サンセット

憧れのプロポーズ

夕日が沈む浜辺で
ひざをついて指輪をもらって…

どこかの映画のワンシーンで見た
憧れのあの景色

あんなプロポーズ
私もされたいなぁって
昔から口癖のように言っていた私

でも
そんな夢みたいなことには
現実にはならなくて

口べたな彼なりに
精一杯のプロポーズ…だったのが

普通の日に
普通に夕飯を食べてる中
普通に「結婚しよっか」

あまりにも
普通の会話のようだったから
私の返事も「うん、そうしよっか」

あとから「これってプロポーズ？笑」
って確認したくらい

理想と全然違うーって
笑いながら言ったけど
普通に嬉しかったから良かった



そんな口べたな彼と迎えた結婚式

ファーストルックの時間
「この扉の向こうに彼がいますよ」

そう言われて開けると
そこにはサンセットビーチが広がっていた

一緒に行った
思いでのハワイのビーチが再現されてて


夕日のようなオレンジ色の光の真ん中で
ヤシの木の下で彼が待ってた


緊張した面持ちで近づいてきて
私の前でひざまづいた

そして
「幸せにします、結婚してください」って

そう言って真っ直ぐな目で私を見てくれた

でもその姿は
どんどん涙で見えなくなって

そんな私が精一杯、振り絞った言葉は
「はい、お願いします」


結果　普通の言葉しかでなかった私
理想のシーンは
彼に嬉しくて抱きつくっていうシーンだったのだけど、笑

口べたな彼が
精一杯のプロポーズ

あの真っ直ぐな目が
私を支えてくれる、

そう思った