごとに契約内容を見直しましょう。
保険料や税金は年払いなどに
保険料や税金などは、月々より半年払い、半年より年払いなど、まとめて払うことによってお得になるものもあります。どんな支払い方があるのか、契約している保険会社の窓口などで確認してみるとよいでしょう。
ふるさと納税で特産品をゲット
住んでいる自治体以外に寄付をすることで、所得などによって上限はありますが、2000円を除いた寄付金額が控除され、さらにその地方の特産品などをゲットできるお得な制度。ただし、確定申告やワンストップ特例制度などで申告や申請をしないと、ただの高いお取り寄せになってしまうので注意しましょう。
世の中には、知っているのと知らないのでは大きな差が出る節約方法がたくさん。それぞれの節約できる金額は小さくても、それらを組み合わせることで月に数千円、年で数万円という節約につながるので、できることがあったら、今すぐ始めてみましょう。
丸山晴美先生 ファイナンシャルプランナー
節約アドバイザー、ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中