<10秒と30秒の文例付き>結婚式のビデオレター、どう撮る?なにしゃべる?注意点も解説
多くの人からのお祝いメッセージを上映するビデオレター(メッセージムービー)は今や結婚式の定番演出。ただし、メッセージを集める幹事さんの指示があいまいだったり、似たような言葉が続くと残念なビデオレターになってしまうことも。そこで今回は、幹事さんの上手な手配の仕方から文例まで「ビデオレターの制作ポイント」をご紹介。ウエディングプロデューサー二谷真知子さんのアドバイスも参考にしながら、感動的な映像を目指して!
- ビデオレターは会場の確認と、参加者への的確な指示がかなり重要
- 撮影時には、撮影環境や服装、声の大きさなども注意して
- 10秒メッセージの場合は、小物や背景を効果的に活用すると◎
- 30秒メッセージの場合は、幹事がテーマを決めていると参加者も困らない
二谷真知子さん ウエディングプロデューサー
プランナー歴14年。10年前、夫と共に「ウエディングプロデュースCALARS」を設立。地元・京都から関西を中心に、新郎新婦の希望に合わせた場所で、ふたりらしさを叶える自由なオーダーメイド結婚式をプロデュース。
#01|結婚式のビデオレターとは
新郎新婦の関係者からの
お祝いメッセージをまとめた動画
##s##「ビデオレター」とは、友人や職場の人、家族、親族など新郎新婦の関係者がお祝いメッセージを動画で撮って、まとめ役の幹事さんに送り、一本の動画に編集したものです。##e##仲間内からのサプライズとして上映するケースもあれば、グループで余興を頼まれた人が歌やダンスの代わりに披露するケース、新郎新婦からの依頼で制作するケースも。
「お祝いのビデオレターは新郎新婦さんにとても喜ばれますし、結婚式の楽しみの一つにもなります。工夫があれば会場全体が楽しい雰囲気になりますし、親御さんも新郎新婦がたくさんの方に愛されていることを実感して感動されます」(二谷さん)。
「結婚式に出席できなかった人や招待できなかった人に参加してもらうこともできる」「練習が必要な余興よりもゲストの負担が少ない」「完成したビデオレターのDVDは新郎新婦にプレゼントでき、何度でも見てもらうことができる」というメリットも。
#02|ビデオレターの制作前に
知っておきたい!
幹事さん、ここ気を付けて
会場への事前の確認と
参加者への的確な指示が重要
せっかくビデオレターを制作したのに会場で上映できないハプニングが!他にも、幹事さんから参加者への指示があいまいで、参加者を困らせたり、個々の映像の長さや画質、縦横の比率などが参加者によって違ったり……。こんなことにならないよう、以下の点について、新郎新婦から制作を頼まれた場合は新郎新婦に、サプライズで制作する場合は会場に直接確認を。
最も重要なのが「ビデオレターの長さ」
##s##まずは結婚式当日、ビデオレターの上映にかけられる時間の確認を。##e## 「披露宴は意外と短いもの。新郎新婦さんはゲストの皆さまと過ごす時間も楽しみにされていますし、おもてなしの時間も重視されます。そのような中で流すビデオレターですから、時間的な思いやりも必要。特にサプライズの場合、スケジュール的に上映が難しいこともあるので、事前の確認が必須です」(二谷さん)。
所要時間を確認したら、参加人数と個々の持ち時間を決め、「〇秒でビデオレターをお願い」と伝えましょう。
会場によって異なる「映像の縦と横の比率」
スマホでビデオを撮影する場合、横:縦=16:9や4:3がありますが、最適比率は会場のスクリーンによっても異なります。##s##この比率は制作途中で変更できないので、先に確認しておくこと。##e## 「どちらでもOK」だったら、新郎新婦が後日テレビで見やすいように16:9がおすすめです。
この比率は、幹事さんが参加者からビデオレターを集める際に事前に伝えるようにし、参加者は動画の設定画面でその比率に合わせましょう。
無音でないとNGの会場も!とても重要なBGMの使用
「原盤CDの持参をしてくださいと指示がある場合もありますし、フリーの音源しか受け付けない会場などもあり様々です」(二谷さん)。
##s##披露宴で流す音楽は購入したCDのみ使用可だったり、使える曲に制限があることも。##e##そのため、ビデオレターを作成する際は、事前に「音源はどのように段取りをすれば上映可能なのか」を会場に確認しておくと安心◎。
参加者が個々に撮影する場合も同様なので、「BGMは入れないで」「使える曲は……」と、会場に聞いたことをそのまま参加者に伝えて。
完成した映像を焼く「DVDと形式」「提出期限」
ビデオレターはDVD-Rなどに焼いて会場に提出します。パソコンやスマホで編集した映像は拡張子をDVD-VIDEO形式などDVDプレーヤーで再生できる形式に変更しないと上映できないので、会場にDVDの種類と形式を確認しましょう。形式の変更はソフトやアプリで可能です。
完成したビデオレターはちゃんと上映できるかどうか会場でテストしておく必要があるため、提出期限についても確認を。##s##参加者からの動画送付の締め切り期日は、制作スケジュール・提出期限を考慮し、余裕を持って伝えておくと安心です。##e##
幹事さんはビデオレターの制作方法も検討を
一度も映像の編集をしたことのない素人でも、パソコンのソフト、スマートフォンのアプリを使ってビデオレターが作れます。スマートフォンしかなくても、DVDに焼いてもらう手段はあります。とはいえ、調べないといけないこともあって面倒に感じたり、時間がなくて編集までできないという人もいるでしょう。その場合はビデオレターを集めるところまでして、動画の編集をしてくれる業者さんにその先の作業を頼むのも◎。
#03|結婚式のビデオレターを
撮影する際のポイント
特に重要なのは
スマホの使い方や撮影環境
ビデオレターの完成度は素材(個々が撮影する映像)の質でも変わってきます。幹事さんはビデオレターの秒数、縦横の比率、BGMに関すること、締め切り日に加え、以下の件についても参加者にお願いをしましょう。頼まれた方も、不明点があったら、撮影する前に幹事さんに確認を。
撮影はスマートフォンが簡単。横長にして外カメラで撮影を
撮影機材
幹事さんは、誰でも持っていて高画質で撮れ、互換性の高い形式で自動的に保存される「スマートフォンで」と指定を。伝えないとより高画質なカメラで撮ってしまう人も。そうするとその人の動画だけファイルサイズが大きすぎて動画のつなぎ合わせに手間取ります。スマートフォンも4Kだと大きすぎることが。「フルHDで」「FDで」などと指定すると◎。
カメラの向き
会場のスクリーンは横長なので、撮影も横長で。「スマートフォンを縦長にして撮ると、上映した時、その人だけ小さくなってしまいます」(二谷さん)。縦長の映像の上下をトリミングして、横長に編集することもできますが、今度はその人だけ大きな顔に!
外カメラで撮影
自撮りするときに使うインカメで撮ると画質が落ちるので、クオリティーを追求するのであれば外カメで撮影を。できたら誰かに撮ってもらうのがよいですが、自分で撮るならぶれないように、百均のものでも十分なので、スマートフォン用の三脚を立てて撮影するのがおすすめ。
静かで明るいところを選び、小ぎれいな服装で撮影を
撮影環境
披露宴会場のスクリーンは暗めに映るので、できたら昼間、明るい場所で撮影を。風が強くなくて静かな所だったら、屋外での撮影もおすすめ。ただし、逆光にならないように注意を。音楽が流れているお店や車通りの多い場所など、雑音が入りやすい場所での撮影も避けたい。室内で撮影する場合、散らかった部屋が映り込まないようにお片付けを。
服装
お祝いの場で流すものなので、身だしなみは整えて。全身白など、花嫁のドレスを連想する服装はNG。
始めと終わりに「間」を取り、はっきりとしゃべる
前後に取る「間」
シャッターと同時にしゃべり始めると、頭の言葉が切れてしまったり、他の人のビデオレターとのつなぎが不自然になったり……。シャッターを押したらひと呼吸あけて話し始め、話し終わった後もひと呼吸置いて切りましょう。前後の間が長くなってしまったら、編集でちょうどよい長さにカットしてもらえばOK。
声の大きさ
広い披露宴会場のどの席の人にも聞こえるようにはっきりした声でしゃべることも大切。「カメラと距離があると上映した時、声が聞こえないことも。逆に大きすぎる叫び声などは、急に音が大きくなってゲストを驚かせてしまうので、控えましょう」(二谷さん)。
一度紙に書いて文字数を確認し、練習で試し撮りして声の大きさ、長さがちょうどいいか確認してから本番を撮影するのがおすすめ。
重ね言葉や忌み言葉、ネガティブ発言はNG
おめでたい結婚式では、以下の言葉やネタは使わないのがマナー。
重ね言葉
「重ね重ね」「ますます」「度々」など
忌み言葉
「終わる」「おしまい」「切れる」「別れる」など
ネガティブ発言
「短い結婚生活にならないように」「人生は墓場」
その他
内輪ネタ、下ネタ、短所・欠点など新郎新婦を下げる言葉
SNS?ファイル転送サービス?動画の送付方法
撮影したビデオレターを送るには以下の方法があるので、幹事さんは利便性や画質などさまざまな角度から検討して、送る方法も指示しておくとスムーズです。
SNSのメッセージ画面に貼り付ける
もっとも手軽。そのまま送ると画質が落ちることがあるので、画質にこだわるなら、幹事さんはSNSでもよい画質で送れる方法を調べてそれも伝えて。
ファイル転送サービスやオンラインストレージで送る
スマホで撮った高画質な状態で送れる。おすすめは無料で会員登録不要なもの。幹事さんは依頼時にそのURLも知らせておくとスムーズ。
#10秒ver.|結婚式のビデオレターの
アイデアと文例
理想は50字以内。
短いので小物を使って効果的に
10秒だと、一言、二言しか話せず、人とかぶりやすくなります。「多いのが『○○さん、結婚おめでとう。末長くお幸せに』。こういうテンプレ的なメッセージばかりだと面白くありません。##s##10秒で言えることは限られるので、小物を使ったり、撮影場所を工夫して個性を出して##e##」(二谷さん)。10秒ビデオレターのアイデアは以下の通り。
スケッチブックや大きな厚紙を使う
「結婚おめでとう」など冒頭の言葉は文字にして掲げ、それ以外のことを話す。文字はひと目で分かる大きさに。イラストや拡大コピーした写真、各自の名前を入れても◎。
職業や趣味、新郎新婦に関連したアイテムを取り入れる
職場や学生時代の制服を着たり、職場や学校の校庭で撮ったり。ガーデニングが趣味なら左右にお花を並べて、キャンプが趣味ならテントの前で、球技が好きならボールを持って。
仮装や面白いポーズで
ハロウィーンの衣裳を着たり、着ぐるみ、かぶりものを着けたり(その場合、最後に顔を出して誰だか分かるように)。ただし「公共の場を占拠して踊るなどマナー違反になる行為や危険な行為は不適切です」(二谷さん)。
家族や仲間、ペットと一緒に撮る
家族で並び「おめでとう」だけ全員で叫んだり、ペットと一緒にごあいさつするとアットホーム感が出ます。同じグループの人と2人で20秒にして、交互にかけ合う方法も。
【友人・仲のいい同僚・後輩向け】の文例
(サッカーが得意ならグラウンドで撮って)結婚というゴール、ばっちり決めたね。これからは人生のゴールに向かってふたりでLet’ go!(と言ってボールを蹴る)
(新郎の趣味がゲームなら人生ゲームを広げて)ゲームが得意な〇〇君。結婚というゲームも面白いぞ。これからは彼女と過ごす時間を大切に
(新婦が好きな花を持って)このお花のように愛らしくてかわいい〇〇ちゃんの新しい人生がバラ色に輝きますように
【先輩・上司・恩師向け】の文例
(職場の先輩へ。仕事中の写真を掲げて)おめでとうございます。〇〇先輩のプレゼン力を生かし、彼女に最高の人生をプレゼンしてあげてください
(上司へ。「おめでとうございます」と紙に書いて掲げて)すごく尊敬している〇〇さん。会社でもご家庭でも大黒柱として頼もしい存在で居続けてください
(恩師へ。お祝いする書や絵を作って)お世話になった先生のためにお祝いの絵(書を)を描き(書き)ました。お幸せに
【親族向け】の文例
(親から。誕生した頃の写真を持って)〇〇、生まれてきてくれてありがとう。あなたは今までもこれからも一生の宝物。幸せになってね
(兄弟姉妹から。子どもの頃の遊び道具を持って)おめでとう。仲良し兄弟(姉妹)だった私たち、これでよく遊んだね。今度は〇〇さんと仲良く暮らしてね
(おじ・おばから。新郎新婦の大好物の食べ物を持って)結婚おめでとう。〇〇ちゃんが好きだった〇〇。これからは新居に送るので、ふたりで食べてね
#30秒ver.|結婚式のビデオレターの
アイデアと文例
話す内容で悩まないように
テーマを2~3つ挙げるのが◎
30秒の場合、文字数にして120~150字が目安。「結婚おめでとう」「お幸せに」というあいさつに加えて、メッセージらしい内容が盛り込め、人と違ったビデオレターにしやすくなります。
とはいえ「何を言えばいいか」すぐに思いつかない人も多いので、##s##幹事さんは以下のようなテーマを2~3案出して、ビデオレターを頼むとき、「この中からテーマを選んで話してください」と指示すると、ゲストも動画の内容を考えやすくなるのでおすすめ。##e##
「〇〇さんとはこんな付き合い」
自己紹介を兼ねて。新郎(新婦)の第一印象や、第一印象とのギャップを入れても
「〇〇さんのここが素敵(かっこいい)」
新郎(新婦)を褒めたたえる内容に
「〇〇さん、あの時はありがとう」
新郎(新婦)に感謝したいことを伝える
「〇〇さんとの思い出」
新郎(新婦)の人柄がにじみ出るエピソードだとよい。思い出の場所に行って撮影するのも◎
「〇〇さんに贈る円満な結婚生活の秘訣(ひけつ)」
参加者に既婚者が多いときにおすすめ。ただし、お堅い教訓じみないようにするのがポイント
【友人・仲のいい同僚・後輩向け】の文例
結婚おめでとう。高校に入学したとき、〇〇さんと一緒に吹奏楽部に入って3年間を共にした□□□□です。当時は音楽一筋で、男子に興味なさそうだったのに、こんなに早く結婚するとはびっくり。素敵なサプライズをありがとう!部活のときのように「結婚生活も楽しく」をモットーに頑張って!
Happy wedding!〇〇君がすごいと思ったのは大学の講義に遅刻することがめったになかったこと。仲間で集まるときも「みんなを待たせちゃいけない」って5分前を目指してやってくる。人のことを考えることができるいいヤツなんです。この先は彼女のことを第一に、幸せな家庭を築いて!
〇〇君、〇〇さん、結婚おめでとう。今から〇年前、同期でバーベキューパーティをした時、〇〇君が連れてきたのが〇〇さんでした。職場では見せない優しい視線を彼(彼女)に送る姿を見て、その時から結婚を予感していました。今日のふたりをお祝いできてうれしいです。これからもよろしくね
【先輩・上司・恩師向け】の文例
(先輩へ)〇〇さん、このたびは結婚おめでとうございます。私が経理部に配属された時の隣の席が〇〇さんでした。分からないことだらけだった私が今も働いていられるのは、嫌な顔をせず、丁寧に教えてくださった〇〇さんのおかげです。本当にありがとうございました。新しい人生に心からの祝福を贈ります
(上司へ)〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。まだひよっこの私が言うのもなんですが、〇〇さんは身も心もジェントルマンなんです。誰にでも優しくて、気付いたことがあったらこっそり穏やかに教えてくださる。みんなに慕われていて、憧れの存在でもある〇〇さんの結婚、心からお喜び申し上げます
(恩師へ)〇〇先生、ご結婚めでとうございます。思い起こせば〇年前、私が学校で浮かない顔をしていると、鋭いセンサーを持った先生が「どうしたぁ?」と声を掛けてくれ、励ましてくださいました。〇〇先生って本当に生徒のことをよく見ている!先生なら誰もがうらやむおしどり夫婦になると思っています
【親族向け】の文例
(母親から)〇〇、結婚おめでとう。結婚が決まった後、お父さんと子どもの頃のアルバムを見ながら「とても素敵なご縁に恵まれてよかった」って喜び合っていました。〇〇の花嫁姿を見ることができてよかった。これからもたまにはふたりで顔を出してね。〇〇の好きな料理を作って待っていますよ
(兄・姉から)〇〇、結婚おめでとう。子どもの頃、ガキ大将のように元気いっぱいだった〇〇がすっかり大人になり、今日の日を迎えることができて、我が事のようにうれしいです。これからもあなたの一番近くにいるサポーターとして、新しい人生を応援してるよ。幸せになってね
(おじ・おばから)生まれた頃から見てきた〇〇ちゃんの結婚、うれしいなぁ。本当におめでとう。私たち夫婦が今でも仲良くしていられるのは「ありがとう」がお互い言える間柄だからだと思っています。彼(彼女)を思いやる心があれば結婚生活は大丈夫。ふたりの末永い幸せを祈っています
幹事さん、ここまで頑張れば
新郎新婦にとってより素敵な思い出に
ビデオレターの冒頭にオープニング映像、エンディングに制作者・ビデオレター参加者の名前を入れるとかっこいい映像に。「その場合はその時間も含めて所要時間を超えないように作りましょう。当日の上映分は短編、新郎新婦へのお渡し分は長編にして、内容のボリュームを変えるのもおすすめです。DVDのケースや盤面への印刷も可能なら、ぜひやってあげて。何年たっても誰からのムービーだったか分かりやすく、新郎新婦さんも大変喜ばれます」(二谷さん)。
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