小さなその手に

当たり前だけど
赤ちゃんの手は
小さくて　小さくて

柔らかくて　すべすべで
それに
一丁前に指が長くて
大人びた爪もある

その小さな手で
大人の一本指をようやく握ってくれる

ギュッ

たった一本指だけど
力強く握り返してくれたその一瞬に
悲しいも　辛いも忘れて
幸せでいっぱいに満たされる

いつかはこの手で
友情を感じたり　愛情を伝えたり
するんだろうな

今は自分の意思で
多くをつかめなくても

いつかは自分の意志で
誰かにその手をさしのべる時が来る

そのたびに　きっと

今まで知らなかった感情が生まれて
「愛」を知るのだろう

そして将来
最愛の人と巡り会えた君は

素敵なケッコンシキをする

たった一本の指に　
優しさと愛を込めて

一生を捧げる誓いを立てるのだろう

まだ見ぬ未来
大きな夢

そんなことを想いながら
小さな小さなその手を
優しく包み　幸せを願う